・教皇が北米で教区再編統合加速、米国のアンカレッジ、ジュノー両教区の統合決める

Roman Catholic Diocese of Juneau.svgRoman Catholic Archdiocese of Anchorage.svg

  教皇フランシスコは19日、米国のアンカレッジ大司教区とジュノー司教区を統合し、アンカレッジ・ジュノー大司教区とすることを決定。新大司教区の初代教区長・大司教に、ジュノー教区長でアンカレッジ大司教区管理者のアンドリュー・ベリサリオ司教を任命した。

 アンカレッジ・ジュノー大司教区はアラスカ州南部を管轄し、小教区は32、信徒数はこの地域の総人口の約1割、約5万5000人だ。

 ベリサリオ新台司教は1956年、米ロサンゼルス生まれ。ヴィンセンシオ宣教会に入り、1984年に司祭叙階。アラスカの International Missionsの会長などを経て、2017年に教皇フランシスコからジュノー教区長に任命され、同年に司教、さらに昨年6月に、アンカレッジ大司教区協会管理者に併任されていた。

(解説)

 教皇フランシスコは、2018年5月にイタリア司教協議会の定例総会に出席された際、現在の世界の教会が対処すべき課題として、「召命の危機」への対処、「福音的な清貧」の実践とともに、「教区の再編成」を挙げられ、教区の再編成について具体的に「司牧の要請と教区の機能向上に対応するために、人口や司祭数、施設の分布、運営の効率などを考慮した上で、「教区の合併など、管轄地区の再編成の可能性を探る」ように促されていた。

 その7か月後の同年12月、教皇はその言葉を実践する形で、カナダのオンタリオ州のハースト、ムーソネーの二つの教区を統合し、オタワ教会管区のもとに置く決定をされ、さらに今月6日、オタワ首都大司教区とアレクサンドリア・コーンウオール司教区の統合を決めていた。そして、今回の米国アラスカ州での教区統合は、特に西側先進国に顕著な司祭不足や信徒数の低迷に対処し、再活性化の契機とする対策の一環として、教区の統合再編に取り組もうとする教皇の決意の表われと見ることもできる。

 日本の教会は、明治時代以来の社会の大きな変化、人口動態の激変などにもかかわらず、信徒数に比べて過剰ともいえる、ほとんどが明治時代に作られた16もの教区をもち続けている。司祭が質量ともに不足する中で、空席となった教区長・司教の補充もなかなか進まない。日本の教会、司教団は、教皇のこうした動きを他人事にとせず、真摯に受け止め、具体的な対応を真剣に考えるべきだろう。

(「カトリック・あい」南條俊二)

2020年5月20日

・バチカンとイタリア全土の教会で公開ミサを再開ー司祭も早くもルール無視?

(写真:Remo Casilli / Reuters)

(2020.5.19 カトリック・あい)

 バチカンなどイタリア全土の教会で18日から、これまで2か月にわたって中止されていた一般信徒対象の公開ミサが再開された。バチカンでの再開第一号は、教皇フランシスコによる聖ペトロ大聖堂の聖ヨハネ・パウロ記念祭壇での同聖人生誕100年ミサとなった。

 世界有数の新型コロナウイルス感染国であるイタリアでは、感染者の増加がおさまってきたとして、政府が規制を徐々に緩和しており、18日からは州内の移動を自由化、小売店や博物館、サッカー1部リーグ(セリエA)の練習などを再開、来月3日からは国内の移動、欧州の多くの国からの観光客の入国も自由にする予定。

 公開ミサの再開は、こうしたが動きを受けたものだが、感染者の増加がおさまってきたとはいえ、18日には一日で新たに451人の感染者が出ている。これは日本の同じ日の新規感染者数31人と比べ、人口比では約30倍。すでに累計感染者22万6000人、死者3万2000人に上っているイタリアで、いつ二次感染、三次感染がおこるか、不安を残している。

 現地からの報道では、18日の再開早々、聖ペトロ大聖堂でのミサで、聖体拝領中のマスク、手袋の着用ルールを守らない司祭がいたとも伝えられている。公開ミサ再開が新型ウイルス感染に対する気のゆるみを生み、感染再拡大のきっかけになることのないよう祈りたい。

 再開された公開ミサではバチカンはじめイタリア全土の教会で、聖堂の消毒の徹底、信徒たちにマスク着用、互いに1.5㍍以上の間隔をあけること、司祭は聖体拝領の儀式中のマスク、手袋着用などが義務付けられ、主日や祝祭日の多くの信徒が参加するミサでは聖堂入り口での体温検査なども予定している、という。教皇も再開前日の17日に「互いの健康、人々の健康を守る」ために、こうしたルールを守ってミサに参加するよう求めていた。

 だが、ロイター通信の現地からの報道によると、18日の聖ペトロ大聖堂のミサに記者が参加した際、祭壇の脇にいた少なくとも一人の司祭が、聖体拝領の儀式中もマスク、手袋を着用していなかった、という。聖ヨハネ・パウロ記念祭壇のミサの写真を見ても、「1.5㍍の間隔をあける」というルールが必ずしも守られていないようで、早くも気のゆるみが出ているのではないか、と懸念される。

The faithful will have to wear masks. Priests can celebrate most of the Mass without masks, but they will have to wear one, as well as gloves, when they distribute communion. The communion is to be given in the hand and not the mouth.

