(解説)レオ14世の教皇職就任の儀式の進め方は

 (2025.5.16  Vatican News  Tiziana Campisi)

 5月18日、教皇レオ14世の教皇職が正式に始まったことを記念するミサは厳粛な典礼である。この儀式では、ローマ教会を育んだ使徒ペトロと彼の殉教の絆、そして教皇に授与される「Petrine(ペトロ)」の司教徽章(パリウムと漁夫の指輪)の意義が強調される。

   18日午前10時(中央ヨーロッパ標準時)、聖ペトロ大聖堂と広場で行われるミサによって、レオ14世は使徒ペトロの後継者、カトリック教会の司牧者として、厳粛に教皇職を開始する。この儀式は、ペトロに関連する古代の司教のしるしである祭服と漁夫の指輪を含む、深い象徴的意味を持ついくつかの瞬間を特徴としている。

パリウム

 パリウムは子羊の毛で作られた典礼服だ。見つけた羊を肩に乗せる善き羊飼いのイメージを想起させ、復活の主の呼びかけに対して、ペトロが子羊と羊の世話をするように三重の応答をしたことを思い起こさせる。

 テサロニケのシメオンが『De sacris ordinationibus(神聖な叙任について)』の中で書いているように、パリウムは 「迷える羊のように私たちに出会った救い主が、私たちを肩に担ぎ上げ、受肉において私たちの人間性を引き受けることによって、それを神格化し、十字架上の死を通して私たちを御父に捧げ、復活を通して私たちを高められた 」ことを表している。肩にかけ、シャスブレの上に着用する細いバンド。前面と背面に2つの黒いペンダント、6つの黒い絹の十字架、それぞれのペンダントに1つずつ、肩にかかる円形のバンドに4つ、前面と背面にキリストの磔刑の3本の釘を象徴する3つのピン(aciculae )で飾られている。

漁夫の指輪

 漁夫の指輪は、兄弟たちを強めるためにペトロに託された信仰の印章を表し、印章指輪という特別な意味を持っている。この指輪は、イエスの言葉を信じたペトロが、奇跡的な大漁の際に船から網を陸に引き上げたことから、「漁師の指輪」と呼ばれている。

聖ペトロの墓にて

 典礼は聖ペトロ大聖堂の中で始まる。東方諸教会の総主教に伴われ、新教皇は聖ペトロの墓の礼拝堂に下り、そこで祈った後、焼香する。この瞬間は、ローマ司教と使徒ペトロとの深い結びつきを強調するものであり、ぺトロは、他の多くのキリスト教徒とともに、まさにその場所で血をもって信仰の証しをしたのだ。

 その後、2人の助祭がパリウム、漁師の指輪、福音書を持ち、聖ペトロ広場に設置された祭壇に向かって行列を進める。

聖ペトロ大聖堂から広場に向かう

 教皇レオ14世が行列に加わり、ローマ教会の聖なる教皇、殉教者、聖人たちの執り成しを求める「ラウデス・レジアエ」(聖歌)が歌われる。大聖堂の中央扉に掛けられているのは、奇跡的な魚の捕獲を描いたタペストリーで、御言葉の典礼と祝典全体の中心テーマであるイエスとペトロの対話を描いている。このタペストリーは、元々はシスティーナ礼拝堂のためにラファエロの漫画に基づいて作られたフランドルのタペストリーの複製で、現在はバチカン美術館に収蔵されている。

 祭壇の近くには、ジェナッツァーノのマリア神社の聖母像がある。

 この日は復活節の主日であるため、儀式は祝福と聖水の散布で続けられる。続いて、ペトロの上に教会を建てるという御父のご計画を思い起こさせるグローリアと コレクトが歌われる。

 

 

