・教皇が自発教令で、裁判における枢機卿、司教の”特権”撤廃

 

Judicial offices of Vatican City StateJudicial offices of Vatican City State 

(2021.4.30  Vatican News)

  教皇フランシスコが30日、バチカン市国の司法制度を変更する自発教令を発出された。
 カトリック教会の枢機卿と司教はこれまで、「バチカン市国の司法命令に関する」法律の第24条によって、枢機卿が長官を務める最高裁判所以外では裁かれない、と定められていたが、この自発教令は同条を廃止し、教皇の承認を受けた案件は一般の司祭などと同様に控訴院で裁くことが可能にするものだ。

 この自発教令の発出に当たって教皇は次のように言明された。「カトリック教会のすべての成員の平等、平等の尊厳と地位を確かなものとするために、法律の適切な見直しによって、裁判手続きの仕組みを改める取り組みは、最優先すべき課題。後戻りするようなことは、特権として認められず、成員一人ひとりが教会に対して持つ責任に合致しない」。

 新自発教令の実施によって、通常の犯罪(教会法をもとに裁かれる犯罪を除く)に関しては、枢機卿や司教も、原則として一般の信徒などと同様の扱いを受け、平等にまず、控訴院で裁かれることになる。また、今回の自発教令で、司法命令に関する6条に、「最高位の枢機卿および最高位の司教たちが関与する案件においては、教皇の事前の同意を得る」との内容が追加される。ただし、枢機卿と司教が裁かれる前に、教皇の承認が必要、との規定に変更はない。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

2021年5月1日

・聖母月、1日の教皇のロザリオの祈りで開始、世界の巡礼地から連日中継ー浦上教会の被爆マリア像でも21日に

ロザリオの祈りを捧げる教皇フランシスコ 2020年5月30日 バチカン庭園・ルルド洞窟前でロザリオの祈りを捧げる教皇フランシスコ 2020年5月30日 バチカン庭園・ルルド洞窟前で  (Vatican Media)

 この聖母月、毎日イタリア時間18時(日本時間 翌日午前1時)より、バチカン・ニュースのインターネットサイトを通し、世界各国の様々な聖母巡礼聖堂より、ロザリオの祈りの中継が行われる。

 すでに一年以上世界を苦しめているパンデミックの収束を願って繋げるこの「祈りのマラソン」は、教皇フランシスコの強い希望によるもの。教皇は、この祈りに世界中の聖母巡礼聖堂が、全教会の祈りのための道具となって、参加するすることを望まれた。

 そして、教皇は、「教会では熱心な祈りが捧げられていた」(参照 使徒言行録12章5節)という聖書の言葉の光の下に、この「祈りのマラソン」が実現することを願っておられる。

 教皇庁新福音化推進評議会は、教皇の希望を受けて「祈りのマラソン」を具体化するにあたり、この取り組みに参加する世界の巡礼聖堂の名と、日ごとの祈りの意向をリストにし、同評議会のホームページに掲載している。http://www.pcpne.va/content/dam/pcpne/pdf/Eventi/rosario2021/Shrine%20List%20Ing.pdf

 「祈りのマラソン」は、聖母月初日、イタリア時間1日午後6時(日本時間2日午前1時)、バチカン・聖ペトロ大聖堂グレゴリアーナ礼拝堂の「御助けの聖母」の前における教皇フランシスコのロザリオの祈りより始まり、聖母月最終日、イタリア時間5月31日18時(日本時間6月1日午前1時)、バチカン庭園からの教皇の祈りによって締めくくられる。

 この祈りに参加するのは、世界五大陸の30聖堂にわたり、上述のリストによれば、チェンストホヴァ(5月3日・月曜日)、ナザレ(4日・火)、アパレシーダ(6日・木)、ロレート(9日・日)、ファティマ(13日・木)、ルルド(18日・火)、グアダルーペ(26日・水)、ポンペイ(30日・日)などからをはじめ、21日(金)には、長崎の浦上教会の被爆マリア像を前に祈りの中継が行われる予定。

(編集「カトリック・あい」)

2021年5月1日

・5月・聖母月を通して、コロナ感染の終息の願うロザリオの祈りをー教皇が呼び掛け

Pope Francis recites the Rosary on 30 May 2020 in the Vatican's Lourdes GrottoPope Francis recites the Rosary on 30 May 2020 in the Vatican’s Lourdes Grotto  (Vatican Media)

(2021.4.22 Vatican News  Devin Watkins)

  5月は聖母マリアの月だが、教皇フランシスコは、5月を通して、新型コロナウイルスの世界的大感染の終息を願うロザリオの祈りを捧げるよう、世界中のカトリック教徒に対して進めておられる。

 教皇ご自身も、5月1日に聖母月の始まりを告げる祈りを捧げられ、バチカンの各種メディアを通して、世界に動画配信される予定だ。また、この月を通じて、Vatican Newsがこの企画に参加する世界各地の聖堂でのロザリオの祈りを、毎日、ローマ時間午後6時(日本時間翌日午前1時)から動画配信することになっている。

