・”バチカン銀行”が2019年決算で3800万ユーロ(約46億円)の黒字

The tower of Nicholas V, the seat of the IOR  (© Vatican Media)

 

2020年6月9日

・14日に教皇司式の「キリストの聖体」のミサー全世界に動画中継

(2020.6.8 バチカン放送)

 教皇フランシスコ14日午前9時45分(日本時間午後4時45分)から、バチカンの聖ペトロ大聖堂、司教座の祭壇で「キリストの聖体(コルプス・ドミニ)」のミサを捧げられ、バチカン・ニュースを通してビデオ中継されることになった。

 「キリストの聖体」の祭日は、イエスが聖体を制定した最後の晩餐に深く結びつくものであることから、本来、典礼暦の「三位一体の主日」の直後の木曜日(今年は6月11日)に祝うよう位置付けられている。だが、多くの国々の教会では、信者たちがミサに与りやすいように、この祭日を「三位一体の主日」の翌週の日曜日(今年は6月14日)に記念されている。

 教皇が司式される14日のミサは、新型コロナウイルス感染防止のため、参加者を約50人に限り、ミサの終わりに聖体降福式が行われる。

(編集「カトリック・あい)

2020年6月9日

改・バチカン憲兵隊がロンドンでの巨額不動産取引疑惑でイタリア人仲介者逮捕

Headquarters of the Vatican Gendarmeria Corps. Headquarters of the Vatican Gendarmeria Corps.  

(2020.6.6 Vatican News)

 バチカン憲兵隊は5日、バチカンが関係するロンドンでの巨額不動産取引疑惑事件で、取引に関与したイタリア人仲介者を逮捕した。バチカンの警察当局が、外部の一般市民を逮捕するのは極めて異例であり、事件の深刻さをうかがわせる。

 バチカン広報局が同日発表した声明によると、逮捕されたのはGianluigi Torzi。 「バチカン国務省の何人かの職員が関係する企業のネットワークがからんだ、バロンドン・スローン・アベニューの(「カトリック・あい」注:2億ドルに上ると言われる)不動産のバチカンによる購入に関与した(注:不正な利益を上げた)ため、バチカン司法当局が逮捕状を発行した」としている。

 また、Torziの具体的な逮捕容疑は「強要、横領、悪質な詐欺、マネーロンダリングの罪(最長12年の懲役刑に該当)」で、憲兵隊の兵舎に収容された。

(「カトリック・あい」解説)

 この疑惑事件に関しては、昨年夏にバチカンの宗教事業協会(通称”バチカン銀行”)と監査役室から出された告発で表面化し、教皇フランシスコが徹底した捜査による疑惑の解明を求めたのを受けて、バチカン憲兵隊が昨年10月、国務省総務局および金融情報室の捜索を実施しするなど、捜査に本腰を入れていたが、今回の逮捕は、そうした疑惑の全容解明の流れの中にある。

 さらに大きな視野でみると、教皇が注力されているバチカン財政改革とも関わる動きともいえる。

 バチカンは、聖職者による未成年者性的虐待問題の世界的な長期化を背景に、欧米などで信徒離れが加速、献金収入が減少し、損害賠償負担で破産する教会も出、さらに追い打ちをかけるように新型ウイルスの世界的大感染が発生、献金収入減少に拍車をかけ、バチカン美術館の長期閉館などによるの”観光収入”激減などで、財政赤字が拡大しており、抜本改革によるバチカン財政の立て直しが焦眉の急となっている。

 だが、バチカン財務改革の星と期待された初代財務事務局長官のペル枢機卿が未成年性的虐待容疑でオーストラリアで裁判にかけられ、事実上機能不全に。昨年11月になって、バチカンとの”しがらみ”のないイエズス会士が新長官に就任、改革への本格的な取り組みが再開されている。疑惑の解明、不祥事再発の防止、対外信用の回復、そして、バチカンの資産の公正で効率的な運用は、改革の要でもあり、今後の進展が注目される。

 (翻訳・解説「カトリック・あい」南條俊二)

 

2020年6月7日

・「目標に到達できないのは、共通のビジョンが 欠けているため」-創設60年のキリスト教一致推進評議会・議長語る

 

教皇フランシスコとキリスト教一致推進評議会議長クルト・コッホ枢機卿教皇フランシスコとキリスト教一致推進評議会議長クルト・コッホ枢機卿  (Vatican Media)

 教皇庁キリスト教一致推進評議会が5日、その誕生から60年を迎えた。

 議長のクルト・コッホ枢機卿がバチカン・ニュースのインタビューに答え、聖ヨハネ二十三世からはじまったエキュメニズムの60年の歩みを、「多くの前向きな成果をもたらすことを可能にした豊かで発展に富んだもの」と振り返った。

 その一方で、枢機卿は「エキュメニカル運動の真の目標である、教会の一致にはまだ到達していない」とし、「今日、私たちが受けている最大の挑戦は、まさにエキュメニズムの目標をめぐる『堅固で現実的な合意』の欠如からきています」と指摘。