御言葉の典礼

 続いて御言葉の典礼が始まる。スペイン語で宣言される第1朗読は使徒言行録(使徒言行録4:8-12)からで、この中でペトロはキリストを 「建てる者に拒まれた石 」と宣言している。イタリア語で宣言された答唱詩編(詩編117章—118章)は、「石」のイメージを続けている— 「家を建てる者の捨てた石が、隅の親石となった」(118章22節)。

 第2朗読もスペイン語で、ペトロの手紙1(5章1₋5節、10-11節)からで、ペトロとローマ教会、そしてペトロの後継者の宣教のつながりを強調している。

 福音はヨハネ福音書( 21章15-19節)で、ラテン語とギリシア語で読まれ、イエスがペトロに「私の小羊を飼いなさい」「私に羊の世話をしなさい」「私の羊を飼いなさい」と三度、命じられたことが語られる。

ペトロ司教章の授与

 福音朗読の後、それぞれ異なる大陸を代表する3人の枢機卿がレオ14世に近づく。一人目は教皇の上にパリウムを置き、二人目は教皇の上に主の臨在と援助を求める特別な祈りを捧げる。三人目も同様に祈り、「私たちの魂の羊飼いであり司教」であり、ペトロの岩の上に教会を築き、ペトロによって「生ける神の子」と認められたキリストを呼び起こし、新しい教皇に「漁夫の指輪」を授けてくださるよう願い、その後、レオ14世に指輪を贈る。

 この瞬間は聖霊への祈りで締めくくられ、聖霊がキリストの弟子たちを聖体一致のうちに守る力と優しさを新教皇に授けてくださるようお願いする。そして教皇は、「Ad multos annos!」(何年もの間)という喝采の中、福音書をもって集会を祝福する。「多くの年よ!」とギリシャ語で宣言される。

忠誠の誓いを受ける

 世界各地から集まった神の民の中からの12人の代表者が教皇への忠誠を誓う。ミサは、続いて教皇の説教に移る。

 その後、「使徒信条」が歌われ、ポルトガル語、フランス語、アラビア語、ポーランド語、中国語による「普遍の祈り」または「信徒の祈り」が続く。普遍的な教会のため、教皇の職務の始まりのため、文権を持つ立場の人のため、苦しむ人や苦難にあるすべての人のため、そして集まった集会のために祈りがささげられる。

聖体の典礼

 聖歌 「Tu es pastor ovium」(あなたは羊飼い)」が歌われると、パンとぶどう酒を捧げる祈りによって、教会の宣教活動を通して、あがないの実りが全地に届くようにと祈る。その後、教皇レオ14世は第一の聖体の祈りを行い、聖体の儀式が続く。その終わりに教皇は、神が教会を一致と慈愛のうちに確証し、教皇自身が、教皇にゆだねられた群れと共に救われ、守られるように、と祈る。

終わりの儀式

 ミサ閉祭の前に、教皇は短いあいさつを述べる。Regina Celi歌唱の後、教皇は、聖書の「ぶどうの木」と「ぶどう園」のイメージを教会に当てはめた厳粛な祝福を授ける。そして、主が植えられたブドウの木を「見守り」、「守って」くださるよう祈り、主の救いの御顔がすべての人の上に「輝く」よう願う。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2025年5月18日

・長年の知己でありバチカンで共に働いた新教皇について、タグレ枢機卿が語った(Vatican News)

Pope Leo XIV meets Cardinal Luis Antonio Tagle in a private meeting on May 16Pope Leo XIV meets Cardinal Luis Antonio Tagle in a private meeting on May 16 

問:システィーナ礼拝堂で、あなたはプレヴォスト枢機卿の隣に座っていた。ご自身への支持が2/3の多数決に達したとき、彼はどう反応されましたか?