 バチカンの新福音化推進評議会は21日のプレス発表で、5月のロザリオの祈りは、新約聖書の使徒言行録の言葉をもとにした「全教会が神に、熱心に祈っていた」(12章5節参照)をテーマの下に行われる、とし、「この企画には、世界の全ての聖母マリアに捧げられた聖堂共同体が参加し、コロナ大感染の終息を願うロザリオの祈りへの、信徒、家庭、共同体の参加を勧めることになる」と説明している。

 

 

2021年4月27日

☩「司祭叙階は”神の民に仕える”贈り物」教皇、司祭叙階ミサで

Priesty ordination in St Peter's Basilica, 25 April 2021Priesty ordination in St Peter’s Basilica, 25 April 2021  (Vatican Media)
  教皇フランシスコは、復活節第4主日で、世界召命祈願日でもある25日朝(日本時間同日夕)、バチカンの聖ペトロ大聖堂でミサを捧げられ、この中でローマ教区の9人の助祭が司祭に叙階された。
  叙階されたのは、ローマの神学院で学んだ助祭たちだが、出身国はイタリア、ブラジル、コロンビア、ルーマニア、年齢も26歳から43歳まで様々だ。

*いつもキリストに視線を向けて

 ミサ中の説教で教皇は、9人の新司祭たちに、「神の民に仕える時、いつもキリストに視線を向けるように」と促された。

 そして、司祭職の務めは、教師であり司祭であり牧者としてのキリストご自身の聖務の表出であり、「司祭は、司教団の確立された共働者であり、司教団と共に司祭職に加わり、司教団と共に神の民の奉仕に召されています」と述べられ、その主たる任務は「福音を宣べ伝え、羊である神の民の世話をし、そして神聖な典礼、特に聖体祭儀を司式すること」と付け加えられた。

*思いやりのある羊飼いに

 また教皇は、司祭になることで「あなたがたは、キリスト-羊飼いーのようになる。これは”専門的な職業”ではなく”仕えること”なのです」と強調され、神と人とに仕える姿勢として「4つの親密ー神へ、司教へ、互いへ、そして神の民への親密」を心がけるように、そして、これらすべてを「思いやりとやさしさ」をもって行うように、新司祭たちの求めた。

*問題を抱えている人に心を開け

 さらに、教皇は、「さまざまな問題に対して、心を閉じないように。問題を抱えている人の話を聴き、慰めることに時間をかけるのが、とても重要です。これは思いやりであり、赦し、慈しみにつながるのです」とされ、「慈悲深く、寛容でありなさい。神はすべてを赦され、赦すことに飽き飽きされません」と力説された。

*虚栄心に「ノー」と言おう

 続いて教皇は、虚栄心と”お金を自慢”することの危険を指摘され、「悪魔は、あなたの懐からやって来る。貧しくなりなさい。神の聖なる忠実な人々が貧しいように」と忠告された。

 そして説教の最後に、「先に述べた『”4つの親密』は、羊飼いになるための道。なぜなら、イエスは良い羊飼いであるがゆえに、羊飼いたちを、お慰めになるからです」とされて、次のように新司祭たちを励まされたー「イエスに慰めを求めなさい。そして、あなたがたの人生で十字架を負いなさい。恐れないように。すべて、きっとうまくいきますから」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

2021年4月25日

・7月25日の第一回「祖父母と高齢者の世界祈願日」のテーマは、「私は、いつもあなたがたと共にいる」

(2021.4.24 カトリック・あい)

 教皇フランシスコは1月31日に毎年7月の第四日曜を「祖父母と高齢者のための世界祈願日」とすることを発表されているが、今年7月25日(日)となる第一回のテーマとして教皇が「私は、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ福音書28章20節)を選ばれた。 

 バチカンの信徒・家庭・いのち省がこのほど発表したもので、教皇はこのテーマを通して、特に、今日の新型コロナ・ウイルスの世界的大感染による試練の中で、お年寄りたちに対する神と教会の寄り添いを伝えることを希望されている、という。

 同省はテーマ発表の声明で、「私は、いつもあなたがたと共にいる」という主イエスの言葉は、高齢者と若者たち双方が願い求める寄り添いと希望の約束であり、「若者が高齢者の生活に積極的に関わる一方で、高齢者は福音の告知と祈りを通して若者に信仰を伝える」という相互の使命を強調した。

 この記念日が各国の教会で有意義な形で行われるよう、6月中旬ごろ、現在開催中の「愛のよろこびの家族年」の特設サイトwww.amorislaetitia.vaを通して、司牧的提案を示したい、と同省は説明している。

2021年4月24日

・引退間際のバチカン司教省長官が”次期教皇レース”に名乗り?(La Croix)

