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◎「いつも愛しなさい、全ての人を愛しなさい」-教皇、バーレーン国立競技場でミサ
(2022.11.5 Vatican News Francesca Merlo)
バーレーン訪問3日目の5日午前、教皇フランシスコは、アワリ市内のバーレーン国立競技場でミサを捧げられ、参加したすべての信徒たちに、「悪の鎖を断つように、全ての人を常に愛することで暴力の悪循環を壊すように」と促された。
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ミサ中の説教で、教皇は、先に朗読されたイザヤの「(私たちのために生まれた一人のみどりごの)主権は増し、平和には終わりがない」(イザヤ書9章6節)という言葉を取り上げられた。
そして、「私たちは、『より多くの力を求めれば求めるほど、平和を脅かす』ことに、よく気づかされます。ですから、このイザヤの言葉は現実と矛盾しているように聞こえますが、彼は驚くべきニュースを告げているのですー『私たちのところにおいでになるメシアは、戦争を起こしたり、他者を支配する司令官ではなく、神と人とを、そして人を互いに和解させる”平和の君”(9章5節)として、強い力を持っておられるのだ、と」と語られた。
教皇は続けて、「その偉大な力は、暴力によるものではなく、愛の弱さによるものです」とされ、信徒たちに、一度、立ち止まって、今、朗読されたイエスの言葉、山上の説教で群衆に語られた「常に愛し、すべての人を愛するように」(マタイ福音書5章38⁻48節参照)について考えるよう求められた。
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*常に愛しなさい
◎「求められているのは『多様性の中の一致』と『命の証し』」ー正教会などキリスト教指導者たちと祈りの集い
(2022.11.4 Vatican News Christopher Wells)
教皇フランシスコは4日、バーレーンでの2日目の終わりに、アワリのアラビアの聖母大聖堂でコンスタンティノープルの正教会総主教やこの地域の他のキリスト教指導者たちと、信仰一致の集いを持ち、平和の祈りを捧げられた。
教皇はあいさつの冒頭、「主の聖なる体を傷つけてきたキリスト教徒の分裂」を嘆かれるとともに、「私たちを結びつけるものは、私たちを分断するものをはるかに超えています」と述べられた。
そして、使徒言行録に書かれた、五旬祭の日に弟子たちに聖霊が降り、一同が様々な他国の言葉で話し始めたのを見て、人々が驚く場面(2章9‐11節)を思い起こされながら、「多様性の中の一致」と「命の証し」という2つの主要なテーマに焦点を当てて語られた。
*多様性の中の統一
「多様性の一致」に関して、まず注目されたのは、五旬祭の日に弟子たちが集まっているところに聖霊が降ったこと。「バーレーンでは、キリスト教徒の群れの小ささが、団結の必要性を感じさせてくれます」とされたうえで、「団結は、神への賛美を通して成長することができ、聖霊がすべての人にそれをかき立てるのです… 神への賛美をたゆまず貫き、すべてのキリスト教徒の一致のしるしとなるのは、あなたがたにとって良いことです」と指摘。
ただし、「『団結』とは、画一的になることではなく、多様性を受け入れ、違いを受け入れ合うこと… それが私たちの信仰一致の旅の精神です」と説かれた。
*命の証し
次に「命の証し」に関しては、「(この五旬祭の日の)聖霊を受けた体験が、初期のキリストの弟子たちを『この世に出ていく』ように導きました… キリスト教徒の証しは、言葉よりも行動によってなされるのです」と指摘。
同時に、キリスト教の信仰は「当然のこととして要求べき”特権”ではなく、分かち合うべき”贈り物”。愛は、キリスト教徒の”記章”であり、私たちの証しの本質です」と語られた。
*一致と証しは不可欠
そして、「一致についてのこのような考え方を、私はあなたがたと共有したいと思いました。それは、褒めたたえることで強められます」と語られ、「一致と証しはいずれも欠かすことができません。そして、聖霊は、私たちを結びつけ、送り出します。信仰において私たちを集め、使命を果たすために送り出します」と強調。
