・第二バチカン公会議開始から11日で60周年にーその精神は現代の教会に十分生かされているか?

 教会のagiornamento(現代化)を目指した教会史上画期的な第二バチカン公会議の開会から、11日で60周年を迎えた。

 教皇・聖ヨハネ23世が1962 年 10 月 11 日、聖ペトロ大聖堂内で第二 バチカン公会議の開始を正式に宣言し、世界に向けた教会の現代化への扉を開けることになった。公会議史上初めて世界五大陸から世界中から 2500 人近くの枢機卿、大司教、司教が参加した文字通りの”普遍公会議”だった。

 教皇ヨハネ23世はラテン語による公会議開始の言葉の中で,次のように語りかられた。

 「開幕する公会議は、教会の中に、燦然たる光輝く一日として、そびえるでしょう。それはまだ、曙に過ぎませんが、昇る太陽の最初の光のように、われわれの魂に、すでに優しく触れています。ここではすべてが聖性をただよわせ、歓喜を呼び覚まします… 実に、星たちがその光でこの聖堂の荘厳を増す様子を見つめています。使徒ヨハネの証し(参照 黙示録1章20節)に従えば、その星とは、あなたがたなのです。そして、あなたがたと見つめる、聖ペトロの墓を取り囲み、光をたたえる金の燭台は、あなたがたに託された教会なのです」

 そして、ヨハネス 23 世が冒頭になさった有名な「Gaudet Mater Ecclesiae」の基調演説をもとに、1965 年 12 月 8 日まで続いた会議は、激しい議論の末に、「典礼憲章」「教会憲章」「神の啓示に関する教義憲章」「現代世界憲章」の四つの憲章はじめ、「エキュメニズムに関する教令」「キリスト教以外の諸宗教に対する教会の態度についての宣言」「信教の自由に関する宣言」など数多くの教令、宣言など、教会の歩みにとって極めて重要な文書を可決した。

 その成果は、そして精神は、60年を経た今も、世界のカトリック教会にとって、なお十分に生かされているとは言い難い面もあり、また、公会議同時とは大きく変化した環境に、いかに適切に当てはめていくかも、課題としてあり続けている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2022年10月11日