答:微笑みと深呼吸を交互に繰り返されました。それは「聖なる諦め」と「聖なる恐れ」が合わさったものでした。私は静かに彼のために祈りました。彼が必要な票数を得た瞬間、万雷の拍手が沸き起こった(教皇フランシスコが選ばれた時のように)。枢機卿たちは、自分の”弟”であるプレヴォスト枢機卿への喜びと感謝を表しました。それはイエスとプレヴォスト枢機卿の親密なひとときでもありました。私は自分に「聖なる沈黙が、イエスとペトロを包み込むように」と言い聞かせました。

 

 

問:”聖イグナチオの息子”の次に”聖アウグスティヌスの息子”が教皇に選ばれました。イエズス会士の後にアウグスティヌス会士というように、教会には次々と主要な修道会に所属する教皇が誕生しているが、それは何を意味するのでしょう?

答:聖アウグスティヌスと聖イグナチオには多くの共通点があります。二人とも世俗的な経験を持ち、冒険的な探求につながる落ち着きのなさを経験しました。そして、神によって定められた時に、イエスの中に自分たちの心が望むもの、「永遠に古く、永遠に新しい美」、「万物の永遠の主 」を見出したのです。”アウグスティヌス派”と”イグナチオ派”という 「学派 」は、「神の恵みと憐れみ」という共通の土台から生まれ、それが心を解放し、愛し、奉仕し、宣教に赴かせるます。

教皇レオ14世は、アウグスティヌス精神を保ちつつ、教皇フランシスコのイグナチオ精神にも共鳴されるでしょう。私は、教会全体が、いや人類全体が、彼らの賜物から恩恵を受けると信じています。結局のところ、聖アウグスティヌスと聖イグナチオ(そしてすべての聖人)は教会全体の宝なのです。

 

 

問:プレヴォスト枢機卿は宣教司教でした。米国で生まれ育ったが、ペルーで司祭・牧師として養成された。彼は 「2つの世界の教皇 」だと言う人もいます。アジア出身のあなたから見て、人々はそのような教皇をどのように見ているでしょうか?

答:教皇レオ14世の教皇職における恵みの優位性を否定することなく、彼の人間的、文化的、宗教的、宣教的背景が、教皇職にユニークな表情を与える、と私は信じています。これはすべての教皇に当てはまることです。生ける神の御子イエスへの信仰において兄弟姉妹を強める、という教皇の務めは変わりませんが、歴代の教皇はそのユニークな人間性を通してそれを生き、行使するのです。教皇レオ14世の多様な大陸的、文化的な背景は、彼の教皇職において、必ずや助けとなり、教会に利益をもたらすでしょう。アジアの人々は、どの国の出身であれ、教皇を教皇として愛しています。カトリック信者だけでなく、他のキリスト教徒やキリスト教以外の宗教の信者からも愛されています。

 

 

問:多くの人々が、あなたが教皇になることを期待して「応援」していました。そのことをどう感じましたか?イタリア語で言うところの 「papabile 」の筆頭であることを自覚していましたか?

答:脚光を浴びることを好まない私にとって、そのように注目されるのは、むしろ不安でした。その影響を受けないように、精神的、人間的な強さを奮い立たせようとしました。枢機卿たちに課せられた重大な義務、したがって、普遍教会のために正しい意図をもって行動する必要性、「solum Deum prae oculis habentes(目の前にあるのは神だけだ)」という使徒憲章Universi Dominici Gregisの言葉を何度も黙想しました。

それぞれの枢機卿は投票用紙を置く際、こう言います―「私は、私の証人として、私の裁判官である主キリストを呼び求めます」と。ある人への一票が別の人への一票となるような、世俗的な政治選挙の意味での 「候補者 」が存在しないことは明らかです。普遍的な教会の善を求めるとき、勝者と敗者を求めることはありません。この指針は心を浄化し、平和をもたらします。

 

 

問:教皇フランシスコの命日から1カ月が経とうとしています。彼が教会と人類に残した最も永続的な遺産は何でしょうか?

