エリザベス女王とフィリップ殿下のバチカン訪問 2014年4月3日
(2022.9.8 バチカン放送)
教皇フランシスコは8日、英国のエリザベス英女王がなくなったこを深く悲しまれ、新国王となったチャールズ三世にあてた弔電で、新国王はじめ英国王室の人々、そして英国と英連邦諸国の国民の心からのお悔やみを伝えられた。
教皇は弔電で、エリザベス女王の死を悲しむ人々と心を合わせ、故人の冥福を祈るとともに、「女王の自国と英連邦諸国のための疲れを知らぬ奉仕の生涯と、義務に対する献身の模範、キリスト教信仰の不動の証し、神の約束における確かな希望」に敬意を表された。
そして、「女王の高貴な魂を、天の御父の慈しみ深い優しさ」に託された教皇は、女王の後を継ぎ、気高い責任を担う新国王を「神が揺るぎない恵みをもって支えてくださるように」と祈られ、エリザベス女王の思い出を抱く新国王はじめすべての人々に「神の慰めと力があるように」と、神の豊かな祝福を祈り求められた。
(編集「カトリック・あい」)
Cardinal Secretary of State Pietro Parolin appears on Italian news channel Tg2
(2022.9.3 Vatican News Gabriello Ceraso)
バチカンのパロリン国務長官(枢機卿)が、2日夜のイタリアの ニュースチャンネルTg2に出演、中国との司教任命に関する暫定合意の再延長問題、自衛のための戦いが認められる条件、内外政治におけるカトリック教徒の役割、そしてヨハネ・パウロ1世教皇の列福などについて語った。
*対中関係には多くの困難、道のりは長い
長官は、まず、間もなく再延長の期限を迎える中国との暫定合意について、「誰かと交渉するときは、常に相手の善意を認めることから始めなければなりません。そうでないと、交渉は意味をなさない」と前置きしたうえ、「中国のすべての司教が教皇と交わりをもち、完全に『中国人』で、完全に『カトリック』であることを保証することを目的とした暫定合意が、更新されると確信している」と述べた。
その一方で長官は、バチカンの交渉団が北京に戻ったが、「多くの困難があり、長い道のりがある」ことを認め、「”悪天候”の中で撒かれた”種”が芽吹くのを目にするための旅を続けるには、忍耐が必要です」と必ずしも楽観していない考えを付け加えた。
*キリル総主教と教皇の会見実現の努力続ける
ロシアのウクライナ侵攻が長期化し、子供を含む犠牲者が増え続けている。教皇フランシスコは侵攻を中止させるため、かねてから、プーチン大統領に強い影響力をもつロシア正教のキリル総主教との会談実現を望まれ、9月13日からカザフスタンで開かれる世界宗教者会議の場で総主教と会うことを強く希望されていたが、総主教は先々週になって、同会議を欠席を表明した。
これについて、長官は「(総主教が教皇の会見呼びかけに応えることを)私は信じています」としつつ、それを効果的なものに津するために、「十分に準備する必要がある」と述べた。そして、バチカンとロシア正教モスクワ総主教庁との対話は、「政府当局と強く結びついているロシア正教会の伝統にもかかわらず、継続している。(その伝統は)対話を無効にするものではありません」と、改憲実現の努力を続けることを確認した。
*教皇のウクライナ訪問は
その文脈の中で教皇のウクライナ訪問も以前から言われているが、長官は、教皇のウクライナ訪問の希望は変わっていない、とし、「教皇がかねてから言われているように、状況が適切で、訪問が、教皇の”現場写真”の機会になるのではなく、和平実現に貢献できるタイミングで、訪問することを決意されているのです」と述べた。そしてこの和平は、永続的な平和を求めることを目的とし、侵略する側、侵略を受けている側の両方に向けられたものであり、「公正」かつ「完全」な平和、「すべての人を満足させ、将来の紛争を避けるためにあらゆる側面を考慮に入れた平和」でなければならない、と指摘した。
*攻撃を受けた者に自衛する権利がある
長官はまた、世界の主要国の間で軍拡競争が起きていることを非難するとともに、「攻撃を受けた者に自衛する権利がある」ことを再確認。「『カトリック教会のカテキズム』は武力による自衛の権利を認めており、侵略者を止めることは義務でもある」とするとともに、「自衛権の行使は、条件を満たす必要があり、その場合、現代の兵器の破壊力を考慮に入れなければなりません」と強調した。
さらに、軍拡競争が起きていることに教皇が重大な懸念を抱いておられる理由を説明し、世界各国の軍事費は2021年だけでも総額約2兆 ドルに達していることを挙げ、軍拡競争は愚かな行為であり、「すべての人がすべての人に対してリスクとエスカレートし、他のことに役立てるべき世界の資源が、そのために奪われているからです」と述べた。
*社会の世俗化の中でも、カトリック教徒が”撤退”すべきでない