最後に、「私たちの共にする旅」を聖霊に委ねるように、「新たな地平を開き、一致と平和への旅の歩みを速める新たな聖霊降臨」が実現するように祈ることを、集いの参加者たちに勧められた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・「私たちが”命の源泉”を掘り起こさないなら、人類の砂漠はさらに荒れ、死をもたらす」教皇、イスラム指導者たちに
(2022.11.4 バチカン放送)
バーレーン訪問中の教皇フランシスコは4日、アワリのサヒール宮殿内のモスクでイスラム長老評議会のメンバーと会見された。
アル=アズハル・モスクのグランド・イマーム、アフマド・アル・タイーブ師と共に席に着かれた教皇は、イスラム教の代表者たちを前にあいさつされ、冒頭、「神は平和の源です…平和の神は、決して戦争に導かず、憎しみを煽らず、暴力を支持されません」と強調。
そして、「神を信じる私たちは、出会い、忍耐強い交渉、皆の共存のための”酸素”である対話、などの平和の道具を通して、平和を推進するように招かれています」とし、特に、正義に基づく平和の文化を普及させる必要を指摘された。
また、「人類や経済、環境の危機など、社会や世界の悪は、究極的に言って、人が神と隣人から遠ざかったことが原因」とされた教皇は、「私たちの課題は、忘れられた命の源と古くからの叡智を再発見させ、天の神の礼拝に信者たちを再び近づけ、隣人たちへの関心を取り戻させること。そのためには、祈りと兄弟愛という謙遜な手段に頼るべきであり、平和の神の名を冒涜する暴力や戦争、武器取引を拡大する力の論理に頼ってはならないのです」と説かれた。
さらに、「この世が力や権力や富の幻想を追う中で、私たちは、先人や父祖の叡智をもって、『神と隣人を何よりも上に置く』ことを人々に思い起させるように求められています」と訴え、「私たちがこの”命の源泉”を掘り起さないなら、人類の砂漠はさらに荒れ、死をもたらすものになるでしょう」と述べ、宗教者としての責任を強調された。
(編集「カトリック・あい」)
◎「神への礼拝を隣人愛と一致させ、平和の構築者となるように」バーレーン・フォーラムで
(2022.11.4 バチカン放送)
バーレーン訪問中の教皇フランシスコが4日午前、アワリのサヒール宮殿での「対話のためのフォーラム」の閉会式に出席された。イスラム長老評議会や平和的共存のためのキング・ハマド・グローバル・センターなどが中心となり、3,4の両日、「東洋と西洋の人類の共存」をテーマに開かれたもので、参加者たちは対話の橋の構築へ、人類の共存と人類の兄弟愛の推進、今日の課題に対する宗教者の役割、諸宗教対話、世界平和の追求等について考察した。
教皇はフォーラム会場のサヒール宮殿で、ハマド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ国王とアル=アズハル・モスクのグランド・イマーム、アフマド・アル・タイーブ師に迎えられ、宮殿の庭園で、国王と共に一本の木に水をそそぐ、という象徴的なセレモニーに参加された後、閉会式に臨まれ、諸宗教のリーダーや政治家を前にあいさつをされた。
あいさつで教皇は、「バーレーン」の国名が「二つの海」を意味することに着目、「地が分かつものを、海が一つにする」という古い言葉を引用しつつ、様々な土地や人々を結びつけている海の水に思いを向けられ、「私たちの地球を高いところから眺めれば、それは異なる岸を同時に結ぶ広大な青い海として映り、その光景は私たちがただ一つの家族であることを起こさせるでしょう」と語られた。
そして、「それにもかかわらず、今日の人類はかつてないほどに互いに”つながり”ながらも、一致とはほど遠い、かつてないほどの分裂を生きています… 東洋と西洋は、まるで対立する二つの海のように見ますが、私たちは、対立とは異なる、出会いと対話の針路をとりながら、一つにつながった海を旅するするためにここにいます」と強調された。
