・バチカン支援援助省長官がウクライナ”最前線”で援助活動中に銃撃受ける

ウクライナで伝道中のクラエフスキ枢機卿Cardinal Krajewski on mission in Ukraine 

*援助物資を下ろしている最中に”標的”にされた

 ザポリージャは中央ウクライナのドニプロ川沿いの主要都市で、2月にロシアが軍事侵攻を始めた際、真っ先に攻撃、占領され、現在も原子力発電所がロシア軍の脅威にさらされている地域だ。

 枢機卿はこの日、現地の司教やプロテスタントの高位聖職者、ウクライナ軍の兵士たちとともに、被災者たちへの支援活動を実施。ミニバスに食料を積んで、行き場を失った人々が多く残っているが、「兵隊以外は立ち入らない」といわれる、ロシア軍との戦いの”最前線”支援物資を届けに行った。

 そして、食料を車から降ろし終えようとした時、側近たちと共に銃撃に遭った。すぐに身を守る措置を取ったため、皆にケガはなく、命に別条がなかったが、Vatican Newsの電話取材に対して「このような経験は、私の人生で初めてだった。命を守るには、ただ走ればいいわけではない。だが、どこに走ればいいのか分からなかった」と振り返った。

 

*それでも、教皇の心と援助物資を届け続ける

 枢機卿はその後も、援助物資の配給を続け、教皇フランシスコから祝福されたロザリオすべてを人々に配り、首にかけられるようにした。9月17日は、彼にとって特別の日だった。教皇臨席のもとに聖ペトロ大聖堂で司教に叙階されて9年目の記念日だったが、「容赦のない」日、「涙も言葉もない」日になった。そして、この事件後、「私たちは、ただ、この祈りを繰り返すことしかできないー『イエス様、私はあなたを信頼しています』と」と語っている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年9月18日