(2021.4.16  La Croix  Robert Mickens | Vatican City)、

*来年2月に自身が主宰する国際神学シンポジウムの開催を今発表した真意は

  既に”職務定年”の75歳を超え、数か月のうちに引退すると見られているバチカン司教省長官、マーク・ウエレット枢機卿が先週、突如として、10か月も先の、召命に関する大規模な国際神学シンポジウムの開催を発表し、次期の教皇職を目指す意思表示ではないか、との憶測を呼んでいる。

 発表によると、このシンポジウムは「召命の基礎神学に向けて」と題し、ウエレット枢機卿を主宰者、基調報告者として、来年の2月17日から3日間の日程で開催される。だが、主人公の枢機卿は1944年6月8日生まれで、開催時点では77歳になっており、間違いなく、司教省長官の職務を解かれているはずだ。

 それなのになぜ、このシンポジウムの開催時には枢機卿が長官職を退いているはずの司教省がスポンサーになっているのか、という疑問が起きるが、それについて十分な説明はされていない。

 このシンポジウムを発表した12日の記者会見で、ウエレット枢機卿は、その意義を「それぞれに固有なものを尊重しながら、新たな構想、必須の感覚、あらゆる召命を評価する方法を提供する大々的な神学的企て」と説明した。言い換えれば、それは司祭職への召命だけに限定せず、すべての「教会の召命、を対象としており、そのようなバチカンが後援する集まりは通常であれば、関係するバチカンの部署や一般信徒の団体などの共催で企画、開催されるものだ。

 それが、司教省単独で企画、開催しようとするのは、おそらく司教(”監督者”)たちが、教会におけるすべてのことを任されている、という理由からだろうが、それだけでは十分な説明にはならない。

*次期教皇の”椅子取りゲーム”への参加表明?

 記者会見でウエレット枢機卿は、「本日をもって、シンポジウムの開催内容は公開される」と述べ、「会議に関心をもつ組織、団体に、参加登録や資金援助の申し込み方法など詳細な情報を、専用のウエブサイトでお知らせする」と付け加えた。

 このウェブサイトは、ウエレット枢機卿が昨年11月にパリに設立した「聖座から独立した」召命研究センターのウェブサイトだ。センターの目的は、民間あるいは教会関係の研究所による広い意味での社会における召命に関する社会科学のあらゆる研究活動を推進、支援すること」という。だが、本当の目的が、来年2月のこのシンポジウムという「素晴らしいイベント」を世界の教会関係者の周知することで、ウエレット枢機卿本人の存在を知らしめることにあるのは明らかだ。

 ではなぜ、この友好的なフランス系カナダ人の枢機卿が、開催時点では引退したバチカン幹部として”指導、監督”する野心的な企画に、深く関与する必要があるのだろうか。おそらく、それは、言ってみれば、彼を「(次期教皇の席取りの)ゲーム」に取って置くためだろう。

 現役を引退した、あるいは高官の職を持たない枢機卿が教皇に選ばれたことがいつあったのか、思い出すのは困難だ。それでも、教皇選挙権を持つ枢機卿の中に、ウエレットを次期教皇に、と熱望する者がいるが、司教省長官のポストから降りれば、教皇に選出ばれるチャンスが大きく減ることも知っている。

 前教皇のベネディクト16世が2010年6月、このフランス系カナダ人神学者を、カナダ・ケベックの大司教としての”困難で相当に悲惨な状況”から救い出し、バチカンで影響力のあるポストに就けた。そして前教皇が2013年2月に世界に衝撃を与える突然の辞任を発表した際、ウエレット枢機卿は、有力な後継者として取りざたされた。

 教皇選挙の前、カナダ国営CBC放送のインタビューを受けた枢機卿は、「私よりも適任がいるとしても、準備が出来ていなければなりません。その時になったら、考えます」と語り、「私のアイデンティティは、初めから、宣教師であること」としていた。

*フランス系カナダ人の神学者、ケベック大司教から司教省長官に

 ウエレット枢機卿は、神学の専門家であり、修道会、サン・スルピス司祭会の会員だ。バチカンのキリスト教一致推進評議会の議長をわずか1年半務めた後、2003年にケベックの大司教(カナダの首座主教)にとなり、2010年6月にベネディクト16世教皇からバチカン司教庁長官に任命された。

 それ以前は、ほとんどの期間を、カナダとコロンビアの同修道会の神学校の教員、育成担当者として過ごす一方、ローマでは、教皇庁立聖トマス大学で哲学修士、教皇庁立グゴリアン大学で教義神学博士号を取得。結婚と家庭に関するヨハネパウロ二世I研究所で2002年までの6年間、教義神学を教えた。

 また、故ハンス・ウルス・フォン・バルタサル(スイス人のイエズス会士で署名な神学者で、前教皇ベネディクト16世=当時はヨゼフ・ラッツィンガー=と共に国際神学専門誌Communioを創刊した)の著作に関する専門家とされており、1990年から同誌の編集委員を務めている。語学では、フランス語、英語、イタリア語、スペイン語などに堪能だ。

