・教皇、バーレーン訪問開始、国王と会見、各界代表たちにあいさつ「”砂漠”に兄弟愛の”水”を、人類の根を枯らさないように」

(2022.11.3 バチカン放送)

 3日、バーレーン王国への訪問に出発された教皇フランシスコは、現地時間同日16時36分、同国中部アワリのサヒール空軍基地に到着され、4日間にわたる同国訪問が始まった。

 サヒール空軍基地で、教皇は、民族衣装の少女たちから絨毯に薔薇の花びらを撒いての歓迎を受け、空港内の施設に入られ、ハマド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ国王と、首相を務める皇太子、また国王の数人の家族らにあいさつされた後、国王と滞在中最初の会見を持たれた。

 この後、教皇は国王表敬のため、サヒール宮殿へと向かわれた。騎馬隊に伴われ、沿道の市民の歓迎を受けながら宮殿に到着した教皇は、宮殿の白い建物に囲まれた広大な中庭で国王と共に歓迎式に臨まれ、さらに会場に集ったバーレーンの各界代表、および同国駐在の外交団を前に、到着の挨拶をおくられた。

 挨拶で教皇は、海に囲まれた砂漠、伝統的な市場の隣にそびえる高層ビル、古代と現代の出会い、様々な国を出身とする人々が織りなす生活のモザイク、といった、バーレーン の印象を語られた。

 さらに、同国のシンボルの一つとして、砂漠にただ一本立つアカシアの木ー人々から「生命の樹」と呼ばれ親しまれているーを思い起こされ、「この一本の大木が、雨の降らない砂漠に何世紀も生き残ってきたのは、木が砂漠に深く根を下ろし、地下の水脈を汲み上げてきたため、と言われている、聞きました」とされたうえで、その姿を、「古代から続く数千年の歴史、様々な民族が行き交う十字路としての性格、多文化の平和的共存、伝統的なもてなしの精神などを『生命の水』として汲み上げ発展してきたバーレーンの姿」と重ねられた。

 そして教皇は、「多民族、多宗教が共存するバーレーンの社会が、孤立の危険を乗り越えてきたこと」を称賛され、同国の受容性と他者に対する関心、兄弟愛の精神は、「今日の世界に特に必要とされているものです」と強調。

 出席者たちに、「砂漠で生きる『生命の樹』を思い起こし、人類の”砂漠”に兄弟愛の”水”をもたらし、文明や宗教の出会いの可能性を”蒸発”させないように、人類の根を枯らさないようにしましょう… 希望のために共に働きましょう」と呼びかけられた。

 そして、教皇は、アワリで開催された「対話のためのバーレーン・フォーラム」に、「平和の種をまく者」として参加したい、と抱負を述べられた。

(編集「カトリック・あい」)

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2022年11月4日