On Sunday, May 17 the pope urged Italian to observe the new norms “in order to defend each other’s health and the health of the people.”

 

But, according to an Italian reporter inside the basilica on morning of May 18, at least one priest at a side altar did not wear gloves or a mask while giving communion.

Technically, St. Peter’s has remained open during the Italian lockdown which began in early March, although only for private prayer. Only very few people have entered because of increased security to avoid gatherings in the square outside.

The Vatican has not yet announced when the pope will say a Mass from the main altar before the public. His services since early March have been held in an almost empty chapel in his residence and streamed live on the internet or on television.

The Vatican has said that when St. Peter’s is open for large Masses on Sundays and holy days, thermal scanners will be used to check the temperatures of those going inside.

Police officers wearing protective face masks stand in front of St. Peter’s Basilica as Italy allows Mass to resume after months of closure, during the coronavirus outbreak, May 18.
2020年5月19日

・聖ヨハネ・パウロ2世の生誕100年-18日朝、教皇フランシスコが記念ミサ

聖ヨハネ・パウロ2世生誕100年

 5月18日、聖ヨハネ・パウロ2世の生誕100年を迎える。教皇フランシスコは同日午前7時(日本時間同日午後2時)から、聖ペトロ大聖堂内の、聖ヨハネ・パウロ2世の棺を安置した祭壇でミサを捧げられ、バチカン・ニュースを通しビデオ中継される。

 カロル・ヴォイティワ、のちの聖ヨハネ・パウロ2世(教皇在位:1978年10月16日‐2005年4月2日)は、ポーランド南部ヴァドヴィツェに、1920年5月18日に生まれた。

 教皇フランシスコは、バチカン宮殿で行われた5月17日(日)正午の祈りで、この記念日について次のように話された。

 「親愛なる兄弟姉妹の皆さん。明日、5月18日、聖ヨハネ・パウロ2世がポーランドのヴァドヴィツェに誕生してから、ちょうど100年を迎えます。聖ヨハネ・パウロ2世をたくさんの愛情と感謝の念をもって思い起こしましょう。18日午前7時、私は、聖ヨハネ・パウロ2世の御遺体が安置された祭壇でミサを司式します。このミサは世界に中継される予定です。聖ヨハネ・パウロ2世が、天国から神の民と世界平和のために、私たちの祈りを取りつぎ続けてくださいますように」

2020年5月18日

・教皇、回勅「ラウダート・シ」記念週間(16日-24日)へ参加呼びかけ「大感染の今、”共通の家”を守ることは一層重要だ」

Laudato Sì Week runs from 16 to 24 MayLaudato Sì Week runs from 16 to 24 May 

 教皇フランシスコが環境回勅「ラウダート・シ」を発表されて5年、16日から24日はその記念週間だ。

 教皇は17日正午の祈りの後で、この週間の今日的な意義を「新型コロナウイルスの世界的大感染が続くこの時期に、私たちの”共通の家”を大切に守る重要性を、より一層、認識しています」と語られ、世界の信徒たちの様々な形での参加を呼びかけられた。

 今年の記念週間のテーマは「everything is connected(すべてのものは、つながっている)」。バチカン人間開発省は、「明日のより良い世界を、ともに祈り、考え、準備することで、現在の危機を乗り越える」ために、一年にわたる”変容の旅”を始める。

 なお、教皇は今年3月に、この記念週間開催についてメッセージを出され、その中で、 「どのような世界を、私たちの次の世代-今成長しつつある子どもたちーに残したいと思いますか。 この問いに促されて、皆さんに今年5月16日から24日まで行われる『ラウダート・シ週間』への参加を呼びかけたいと思います。 これは『共通の家』への配慮をめぐる回勅、『ラウダート・シ』発表から5周年を記念して行われるグローバルなキャンペーンです。 環境危機に応えるための緊急アピールを繰り返したいと思います。地球の叫びと貧しい人々の叫びはこれ以上待つことはできません。 創造主なる善き神の贈り物である、被造物を大切にしましょう。『ラウダート・シ週間』を一緒に記念しましょう」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2020年5月17日

・18日公開ミサ再開ー聖ペトロ大聖堂などローマの4大聖堂の代表者が対応協議

(2020.5.14 Vatican News)

   来週月曜、18日からの公開ミサ再開についてイタリア司教協議会はイタリア政府と合意しているが、14日、聖ペトロ大聖堂などローマの四大聖堂(*)の代表者がバチカン国務省の会議に出席し、公開ミサ再開に当たっての条件などについて協議した。(*聖ペトロ大聖堂の他、サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ、サンタ・マリア・マッジョーレの3つの大聖堂)

 バチカン広報局が14日午後に出したプレス向け発表文によると、「(四つの)教皇大聖堂の代表者たちが、14日朝の国務省主催の会議に出席」した。会議では、イタリア政府が実施する「(新型コロナウイルス感染拡大防止の)フェーズ2」の「新局面」について話し合った。「フェーズ2」で、イタリア国内の教会は5月18日から、一般信徒への公開ミサ再開が認められる。

 会議で話し合われたテーマには「信徒たちの安全を保証するために最も適切な必要措置」が含まれ、具体的には、「ミサの参加希望者に対する体温測定」などが挙げられている、という。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2020年5月15日