さらに、「二つの恐ろしい世界大戦と一つの冷戦を経た後も、世界の各地で破壊的な紛争は続き、私たちは今にも崩れそうな均衡状態の中にあります… 世界の多くの人が食糧危機や環境問題、新型コロナウイルスの世界的大感染などで苦しむ一方で、ごく少数の権力者たちが自分たちの利益を得るための争いに没頭し、”人類の園”は皆に大切にされるどころか、”火遊び”の舞台となり、武器が人々に涙と死をもたらし、私たちの”共通の家”を灰と憎しみで覆っています」と指摘。
そのうえで教皇は「こうした荒れる海を前に、神と兄弟たちに信頼を置く私たちは、人類のただ一つの海を無視し、自分の潮流だけを追う”孤立の思想”を退けるために、ここに集い、東西の対立の構図を皆の善のために改めながら、劇的に拡大するもう一つの分裂『世界の南北格差』にも注意を向け続けています」され、「宗教者たちの課題は、『互いに関係しながらも分裂している人類』が皆、共に航海できるよう力づけることであります」と説かれ、そのために必要なものとして、「祈りの精神」「女性や子供たちの保護も含めた市民の権利・義務と兄弟愛の教育」、そして「戦争や暴力にノーと言う力」を挙げられた。
最後に教皇は、「創造主は、力ある者たちが注意を向けない人々、特に貧しい人々や、生まれてくる子どもたち、高齢者、病者、移民たちのために行動するように、と私たちに促しておられます」とされ、「私たちが、神への礼拝を兄弟や隣人への具体的な愛と一致させることで、共存と一致の預言者、平和の構築者となることができますように」と神の助けと照らしを祈られた。
(編集「カトリック・あい」)
・教皇、バーレーン訪問開始、国王と会見、各界代表たちにあいさつ「”砂漠”に兄弟愛の”水”を、人類の根を枯らさないように」
(2022.11.3 バチカン放送)
3日、バーレーン王国への訪問に出発された教皇フランシスコは、現地時間同日16時36分、同国中部アワリのサヒール空軍基地に到着され、4日間にわたる同国訪問が始まった。
サヒール空軍基地で、教皇は、民族衣装の少女たちから絨毯に薔薇の花びらを撒いての歓迎を受け、空港内の施設に入られ、ハマド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ国王と、首相を務める皇太子、また国王の数人の家族らにあいさつされた後、国王と滞在中最初の会見を持たれた。
この後、教皇は国王表敬のため、サヒール宮殿へと向かわれた。騎馬隊に伴われ、沿道の市民の歓迎を受けながら宮殿に到着した教皇は、宮殿の白い建物に囲まれた広大な中庭で国王と共に歓迎式に臨まれ、さらに会場に集ったバーレーンの各界代表、および同国駐在の外交団を前に、到着の挨拶をおくられた。
挨拶で教皇は、海に囲まれた砂漠、伝統的な市場の隣にそびえる高層ビル、古代と現代の出会い、様々な国を出身とする人々が織りなす生活のモザイク、といった、バーレーン の印象を語られた。
さらに、同国のシンボルの一つとして、砂漠にただ一本立つアカシアの木ー人々から「生命の樹」と呼ばれ親しまれているーを思い起こされ、「この一本の大木が、雨の降らない砂漠に何世紀も生き残ってきたのは、木が砂漠に深く根を下ろし、地下の水脈を汲み上げてきたため、と言われている、聞きました」とされたうえで、その姿を、「古代から続く数千年の歴史、様々な民族が行き交う十字路としての性格、多文化の平和的共存、伝統的なもてなしの精神などを『生命の水』として汲み上げ発展してきたバーレーンの姿」と重ねられた。
そして教皇は、「多民族、多宗教が共存するバーレーンの社会が、孤立の危険を乗り越えてきたこと」を称賛され、同国の受容性と他者に対する関心、兄弟愛の精神は、「今日の世界に特に必要とされているものです」と強調。
出席者たちに、「砂漠で生きる『生命の樹』を思い起こし、人類の”砂漠”に兄弟愛の”水”をもたらし、文明や宗教の出会いの可能性を”蒸発”させないように、人類の根を枯らさないようにしましょう… 希望のために共に働きましょう」と呼びかけられた。
そして、教皇は、アワリで開催された「対話のためのバーレーン・フォーラム」に、「平和の種をまく者」として参加したい、と抱負を述べられた。