9月25日に予定される総選挙で最高潮に達するイタリアの政治危機に関連して、長官は、「宗教を私的な領域に追いやる社会の傾向」を指摘。「時にはカトリック教徒も、そのような領域に追いやられる可能性がある」と警告するとともに、「現在の世俗化の傾向の中にあっても、カトリック教徒の”市民生活からの撤退”は認められません。キリスト教の社会的、歴史的側面からみても、これを受け入れることができません」と言明。
「政治におけるカトリック教徒の存在は重要であり、その貢献は重要です。教皇の教えに触発されて、特定の側面に焦点を当てることなく、例えば人生の問題に完全なビジョンを持ち、当事者としてこれを表現することを期待したい」とした。
*ヨハネ・パウロ1世は真の改革者
最後に、4日に列福されるヨハネ・パウロ1世教皇について、「最も貧しい人々に近く、信仰と福音の本質に焦点を当てた司牧者」と評した長官は、「ヨハネ・パウロ1世は率直、謙虚で、保守的であるどころか、第二バチカン公会議の改革の真の、一貫した推進者でした」とし、今でも根強い「毒殺説」を、「真実ではありません」と否定。「彼の死は、自然死でした。それは議論の余地がありません」と述べた。
そして、「社会教説を基礎に置いた移住・移民問題、感染症の大感染、戦争などの問題に関する教会の対応に、ヨハネ・パウロ1世教皇は、依然として影響を与えている」と指摘。「私たちは、この困難な世界に平和をもたらすのに役立つあらゆることを支援します」という教皇の言葉を引用した。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
教皇フランシスコ、イタリア中部ラクィラの修復中のカテドラルで 2022年8月28日 (Vatican Media)
(2022.8.28 バチカン放送)
教皇フランシスコが28日、イタリア中部ラクィラを訪問、2009年の地震の被災者らとお会いになった。
ご訪問の目的は、2009年のラクィラ地震の犠牲者の遺族や被災者を励ますとともに、コレマッジョ聖堂で毎年8月28日から29日まで祝われる行事「チェレスティーノの赦し」の開幕を告げ、同聖堂の「聖なる門」を開くこと。
同日早朝、ラクィラに到着された教皇は、市内中心部ドゥオーモ広場にあるカテドラルに向かわれた。
13世紀を起源とするこのカテドラルは、1703年の大地震で深刻な被害を受け、19世紀から20世記にかけて修復された。しかし、2009年4月6日のラクィラ地震で再び大きなダメージを受け、使用不可と判定された。現在、修復作業が行われている。
カテドラル前で行われた市民との集いで、教皇は地震の犠牲者の遺族をはじめ、この悲劇に大きな尊厳をもって立ち向かった全市民に寄り添いを表明。
苦しみと茫然自失の中にも、十字架上で死に復活したキリストを見つめ続けた被災者たちの信仰の証しに感謝され、「イエスは御父のみ腕に皆さんを託され、御父は皆さんのただ一滴の涙をも無駄にすることなく、すべてをいつくしみ深いその御心に受け止められます… 言葉だけで苦しみを慰めることはできなくても、寄り添いや友情、愛情をもって、互いに兄弟姉妹として助け合い、共に歩むことで前進することができるでしょう」と語られた。
この席で教皇はアブルッツォ州内の刑務所関係者の使節にも挨拶され、「より人間的な社会の構築における希望のしるし」として彼らの仕事を励ました。
教皇は、最後にすべての市民に心からの祝福をおくられた。集いの終了後、教皇はヘルメットをつけ、関係者の案内を受けながら、修復中のカテドラルの内部をご覧になった。
(編集「カトリック・あい」)
(2022.8.27 バチカン放送)
教皇フランシスコは27日の公開枢機卿会議で、福者スカラブリーニ司教、福者ザッティ修道者の列聖式を10月9日に行うと発表された。
福者ジョヴァンニ・バッティスタ・スカラブリーニ司教(イタリア1839-1905)は、聖カルロ・ボロメオ宣教会および同宣教女会を創立。当時、増加していた海外に移民する貧しい人々に深い憐れみと司牧的関心を寄せ、特に渡米したイタリア人移民たちの保護に尽くした。自ら米国やブラジルにおける移民たちを訪問した。
福者アルテミデ・ザッティ修道者(イタリア1880-アルゼンチン1951)は、1897年、イタリアから家族と共にアルゼンチンに移住。1900年、サレジオ会に入会。肺結核を患う司祭を看護する中、22歳で自らも感染し、扶助者聖母に、回復したら病者の世話に人生を捧げたいと祈った。その時の誓いのとおり、修道士、看護師として病者や貧者の奉仕に一生を捧げ、その活動を通し、パタゴニアでの宣教に貢献した。
新枢機卿の叙任式が行われたこの日の公開枢機卿会議で、列聖省長官のマルチェッロ・セメラーロ枢機卿が、2人の福者の列聖日の選択を教皇に願う式文を読み上げ、続いて福者の人となりを紹介。これを受けて教皇フランシスコが列聖式を10月9日の日曜日とすることを発表された。
(編集「カトリック・あい」)
(Credit: Gregorio Borgia/Pool via AP.)