・教皇のサンタマリア館での日々のミサ動画配信、18日で終了へ=ミサ・説教集デジタル活字版発行

(2020.5.12 Vatican News Andrea Tornielli)

   教皇フランシスコは18日にバチカンの聖ヨハネ・パウロ二世教皇の墓の前で、同教皇の生誕100周年を祝うミサを捧げられるが、この日をもって、新型ウイルス感染防止策の一環として、全世界に向けて2か月にわたって続けられたサンタマリア館での日々のミサの動画配信を中止することになった。

*最後の動画配信ミサ

 これまで2か月にわたる教皇のお住まい、サンタマルタ館での朝のミサのインターネット、テレビ、ラジオなどを通じての動画配信は、世界の信徒足しにとって素晴らしい贈り物となった。

 多くの人々、教会から遠く離れていた人々でさえ、日々の始めに、自宅の玄関の扉を静かにノックされた教皇がそばにおいでになり、支えてくださるのを実感した。福音との毎日の出会いの重要性と安らぎを知った。これまでは、信徒の多くがテレビを通して典礼に与った経験を持たなかった。ご聖体の前で、言葉もなく、ただ数分、黙って祈るのみだった。

 教皇の即興の説教の素晴らしさ、単純明快さは、私たち皆が何ページにもわたる福音の中に入り、あたかも、イエスに関する出来事が起きている現場にいるという実感を味わうように、させてくれた。私たちが家に閉じ込められる危機的な状況が続く中で、教皇の日々の教えの重要性は確かなものとなり、先の見えない、辛く、苦しい、将来に多くの疑問を抱かせるようなことばかりの時期に、それを乗り切る決定的なものとなった。

 

*教皇の教導職と奉仕

 サンタマルタ館でのでの説教は、教皇フランシスコのローマ司教としての奉仕の重要な側面を表しています。多くの人々は、バチカン放送などが提供する説教の要約や、それらまとめた年次集などバチカンの出版物に目を通すことに慣れていたが、ここ2か月間に経験したことは、それとは異なっていたー「生放送」は、日々の教皇のミサ典礼に”参加”し、その聖書をもとにした説教を”聴く”ことを、リアルタイムで可能にしたのだ。

*全世界で数百万人が参加した

 そして、このような動画同時配信のミサに、毎日、数百万人が触れることができた。多くの人が感謝の気持ちを込めと手紙を送っている。

 今、イタリアの教会での公開ミサ典礼が再開され、新たな段階が始まる。確かに、日々の同配信の終結で、世界の人々が日々の教皇のミサに与れなくなる。だが、教皇ご自身が語られているように、私たちは、個人として典礼に参加するように、秘跡の中にある、主と共に交わる親しさ、に戻っていく必要がある。

*デジタル版の教皇のミサ・説教集(英語版)

 そして、もうひとつの教皇フランシスコの招きを忘れないようにしよう-それは、これまでの危機の間、サンタマルタ館で教皇がなさったミサと聖書をもとにした説教の大部分を集めたデジタル活字版を活用できる、ということだ。(ここをクリックするとダウンロードできます⇒Click here to download “Strong in the Face of Tribulation”

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

2020年5月13日

♰教皇、5月14日を世界の諸宗教の信徒たちと心を合わせる「祈りと断食と人類のための祈願の日」に

(2020.5.3 バチカン放送)

 教皇フランシスコは3日の正午の祈りの中で、14日を「祈りと断食と愛のわざの日」とし、諸宗教の人々と共に、パンデミックの収束のため祈るよう呼びかけられた。

 祈りの持つ普遍的価値を強調された教皇は、「人類の兄弟愛のための高等委員会」の提案を受け入れ、5月14日を祈りと断食、愛徳の業の日とし、「すべての宗教の信者と精神的に一致し、人類が新型コロナウイルスの感染拡大を克服することができるよう神に助けを祈り求めよう」とアピールされた。

 「人類の兄弟愛のための高等委員会(議長 ミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット枢機卿)」は、2019年2月、教皇のアラブ首長国連邦訪問の際、アブダビでアル=アズハルのグランド・イマーム、アフマド・アル・タイーブ師と共に「世界平和のための人類の兄弟愛」をめぐる共同文書に署名したことをきっかけに、昨年8月にバチカンに設立された組織で、世界各国の宗教指導者や研究者から構成される。

 同委員会は、このほど発表した声明の中で、新型コロナウイルスに世界の無数の人々の命が脅かされているこの時、創造主なる神が人類をこの試練から救い、科学者らのこの感染症に打ち勝つための研究を助け、パンデミックによる医療・経済・人道的影響から世界を解放してくださるよう、断食と愛徳の業のうちに、願い求めよう、と訴えた。そして5月14日を「祈りと断食、人類のための祈願の日」として、人類がこのパンデミックを克服し、安全と、安定、健康、発展を取り戻し、より人間的で兄弟愛に満ちた世界を築けるよう、声を一つに祈るように、世界の諸宗教の指導者および信者に、求めている。

2020年5月8日

改・教皇フランシスコ、カナダのオタワ首都大司教区と隣接教区の統合を決断ー日本の教会は?