(編集「カトリック・あい」)
・教皇、4日間の初のバーレーン訪問に出発ーイスラム教関係者などと出会いを予定
(2022.11.3 バチカン放送)
教皇フランシスコは3日午前、ローマのフィウミチーノ国際空港から、バーレーン王国への訪問に出発された。
東洋と西洋の人類の共存をテーマとする「対話のためのバーレーン・フォーラム」(3,4日)を機会に行われる今回の訪問は、教皇フランシスコにとって第39回目の海外司牧訪問(イタリアを除く)。また、ローマ教皇がバーレーン王国を訪れるのは、今回が初めて。
バーレーン中部アワリのサヒール空軍基地への到着は、およそ5時間後を予定。現地では同国中部のアワリと、北部の首都マナマを訪れ、バーレーン・フォーラムの閉会行事に出席するほか、同国各界代表との会見、イスラム教関係者やキリスト教諸教会代表らとの出会い、カトリック共同体や若者たちとの交流を予定されている。
教皇のバーレーン訪問の詳細な日程は以下のとおり。
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初日(木)午前、ローマからバーレーンに特別機で向かった教皇は、現地時間同日夕方、到着したアワリのサヒール空軍基地で歓迎を受ける。続いて、教皇はサヒール宮殿にバーレーン国王を表敬訪問する。宮殿の中庭で歓迎式に臨み、同国の各界要人との会見を行う。
11月4日(金)、午前、教皇はサヒール宮殿の広場で「対話のためのバーレーン・フォーラム」の閉会行事に出席する。午後、宿泊先でアル=アズハル・モスクのグランド・イマームと私的に会見。そしてサヒール宮殿のモスクでイスラム長老評議会メンバーらとお会いになる。この後、アラビアの聖母に捧げたアワリのカテドラルで諸キリスト教会代表と平和の祈りを捧げる。
11月5日(土)、午前、アワリ市内のバーレーン国立競技場で教皇はミサをとり行われる。午後、カトリック系の学校、セイクリッド・ハート・スクールで若者たちとの集いを持たれる。
11月6日(日)、午前、教皇は首都マナーマのイエスの聖心に捧げた教会でアラブ世界北部地域のカトリック教会関係者との出会いを行う。現地時間正午過ぎ、アワリのサヒール空軍基地で送別を受け、特別機で帰途につき、イタリア時間同日夕方、ローマに戻られる。
(編集「カトリック・あい)
・2023年8月「世界青年の日・リスボン大会」参加募集開始、教皇、参加呼びかけ
(2022.10.24 バチカン放送)
教皇フランシスコは24日の正午の祈りで、来年8月開催される「世界青年の日・リスボン大会」への参加募集が同日始まったことを紹介されるとともに、世界の若者たちに応募を呼びかけられた。
「世界青年の日(ワールドユースデー、WYD)」は、カトリックの若者たちの祭典で、典礼暦の「王であるキリスト」の祭日に記念される教区レベルのものと、数年ごとに開催地を変えて行われる世界レベルの大会がある。ポルトガルの首都リスボンでの大会は2023年8月1日から8月6日まで開催される。当初2022年に予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で、1年延期して開かれることになった。
お告げの祈りの際、バチカン宮殿の窓辺にポルトガルの若者たちと立たれた教皇は「私も、この大会に巡礼者として申し込みたいと思います」と述べて、手にしたタブレット端末を操作され、「これで申し込みができました」と話された。そして、「あなたはもう申し込めましたか」と会衆に問いかけつつ、ポルトガルの若者たちがタブレット端末で申し込むのをご覧になった。
そして教皇は「長く離れていたこの期間を経て、私たちはようやく様々な民族・世代間の抱擁の喜びを再び見出すことができるでしょう」と語られ、世界の若い信者たちにWYDリスボン大会への参加を広く呼びかけられた。
(編集「カトリック・あい」)
・来年8月のWorld Youth Day(世界青年の日)に向けファティマで準備会合(Crux)
(2022.10.19 Crux Senior Correspondent Elise Ann Allen)