 「一致の必要性に合意しても、それがどのような形であるべきかについては合意がありません。教会の一致には共通のビジョンが不可欠なのです」と強調した。

 また、「エキュメニズムの歩みは『賜物の交換』といわれるが、この60年間の取り組みでカトリック教会はどのような賜物を得たでしょうか」との質問に対して、枢機卿は「カトリック教会は、宗教改革後に生まれた教会から、特に教会生活・典礼・神学思想における御言葉の中心性を学びました。また、正教会からは、教皇フランシスコも述べておられるように、教会生活におけるシノドス性、司教たちの団体性について学ぶことができます」と話した。

 さらに、教会の一致を目指すエキュメニズムの取り組みの柱として、枢機卿は「愛(カリタス)の対話」「真理の対話」そして、「『すべての人を一つにしてください』というイエスの祭司的祈りを受け、すべての信者が深く一致すること」の三つを挙げた。

 枢機卿は、第二バチカン公会議後、歴代の教皇がエキュメニズムに心を開き、それぞれの教皇が、その取り組みに大きな継続性と言動一致を示してきたことを思い起し、自身が議長を務めてきたこの10年の間、繰り返し体験したことは、「エキュメニカルな仕事において、与えるものより、得るものの方が多いということ、そして、エキュメニズムの唯一の長は聖霊であり、私たちは聖霊の道具にすぎない、ということです」と述べた。

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 キリスト教一致推進評議会の前身となった「キリスト教一致推進事務局」は、1960年6月5日、当時の教皇、聖ヨハネ二十三世によって創立され、1988年、聖ヨハネ・パウロ二世によって、キリスト教一致推進評議会となった。

(編集「カトリック・あい」)

 

2020年6月7日

・教皇、バチカン諸機関の公共契約の「透明性・集中管理・競争確保」へ自発教令

 

バチカン市国行政庁バチカン市国行政庁 

(2020.6.2 カトリック・あい)

 教皇フランシスコが1日付けで、教皇庁およびバチカン市国による公共契約について「透明性、集中管理、腐敗防止のための競争の確保」を目的とした自発教令を出された。7月1日から適用される。

 バチカンの財務管理については、しばしば国際基準から見て透明性に欠けていること、不正行為に対する対応の甘さが指摘されており、教皇の新自発教令は、かねて進めているバチカン改革の一環として、そうした指摘に応え、財政運営の健全化、財政改革推進の一助とする狙いがあるとみられる。

(2020.6.1 Vatican News)

 自発教令のタイトルは「聖座とバチカン市国の公共契約の手続きにおける透明性、管理、競争について」で、86の条項と訴訟の場合の司法保護に関する付則から成る。

 また、「腐敗の防止に関する国際連合条約」に準拠して内容となっており、これまで聖座財産管理局(APSA)とバチカン市国行政庁で個別に適用されてきた規制に取って代わり、契約や公共事業を管理する独自の規則を持っていなかった、聖座のすべての機関も対象となる。

 *家庭の良い父の勤勉さ
自発教令の冒頭で、教皇フランシスコは、資産の効果的で倫理的な管理を望む「家庭の良き父親の勤勉さ」をイメージしつつ、バチカンの諸機関で公共契約が締結される際の透明性・監査・平等な競争が保証され、推進されることを願われ、公共財の適切な管理には「忠実で正直な管理」が必要であると強調。

 一方で、「経済のグローバル化と相互依​​存の高まりによって、商品やサービスに複数の供給者が参入することで大幅なコスト削減の可能性が高まっている」と、公正競争の有用性についても指摘した。

 自発教令は「聖座とバチカン市国が関係する公共契約の手続きにおける透明性、管理、競争の促進」を目的とし、商品、サービス、公共事業を提供する企業や団体に「平等な扱いと特別登録による参加の可能性」、そのための特別な手続きを保証する、としている。

*腐敗防止のために

 バチカン市国裁判所のジュゼッペ・ピニャトーネ裁判長は、この新しい教令は、国際的に認められた最良の慣行が組み込まれており、「(注:バチカンの物品やサービス購入、公共事業などの)大幅なコスト削減、効率的な資産管理、および腐敗防止への新たな取り組みを実現するもの」と評価。教皇庁立ラテラノ大学の学長で、国際法が専門のヴィンセンゾ・ブオノモ教授は「自発教令で示された新規則は、資産のより良い管理・運用がいかに重要であり、緊急に対処せねばならないか、を関係者に再認識させるための警告」と指摘している。

 *新教令の目的

 自発教令は第一項で、その目的を、内部資金の持続可能な利用、落札手続きの透明性、「特に違法な談合や腐敗を無くす措置を通して、入札者の平等で差別のない扱い」を確保すること、としている。