Coat of arms of Ottowa e Alexandria-Cornwall Dioceses, CanadaCoat of arms of Ottowa e Alexandria-Cornwall Dioceses, Canada 

(2020.5.6  Vatican News)

   教皇フランシスコは6日、カナダのオタワ首都大司教区とアレクサンドリア・コーンウオール司教区の統合をを命じるとともに、統合で出来るオタワ・コーンウオール首都大司教区の教区長に、オタワ教区長のテレンス・ブレンダーガスト大司教(イエズス会士)を任命した。

 また、補佐大司教としてスーセント教区長のマルセル・ダンフース司教をあてることを同時に決めた。

 なお、今回の2教区統合で誕生したオタワ・コーンウオール大司教区は107の小教区に信徒約45万人、司祭は260人で、うち教区司祭は118人、修道会司祭は142人。(翻訳・編集「カトリック・あい」)

【解説・カトリック・あい】

 世界の教会の教区統合再編は、近年ではあまり例がなかったが、教皇フランシスコは、2018年5月にイタリア司教協議会の定例総会に出席された際、現在の世界の教会が対処すべき課題として、「召命の危機」への対処、「福音的な清貧」の実践とともに、「教区の再編成」を挙げられ、教区の再編成について具体的に「司牧の要請と教区の機能向上に対応するために、人口や司祭数、施設の分布、運営の効率などを考慮した上で、「教区の合併など、管轄地区の再編成の可能性を探る」ように促されていた。

 そして、7か月後の同年12月、教皇はその言葉を実践する形で、カナダのオンタリオ州のハースト、ムーソネーの二つの教区を統合し、オタワ教会管区のもとに置く決定をされ、さらに今回、そのオタワ首都大司教区が関係する教区統合を決められたことは、特に西側先進国に顕著な司祭不足や信徒数の低迷に対処する一環として、教区の統合再編に取り組もうとする教皇の決意の表われと見ることもできそうだ。

 明治時代以来の日本社会の大きな変化にもかかわらず、ほとんど変わることのない、信徒数に比べて過剰ともいえる教区をもち、空席となった教区長たる司教の補充もなかなか進まない日本の教会、司教団もこうした動きを他人事にとせず、真摯に受け止め、対応を考えるべきではなかろうか。

 

 

2020年5月6日

・バチカン人間開発省移民難民局が「国内避難民の司牧指針」発表

シリアの国内避難民たち、北部アレッポ県で 2020年2月シリアの国内避難民たち、北部アレッポ県で 2020年2月  (AFP or licensors)

(2020.5.5 バチカン放送)

 教皇庁の人間開発省移民難民局は5日、「国内避難民の司牧指針」のガイドブックを発表した。

 国内避難民問題の国際的な調査機関、Internal Displacement Monitoring Centre(IDMC・国内避難民モニタリングセンター)によると、2018年末現在の全世界の国内避難民は約4130万人と、統計開始以来、最高を記録している。

 国内避難民の発生には様々な背景があり、主な原因として、武力紛争、暴力の常態化、人権侵害、自然災害(突然のもの、あるいは何年もかけて進行するもの)があり、都市の再開発、大規模なインフラ整備などによるものもある。避難民の生活が、遠隔の地で長期にわたる場合、教育や、仕事、所有財産、生活に必要な支援へのアクセスが複雑・困難になり、未来の展望も容易ではなくなる。

 人間開発省・移民難民局が5日発表した「国内避難民の司牧指針」は、冒頭で「国内避難民の状況は複雑で、国際社会の介入が難しく、メディアや一般社会の関心も薄いために、その存在は忘れられ、避難民らの立場はますます弱いものになっている」としたうえで、「教会は、関係国政府はもとより、広くメディアや社会に、国内避難民への関心を呼びかける必要がある」と主張。

 具体的には、「受け入れる」「守る」「推進する」「統合する」の4つをテーマに、122の指針を示し、避難民を保護するための様々な働きかけ、人権擁護のための法整備、子どもや家族への特別な配慮、人身取引防止のための情報や教育、人道支援要員の安全確保の必要などを記している。避難民の社会・経済生活への参与、医療サービスへのアクセス、子どもたちの権利、支援運営の透明性、物的だけでない精神的支援などの推進に触れ、さらに、避難生活からの生活再建、受け入れ先への適応、帰還の計画に、教会の支援・協力を促している。

2020年5月6日

・教皇フランシスコが「ヨハネ・パウロ一世基金」を設立-責任者にパロリン国務長官

Pope John Paul IPope John Paul I 

(2020.4.28 バチカン放送)

 バチカン広報局が28日、教皇フランシスコが、2月17日付の教書を通し、ヨハネ・パウロ一世・バチカン基金を設立された、と発表した。

 この基金は、ヨハネ・パウロ一世(在位1978.8.26-1978.9.28)の生涯、精神、教えについての研究活動と著作の普及を目的とした機関設立の提案に、現教皇が応えることによって創設された。

 同基金は特に、ヨハネ・パウロ一世の文化的・宗教的遺産の保護、会議・セミナーの促進、賞や奨学金の設立、研究成果の出版などを行い、イタリアおよび海外での同様の研究活動の拠り所となるよう定められている。