   ウエレット枢機卿は、駐米教皇大使だったカルロ・マリア・ビガーノ大司教が教皇フランシスコに辞任を迫った二年後に、教皇の擁護に回ったことで、様々な憶測を呼んだことでも知られている。

*思いやりがあり、優しそうな外見の”アンチ・フランシスコ”

 それが起こった時、この紙面で指摘したのは、「枢機卿は教皇フランシスコを擁護するのと同じくらい、自分の名声を守り、次期教皇候補としての立場を確保した」ということだった。そして、今回の自らの主宰による国際シンポジウムの企画、発表は、次の教皇選挙で”中道派”候補となるための、本人とその支持者たちによる周到なイメージ作りの戦略の一環であるのは、想像に難くないように思われる。

 これは、ウエレットの個人的な野心あるいは権力への渇望が動機ではない。本人と彼を支持する伝統と教義を重視する保守的な高位聖職者たちの動機は、カトリック教会の将来についての強い懸念-教皇フランシスコがどこに教会を導こうとしているのか、についての強い不安だ。そして、教皇が、自身の路線を支持する枢機卿たちを増やし、「教会を予測不可能な場所、未開拓の海域に進める後継教皇の選出」を確実にする票数を確保しているのを恐れている。

 ”アンチ・フランシスコ派”のウエレットの支持者たちは、彼を、最近の二人の教皇の異なるスタイルと考え方の架け橋となりうる人物として教皇の座に就かせることを望んでいる。

 

*次期教皇選挙の”妥協”候補?

 ウエレット枢機卿は、教皇フランシスコのチームプレーヤーとして生き残ることができた「ベネディクト16世の忠実な臣下」だ。教会、福音宣教と教会論の本質について、大きく異なる見方を持ちつつ、イエズス会士の教皇を批判しないように細心の注意を払っている。

 今回のシンポジウムの準備に当たって興味深いのは、教皇フランシスが推進している協働性と教会改革についての用語を全て使いながら、企画、運営は、古典的な、ネオ・スコラ神学と教会のあり方に固執する人々の集団によって行われている、ということだ。

 今後2年以内に教皇選挙が行われる可能性はある。そして、その段階で、78歳になっていても、十分に任務に耐える体力を持ち続けているであろうウエレットは、”アンチ・フランシスコ”陣営にとって、理想的な「妥協」候補の一人になるだろう。

 ウエレット枢機卿彼の支持者たちは、ベネディクトとフランシスコの両方に忠実な人物として、今よりももっと構造化され、安心感を与える制度的枠組みの中で、現在の教皇の改革を進めることのできる神学的な重みと司牧的な背景を持つ人物として、彼を推そうとするだろう。

 だが、彼の支持者たちが本当に目指しているのは、教皇フランシスコの急進的な教会改革の取り組みを”飼い慣らし”、あるいは”去勢”する新教皇の実現だ。

 別の表現をすれば、彼らは「フランシスコの改革により多くの神学的構造を提供する候補者」として、ウエレットを売り込もうとするだろう。しかし、実際には、彼らは、フランシスコが大海に押し出した”船”を港に引き戻す人物を推奨しようとするのだ。

 そして、もしウエレットが教皇に選ばれたら、おそらく、自身を「ベネディクト17世」あるいは「ヨハネ・パウロ3世」と呼びたくなるだろう。だが、それではあまりにも露骨だ。次期教皇が「フランシスコ2世」と呼ばれるフランス系カナダ人となるか、注を要する。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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2021年4月19日

・11日「神の慈しみの主日」教皇ミサはサント・スピリト教会で

ローマのサント・スピリト・イン・サッシア教会ローマのサント・スピリト・イン・サッシア教会 

 「神の慈しみの主日」は、聖ヨハネ・パウロ二世が2000年の大聖年に制定され、復活祭の次の日曜日(復活節第二主日)に記念される。

 バチカンに近接するサント・スピリト・イン・サッシア教会には、聖ファウスティナ・コヴァルスカ修道女(1905-1938)が広めた「神の慈しみの信心」のための霊性センターが置かれている。

 ミサは、11日午前10時半から始まり、終わりに、教皇が「レジーナ・チェリ」の祈りを唱えられる。ミサは、バチカン・ニュースのインターネットサイトで動画中継される。

(編集「カトリック・あい」)

2021年4月10日

・「欧州除くすべての大陸で信徒数が増加」2021年版世界カトリック統計年報

 世界のカトリック信徒の地域別割合は、南北アメリカが48.1%を占め、次いで欧州が21.2%、アフリカが18.7%、アジア(中国を除く)が約11%、オセアニアが0.8%の順。