答*教皇フランシスコの教えと遺産について、カトリック信徒、非カトリックのキリスト教共同体、非キリスト教諸宗教の信徒から寄せられた数多くの証言に、喜んでいます。これらの証言が、教皇フランシスコだけでなく、ペトロの務めを理解するための一部として、これからも増え続け、「集められる」ことを願っています。

私としては、教皇フランシスコの教皇職を際立たせた人間性の賜物、すなわち、他者に対して人間的であることを強調したい。フランシスコについての個人的なエピソードがあれば、ぜひ教えてほしい。私たちの世界は、真に人間であることの美しさと価値を再発見し、育む必要があります。教皇フランシスコは、その素朴で、か弱くさえある人間性を通して、自分自身の栄光のためではなく、イエスにおいて完全な人間となられた神のより大きな栄光のために、この探求に多大な貢献をしてこられたのです。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

Cardinal Tagle reflects on Pope Leo XIV as a missionary shepherd

The Pro-Prefect of the Dicastery for Evangelization speaks with Vatican News about Pope Leo XIV, shares his spiritual experience of the conclave, and reflects on the legacy of Pope Francis nearly a month after his passing.

In the Sistine Chapel, during the Conclave, Cardinal Luis Antonio Tagle and Cardinal Robert Francis Prevost sat next to each other. Today, during a private audience, they met once again, one week after Pope Leo XIV’s election and his first Urbi et Orbi blessing.

The American-Peruvian cardinal and the Filipino cardinal have known each other for many years and, over the past two, have worked together closely as heads of their respective dicasteries—Bishops and Evangelization. In this interview with Vatican News, Cardinal Tagle offers a personal portrait of the new Pope, recounts the spiritual experience of the Conclave, and reflects on Pope Francis’ legacy.

Cardinal Tagle, Pope Leo XIV has begun his pontificate following a quick conclave. What stands out to you about this Pope, whom we are all just beginning to know?

I first met Pope Leo XIV in Manila and in Rome when he was still the Prior General of the Order of St. Augustine. We worked together in the Roman Curia starting in 2023. He has a deep and patient capacity for listening and engages in careful study and reflection before making a decision. The Pope expresses his feelings and preferences without imposing them. He is intellectually and culturally well-prepared, but without showing off. In his relationships, Pope Leo brings a calm warmth, shaped by prayer and missionary experience.

On the eve of the Conclave, many spoke of a divided Church and cardinals with unclear ideas about choosing a new Pope. Yet the election concluded on the second day. How did you experience this Conclave, your second after 2013?

Before any major, global event, you hear speculation, analysis and predictions–and a conclave is no different. I have participated in two conclaves which I count as a real grace. In the conclave of 2013, Pope Benedict XVI was still alive, while in the conclave of 2025, Pope Francis had passed into eternal life. We should bear in mind the difference in context and atmosphere. While each of the two conclaves was a unique and unrepeatable experience, some elements remain constant.

In 2013, I wondered why we had to wear choral attire during the conclave. Then I learned and experienced that a conclave is a liturgical event – a time and space for prayer, for listening to God’s Word, the stirrings of the Holy Spirit, the groanings of the Church, humanity and creation, for personal and communal purification of motivations, and for worship and adoration of God, whose will must reign supreme. Both Pope Francis and Pope Leo were elected on the second day. The conclave teaches us, our families, parishes, dioceses, and nations that communion of minds and hearts is possible if we worship the true God.

In the Sistine Chapel, you were sitting next to Cardinal Prevost. How did he react when the 2/3 majority vote was reached?

His reaction alternated between smiling and breathing deeply. It was holy resignation and holy fear combined. I silently prayed for him. The moment he got the required number of votes, a thunderous applause erupted, (much like at the election of Pope Francis). The Cardinals expressed joy and gratitude for their brother, Cardinal Prevost. But it was also an intimate moment between Jesus and him, which we could not enter nor disturb. I said to myself, “Let holy silence envelope Jesus and Peter.”

After a son of St. Ignatius, we have a son of St. Augustine. What do you think it means that the Church has one Pontiff after another who belonged to a major religious order, an Augustinian after a Jesuit?