 *基本原則

 また第5項では、「カトリック教会の社会教説に基礎をおいて、経済的選択と契約当事者を方向づける倫理性」に基づく原則ー行政の自律性、組織の管理の選択における補完性、独立体とバチカン市国行政庁のさまざまな部門の間の誠実な協力、などを列挙。

 最終的な目標は、「支出の計画と合理化」による「コスト削減、効率性、高い効果」を達成すること。特に「透明性、客観性、公平性が必要な」入札手続きにおいて、不必要な行為を避けること。

*利益相反対策など

 また、利益相反、違法な談合、汚職などの対策も示され、「競争のゆがみを回避し、すべての経済活動に当たる人々に平等な扱いを保証する」のに役立てる、としている。

*入札から排除されるのは

 入札に当たって、排除される者も定めており、具体的には「犯罪組織への参加、汚職、詐欺、テロ行為」、「犯罪行為で得た収益の洗浄」、および「児童労働による搾取」で捜査、防止措置、または有罪判決の対象となった業者は、登録、入札への参加から除外する、とし、「国の法律で定めた納税、または社会保障拠出金の支払い義務」を果たしていない者、特別優遇税制の恩恵を受けて居住している者も、同じ扱いとする、としている。

*権限の一元化

 例外とされる特定の場合を除いて、「すべての物品とサービスは、関係の契約を無効とする罰則の下で、一元化したやり方で、諸機関によって取得できる」とし、バチカンの諸機関に関する案件については、聖座財産管理局を含めた聖座と関係する諸組織の権限は、バチカン市国行政庁の権限とともに、「一元化される」と規定。一元化の例外もあるが、それは正当化される理由がなければならない、と条件を付けている。

 また、バチカンの財務事務局は、聖座財産管理局と半年ごとに協議し、「商品およびサービスについての価格、手数料の参照表」を登録された専門家の人件費と合わせて更新、公表する。更新に当たっては、バチカンの諸機関が調達している物品、サービスの、その時点での市場価格、手数料を考慮する。バチカン諸機関には毎年の調達を、毎年10月31日までに行うよう計画することが求められる。

*選定委員会の公正確保

この自発教令は、バチカン財務事務局について、職員と、計画立案の担当者であり選定委員会の委員としての権限を与えられた非常勤の専門員の氏名のリストを定める。また選定委員会委員は抽選とする、とし、各種委員会の中で交替していくが、常にその特定の専門的な資格によって行う、と定めている。また、「互換性のない特性」の詳細なリストが示され、その中には、入札者が「四親等まで」の親族関係、または「二親等まで」の姻戚関係があること、過去5年の間に入札に参加した業者の一員であったこと、などが列挙されている。

*国際ルール

 この自発教令は、教会法の基本原則と目的、およびバチカン市国の特別の性格を考慮し、多くの国で行われている効果的な規則と「最良の慣行」の”宝庫”、としている。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2020年6月2日

・バチカン美術館が3か月ぶりに再開

(2020.6.1 バチカン放送)

 新型コロナウイルス感染拡大予防で休館していたバチカン美術館が1日から、約3か月ぶりに再開した。

 同美術館は、安全と衛生上の対策として、見学者に、事前の予約とマスクの装着を義務づけており、初日は約1600人が予約の上、”社会的距離”を守りながら入場した。

 バルバラ・ヤッタ館長によると、見学者の多くは地元ローマやラツィオ州の市民だといい、近年のバチカン美術館の見学者の増大を思い起しながら、「再開直後のこの期間は、美術館の世界的傑作の数々を落ち着いて鑑賞できるまたとない機会となるでしょう」と”規制の効用”を解説。

 友人の誕生日を祝うために美術館を訪れたという女性は「ずいぶん長い間、バチカン美術館を訪れていませんでし。従来は見学者が多くて、ゆっくり見て回ることが難しいと思っていたし」と、落ち着いて鑑賞できる喜びを語り、ピーニャの中庭にいた家族連れは「この特別なチャンスを利用しようと思った。ローマに住んでいてこの機会を利用しない手はありません… (新型コロナ大感染という)好ましくない状況が、子どもたちにシスティーナ礼拝堂や美術館をいつもより自由に見学できる機会を与えてくれます」と話した。

 6日からは、ローマ郊外、カステル・ガンドルフォの教皇離宮博物館も一般の見学者に再公開される。

 

2020年6月2日

・新潟教区・成井大介師の司教叙階式は9月22日に

(2020.7.7 カトリック・あい)

 教皇フランシスコから第8代新潟教区司教に任命された成井大介被選司の叙階式の日程が決まった。9月22日(火曜・秋分の日)午前10時から、新潟市のカトリック新潟教会で行われる。

 新型コロナウイルス感染予防のため、参加者は60人程度とし、叙階式の模様は当日、インターネットで中継される予定。

(2020.6.1 カトリック・あい)