 世界の司教の数は536で前年末より13人減ったが、司祭の総数は教区、修道会合わせて41万4336人と前年末よりも271人増えている。地域別に見ると、欧州が40.6%を占め、アフリカとアジアが合わせて28%。伸び率では、アフリカとアジアが目立ち、前年末比でそれぞれ3.45%と2.91%の増加。欧州は1.5%、南北アメリカが約0.5%の微増。

 また、教区と修道会の神学生は、世界的に微減を続けており、2019年末で11万4058人と前年末に比べ1.6%減っている。

 終身助祭は前年比1.5%増加したが、その97%は南北アメリカと欧州に偏在している。

 また司祭でない修道士は2018年末の5万941人から5万295人に微減を続けた。修道女は2018年末の64万1661人から63万99人と1.8%減少している。

2021年4月6日

・教皇の聖週間から復活祭の儀式は聖ペトロ大聖堂・司教座祭壇で・人数制限で

教皇フランシスコ 2020年度の受難の主日のミサで教皇フランシスコ 2020年度の受難の主日のミサで  (Vatican Media)

 教皇フランシスコの聖週間から復活祭にかけての儀式予定が、教皇典礼管理室から発表された。

 儀式はすべて、新型コロナウイルス感染予防のため、参加者の人数を縮小して行われ、聖週間初日「枝に主日」「受難の主日」の28日は、イタリア時間午前10時30分(日本時間同日午後5時30分)から、教皇はバチカンの聖ペトロ大聖堂の司教座の祭壇でミサを司式される。これまで「受難の主日」に記念されていた教区レベルの「世界青年の日」は、「王であるキリストの主日」、2021年11月21日に記念される。

 聖木曜日の4月1日は午前10時(日本時間同日午後5時)から、聖ペトロ大聖堂・司教座の祭壇で「聖香油のミサ」を捧げられる。この後、枢機卿会主席のジョヴァンニ・バッティスタ・レ枢機卿によって現地時間午後6時(日本時間2日午前1時)から大聖堂・司教座の祭壇で「主の晩餐の夕べのミサ」が予定されているが、教皇の参加されない。

 聖金曜日の2日は、午後6時(日本時間4月3日午前1時)から、教皇は聖ペトロ大聖堂・司教座の祭壇で「主の受難の祭儀」を捧げられ、午後9時(日本時間4月3日午前4時)からバチカンの聖ペトロ広場で「十字架の道行き」を主宰される。

 聖土曜日の3日は、午後7時30分(日本時間4日午前2時30分)から、聖ペトロ大聖堂・司教座の祭壇で「復活の聖なる徹夜祭」を祝われる。

 復活祭を迎える4日は、午前10時(日本時間同日午後5時)から、聖ペトロ大聖堂・司教座の祭壇で「復活の主日の日中のミサ」を捧げられる。

 そして、同日正午(日本時間同日午後7時)、教皇は同大聖堂・司教座の祭壇で、復活祭のメッセージとローマと世界に向けた教皇祝福「ウルビ・エト・オルビ」をされる予定。

(編集「カトリック・あい」)

2021年3月27日

・教皇、バチカンの枢機卿や幹部の給与カット・一般信徒職員の雇用守る

(2021.3.24 Vatican News)

 新型コロナウイルスの世界的な大感染の影響でバチカン財政が悪化しているが、教皇フランシスコは24日、バチカンの幹部、職員の給与に関する自発教令を発出、枢機卿の10%、部門長と秘書は8%、聖職者と修道者は3%削減する、と発表した。給与レベル4以上のすべての職員の定期昇給は2年間凍結する。

(注:Cruxによると、バチカンに勤務する枢機卿の俸給は月4700ドルから6000ドルと言われており、470 ドルから600ドル程度の月々のカットとなる。).

 教皇は今回の措置について、「経済面で持続可能なものとするために、さまざまな対策の一環として、職員給与に関する措置をとることが必要となりました」とし、「雇用は守らねばならない」が、そのためにも、バチカン財政の歳出抑制が必要であり、「均衡と累進性の基準」に従って、「今回の措置を決断した。聖職者、修道者、高い賃金を得ている方々に対して、調整をした」と説明している。

 自発教令では、教皇の今回の決定は「バチカン財政に影響を与える長年にわたる赤字」に加え、コロナ大感染によって引き起こされた状況への対応としてとられた、とし、「(コロナは)バチカンのすべての収入源に悪影響を及ぼしている。今回の措置は、他の措置とともに、世界のカトリック教会の”central office”としてのバチカンの使命を今後も果たしていく財政面からの保証とすることを目的としている」と述べている。

 給与削減は4月1日から実施され、対象は教皇庁、バチカン市国と関連の諸機関、さらにローマ使徒座代理区の聖ペトロ、聖ヨハネ・ラテラノ、壁の外の聖パウロの四大聖堂も含まれる。