St. Augustine and St. Ignatius had many things in common. They both had worldly careers and experienced a restlessness that led to adventurous pursuits. Then, at the time appointed by God, they found in Jesus what their hearts desired, “Beauty ever ancient, ever new”, “Eternal Lord of all things.” The Augustinian and Ignatian “schools” arise from a common ground of God’s graciousness and mercy which frees the heart to love, serve and go on mission.

While keeping his Augustinian spirit, Pope Leo will also echo the Ignatian spirit of Pope Francis. I believe the whole Church – and indeed the whole of humanity – will benefit from their gifts. After all, St. Augustine and St. Ignatius (and all the saints) are treasures of the whole Church.

Cardinal Prevost was a missionary bishop. He was born and raised in the United States, but formed as a priest and pastor in Peru. Some have said he is the “Pope of two worlds.” From your perspective in Asia, how do people view such a Pope?

Without denying the primacy of grace in the ministry of Pope Leo, I believe that his human, cultural, religious and missionary background will give a unique face to his ministry. But this is true of all Popes. The Petrine ministry of strengthening brothers and sisters in the faith in Jesus, the Son of the living God, remains the same—but each Pope lives and exercises it through his unique humanity. Pope Leo’s multi-continental and multi-cultural background will surely help him in his ministry and benefit the Church. The people of Asia love the Pope as Pope, whichever country he comes from. He is loved not only by Catholics, but also by other Christians and followers of non-Christian religions.

Many people were “supporting” you, hoping you would become Pope. How did you experience that? Were you aware that you were, as they say in Italian, a leading “”?

As someone who does not enjoy being put in the limelight, I found the attention rather unsettling. I tried to muster spiritual and human strength in order not to be affected. I meditated a lot on the words of the apostolic constitution Universi Dominici Gregis concerning “the grave duty incumbent on (the Cardinals) and thus on the need to act with right intention for the good of the Universal Church, “solum Deum prae oculis habentes.”

While placing his ballot, each Cardinal says, “I call as my witness Christ the Lord who will be my judge, that my vote is given to the one who, before God, I think should be elected.” It is clear that there are no “candidates” in the worldly sense of political elections, where a vote for one is a vote against another. When you seek the good of the Universal Church, you do not seek for winners and losers. This guiding principle purifies the mind and brings peace.

We are approaching the one month anniversary of Pope Francis’ death. In your view, what will be the most lasting legacy he leaves to the Church and to humanity?

My heart is gladdened by the numerous testimonies given by the Catholic faithful, non-Catholic Christian communities and members of non-Christian religions about the teaching and legacy of Pope Francis. I hope these testimonies continue to grow and be “gathered” as part of our understanding not only of Pope Francis but also of the Petrine ministry.

For my part, I would highlight his gift of humanity—of being human to others—which marked his Pontificate. If you have a personal story to tell about him, share it. Our world needs to rediscover and to nurture the beauty and worth of being authentically human. Pope Francis, through his simple and even frail humanity, has contributed immensely to this search, not for his own glory, but for the greater glory of God, who in Jesus became fully human.

2025年5月17日

・教皇レオ14世、ウクライナ東方カトリック教会のキエフ大司教と会見

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年5月16日

・教皇レオ14世の5月後半の典礼行事を発表

Pope Leo XIV's first Mass was celebrated with the College of Cardinals on May 9Pope Leo XIV’s first Mass was celebrated with the College of Cardinals on May 9  (@Vatican Media)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年5月13日

・教皇レオ14世、ウクライナのゼレンスキー大統領と初の電話会談

Ukrainian President Volodymyr Zelensky attends a press conference after meeting EU leaders in KyivUkrainian President Volodymyr Zelensky attends a press conference after meeting EU leaders in Kyiv  (AFP or licensors)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年5月12日

・教皇レオ14世の就任ミサは18日に聖ペトロ広場で ―最初の3週間の予定発表

(2025.5.9  Vatican News )