ローマ –来年8月にポルトガルの首都リスボンで開催される第37回World Youth Day(WYD=世界青年の日)世界大会の準備会合が100か国、約300人が参加して、17日から19日にかけてファティマで開かれた。
リスボンでの世界大会は当初2022年に予定されていたが、新型コロナウイルスの世界的大感染が続いていることから、「2023年8月1日から6日まで」に延期されている。
準備会合の冒頭あいさつで、バチカンの命・信徒・家庭省長官のケビン・ファレル枢機卿、会議に出席して代表たちの多様性に注目し、「文化全体と国の間に架け橋をかける」活動を象徴するもの、と指摘。
また、代表たちは皆、「旅をしている普遍的な教会」のメンバーであると述べ、「教皇フランシスコは、このようなシノドス(共働)的な教会を望んでおられます。(WYDは)『素晴らしい多面体』であるシノドスの若者司牧の一環であり、各国で進められる準備を含む事業において、皆さん自身が変化の主役なのです」と強調した。
そして、「シノダリティー(共働性)の原則は、ここファチマでの私たちの準備会議にも直接的な関連性があります… 私たちは皆、来年のWYD世界大会の共催者です。私たち全員が共同責任を負っています」とし、参加者たちに「リスボン大会の主催者とその努力を支援するために可能な限りのことをするように」と促した。
さらに、このカトリック教会にとって世界最大規模の若者たちのイベントの実施とその準備には並外れた労力が求められるが、「これは、キリストから来る運動です。キリストの愛は、聖母マリアががいとこのエリザベスを訪ねるためにユダヤの丘陵地帯を超えて行ったように、若者を動かします」と述べ、参加者たちに、ファチマという「この特別な場所で、強力な祈りの共同体を形成するように」と呼びかけ、来年のWYD大会が「若者たちがキリストに出会い、自分たちの人生の召命を見つけることができる開かれた場となり、社会全体の新しい始まりにつながる場となることに」期待を示した。
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若者に手を差し伸べ、教会生活に参加させる方法として聖ヨハネ・パウロ2世教皇によって1986年に始められたWYDは、2,3年おきに世界レベルでの大会がもたれるとともに、教区レベルで毎年、枝の主日に祝われるようになった。前回の世界大会は2019年にパナマで開かれ、参加された教皇フランシスコは、教区レベルの祝いを「枝の主日」から「王であるキリストの祝日」に改められた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・第二バチカン公会議開始から11日で60周年にーその精神は現代の教会に十分生かされているか?
教会のagiornamento(現代化)を目指した教会史上画期的な第二バチカン公会議の開会から、11日で60周年を迎えた。
教皇・聖ヨハネ23世が1962 年 10 月 11 日、聖ペトロ大聖堂内で第二 バチカン公会議の開始を正式に宣言し、世界に向けた教会の現代化への扉を開けることになった。公会議史上初めて世界五大陸から世界中から 2500 人近くの枢機卿、大司教、司教が参加した文字通りの”普遍公会議”だった。
教皇ヨハネ23世はラテン語による公会議開始の言葉の中で,次のように語りかられた。
「開幕する公会議は、教会の中に、燦然たる光輝く一日として、そびえるでしょう。それはまだ、曙に過ぎませんが、昇る太陽の最初の光のように、われわれの魂に、すでに優しく触れています。ここではすべてが聖性をただよわせ、歓喜を呼び覚まします… 実に、星たちがその光でこの聖堂の荘厳を増す様子を見つめています。使徒ヨハネの証し(参照 黙示録1章20節)に従えば、その星とは、あなたがたなのです。そして、あなたがたと見つめる、聖ペトロの墓を取り囲み、光をたたえる金の燭台は、あなたがたに託された教会なのです」
