改・教皇フランシスコ、カナダのオタワ首都大司教区と隣接教区の統合を決断ー日本の教会は?

Coat of arms of Ottowa e Alexandria-Cornwall Dioceses, CanadaCoat of arms of Ottowa e Alexandria-Cornwall Dioceses, Canada 

(2020.5.6  Vatican News)

   教皇フランシスコは6日、カナダのオタワ首都大司教区とアレクサンドリア・コーンウオール司教区の統合をを命じるとともに、統合で出来るオタワ・コーンウオール首都大司教区の教区長に、オタワ教区長のテレンス・ブレンダーガスト大司教(イエズス会士)を任命した。

 また、補佐大司教としてスーセント教区長のマルセル・ダンフース司教をあてることを同時に決めた。

 なお、今回の2教区統合で誕生したオタワ・コーンウオール大司教区は107の小教区に信徒約45万人、司祭は260人で、うち教区司祭は118人、修道会司祭は142人。(翻訳・編集「カトリック・あい」)

【解説・カトリック・あい】

 世界の教会の教区統合再編は、近年ではあまり例がなかったが、教皇フランシスコは、2018年5月にイタリア司教協議会の定例総会に出席された際、現在の世界の教会が対処すべき課題として、「召命の危機」への対処、「福音的な清貧」の実践とともに、「教区の再編成」を挙げられ、教区の再編成について具体的に「司牧の要請と教区の機能向上に対応するために、人口や司祭数、施設の分布、運営の効率などを考慮した上で、「教区の合併など、管轄地区の再編成の可能性を探る」ように促されていた。

 そして、7か月後の同年12月、教皇はその言葉を実践する形で、カナダのオンタリオ州のハースト、ムーソネーの二つの教区を統合し、オタワ教会管区のもとに置く決定をされ、さらに今回、そのオタワ首都大司教区が関係する教区統合を決められたことは、特に西側先進国に顕著な司祭不足や信徒数の低迷に対処する一環として、教区の統合再編に取り組もうとする教皇の決意の表われと見ることもできそうだ。

 明治時代以来の日本社会の大きな変化にもかかわらず、ほとんど変わることのない、信徒数に比べて過剰ともいえる教区をもち、空席となった教区長たる司教の補充もなかなか進まない日本の教会、司教団もこうした動きを他人事にとせず、真摯に受け止め、対応を考えるべきではなかろうか。

 

 

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2020年5月6日