   バチカン報道官室が9日、新教皇レオ14世の今後のスケジュールを次のように発表した。就任ミサは、ローマ時間5月18日午前10時から、聖ペトロ広場で行われる。

  • 10日(土) 枢機卿との会見

  • 11日(日)聖ペトロ大聖堂中央バルコニーから正午の祈り

  • 12日(月)国際報道陣との会見

  • 16日(金)外交団(代表団長)との会談

  • 18日(日)午前10時、聖ペトロ広場で、 教皇就任ミサ

  • 20日(火)城壁外の聖パウロ大聖堂の所有権取得

  • 21日(水)最初の水曜恒例一般謁見

  • 24日(土)教皇庁およびバチカン市国職員との会見

  • 25日(日) 正午の祈り

  • – 聖ヨハネ・ラテラノ聖堂の所有権取得

  • – 聖マリア・マジョーレ大聖堂の所有権取得

  •  なお、報道官室は別の声明で、教皇の 「バチカンの各部署の長やメンバー、バチカン市国のための教皇庁委員会の秘書や委員長が、それぞれの役割donec aliter provideatur (別段の定めがあるまで)暫定的に継続することを望む 」という意向を伝えた。ただし、教皇レオ14世は、「決定的な任命や確認 」を行う前に、「内省、祈り、対話のための一定の時間 」を取る権利を保持している。

 

2025年5月10日

・教皇フランシスコ、サンタ・マルタ館でバンス米副大統領とお会いに

2025年4月20日

・教皇、聖木曜日にローマの刑務所を訪問ー「今年は洗足式ができないが、皆のそばにいたい」

教皇フランシスコと受刑者との出会い 2025年4月17日 ローマ、レジーナ・チェリ刑務所教皇フランシスコと受刑者との出会い 2025年4月17日 ローマ、レジーナ・チェリ刑務所  (ANSA)
(2025.4.17  バチカン放送)
 聖木曜日の17日午後、教皇フランシスコは、ローマ市内のレジーナ・チェリ刑務所を訪問された。
 同刑務所は、バチカンから近いトラステヴェレ地区にある歴史ある刑務所。17世紀の修道院の建物が19世紀後半から刑務所として使用されてきた。教皇が同刑務所を訪問するのは、2018年に続き、今回で2度目。

 刑務所に到着された教皇は、所長に迎えられ、「ロトンダ」と呼ばれる円形ホールで、年齢も国籍も様々な約70人の受刑者とお会いになった。彼らは、刑務所付き司祭が行なっている要理教育のクラスやその他の活動に的的に参加している人々。

 この集いで、所長が代表して教皇の訪問に感謝を述べると、教皇は、「イエスが最後の晩さんで弟子たちの足を自ら洗われたことにちなむ洗足式を、毎年聖木曜日に刑務所で行うことにしてきました… 今年はそれができませんが、皆さんのそばにいたいと思いました。皆さんとご家族のために祈ります」と述べられた。

 最後に、教皇は円形ホールの一人ひとりの受刑者に挨拶され、「主の祈り」を皆と共に唱え、およそ30分間の訪問を終えられた。

(編集「カトリック・あい」)

2025年4月18日

・教皇、治療を継続、十字架の道行の黙想のテキストを準備

教皇フランシスコ、受難の主日のミサの後で 2025年4月13日 バチカン・聖ペトロ広場教皇フランシスコ、受難の主日のミサの後で 2025年4月13日 バチカン・聖ペトロ広場  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

(2025.4.15  バチカン放送)