(編集・翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

2021年3月25日

・教皇、人間開発省副次官に女子修道会シスターを任命

Sister Alessandra SmerilliSister Alessandra Smerilli 

   教皇フランシスコが24日、バチカンの人間開発省の副次官に、女子修道会・サレジアン・シスターズのシスター・アレッサンドラ・スメリッリを任命された。

 シスター・スメリッリは、イタリアのバスト生まれの46歳。欧州でも屈指の歴史を持つ国立総合大学のローマ・サピエンツァ大学で政治経済学博士号を、英国のイースト・アングリア大学で経済学のPhDを取得。ローマの教皇庁立教育科学校 “Auxilium”の政治経済学の教授を務めている。

 イタリアの信徒による”Social Weeks”の科学・組織委員会のメンバーで、バチカンでは、2019年からバチカン市国の評議員となり、2020年3月からは、教皇が設置させたコロナ対策員会の経済タスクフォースのコーディネーターに選ばれて、経済の専門家としての立場からコロナ対策に取り組んでいる。。

2021年3月25日

・コロナ後の世界の安全保障に軍縮は欠かせない」パロリン国務長官、バチカン主催のシンポジウムで

File photo of the test of a nuclear weaponFile photo of the test of a nuclear weapon 

(2021.3.23 Vatican News  Devin Watkins)     核の増強を続けているのは中国、北朝鮮

 バチカンの人間開発省と新型コロナウイルス対策委員会がロンドン大学東洋アフリカ研究学院と共催した「コロナ禍でも欠かすことのできない軍縮への努力」と題するウエブ・シンポジウムを23日開催から、人間開発省のYouTubeチャンネル「VaticanIHD」(www.youtube.com/VaticanIHD)を通じて動画配信された。

 シンポジウムは、教皇フランシスコが先に発出した回勅「Fratelli Tutti(兄弟の皆さん)」の呼び掛けに応え、カトリック始め諸宗教の代表者と国際政治・軍縮の専門家が一堂に会し、現在世界各地で続いている紛争の背景にある武器の生産と拡散、軍備拡張を抑える方策について考察し、国連事務総長や教皇フランシスコはじめ国際社会の和平努力を支援することを狙いに開かれた。

 シンポジウムの冒頭、主催者を代表して、ピーター・タークソン人間開発省長官・枢機卿があいさつし、世界で続いている新型コロナウイルスの大感染や飢餓など世界が直面する危機を乗り越えるため、人的、物的資源を集中するよう、世界の指導者たちに強く要請、「現在の人の健康と経済の世界的な危機克服には、各国政府の協力して対処する必要があり、そのための各国が軍縮によって、危機克服に資金を振り向ける必要があります」と訴えた。

 続いて基調講演に入り、最初の講演者となったピエトロ・パロリン国務長官・枢機卿が「世界の総合安全保障」をテーマに取り上げ、現在の新型コロナウイルスの世界的な大感染は、地球上の全ての人が互いに関係し合っていることを、私たちに改めて自覚させた、とし、「今、世界には総合的な安全保障体制の確立が求められており、その実現に最善の道を早急に検討する必要がある」と言明。

 そして、教皇フランシスコが先日のイラク訪問の際に訴えられたように、「世界は軍拡競争、金銭という偶像の崇拝、そして消費主義を、超越し、統合的な安全保障を追求しなければなりません… それは『憎しみの道具』を『平和の道具』に変えること、武器の増強を拒否し、公益の促進と貧困の緩和を受け入れることを意味します」と述べ、「国家は財政を武器に使うのではなく、安全保障を促進するのにより適した『健康、社会的平等、貧困撲滅』への投資に再配分すべきです」と訴えた。

 国務長官はさらに、「世界で起きている紛争を直ちに停止するように」との教皇の訴えを繰り返し、「自衛の権利は、『集団的防衛』(注:特定の敵対国や脅威に対して複数の国家が共同で防衛にあたり、相互の平和と独立と地域的に安全保障を図ること)と『統合的安全保障』の一要素と見なされるべきです… これはまた、連帯、正義、統合的な人間開発、基本的人権の尊重、被造物への配慮が、安全保障と切っても切れない関係にあることを意味するのです」と強調した。

 最後に、教皇が繰り返されている「私たちは、これまでと同じように、危機から抜け出すことは決してない」という言葉を引用し、「競争」を「協力」に変え、個人の尊厳を最優先し、生命を増進させることによって、軍縮の道を追求するよう世界の国々に求めて、講演を締めくくった。

 続いて講演したロンドン大学東洋アフリカ研究学院のダン・プレッシュ国際・外交研究センター所長は、「世界が軍事費に使っている2兆ドルの半分を他の目的に配分することで、国民の税金を減らし、世界の医療活動の資金を増やし、二酸化炭素の排出量を減らることができます… そして、非常の多くの戦争の要因を取り除くことができるでしょう」と訴えた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年3月24日

・コロナ禍での軍縮推進と宗教の役割を議論‐23日にバチカンなど主催のウエブ・シンポジウム

(2021.3.21 カトリック・あい)