(2022.8.26 カトリック・あい)
ロシア正教の指導者、キリル総主教が9月にカザフスタンで開かれる世界宗教者会議への出席をキャンセル、同会議の機会に教皇フランシスコが希望していた会談も取りやめとなった。
ロシアの国営通信社Ria Novosti が、ロシア正教モスクワ総主教庁の外交責任者の話として伝えたもので、同責任者は「キリル総主教は9月13日から15日にかけて開かれる会議に出席しない。教皇フランシスコの会議も中止になった」と述べた。
教皇が総主教と最初に会談したのは2016年。2回目をさる6月に予定していたが、ロシアのウクライナ軍事侵攻が激しさを加える中で延期された。そうした中で、総主教は、プーチン大統領の”精神的支柱”として振る舞い、軍事侵攻を正当化、戦地に向かうロシア兵を祝福するなど、和解とは程遠い姿勢を続けている。
にもかかわらず教皇が総主教との会談を望んだのは、一対一で顔を合わせ、言葉を交わせば、侵攻停止、和平実現に力を合わす道が開ける、という望みを捨てなかったからだ。
このため、教皇は、「ロシアの軍事侵攻」という言葉を避け、プーチン大統領やキリル総主教を名指しで批判することを控え、対話の扉を開けておくことに心を用いてきた。
しかし、プーチン大統領もキリル総主教も、ウクライナや欧米諸国に対する強硬姿勢を弱めるどころか、ますます激しさをまし、その一方で、このような教皇の”配慮”がウクライナ政府やウクライナ正教会をいらだたせ、両国の歩みよりどころか、敵対意識を高める結果になっている。
そのような状況にもかかわらず、身体的な障害を抱える教皇が、会議への出席だけで肉体的な負担が少ないとは言え、カザフスタン行きを決めたのは、総主教との会談を何とか実現し、和解の道に展望を開きたい、という強い思いを持ち続けていたためだ。
そうした中で、キリル総主教の会議不参加、教皇との会談を事実上、拒否したことで、両国の間に立って和平に近づけたい、とする教皇の思惑は大きく後退を余儀なくされた、といえるだろう。教皇の今後、ウクライナ問題にどのように対応されるか注目される。
Pope Francis embraces a young Ukrainian refugee
(2022.8.12 Vatican News Andrea De Angelis)
教皇フランシスコが12日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談し、大統領はウクライナが継続的な侵略に耐えている中で教皇が祈り続けておられることに感謝を述べた。
電話会談は、教皇がしばしば表明されている「ウクライナのすべての国民との連帯」の一環として行われた。
大統領が自身のツイートで明らかにしたところによると、会談で両者は2月24日にロシアが侵攻を開始して以来、ウクライナ国民が苦悩と恐怖に置かれ続けている現状についての認識を新たにし、大統領側から、教皇の祈りに感謝の意が表明された。
ツイートで大統領は、「ウクライナの国民は、侵略者が犯した恐るべき行為についての真実を世界に伝える力を持つ世界的な精神的指導者の助けを必要としている」と述べ、ロシアによるウクライナ侵略停止の実現に、改めて教皇の助けを求めた。
大統領にツイートに続いて、ユラシュ・駐バチカン・ウクライナ大使もツイートで電話会談が行われたことを伝えるとともに、「ウクライナの国家と社会は、喜んで教皇をお迎えしたい」と教皇のキエフ訪問への希望を表明した。教皇がゼレンスキー大統領と電話会談されたのは、今回が3度目。ロシアが侵攻を開始した2日後の2月26日に初めて電話会談をされ、教皇は、ウクライナで起きている悲劇的な出来事に「深い悲しみ」を表明され、大統領は、ウクライナにおける戦いの終結を平和のために祈ってくれた教皇に感謝し、「ウクライナ国民は、あなたによる精神的な支えを感じています」と語っていた。
ロシアによるウクライナ軍事侵攻が始まって以来、教皇は繰り返し、苦しみの中にあるウクライナ国民に心を寄せられ、今週10日の一般謁見では、「この残酷な戦争にいまだに苦しみ続けるウクライナ国民」に同情と嘆きを表明された。また世界の政治指導者を始め、すべての人々に、「ウクライナで続いている残酷な現実から目を背けず、故郷を追われ、避難してくる人たちを心から迎えることに”飽きる”ことのないように」と訴え続けておられる。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
(2022.8.1 バチカン放送)
バチカンは1日、教皇フランシスコが宗教指導者会議のため、9月13日からカザフスタンを訪問される、と発表した。
訪問は同国政府と教会関係者の招きに応えるもので、9月13日から15日まで。同国の首都ヌルスルタン(旧称アスタナ)で開かれる「第7回世界伝統宗教指導者会議」への出席が主な目的だ。
教皇は、今年4月、カザフスタンのトカエフ大統領とのビデオ会談で、同国訪問へ前向きな意向を表明。7月29日のカナダ司牧訪問からの帰国途上の同行記者団との機中会見で、「カザフスタンには行けたらよいと思う。宗教者会議のための、動きの少ない落ち着いた旅になる」と語られていた。
(編集「カトリック・あい」)