 教皇フランシスコが5月31日、新潟教区司教に、神言修道会のパウロ成井大介師を任命された。新潟教区司教のポストは、2017年10月に、当時新潟教区司教だった菊地功師が東京大司教に任命され、同年12月16日に就任て以来、空白が続き、菊地大司教が新潟教区の管理者も兼務するという変則的な状態が続いていたが、2年半ぶりにそうした状態が解消することになる。Narui01

 日本の教区では、これまで東京大司教区の補佐司教、新潟司教が2年半もの間、空席を続け、福岡、仙台の両司教も、多くの国で見られるような「前任者の退任を受けた速やかな新司教任命」がされずにいる、という”異常”な状態になっていた。

 だが、日本など”宣教地”の司教の選任について、実質的に大きな権限を持つバチカン福音宣教省の長官にフィリピン出身で日本にも深い理解を持つアントニオ・タグレ師が昨年末に就任して以来、4月に一年間空席が続いていた福岡司教にクラレチアン宣教会のヨゼフ・アベイヤ師が任命され、さらに今回、二年半空席だった新潟司教に成井師が任命されたことで、こうした異常状態の解消に弾みがつくことが期待される。

 新潟教区の新司教となる成井師は1973年生まれの46歳、愛知県出身。現在、ローマの神言修道会総本部で正義と平和部門の責任者を務めている。1986年、神言会小神学校に入り、2000年、終生誓願。2001年、司祭叙階。2006年から2013年まで、カリタスジャパン秘書。東日本大震災被災地の復興支援活動に深く携わった。2013年より、神言修道会総本部の正義と平和・環境問題部門担当。2015年、同部門責任者。日本の司教で神言会出身は、菊地大司教に次いで二人目となる。

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(2020.5.31 菊地大司教の日記)

新潟教区に新しい司教任命

 新潟教区の皆さん、二年半も、よく辛抱して待ってくださいました。みなさまのお祈りのおかげです。

 教皇様は、5月31日午後7時(ローマ時間お昼)、2017年12月から空位であった新潟教区司教に、パウロ成井大介(なるい・だいすけ)神父を任命されました。

 パウロ成井大介被選司教は、神言修道会の会員で、1973年11月24日愛知県生まれの、現在46歳。2001年に名古屋で司祭に叙階され、秋田教会で3年間ほど働いたことがあります。現在は、神言修道会のローマ総本部で、修道会全体の正義と平和コーディネーターをされています。

 詳細は追って新潟教区から発表されることになります。

 パウロ成井大介被選司教様、おめでとうございます。

2020年6月1日

・教皇、世界の巡礼地と共にロザリオの祈り-苦しむ人々を聖母の保護に託して

(2020.5.31 バチカン放送)

 カトリック教会が伝統的に聖母に捧げる月、5月の終了を前に、教皇フランシスコは、30日夕方(日本時間31日未明)、バチカン庭園の「ルルドの洞窟」前で、ロザリオの祈りをなさった。

 バチカン庭園の丘の上にある「ルルドの洞窟」は、フランスの聖母巡礼地ルルドのマッサビエルの洞窟を模し、1902年、教皇レオ13世にフランスのタルブ教区司教から寄贈された。この中にある祭壇は、ルルドにおいて聖ベルナデッタ・スビルーが聖母の出現を受けた場所に置かれた最初の祭壇で、1960年、タルブとルルド教区の司教より聖教皇ヨハネ23世に贈られた。同教皇は、1962年、バチカン庭園の「ルルドの洞窟」内の現在の位置にこの祭壇を据えられた。

 教皇フランシスコによるこのロザリオの祈りは、世界各地の巡礼地とビデオ中継で結ばれ、これらの巡礼聖堂でも、バチカンの会場と一致し、祈りが唱えられた。

 祈りに参加した巡礼聖堂は、ヨーロッパでは、ルルド(フランス)、ファティマ(ポルトガル)、チェンストホヴァ(ポーランド)、バヌー(ベルギー)、ロレート(イタリア)、ポンペイ(イタリア)、ディビーノ・アモーレ(イタリア・ローマ)サン・ジョヴァンニ・ロトンド(イタリア)、アフリカでは、エレレ(ナイジェリア)、ノートルダム・ドゥ・ラ・ぺ(コートジボワール)、北米では、イマキュレート・コンセプション(米・ワシントンD.C.)中南米では、グアダルーペ(メキシコ)、チキンキラ(コロンビア)、アパレシーダ(ブラジル)、ルハン(アルゼンチン)、ミラグロ(アルゼンチン)など。この他、多くの巡礼地からの参加があった。

 バチカン庭園の「ルルドの洞窟」前の広場では、間隔を広く開けて置かれた椅子に座った参加者らが、教皇と祈りを共にした。

 この参加者らの中には、新型コロナウイルスとの闘いにおいて第一線に立つ医師や看護師ら病院関係者、この感染症で亡くなった方の遺族、病院付きの司祭、薬剤師、またこのパンデミック危機の間に新しい命の誕生を体験した家族などの姿が見られた。