 教皇は、同基金の責任者として、国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿を任命された。

「短い教皇職の間に残された優れた思想、霊性、業績を体系的に研究、普及させたい 」

(2020.4.28 VacticanNews)

  「ヨハネ・パウロ一世基金」の責任者になったパロリン国務長官が28日、以下のメッセージを発表した。

  ヨハネ・パウロ一世は、信仰の本質と並外れた社会的感受性をもった、人々に近い司牧者でした。彼の司牧は現代的で、謙虚さ、単純さ、神の慈悲への強い思い、隣人への愛情、連帯において際立っていました。

 第二バチカン公会議の経験を活かし、ご自分の司牧に応用された教皇でした。その短い教皇職において、公会議が示した道に沿って教会を導かれましたー福音の起源に戻り、宣教の精神の刷新、司教団の参加、教会の貧しさにおける奉仕、キリスト教の一致を追求され、宗教間対話、現代世界との対話、国際的な対話、すべては正義と平和のために、忍耐と決意を持ってなさいました。

 たとえば、彼の一般謁見や、貧しい教会、普遍的な兄弟愛、貧しい人々への積極的な愛へのこだわりについて思います。彼は教会の伝統的な教えに、イタリアの司教たちに提起していた連帯の業に関する教えを含めようとされたのです。

 また、彼が1978年の9月10日の正午の祈りで訴えられたことを思い出しますー中東における平和を求め、さまざまな信仰を持つ首長たちに祈るように促されました。このような訴えは、すでに8月31日の教皇就任式に参加した在バチカンの世界各国大使たち外交団との謁見でなさり、地政学的な立場からではなく、信仰の視点から、バチカンの外交活動の性質、特異性を明確にしたうえで、「私たちの心は、すべての人々、文化、人種に開かれています」と強調されました。

 そして、断言されましたー「世界の大問題に奇跡のような解決策はありませんが、それでも私たちは非常に貴重な何かを与えることができます。問題を解決し、本質的な次元にそれらを置く精神、普遍的な奉仕活動… 地球上のすべての人々への福音を伝える謙虚な使者は、それがなくては世界が生きることのできない正義、兄弟愛、連帯と希望を生み出すことに貢献できます」と。そして、第二バチカン公会議が出した現代世界憲章の足跡をたどり、聖パウロ6世の数多くのメッセージを受けて、その偉大な外交にならって活動され、慈しみをもって教会を養うことで、教会に多くの実りをもたらしました。

 世界への奉仕に捧げられたカトリック教会の歴史は、彼の突然の死によって妨げられることはなかった。彼が担った短い教皇職によって特徴付けられた考え方は、”注記”ではありませんでした。教会の統治は、彼の持ち時間に進展できなかったが、人々の苦しみと、慈しみへの渇望に寄り添う教会のあり方を強固するのを助けたのです。

 ヨハネ・パウロ一世の列聖のために、すでに数多くの資料が蓄積されており、歴史的、史料的な観点からの重要な研究と検証の作業が始まっています。したがって、その名声を後世に残すことが可能になっており、その歴史的価値は完全に復元することができるのです。厳格な分析によって検証可能であり、その業績についての研究に新たな視界を開くことになるでしょう。。

 この点で、この新しい ad hoc(特定の目的を持つ)基金の設立は、ヨハネ・パウロ一世の著作と業績という歴史的な財産を保護するだけでなく、その思想と霊性に関する体系的研究と普及を促進するという任務を果たすことを可能にしますー彼の人となりとそのメッセージがいかに時にかなったものであるかを考えることで、さらなる刺戟を受けて。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

就任直後、早過ぎる死に多くの疑惑、いまだに解明されず(「カトリック・あい」解説)

 ヨハネ・パウロ1世は、誠実、清貧、人々と共に歩む教会の再生を目指す、現在の教皇フランシスコの”先輩”とも言える教皇だった。2人の聖人の名前を合わせた教皇名を歴史上はじめて使われ、旧来の虚飾的な慣習を破ろうと努められた。例えば、教皇演説の中で、これまでの教皇が伝統的に自らを「Pluralis Majestatis(朕)」と呼んでいたのを「私」に改めたほか、教皇となるにあたって、豪華な教皇戴冠式教皇冠も拒否した。

 さらに、難解な宗教用語やラテン語を多用していた表現を、一般人にも理解しやすい平坦な表現へと改めた。中南米アフリカ諸国の聖職者をバチカンの要職につけた他、中南米やアフリカ諸国の貧困や独裁体制下で苦悩する民衆への同情を示し、アルゼンチンで行われていた「汚い戦争」を進めていたホルヘ・ラファエル・ビデラ大統領(上記の「ロッジP2」は同大統領を支援していた」)が戴冠式に訪れた際には、直接的な表現でアルゼンチンの現状を非難した。

 バチカン改革にも着手し、就任後間もなくバチカン銀行の不透明な財政についての改革を表明、実際に、マフィアなどと深い関係を持ち汚職を続け、国際的な犯罪捜査の対象となった同行総裁のポール・マーチンクス大司教の更迭を決め、国務長官のジャン・マリー・ヴィヨ枢機卿をはじめとするバチカン銀行の汚職に関係するバチカン内部の関係者の更迭も決めた。