そして、ヨハネス 23 世が冒頭になさった有名な「Gaudet Mater Ecclesiae」の基調演説をもとに、1965 年 12 月 8 日まで続いた会議は、激しい議論の末に、「典礼憲章」「教会憲章」「神の啓示に関する教義憲章」「現代世界憲章」の四つの憲章はじめ、「エキュメニズムに関する教令」「キリスト教以外の諸宗教に対する教会の態度についての宣言」「信教の自由に関する宣言」など数多くの教令、宣言など、教会の歩みにとって極めて重要な文書を可決した。
その成果は、そして精神は、60年を経た今も、世界のカトリック教会にとって、なお十分に生かされているとは言い難い面もあり、また、公会議同時とは大きく変化した環境に、いかに適切に当てはめていくかも、課題としてあり続けている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
・教皇、スカラブリーニ司教とザッティ修道士の福者二人を列聖
(2022.10.9 バチカン放送)
教皇フランシスコは9日、バチカンでミサの中で列聖式を行われ、ジョヴァンニ・バッティスタ・スカラブリーニ司教とアルテミデ・ザッティ修道士の二人の福者を聖人として宣言された。
聖ジョヴァンニ・バッティスタ・スカラブリーニ司教(1839−1905)は、イタリア出身、ピアチェンツァ教区の司教として精力的に働き、当時大きく増加した移民をはじめ、労働者、青少年の問題など、社会の事象に司牧者としての目を向け、これらの人々のために具体的に働きかけた。特に海外移民の信仰生活に心を配り、彼らへの霊的支援のために、聖カルロ宣教会と聖カルロ・ボロメオ宣教修道女会を創立した。
聖アルテミデ・ザッティ修道士(1880−1951)は、イタリアに生まれ、若い頃、家族と共にアルゼンチンに渡った。幼くして貧しさの労苦を味わい、子ども時代から働いた彼は、移住先のアルゼンチンで召命を受け、サレジオ会の修道士となった。病院で看護師、薬剤師として働き、病者や貧しい人々に寛大に謙遜に忍耐強く奉仕した。必要のある場所にどこにでも赴き、その愛徳をもって人々を励まし、信仰に導いた。
列聖式には、イタリアのピアチェンツァやアルゼンチンをはじめ、二人の新聖人のゆかりの地からの巡礼団をはじめ、修道会の関係者らも多く参加した。
教皇は説教で、聖スカラブリーニ司教は移民たちと共に歩みながら、その問題だけでなく、神の摂理をも見つめていた、と語り、「かつて迫害による強制的な移住によって、教会はエルサレムとイスラエルを超え、『普遍』のものとなったように、今日の移民によって、教会は人民間の平和と交わりの道具となるだろう」(『イタリア人労働者の移住』フェラーラ、1899)と言った、同司教の未来の世界と境のない教会の姿を見つめる言葉を紹介された。
また、教皇は、サレジオ会の修道士、聖アルテミデ・ザッティは「神への感謝の生きた模範」であると強調。結核から治った後、全生涯を人々のために捧げ、病者を愛と優しさをもって世話したザッティ修道士の生涯を思い起こされた教皇は、受けた恵みへの感謝に満たされた彼は、他者の傷を自ら背負うことで、その感謝を表そうとした、と語られた。
教皇は、私たちが隔たりの壁なく共に歩み、神への感謝を育むことができるよう「この聖なる兄弟たちの助けを祈りましょう」と信者たちに呼びかけられた。
(編集「カトリック・あい」)
・「アジアの民のとして共に歩み続ける」-アジア司教協議会連盟創立50周年総会を前に
2022年10月 8日 (土)週刊大司教第97回
10月12日から30日まで、タイのバンコクで、アジア司教協議会連盟(FABC)の総会が開催されます。2年前に創立50年を迎えている連盟ですが、記念の総会がコロナ禍で延期されており、やっと開催になりました。
通常の総会では、それぞれの司教協議会から会長ともう一人程度の参加ですが、今回は50年の節目ということもあり、過去を振り返って将来への歩みを定めるために、多くの司教が参加します。日本からも6名の参加が予定されています。
なお、FABCについて、カトリック新聞に書いた記事が、中央協のホームページにも転載されていますので、こちらのリンクからどうぞ。また英語ですが、FABCのホームページはこちらのリンクです。さらに今回の50周年総会のためのホームページはこちらです。