 バチカン人間開発省がこのほど発表したところによると、同省はバチカン・新型コロナウイルス対策委員会、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院と共催して、「コロナ禍でも欠かすことのできない軍縮への努力」と題するウエブ・シンポジウムを23日午後3時(日本時間同日午後11時)から開催することになった。同時刻から人間開発省のYouTubeチャンネル「VaticanIHD」(www.youtube.com/VaticanIHD)を通じて動画配信する。

 シンポジウムの狙いは、教皇フランシスコが先に発出した回勅「 Fratelli Tutti(兄弟の皆さん)」の呼び掛けに応え、カトリック始め諸宗教の代表者と国際政治・軍縮の専門家が一堂に会し、現在世界各地で続いている紛争の背景にある武器の生産と拡散、軍備拡張を抑える方策について考察し、国連事務総長や教皇フランシスコはじめ国際社会の和平努力を支援することにある。

 シンポジウムは3部からなり、すべて英語で行われる。第一部は、バチカンのピエトロ・パロリン国務長官、ピーター・タークソン人間開発省長官、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院のダン⊡プレッシュ・国際・外交研究センター所長による基調講演。第二部は軍縮を追求するための国際法と具体的な方策について、この分野の専門家たちが意見を述べ合う。そして第三部では、軍縮の推進に諸宗教と宗教間対話が果たす役割について、バチカンのキリスト教一致推進評議会のクルト・コッホ議長・枢機卿、諸宗教対話評議会のミゲル・アユソ・ギグソット議長・枢機卿はじめ、キリスト教各派や諸宗教の代表が、議論する予定だ。

 またこのシンポジウムは、カトリックの国際団体「Pax Christi International」「Catholic Peacebuilding Network」や、米国のアメリカ・カトリック大学政策研究所、ジョージタウン大学宗教・平和・世界問題バークレー研究所なども後援者となっている。

 

 

2021年3月21日

♰「価値ある家庭の絆を守ることを誓おう」‐教皇が「愛の喜び・家庭年」開始を宣言

Pope Francis meets with a family during the World Meeting of Families in Dublin, Ireland 2018Pope Francis meets with a family during the World Meeting of Families in Dublin, Ireland 2018  (Vatican Media)

(2021.3.19  Vatican News staff writer )

  教皇フランシスコが19日、「愛の喜び・家庭年」の開始にあたって行われたバチカン主催のオンライン・イベントにメッセージを送られ、この特別年の開始を告げられた。

 「Our Daily Love(私たちの日々の愛)」をテーマとするこのイベントは、バチカンの信徒・家庭・命の部署、ローマ司教区、ヨハネ・パウロ二世神学研究所の共同主催によるもの。

 教皇はメッセージで、「夫婦と家族の愛の素晴らしさとと喜びについての世界代表司教会議を受けて5年前に出された使徒的勧告「Amoris laetitia」の出版について思い起こされ、来年6月26日に第10回世界家庭大会が開かれるまでの一年を、「勧告に改めて目を通し、そのテーマを深く味わう期間とするように」と、世界の全ての信徒に呼びかけられた。

*2022年6月に第10回世界家庭大会

 信徒・家庭・命の部署によると、「家族の国際年」は国連が1994年に宣言して始まったが、当時の教皇ヨハネパウロ2世の意向で、この年の10月にカトリック教会としての第1回世界家族会議(WMF)が開かれ、以来、3年ごとに、世界中のさまざまな場所で、世界家族会議が国際司牧・神学会議とともに開かれてきた。来年はその10回目に当たる。

*家族の新しい形

 さらに教皇はメッセージで、「この使徒的勧告の主たる目的は、今日、教会にとって、家庭についての新しい形が求められている、と伝えること」とされ、「教義の大切さを繰り返すだけでは十分ではありません… それよりも、私たちは家庭の素晴らしさの”管理人”となり、その脆弱さと傷を、思いやりを持って、ケアすることが重要です」と強調。

 また、すべての家庭司牧の核心には「福音を宣べ伝える率直さと、共に歩む優しさ」という2つの側面がある、と指摘され、「私たちは、男女、夫婦、家庭に、一致と愛、三位一体の愛のしるしと姿、そしてキリストと教会の間の契約の、真の意味を理解する助けとなる言葉を宣べ伝えるのです 」と司牧者たちに求められる一方で、その言葉は「上からまたは外から与えることはできず、決してそのようにして与えてはなりません」と注意された。

 そして、教会は、主がそうであったように、歴史の中で具現化されてきた。だから、教会が家族についての福音を宣べ伝えるときには、実際の家庭生活の中に入り、配偶者の、両親の日々の争い、彼らが抱える問題、苦しみ、彼らの人生の旅の重荷となり、時として妨げとなる大小すべての事柄を知ることによって、そうする必要がある、とも語られた。

 