 バチカン広報局が15日発表したところによると、療養中の教皇フランシスコは、運動面、呼吸面、発語の点において、改善を続けている。

 酸素投与については、無くても大丈夫な時間の方が長く、高流量の酸素投与に関しては残留的なもので、治療を目的に常に夕方の時間帯と必要な時に行われている。

 様々な治療が継続され、バチカン諸機関の責任者たちとの短い会見も続いておられる。

 今年の十字架の道行の黙想のテキストは、教皇によって準備され、18日の聖金曜日の正午に発表される予定。

 コロッセオにおける十字架の道行は、バルダッサーレ・レイナ枢機卿が主宰。17日、聖木曜日の午前の聖香油ミサは、使徒座管財局・前局長ドメニコ・カルカーニョ枢機卿が司式する。聖木曜日、主の晩餐の夕べのミサが聖ペトロ大聖堂で午後6時から捧げられるが、教皇によるミサではない。18日の聖金曜日の「主の受難」の典礼は、クラウディオ・グジェロッティ枢機卿が行う。諸儀式の司式者は教皇から委託される。

 過越の聖なる三日間の典礼における教皇の参加についての示唆はまだない。次回のブリーフィングは金曜日に予定されている。

(編集「カトリック・あい」)

2025年4月16日

・教皇、受難の主日の前日、ローマの聖マリア大聖堂を訪問

「サルス・ポプリ・ロマーニ」の礼拝堂で祈る教皇フランシスコ 2025年4月12日 ローマ、聖マリア大聖堂(聖マリア大聖堂の「サルス・ポプリ・ロマーニ」の礼拝堂で祈る教皇フランシスコ=2025年4月12)

(2025.4.12 VATICAN NEWS)

 教皇フランシスコが12日、ローマ市内の聖マリア大聖堂(サンタ・マリア・マッジョーレ)を訪問された。

 バチカン広報局の発表によると、枝の主日(受難の主日)を翌日に控えた12日午後、教皇は聖マリア大聖堂を訪問され、古い聖母子画「サルス・ポプリ・ロマーニ」(「ローマ人の救い」の意)の前で祈られた。

 教皇フランシスコと「サルス・ポプリ・ロマーニ」の絆は深く、海外訪問の前後や、様々な機会に、このイコンを掲げた礼拝堂で祈りを捧げられている。先月23日にジェメッリ総合病院から退院された際も、同大聖堂に立ち寄られ、「サルス・ポプリ・ロマーニ」の祭壇に捧げるために、花束を同大聖堂協働主席司祭、ロランダス・マクリクカス枢機卿に託された。

(編集「カトリック・あい」)

2025年4月13日

・教皇、順調に療養生活を続けておられるが、聖週間の儀式についてはまだ指示が出ていない

(2025.4.11  バチカン放送)

 バチカンの広報局は11日の記者団への説明で、サンタ・マルタ館で療養中の教皇フランシスコは「順調に療養生活を続けておられる」と述べた。

 教皇の容体は、運動面、呼吸面、発語の点において、徐々に改善を見せながら安定しており、血液検査値は良好。酸素投与を長時間受けることはなく、高流量の投与は今ではわずかで、治療を目的に行われている、という。

 ここ数日、教皇は、総務局長ペーニャ・パラ大司教、外務局長ギャラガー大司教、外交官人事局長ルッソ大司教、および教皇庁の省や諸機関の何人かの責任者の訪問を受けられた。

 聖週間の儀式への教皇の臨席に関しては、まだ指示はない。13日の「枝の主日(受難の主日)」のミサは、教皇の代理として、サンドリ枢機卿が司式する。

 昨日(10日)、教皇は散策をしておられたが、そのまま聖ペトロ大聖堂まで祈りに行くことを望まれた。

 次回のブリーフィングは、聖週間中の火曜日、15日を予定している。

(編集「カトリック・あい」)

2025年4月12日

・教皇、聖ペトロ大聖堂を”サプライズ”訪問、聖ピオ10世の墓前で祈られる

(2025.4.10 Vatican News  Salvatore Cernuzio)Pope FrancisPope Francis  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