総会の成功のために、参加する司教たちのために、お祈りいただけましたら幸いです。
ケルン教区からの訪問団は、すべての日程をこなして、10月5日に帰国されました。2024年にケルン教区と東京教区のパートナーシップ関係が70年となることから、これからの2年間ほどで、将来に向けたパートナーシップのあり方についての方向性を定め、それについてのメッセージを作成しようという話になりました。
単に、「援助金がドイツから日本に来た」と言うだけではない、もう少し幅の広い交流、特に青年たちの交流などと、これまで以上に一緒になってのミャンマー支援などの強化を、ケルンの方々は考えておられるようです。今後、互いにチームを定めて、検討を深めたいと考えています。(上の写真は、調布カルメル会修道院を訪れたケルンの訪問団)
以下、本日午後6時配信の、週刊大司教第97回、年間第28主日のメッセージ原稿です。
【 年間第28主日C(ビデオ配信メッセージ)週刊大司教第97回 2022年10月9日】
ルカ福音は、重い皮膚病を患っていた十人の人が、イエスによって癒やされた話を記しています。十人はイエスの勧めに従って祭司のところへ行く途中で癒やされますが、その中の一人だけがイエスのもとに戻ってきます。イエスに感謝するために戻ってきたのは、ユダヤ人から見れば「神への信仰に忠実ではない」と見なされていたサマリア人だけでありました。
それに対してルカ福音が記すイエスの言葉は、「神を賛美するために戻ってきた者は、他にいないのか」であって、「受けた恵みに対して、神のもとに立ち返り、神を賛美する」という、その行為にこそ救いがあることを、「あなたの信仰があなたを救った」という言葉が示唆します。
すなわち、「人間が抱える様々な困難が解決され、幸せが確立すること」に救いがあるのではなく、「受けた恵みを自覚しながら、感謝のうちに神と共にあること」にこそ救いがあるのだ、とイエスの言葉は教えています。
神に感謝をささげ、神と共にいることによって良しと見なされたのは、「正統な信仰を守っている」と自負するユダヤ人ではなかった、という話は、「信仰を守る」とはどういうことなのかを、考えさせます。それは、信仰者の立ち位置が、自分自身のところにあるのか、神のところにあるのかの違いです。自分の幸せを優先する利己的な心を強く持つとき、私たちは神のもとには立っていません。そこに救いはあるでしょうか。
パウロはテモテへの手紙に、「キリストと共に死んだのなら、キリスト共に生きるようになる。耐え忍ぶなら、キリストと共に支配するようになる。」と記しています。ここでも救いとは、自分自身の人間的な困難の解決にあるのではなく、キリストと共にいることにあるとパウロは指摘します。その上でパウロは、自分自身の苦しみは、他の人々が、「キリスト・イエスによる救いを永遠の栄光と共に得るため」に耐え忍んでいるのだと強調します。パウロの立ち位置は自分ではなく神のもとにあり、だからこそパウロはイエスに倣って、他者の救いのために命を燃やし続けるのです。
アジア各地の司教協議会の連盟組織であるFABC(アジア司教協議会連盟)の創立50年を記念して開催される総会が、10月12日から30日まで、バンコクで開催されます。日本を含めアジア各国から司教の代表が集まります。どうか会議の成功のために、お祈りください。
FABCは、1970年に教皇パウロ六世がマニラを訪問された際に集まったアジアの司教たちの合意に基づいて誕生しました。第二バチカン公会議の教会憲章で示された司教の団体性や協働性と翻訳される「コレジアリタス」を具体化し、アジアにおける教会の存在を更に福音に沿って具体化するための組織として誕生しました。
FABCはこの50年間、アジア全域において、三位一体の神を証しし、イエスの福音を告げ知らせるために、牧者である司教たちの交わりを通じて、福音宣教への共通理解を深めてきました。中でも、FABCは三つの対話、すなわち、「人々(特に貧しい人々)との対話、諸宗教との対話、多様な文化との対話」が、アジアでの宣教において共通する重要課題である、と指摘を続けてきました。今回の総会のテーマも「アジアの民として、共に歩み続けよう」とされ、対話と連帯のうちに福音を具体的に生きる道を模索しようとしています。