 バチカンの教皇と参加者、また世界各地の巡礼聖堂の関係者は、ロザリオの「栄えの神秘」を観想しつつ、パンデミックが引き起こした様々な状況に苦しむ人々のために、神に癒しと解放、救いを祈り求めた。

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 教皇は、「聖母月」において、パンデミックで家にいる信者たちにロザリオの祈りを推奨する書簡の中で、ご自分で特別に用意された祈りを紹介されている。バチカン庭園でのロザリオの祈りを、教皇はこの祈りをもって締めくくられた。

 「聖なる神の御母よ、御保護に寄りすがり、御助けを求めます。

 全世界を揺さぶる、この苦しみと不安に満ちた劇的状況の中で、神の御母、私たちの母よ、あなたの御保護に寄りすがり、御助けを求めます。

 乙女マリアよ、このコロナウイルスの拡大の中で、私たちに慈しみ深い眼差しを注いでください。愛する者を亡くし、ぼう然とし、悲しむ人々を慰めてください。亡くなった方々は、時には痛ましい方法で埋葬されました。

 感染防止のために病者のそばにいられず、苦悩する人々を支えてください。不確かな未来と、経済と仕事への影響のために、不安の中にいる人に信頼を与えてください。

 神の御母、私たちの母よ、私たちのために、慈しみ深い御父にお祈りください。この辛い試練が終わり、希望と平和を再び未来に見出せますように。カナであなたがそうなさったように、神なる御子にお願いしてください。患者や犠牲者の家族を励まし、彼らの心を信頼へと開いてくださるようにと。

 医師や、看護師、医療関係者、ボランティアたちをお守りください。彼らはこの危機の中第一線に立ち、他の人々のいのちを救うため、自らのの命を犠牲にしています。彼らの英雄的な努力を支え、彼らに力と愛と健康をお与えください。

 朝晩、患者を見守る人たちや、司祭たちに寄り添ってください。彼らは、司牧的配慮と福音的努力のために、皆を助け、支えようとしています。

 聖なる乙女よ、科学者たちの精神を照らし、このウイルスに勝つための正しい方法を見出させてください。

 国々の責任者たちを支えてください。彼らが賢明と配慮と寛大さをもって、生活の必要に事欠く人々を助け、先見の明と連帯精神のもとに、社会・経済的解決策を計画できますように。

 至聖なるマリアよ、軍備拡張と増強のための莫大な費用が、未来の同様の災害を防止するための正しい研究促進に向けられるよう、彼らの良心に触れてください。

 愛する御母よ、すべての人を結ぶきずなの自覚のうちに、わたしたちがただ一つの大きな家族に属しているという意識を、世界に育ててください。わたしたちが兄弟愛と連帯の精神をもって、多くの貧困と悲惨な状況を助けることができますように。信仰に固くとどまり、忍耐強く奉仕し、絶えず祈ることができますように。

 苦しむ人の慰め手なるマリアよ、試練にあるあなたのすべての子らを抱擁し、神がその全能なる御手をもって私たちをこの恐ろしい感染症から解放してくださるように、そして、私たちが安心のうちにいつもの生活を取り戻せるよう、どうか神にお祈りください。

 私たちは、あなたにより頼みます。あなたは私たちの歩みを救いと希望のしるしとして照らしてくださいます。慈しみ深い、慈悲あふれる、優しき乙女マリアよ。アーメン」

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 集いの終わりに、教皇は、ビデオ中継を通してこの祈りに参加したラテンアメリカの巡礼地に、スペイン語で次のように挨拶をおくられた。

 「中継で結ばれ、祈りに一致してくださった、ラテンアメリカの巡礼地におられる皆さん。グアダルーペや、他にもたくさん、ここから見えます。私の母国語でご挨拶します。私たち皆と一緒にいてくださってありがとう。私たちの母、グアダルーペの聖母が、私たちを見守ってくださいますように!」

(編集「カトリック・あい」)

2020年5月31日

・教皇フランシスコと共に、ロザリオの祈りを唱えよう!全世界に中継

Pope Francis before the icon of Mary, Salus Populi RomaniPope Francis before the icon of Mary, Salus Populi Romani  (Vatican Media)

–          Via the Vatican News English YouTube channel: click here

–          Live-streamed on our Facebook page: click here

The event will also be live-streamed in the original language (Italian) accompanied by Sign Language used in Italy : click here

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2020年5月30日

・教皇、聖霊降臨の大祝日から聖ペトロ広場の正午の祈りを再開、ミサは非公開

Pope to resume Regina Coeli from St Peter's SquarePope to resume Regina Coeli from St Peter’s Square  (AFP or licensors)

