・教皇がイタリア中部・ラクィラ訪問、震災犠牲者悼み、復興の努力称える

教皇フランシスコ、イタリア中部ラクィラの修復中のカテドラルで 2022年8月28日教皇フランシスコ、イタリア中部ラクィラの修復中のカテドラルで 2022年8月28日  (Vatican Media)

 教皇フランシスコが28日、イタリア中部ラクィラを訪問、2009年の地震の被災者らとお会いになった。

 ご訪問の目的は、2009年のラクィラ地震の犠牲者の遺族や被災者を励ますとともに、コレマッジョ聖堂で毎年8月28日から29日まで祝われる行事「チェレスティーノの赦し」の開幕を告げ、同聖堂の「聖なる門」を開くこと。

 同日早朝、ラクィラに到着された教皇は、市内中心部ドゥオーモ広場にあるカテドラルに向かわれた。

 13世紀を起源とするこのカテドラルは、1703年の大地震で深刻な被害を受け、19世紀から20世記にかけて修復された。しかし、2009年4月6日のラクィラ地震で再び大きなダメージを受け、使用不可と判定された。現在、修復作業が行われている。

 カテドラル前で行われた市民との集いで、教皇は地震の犠牲者の遺族をはじめ、この悲劇に大きな尊厳をもって立ち向かった全市民に寄り添いを表明。

 苦しみと茫然自失の中にも、十字架上で死に復活したキリストを見つめ続けた被災者たちの信仰の証しに感謝され、「イエスは御父のみ腕に皆さんを託され、御父は皆さんのただ一滴の涙をも無駄にすることなく、すべてをいつくしみ深いその御心に受け止められます… 言葉だけで苦しみを慰めることはできなくても、寄り添いや友情、愛情をもって、互いに兄弟姉妹として助け合い、共に歩むことで前進することができるでしょう」と語られた。

 この席で教皇はアブルッツォ州内の刑務所関係者の使節にも挨拶され、「より人間的な社会の構築における希望のしるし」として彼らの仕事を励ました。

 教皇は、最後にすべての市民に心からの祝福をおくられた。集いの終了後、教皇はヘルメットをつけ、関係者の案内を受けながら、修復中のカテドラルの内部をご覧になった。

(編集「カトリック・あい」)

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2022年8月29日