 このような第二バチカン公会議の精神を具現化する思い切った改革の姿勢が、多くのバチカン内の改革派と信者からの支持を受けていたにもかかわらず、教皇在位わずか33日目の1978年9月28日の午前4時45分にバチカン内の自室で倒れておられるのが発見された。

 わずか33日の教皇在位は、20世紀に入ってから最短の在位記録となった。

 だが、発見からわずか15分後に個人秘書がヴィヨ国務長官に連絡したものの、官はすぐに専属医師団を呼ばず、自らの側近に連絡した後に医師団次席に連絡。午前6時過ぎに同医師が検死、遺体解剖が行われていないにもかかわらず、死因を急性心筋梗塞と断定。

 それ以前、医師団への連絡も行われていない午前5時前に、バチカン御用達の葬儀社、シニョラッティ社が呼ばれて、遺体解剖も行われないまま防腐処理が行われてしまった。そして、午前7時27分にバチカン放送によって逝去の発表がされた際には、この検死内容がそのまま発表された。遺体の発見者が教皇の世話をしていた修道女であるにもかかわらず「個人秘書のマギー神父」、遺体発見時刻も「午前5時30分」と偽って発表。

 さらに、更迭を含むバチカンの人事異動者リスト、通常は常時用意されている遺言状が、前日教皇から解任を言い渡されたヴィヨ国務長官により持ち去られており、その後、所在が不明になるなど、不審な点が数多く残った。

 このため、人事を含め大胆な改革に手を付けようとした教皇に、自らの悪事が暴かれることなどを恐れ、強い危機感を抱いたバチカン内外の保守勢力の関与などを疑う声が高まるなど、疑惑の目が向けられたが、死を受けて直ちに行われた教皇選挙で、東西冷戦の終結、ソ連・東欧の共産主義体制の崩壊を象徴するポーランド出身の50代の若い教皇ヨハネ・パウロ二世が誕生し、内外の関心がそちら集中するに及んで、疑惑は解明されることもなく、”消滅”して現在に至っている。

2020年4月30日

・5月3日以降、公開ミサなどを「徐々に再開」?ーバチカン臨時幹部会議+解説

St Peter's SquareSt Peter’s Square 

   バチカンのピエトロ・パロリン国務長官が22日、バチカンの幹部による臨時会議を開いた。 議題は、5月4日からの新型コロナウイルス危機対応策の第二段階について。イタリア政府が5月4日から現在の危機対応策としての規制を緩和する予定を決めたことに対応したものだ。

 バチカン広報局が同日発表した声明では、臨時会議にはバチカンの各省や諸機関の代表が出席、「持続可能な方法で現在の危機に対応しようとする教皇フランシスコの努力」に強く留意して、危機対応策の第二段階の進め方について協議した。

 そして、声明は、第二段階の方針として、「新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための安全対策を継続し、教皇と普遍教会への奉仕を確保しつつ、通常の典礼奉仕などを徐々に再開していく」ことを決めた、としている。

 

(解説)【政治に動かされ、”出口論”を先行させてはならない】

  このようなバチカン広報局の発表にはいくつかの疑問がある。まず、これまで新型ウイルスの世界的感染拡大への対処で一度も公式に開催されていなかった「バチカン幹部による臨時会議」なるものが、今になって開かれ、開催が発表されたのか。二つ目に、感染拡大に終息のめども立たず、発表数字に全く信用が置けない中国を除いて、米国に次ぐ感染による死者を出し、感染者数でも世界第三の規模の大感染を続けるイタリア、いまだ終息宣言のめども立たないイタリアで、政府が規制緩和の方針を出したこと自体、極めて疑問があるにもかかわらず、バチカンがそれに迎合するような方針を打ち出したように見えるのはなぜなのか。そして、最大の疑問は、教皇フランシスコの判断の前に、このような幹部会議の決定をそれも詳細な内容なしに、わざわざ発表したことだ。

 そもそも、バチカンの”幹部会議”のメンバーを見ると、これまでの対中国政策などを見ても分かるように、情勢判断に極めて”政治的”なものが感じられるパロリン国務省長官、かねてから保守・反動的な言動が目立つサラ典礼秘跡省長官などが中心になっている、と思われる。そうした人々が主導して、広報局発表のような前のめりともみられる基本方針を打ち出すに至ったのではなかろうか。

 大感染終息に確たる展望が見えない中で、公開ミサや聖体拝領、告解などの秘跡に大きな制約が長期化し、教会内部からの解除への希望の高まり、大感染の拡大を食い止め・終息に導くために、祈りだけでなく行動に努めねばならない、と要請の間で、教皇の言動に揺らぎが見られ始めた、との見方が関係者の間にあることは確かだ。そうした中で、”幹部会議”が公に方針を打ち出したことは、教皇の今後の判断に大きな影響を与える可能性がある。

 新型コロナウイルス感染に対処するための社会的な活動規制が、世界的な経済活動の低迷を招き、失業や家計の悪化などをもたらす中で、主として経済的な理由から規制緩和を始めようとする動きが特に欧米で出始めている。そのような今、バチカンが規制緩和で”率先垂範”することは、そうした動きを正当化し、加速する危険が大きいのではないか。