教皇ヨハネパウロ二世は、使徒的勧告「アジアの教会」に、「(アジアの様々な)宗教的価値は、イエス・キリストにおいて成就されることを待っているのです」(6項)と記しています。私たちは、神のもとにしっかりと立ち位置を定め、すべての人の救いのために努力を続けたい、と思います。
(編集「カトリック・あい」)
・教皇フランシスコが、高松教区の諏訪司教の辞表受理ーまた司教空席の教区
(2022.9.28 カトリック・あい)
教皇フランシスコは26日付けで、高松教区の使徒ヨハネ諏訪榮治郎司教から出された辞表を受理された。
受理の理由は明らかにされていないが、諏訪司教は1947年 7月8日に神戸市に生まれ、この7月8日で”司教定年”の75歳に達していることから、それを理由とする受理とみられる。
世界の高位聖職者の中には、この定年を超えてもポストを務める例があるが、それは、これまでの司牧者としての貢献が顕著であった場合や、余人をもって代えがたい仕事をしていると教皇が判断された場合に限られると考えられており、昨年の高見・長崎大司教の場合と同様、今回もその条件に当てはまらなかった、との見方がある。
なお、今回の辞表の受理を受けた後任司教の任命はなく、高松教区の司教ポストは当面、空席とし、後日選ばれる教区管理者が暫定的に教区長の役割を務めることになる。信徒の数に比べて教区が多く司教ポストも多い日本の教会では、このところ司祭不足を背景にした適任者の不足などから、司教退任後の後任がすぐに決まらず、空席が続くことが目立っている。今年6月に大分教区で森山信三司教が叙階されて、日本の全教区で司教空席が解消されたばかりだったが、その3か月後にまた空席が生じることになった。
なお、大司教が、日本の司教協議会会長、そしてアジア司教協議会連盟の事務総長も兼務して多忙を極める東京大司教区では、菊地大司教の就任から5年近くを経過した今も、補佐司教が空席のままの状態が続いている。
・バチカン国務長官が露外相と会い、対話による和平実現求めるー外相はロシアの正当性主張のみ
(2022.9.24 カトリック・あい)
Vatican Newsが22日付けで報じたところに、バチカンのパロリン国務長官・枢機卿が訪問先のニューヨーク国連本部で21日開かれた包括的核実験禁止条約(CTBT)フレンズ・ハイレベル会合に出席。その機会に、ロシアのラブロフ外相と言葉を交わした。
同会合は、日本、ドイツ、豪州など6か国によるCTBTフレンズグループが開いたもの。岸田首相は「日本として、CTBTの早期発効、そして検証体制の強化に向けてより一層貢献していく」と強調。来年5月に広島で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)での議論などを通じて、「『核兵器のない世界』の実現に向け、現実的かつ実践的な取り組みを進めよう」と呼びかけた。
パロリン国務長官も「(ロシアの軍事侵攻による)世界の緊張の増幅、(ロシアの)核兵器使用をほのめかす威嚇によって、包括的核実験禁止条約の発効は、今これまでになく重大な意味を持っている」と述べた。
パロリン国務長官は、国連訪問中のラブロフ外相とも個別に会い、「対話によって、事態が変わる可能性は常にある」という教皇フランシスコの言葉をもとに、ロシアの軍事侵攻がもたらしているウクライナの悲惨な状態を速やかに克服するための関係国の対話の重要性を強調した。
これに対して、ロシア外務省はこの話し合いの後、声明を発表し、23日付けのCruxによれば、ラブロフ外相はパロリン国務長官に対して、「ロシアと西側諸国の間で進行中の危機の原因は、ロシアを破壊し、世界を分裂させようとするNATO(北大西洋条約機構)の”聖戦”の結果だ… ロシアの行動は、自国の独立と安全を確保し、世界を支配しようとする米国の覇権的願望に対抗するものだ」と従来のロシアの主張を繰り返し、現在進行中のウクライナ東部、南部の地域での”国民投票”の正当性などにも言及した、という。
・バチカン支援援助省長官、ウクライナ東部イジュームの集団虐殺の場で祈り