   バチカン報道室は26日、教皇フランシスコが31日の聖霊降臨の大祝日に、バチカンの聖ペトロ大聖堂で非公開ミサを捧げた後、聖ペトロ広場に面したバチカン宮殿の窓から広場に集まる巡礼者たちと共に唱える形の正午の祈りを再開する、と発表した。

  このような形の正午の祈りは、3月半ばに同広場が閉鎖され、バチカン宮殿からの動画中継に変更されて以来、2か月半ぶりとなる。

 発表によると、聖霊降臨を祝う大聖堂のサンティッシモ・サクラメント礼拝堂(御聖体の礼拝堂)で「聖霊降臨」のミサを、現地時間午前10時(日本時間午後5時)から、一般の会衆を伴わずに司式される。このミサは、バチカン・ニュースによって中継される。

 聖堂前の聖ペトロ広場での正午の祈りは、厳重な規制の下に、広場に集まる人には”社会的距離”の確保など条件を付ける。これも、これまで通り、動画中継される。

 

2020年5月27日

・「聖母月」終了控え、教皇が30日にバチカン庭園でロザリオの祈り

教皇フランシスコ、バチカン庭園内の「ルルドの洞窟」前で教皇フランシスコ、バチカン庭園内の「ルルドの洞窟」前で 

 5月の「聖母月」の終了を前に、教皇フランシスコによるロザリオの祈りが、イタリア時間30日午後5時30分(日本時間31日午前零時30分)からバチカン庭園「ルルドの洞窟」前で行われることになった。バチカン・ニュースでビデオ中継される。

 教皇によるこのロザリオの祈りは、教皇庁新福音化推進評議会(議長:サルバトーレ・フィジケッラ大司教)の企画によるもの。新型コロナウイルス感染の世界的拡大に苦しむ人々に、教皇は改めて寄り添い、神に救いと助けを祈り求め、聖母の取り次ぎを願う。

 教皇のロザリオの祈りは、新型ウイルスの打撃を受けている世界の巡礼地、ルルド(フランス)、ファティマ(ポルトガル)、チェンストホヴァ(ポーランド)、サン・ジョヴァンニ・ロトンド(イタリア)、ポンペイ(イタリア)、エレレ(ナイジェリア)、ルハン(アルゼンチン)、グアダルーペ(メキシコ)などからの中継を交えて行われる予定だ。

(編集「カトリック・あい」)

 

2020年5月27日

・回勅「ラウダート・シ」考察のための「特別年」開始-来年5月24日まで

回勅「ラウダート・シ」考察のための「特別年」始まる回勅「ラウダート・シ」考察のための「特別年」始まる 

 環境回勅「ラウダート・シ」発表から24日で5周年を迎え、教皇フランシスコは同日から来年5月24日までを、回勅「ラウダート・シ」についての考察を深める特別年とすることを発表、24日にその開始を告げられた。

 24日の正午の祈りの後にその開始を告げられた教皇は、この回勅が「地球と貧しい人々の叫びへの関心を喚起するためのもの」であり、24日からの特別年の間、この回勅を考察し、「私たちの『共通の家』と、そこに住む最も弱い立場にある兄弟姉妹たちの保護」に取り組むように、世界の信徒たちに呼びかけられた。

 そして、この特別年のために作られた次の祈りを唱えるように勧められた。

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《地球と人類のための共通の祈り》

英語訳

Loving God,
Creator of heaven, earth and everything in it.
Open our minds and touch our hearts,
so that we can be part of creation, your gift.

Reach out to those in need during these difficult times,
especially the poorest and most vulnerable.
Help us show creative solidarity in dealing with
the consequences of this global pandemic.
Make us brave to embrace the changes aimed
at the common good.
Now more than ever, that we can feel that we are all
interconnected and interdependent.

Make it possible for us to listen and respond
to the cry of the earth and the cry of the poor.
May today’s suffering be the pain of childbirth
in a more fraternal and sustainable world.

Under the loving gaze of Mary Help of Christians,
we ask this through Christ our Lord.

Amen.

(日本語仮訳「カトリック・あい」)

 愛にあふれる神よ、

 天と地と、そこにあるすべてのものの創造主よ。

 私たちの心を開き、私たちの心に触れてください。

 私たちが、あなたの贈り物である被造物の一部でいることができるように。

 この困難の時、最も貧しく、最も弱い人たちをはじめ、困窮した人々のそばにいてください。

 新型コロナウイルス世界的な大感染に立ち向かう中で、私たちが創造的な連帯を示せるように、助けてください。

 共通善の追求に向かって、変化を受け入れる勇気を、私たちにお与えください。

 

 私たちは今、これまで以上に、皆が互いにつながり、互いに依存していることを感じています。

 地球と貧しい人々の叫びに、私たちが耳を傾けることができるようにしてください。

 この現在の苦しみが、より兄弟愛に満ち、持続可能な世界を築くための産みの苦しみでありますように。

 扶助者マリアの愛に満ちた眼差しのもとで、私たちは、主キリストを通してお願いします。アーメン。

(編集「カトリック・あい」)