 新型コロナウイルスは中国・武漢から始まったのは事実だが、中国は時間の経過とともにそれをさらに隠蔽し、発生の原因も、それに対する対処策、ワクチンの開発の現状なども明らかにしていない。対策を主導すべき世界保健機関(WHO)は中国擁護の姿勢ばかりが目立ち、このウイルス感染に最も多くの情報を持っている中国に情報公開も要求せず、中国も含め、日米欧でワクチン開発に共同で総力を挙げるに至っていない。

 そのような現状で、早々と”出口論”-規制緩和の方向を、世界3億の信徒を抱えるカトリック教会を主導するバチカンが打ち出すことは、決して好ましいとは言えないだろう。実際のところ、来月4日から、そのような「第二段階」の指針をバチカンが明確に出すようなことがあれば、感染爆発、医療崩壊の危機を強める日本で、これまでの公開ミサ中止など、必死の努力を続けてきた東京教区を中心とする日本の教会の今後の取り組みにも影響を与えかねない。

 教皇フランシスコの賢明な判断を、主への祈りと共に、待つばかりだ。

(「カトリック・あい」南條俊二)

 

「第二段階」に向けて新型ウイルスの”被災者”支援などの準備も、教区やカリタス・イタリアなどが始めた(Crux)

  ローマ発ーイタリアでは、国レベルと地方レベルの両方の教会指導者が、新型コロナウイルスの大感染危機からの回復を前提とした第二段階の行動計画を考え始めた。

 詳細は不明だが、現在中止されている公開ミサなど典礼奉仕を通常に復帰させることや、これまでの国内の経済活動の停滞による貧困と失業の増大で起きる可能性のある社会的緊張への用意などが中心になっている模様だ。

 イタリア司教協議会(CEI)のイヴァン・マフェイス事務局長がイタリアの日刊紙il Fatto Quoditianoに語ったところによると、司教団は、5月3日から、参加者たちが適当な社会的距離を置き、マスクと手袋を着用するなどの条件付きで、公開ミサ、葬式、洗礼式、結婚式を再開することを、暫定的に提起している、という。

 イタリア政府は、国民に課している厳格な規制の一部を、5月4日から解除することを予定しており、タバコ屋や食料品店、子供服店などが営業を再開された場合、公開ミサなどの典礼中止を受け続けることに信徒たちが強い不満を抱くのは必至で、スペースの余裕のある大きな教会で信徒が参加した典礼の再開は避けられない、との判断だ。

 事務局長は「緊急事態に求められるあらゆる注意を払って、私たちは通常の教会生活に戻らねばなりません。そのことが強く求められているのです… 要求に応じることは、社会の結束への貢献を意味します」と述べている。

 司教協議会の代表は17日に政府関係者と会い、公開ミサの再開などについて話し合った。会議の結果を受けて、司教団は原案を修正したうえで、政府側に再提示することになった、という。

 ミラノ大司教区は21日にウエブサイトに声明を出し、公開ミサなど典礼の再開から祈祷や慈善事業の活動再開にわたる様々な教会活動についての「アイデアや優れた慣行」の提案を信徒たちに求めた。出された提案は、特別の集まりを開いて検討したうえで、政府との協議に諮ることを前提として、司教協議会に提出する、としている。

   同大司教区の評議会議長のブルーノ・マリノーニ師は、「『第二段階』はかなりの時間続くと予想されるので、私たちはキリスト教共同体とすべての神の民と定期的な対話を始めたいと思っています。そうすることで、現在の極めて特別な時を、司牧のしるしを共有する形で受け止め、教区の人々とともに歩むように、大司教を助けてもらいたいのです」と説明した。

 バチカンでも22日に、ピエトロ・パロリン国務長官と全省の首脳が集まって、5月4日からのバチカンの「第二段階」について協議した。詳細はまだ明らかでないが、バチカン広報局の声明では、「持続可能な方法で危機に対処するために、教皇がされているた努力」を受けて、「通常の典礼奉仕の段階的な再開」を決めた。「新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための予防策を守りながら、聖なる父と普遍的な教会への奉仕を確実にする」としている。

 これとは別に、カトリックのいくつかの慈善団体は、貧困の増大などに対応する活動の準備を始めている。イタリア司教協議会の公式ウェブサイトで掲載された記事で、イタリア国営食料銀行のジョバンニ・ブルーノ社長「新型ウイルス感染拡大防止のための規制の解除は、段階的なものであっても、新型ウイルスによって聞き起こされた問題を去らせることはないだろう」と語り、例えば今も、食糧支援を求める人は増加を続けている、として、南部の町、コゼンツァの場合、この二週間で、食糧支援の対象者が十倍の600人に増えたことを挙げた。イタリア全体でも支援者数は4割増えており、地域的には南部に集中している。現在の支援者数は約150万人だが、今後数か月でさらに大きく増えると見ている。

 カトリックの国際慈善団体、カリタス・インターナショナルでは、支援基金の開設など、新型コロナウイルスによる被害者対策で具体的な動きを始めているが、カリタス・イタリアは22日に出した声明で、「第二段階」に備える際の、潜在的な問題について「貧困の拡大と不平等の増大、そして、これによる新しい社会的緊張が懸念される」と指摘。これらを回避するには、「迅速かつ断固とした行動が必要。その責任はすべての人にあり、個人の選択と公的機関の決定が重要となる」と言明し、カリタスは、最貧困層を始めとする家計の収入減少に早急に対処する全ての具体策の実施を支援する」と約束している。