2025年4月11日

・教皇フランシスコ、サンタ・マルタ館で結婚20周年の英国王夫妻と私的会見

教皇フランシスコ、チャールズ英国王夫妻と 2025年4月9日 (教皇フランシスコ、チャールズ英国王夫妻と 2025年4月9日)  

 療養中の教皇フランシスコは9日午後、英国のチャールズ3世国王とカミラ王妃をサンタ・マルタ館にお迎えになり、二人の結婚記念日のお祝いの言葉を述られた。結婚20周年と国王の父であるエディンバラ公フィリップ殿下の死去から4年目という、英国王室にとって特に意義深いこの日、英国王ご夫妻は、ミラ王妃は、同館を訪問され、教皇と非公式に面会された。

 現地時間9日夜(日本時間10日未明)に発表した声明で、バチカン報道官は、「教皇が9日午後、英国王ご夫妻と非公式に面会された。面会の中で、教皇はお二人の結婚記念日を祝う言葉を述られるとともに、ご自分の健康の早期回復を願われた国王のお気持ちに感謝された。

 教皇の国王夫妻へのお祝いの言葉は、国王が1年前にがんと診断され、3月末にその治療の副作用で入院されたことを気遣うものだった。

 教皇の英国国王夫妻との面会は、教皇が両側肺炎で入院・治療を始められた3月初旬に前後して、バチカン報道官室から発表されていた。だが、3月24日付けの追加発表では、教皇の回復状態を考慮し、面会は見送られる、とし、「国王ご夫妻は、教皇の回復を祈念し、教皇が回復された暁にはバチカンを訪問することを楽しみにしておられる」としていた。

 この追加発表は訂正される形となり、英国王夫妻は9日午後、教皇に直接、お見舞いの言葉を伝えることができた。10日朝、英国王室の公式ホームページに投稿された記事は「国王夫妻は、結婚20周年について教皇が述べられた優しい言葉に深く感動し、直接お見舞いの言葉を伝えることができたことを光栄に思っている」としている。

 3日間のローマ訪問中、チャールズ国王は、イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領、ジョルジャ・メローニ首相とも面会。9日は、英国君主として初めてイタリア議会で演説された。

 チャールズ国王は英国(および14の英連邦王国)の君主であるだけでなく、英国国教会の最高指導者でもあり、2019年、40年以上ぶりに英国人が聖人に列せられることとなったジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿の列聖式の前日の2019年10月12日、当時、皇太子だった国王は『L’Osservatore Romano』誌に記事を寄稿し、この出来事を「英国のみならず、カトリック教徒のみならず、彼が体現した価値観を大切にするすべての人々にとって、祝うべき出来事である」と述べ、よく13日にバチカンで行われた列聖式に出席され、式後、教皇と挨拶を交わされていた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2025年4月10日

・療養中の教皇、若干の改善をされつつ安定、一部の謁見を再開

教皇フランシスコの住まいがあるバチカンのサンタ・マルタ館教皇フランシスコの住まいがあるバチカンのサンタ・マルタ館 

 バチカンの広報局は8日、療養中の教皇フランシスコの様子について、報道陣に「6日の日曜に見られたように、運動面、呼吸面、発語においてわずかな改善を得ながら、安定しておられる」と述べた。

 説明は以下の通り。

・教皇はこれまで通り、治療と、仕事、祈り、毎日のミサ、休息のうちに一日を過ごされている。

・酸素の投与については、夜間は必要な時のみ、高流量の投与が行われている。臨床検査の点からも、安定した状況が続いている。特に運動療法と呼吸療法をはじめとする治療が継続されている。

・教皇は執務を続けられ、教皇庁の様々な省と常に接触を保ち、書類を受け取り、ここ数日は、少しずつ一部の謁見を再開されている。国務長官パロリン枢機卿とは7日に謁見された。

・聖週間の儀式についての指示は、まだ教皇からいただいていない。9日の水曜恒例一般謁見の際の聖年連続講話のテキストは、これまで通り発表される。

(編集「カトリック・あい」)

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