2020年5月25日

♰「真に人間的なコミュニケーションは、心の交流を作る」教皇が新規出版

The cover of the new volume of Pope Francis' writingsThe cover of the new volume of Pope Francis’ writings 

*キリストの眼差しで

 この本の特徴の一つは、「キリストの眼差しで」という、これまでに書かれたことのないタイトルを付けた章が設けられている点だ。

 この中で教皇は、マルコ福音書に書かれた「永遠の命を得る方法をイエスに尋ねた金持ちの若い男性との出会い」(10章17-22節参照)を取り上げ、その箇所の「イエスは彼を見つめ、慈しんで言われた」(21節)に注目されている。

 ここに、イエスのなさり方が明らかにされているーそれは、「主が、彼の言葉ではなく、彼自身を注視しておられる」ことだ。これは、真に人間的な意思を伝え合うために、「世界や他の人々と触れ合い、関係を構築する」ことが、どれほと重要であるか、と示している、と強調している。

*他者を理解しようと努める

 教皇はまた、このような愛の視点を欠くと、人間のコミュニケーションは容易に弁証法的な争いになってしまう… そうならないように、「他者」に自分の心を開くことで、私たち自身と対話の相手の存在の意味についての問題に取り組むことができる、と指摘し、「コミュニケーションは単に情報交換の手段になるだけでなく、交わりを築く手段にもなります」と説かれている。

*”開放”が陥りやすい傾向

 だが、他者に心を開くコミュニケーションには、一定のリスクが伴う。それが、自分自身の固有の人格についての認識から始まるが、相手の立場に耳を傾けることにオープンでなければならない。効果的な対話は、自分自身の固有の人格を保ちつつ、相手の固有の人格を認め、相手の自由を認めることで成り立つーとされた。

 教皇は、これに関連して、19世紀の英国の神学者、聖ジョン・ヘンリー・ニューマンの見方に注目。ニューマンは、人の会話は、問題の要点の真理(それが必要で重要であるにもかかわらず)ではなく、”開放”が陥りやすい傾向に依存することが、しばしばある、と指摘しているが、教皇は、「話し相手の気質にとても大きく依存することから、コミュニケーションは、そうした気質を壊し、変容することのできる出会いでなければなりません… 言い換えれば、回心に開かれていなければならない-そのためには、勇気が必要です」と強調した。

*自由の重要性

 また、教皇は、マルコ福音書のこの箇所で、金持ちの男は、たくさんの財産を持っていたので、(注:イエスの『(永遠の命を得たいなら)持っている物を売り払いなさい』という言葉に)「顔を曇らせ、悩みつつ、立ち去った」とされているが、それは、彼が真に自由ではなく、自分の財産にとらわれていたから、と指摘。

 「地球上にいる人々を人間的にし、コミュニケーションに関する全ての活動を人間的なものにするために、真の自由は、欠かすことのできない”薬味”なのです」と強調。「自由がなければ、真実はありません。すべての関係は、虚構、偽善、表面的なもの、さらには道具になってしまいます」と訴えられた。

 だが、イエスの次の言葉は、金持ちの若い男が永遠の命を得ないままにならない可能性を示唆しているー弟子たちが「それでは、誰が救われることができるのだろうか」と言い合う(10章26節)のを聞いて、イエスは「人にはできないが、神にはできる」と言われいる(同27節)からだ。

 教皇は、これは、神を私たちの会話に入るようにお誘いする、祈りへ心を開くことを意味する、とされ、イエスはまた、「話しておられる相手を見つめておられる」とも指摘された。

 そして、この章を、次の祈りで締めくくっておられるー「神の眼差しが、いつも私たちの人生に注がれますように。他の人たちと関係を持ち、言葉を交わす時、ご自分のすべてをお与えになるほどに無償で寛大な愛の目で、私たちを見つめてくださった”イエスの眼差し”を持つことができますように」。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

2020年5月25日

・バチカン美術館とカステル・ガンドルフォ教皇離宮、6月1日から一般公開を再開

(2020.5.24 バチカン放送)

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため一時休館していたバチカン美術館と、カステル・ガンドルフォ教皇離宮博物館が、6月1日から一般公開を再開することになった。

 約3ヵ月ぶりの再開にあたって、バチカン美術館は、安全と衛生上の必要に最大限に応えると共に、美術鑑賞の本質を失わないための配慮に取り組む。具体的には、衛生基準と”社会的距離”を厳格に守り、入場者全員の体温を測定したうえ、マスク着用者のみに入場を許可する。

 開館時間内は、バチカン市国の保健衛生局と共にイタリアの救急隊員が待機し、臨機応変に対応。見学に関する他の重要事項は、ウイルス感染の今後の状況に応じて、その都度、特別な計画に沿って設定される。