 カリタス・イタリアがすでに決めている支援対象としては、自身がメンバーの「Diversity Inequalities Forum(多様性不平等フォーラム)」と「 Italian Alliance for Sustainable Development(持続可能な開発のためのイタリア同盟)が起草した「危機に対する普遍的な社会的保護」の計画がある。

 カリタス・イタリアは、支援に当たって3つ優先するー援助と貧困防止の観点から、貧困者のために特別な介入を行うこと、全イタリアを対象に一人ひとりの必要性に応じて、カリタスの人的・物的資源を有効活用する形で支援すること、「第二段階」が達成されたら、速やかに「第三段階」に移れるような将来計画を立てることーとしている。

 ボローニャでは、マッテオ・ズッピ枢機卿が「San Petronio Fund(聖ペトロニオ基金)」を創設、地域の貧困家庭への支援を開始している。ボローニャ大司教区のカリタス事務所が管理するこの基金は100万ユーロ(約110万ドル)を原資に、支援の条件を満たす、新婚家庭に1人あたり400ユーロ、夫婦には500ユーロ、子供が1人の家庭には600ユーロ、 3人の家庭には800ユーロを提供する。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

2020年4月23日

・新型ウイルスに向き合い、励まし、助けを願う教皇の祈りと説教が一冊にーダウンロード可能

Image of St. Michael the Archangel who protects the Church against evilImage of St. Michael the Archangel who protects the Church against evil 

 

 

2020年4月22日

・教皇、世界家庭大会、世界青年の日(国際大会)も開催延期決める

2019.01.27 Santa Messa GMG PanamaAn image from the most recent World Youth Day 2019, in Panama 

   新型コロナウイルスの世界的な感染が続く中で、 教皇フランシスコが20日、来年6月に予定していた「世界家庭大会」、再来年に予定していた「世界青年の日(国際大会)(WYD)」の開催を延期することを決めた。

 バチカン広報局長が20日午後、発表したもので、声明では「教皇は、バチカンの信徒・家庭・命の部署とともに、カトリック教会の重要行事である『世界家庭大会』と『世界青年の日(国際大会)』の開催延期を決めた」としている。

 「世界家庭会議」は来年2021年6月にローマで開催を2022年6月に、「世界青年の日(国際大会)」は2022年8月にポルトガル・リスボンで開催を、2023年8月に、それぞれ延期する。

 二つの大会は、いずれも家庭司牧、青年司牧を重視された聖ヨハネ・パウロ二世教皇がそれぞれ1994年、1984年から始められたもので、思いを同じくする現教皇フランシスコに引き継がれ、3年おきに開かれてきた。

 

2020年4月21日

・バチカン人間開発省が新型ウイルス感染症のための委員会設置

 教皇フランシスコは3月20日付けで、人間開発省(ピーター・タークソン長官)に対して、「新型コロナウイルス感染症の世界的拡大への教会の配慮と愛をすべての人々に伝えるために、他の教皇庁機関と協力し委員会を創設する」ことを求めていた。

 同省は新型ウイルスの世界的な大感染による危機に対し、これまでも現状に即した迅速な支援を行ってきたが、今回創設された委員会は、大感染終息後に焦点を定め、新型ウイルスが将来の社会経済と文化に与える影響の分析と考察、その対応策となるガイドラインの提案などを行う、としている。

 タークソン長官は、同委員会の設立に関して、「一つの危機には、別の危機が、さらにはまた別の危機が付随してくる恐れがある。そうした過程の中で、私たちは、教皇フランシスコが回勅『ラウダート・シ』で教えられた『私たちの”共通の家”をいたわることの大切さ」を遅ればせながら、苦しみのうちに、学ばざるを得ない」とし、支援事業で「今日のために必要な具体的な行動を調整するとともに、未来を探り、明日のために準備すること、そのどちらも欠けることがあってはならない」と強調した。

 なお、新委員会の業務は5つのグループに分けて行われる。

 第一グループは人間開発省が調整役となり、地方教会の声を聴き、現場の主役となるように、国際カリタスと協力して活動、支援。教皇慈善活動室、福音宣教省、バチカン薬局など、教皇庁の他の組織が促進する取り組みとの積極的な協力を課題とする。

 第二グループも人間開発省が調整役となり、新型ウイルスの大感染について研究し、具体的には環境、経済、労働、医療、政治、コミュニケーション、治安の分野における新型ウイルス大感染終息後の社会と世界を考察。活動には、教皇庁科学アカデミー、生命アカデミーをはじめ、これまで同省と協力関係にあった諸組織が参加する。

 第三グループは広報省が調整役となり、各グループの活動について報告し、地方教会とのコミュニケーションを促進する。新型ウイルス大感染終息後の世界において、地方教会に信頼の置ける方法で応える支援を行う。

 第四グループは国務省外務局が調整役となり、教皇庁をその活動と各国・諸国際機関との関係で支え、各国・諸機関に研究・対話・考察の成果を伝える。

 第五グループは人間開発省が調整役となり、新委員会の地方教会やカトリック系組織に対する援助、委員会の研究・分析・広報活動のための財務上の責任を担う。

(編集「カトリック・あい」)

 

2020年4月17日