 また、バチカン美術館への入場には予約が必要で、公式サイトwww.museivaticani.vaで予約できる。この特別な期間中は、予約料4ユーロは課されない。

 また、開館時間も、月曜日から木曜日までは午前10時から午後8時(入館は午後6時まで、各展示セクションからの退出は午後7時30分から)、金曜日と土曜日は午前10時から午後10時(入館は午後8時まで、各展示セクションからの退出は午後9時30分から)となる。毎月最終日曜日の恒例の無料開館は、当面、休止される。

 バチカン美術館と共に、カステル・ガンドルフォの教皇離宮博物館も、6月6日から再公開される。教皇の夏の離宮とその素晴らしい庭園の見学時間は、新型コロナウイルスによる緊急事態の終了までは、土曜日と日曜日のみ、午前10時から午後6時まで(入場は午後5時まで)。入場者全員が、体温チェックを受け、マスク着用者のみ入場が許可される。見学希望者には、バチカン美術館の公式サイトを通しての予約が必要。

 なお、毎週土曜日にバチカン市国駅から出発するカステル・ガンドルフォ行きの特別列車は、当分の間、運休となる、

(編集「カトリック・あい」)

2020年5月25日

・24日は環境回勅「ラウダート・シ」5周年-「創造の福音」が回勅の意味を解く鍵

A swan with cygnets on the River Ill in StrasbourgA swan with cygnets on the River Ill in Strasbourg  (AFP or licensors)

 教皇フランシスコの環境回勅「ラウダート・シ」発出5周年を前にした22日、 Global Catholic Climate Movement主催のウエブ・セミナーが開かれた。

 セミナーで講演したバチカン人間開発省のタークソン長官(枢機卿)は、同回勅の第二章「創造の福音」を取り上げ、回勅の副題「On Care for Our Common Home(日本語公式訳:共に暮らす家を大切に)」がどのようにして付けられ、創造への配慮がどのようにして創造者である神への信仰と繋がっているのか、について語った。そして、アッシジの聖フランシスコの視点から、私たちがすべての創造された物を共有する兄弟としての関係について言及した。

 *創造の福音

 回勅第二章について、枢機卿は教皇フランシスコによる「創造の福音」の説明の重要性を指摘。「”福音(キリストとその使徒たちが説いた教え)”の目的は、神の力強い業を宣言することです。それが救済そのものであろうと、人の幸福であろうと、神の業について語る時はいつでも、それは常に”良い知らせ”、福音なのです」と述べた。

*エコロジーへのキリスト教徒の対応は

 また枢機卿は「教皇は、福音の観点から創造に言及される際、人類を益する神の偉大な行為を、創造において認めるように、私たちに勧めておられます」とし、それは「回勅全体を読む上での鍵となる、なぜなら、それがキリスト教徒にとっての、地球の環境とそれを大切にすることの重要性の基礎となるからです… それは創造を『人ではなく、すべてを創造される神ご自身の計画に基づく設計図と目的』を持った神の業と考えるように私たちに勧めます」と語った。

 さらに、「キリスト教徒に求められているのは、創造されたすべてのものの中に神の計画を追求すること。創世記は『神が、私たちの家となるように創造を計画された』と語っており、そのことから、回勅の副題が『On Care for Our Common Home』となったのです」と説明した。

*神を讃え祈ることが、”共通の家”を大切にすることに繋がる

 「創造物である”共通の家”を私たちが大切にすることは、祈りと直接に繋がっています」とする枢機卿は、「キリスト教徒はすべての創造物を神の業と見るように勧められています。そして、創造物が神の目的にどのようにしたら合うのか、私たちはどのように神を祈り讃えればいいのか、それが次の課題となります」と述べ、「神が誰なのかを認識し、神を讃え祈ることに全身全霊を傾けること」が、その課題を解く助けとなる、と強調した。

 そして枢機卿は、創世記を取り上げ、「ここで、神が創造された”園”で、人に託された役割が語られています… ヘブライ語の”園”には”奉仕”の意味があり、人が神を崇拝して行う”奉仕”の意味でも使われます。ですから、神が創造の過程で造られたすべてのものについての、人の働きもまた、神を崇拝し、神に仕える方法も表している、したがって、すべての人間の活動は最終的に『神を崇拝する感覚』を持つべきものなのです」としたうえで、「仮に私たちの活動、あるいはこの地球の利用が、神を崇拝し、神の栄光を讃えることに繋がらないなら、私たちは、深刻な問題に直面することになります」と指摘した。

*地球は、現在と未来のすべての人のもの

 「創造が神の業である」ということから私たちが導き出せる第3のポイントは、「創造されたものを”好き勝手”に搾取することは、いかなる人間にも認められないこと」とした枢機卿は、「このことは、”場”の観点からも、”時”の観点からも、言えることです。私たちは、未来の人々が必要とすることも考慮に入れて、現在必要とすることを、大切にせねばなりません。これは”世代間連帯”と呼ばれています」と講演を締めくくった。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

2020年5月23日