*「私たちの日々の愛」

 さらに教皇は、「Our Daily Love(私たちの日々の愛)」というオンライン・イベントのタイトルに言及し、「このタイトルを選んだのは重要なことです。なぜなら、それは、『夫婦生活の率直さと日々の働きによって、そして、夫婦、母親、父親、そして子供たちによる日々の、時には骨の折れる献身によって、生み出される愛』という意味が込められているからです」と説かれ、「福音が日々の暮らしの『肉』に入らず、『上からの教義』として示されるなら、素晴らしい理論だけが残り、道徳的な義務としてしか受け止められないリスクさえあります」と注意された。

 そして、司牧者たちが家庭司牧において心掛けるべきこととして、このように諭された。「私たちは家庭の人生の旅を共に歩み、耳を傾け、祝福するよう求められています… 方向を示すだけでなく、彼らと共に旅をすること。思慮分別と愛をもって”家”に入り、夫婦にこのように話しかけます。『教会はあなたと一緒にいます』『主はあなたの近くにおられます』『私たちは、あなた方が受け取った贈り物を守る手助けをしたいと思っています』と」。

 メッセージの最後に教皇は、「家庭の素晴らしさを損なうすべてのものから、家庭を守りましょう」と呼びかけられ、全ての人に対して、「驚き、思慮分別、そしてやさしさをもって愛の神秘に近づくように。そして、この価値のある、壊れやすい絆を守ることを心に誓いましょう。子供たち、両親、祖父母との絆… 私たちは生きるためにそしてよく生きるために、そして人類がもっと友愛で結ばれるように、これらの絆を必要としているのです」と訴えられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*特別年にさまざまな企画、6月には世界の司教団など参加してのフォーラムも

(2021.3.19 バチカン放送)

 聖ヨセフの祝日の19日、現在行われている「聖ヨセフの特別年」と並行する形で、教皇フランシスコの使徒的勧告「Amoris Laetitia(家庭における)愛の喜びよろこび」発表5周年を記念する(愛の喜び・家庭年)」が始まった。来年6月26日にローマで開催予定の第10回世界家庭大会まで行われる。

 教皇のこの使徒的勧告は、家庭をテーマにした2回のシノドス(世界代表司教会議=2014年の第3回臨時総会「福音宣教との関連から見た家庭の司牧的問題」と2015年の第14回通常総会「教会と現代世界における家庭の召命と使命」)での議論を受けた指針として、2016年3月19日に発表された。今年で5周年を迎えるにあたり、教皇は昨年末、同使徒的勧告についての考察を深める特別年の開催を布告された。

 主催者を代表する形で、バチカンの信徒・家庭・いのち省の長官、ケビン・ジョセフ・ファレル枢機卿が18日、この特別年の目的、概要を説明、特別年が、家庭を司牧活動と社会の中でより主役的にするための助けとなることを希望した。

 また、同枢機卿は、「新型コロナの世界的な大感染という困難の時こそ、キリスト教的家庭の姿を真の『善き知らせ』として示す必要があります」と強調。「家庭は私たちの最も正真で最も根源的な人間関係を守る存在であり続けます… シノドスの長い歩みの実りである、教皇の使徒的勧告「『Amoris Laetitia』を、教会の中だけでなく、家庭の中でも手に取り、その豊かな内容に改めて触れるように」と信徒たちに勧め、さらに、この特別年を「困難を抱えた家庭に寄り添い、危機にある夫婦や家族を導き、孤独な人や、貧しい家族、分裂した家族を支える機会とするように」と呼びかけた。

 この特別年の企画として、教皇庁信徒・家庭・いのち省は、同省のホームページに使徒的勧告「愛の喜び」をテーマにした一連のビデオを定期的に掲載し、教皇や幾人かの証言者が参加する予定だ。さらに、関連の出版やビデオ会議も計画されており、6月9日から13日にかけては、世界中の司教協議会および協議会の家庭司牧担当らが参加し、「Amoris Laetitia」が司牧にどう生かされているか、生かしていくべきかを話し合うフォーラムが開かれる予定だ。

(編集「カトリック・あい」)

 

*「カトリック・あい」より特別年の日本語名称について

 特別年の名称について・公式英語版の名称は「 Amoris Laetitia Family Year 2021-2022」とされ、バチカンの共通ロゴもそうなっています。Familyは『家庭』とも『家族』とも日本語に訳されますが、この特別年に学びなおそうとする使徒的勧告「Amoris Laetitia」の内容は、Familyがキーワードで、日本のカトリック中央協議会のイタリア語原文からの翻訳でも、これより先行した「カトリック・あい」の公式英語版からの試訳でも、『家庭』とする方が、文脈から判断して適当とし、『家庭』としています。したがって、その延長としての特別年の名称の和訳も『家庭』で統一することにしました。なお、18日付けのバチカン放送日本語版は「愛の喜び家族年」と訳しています。中央協議会は3月19日現在、この特別年の始まりを告知していませんが、今後、告知することがあれば、名称をそろえることも検討します)

 

2021年3月20日

・19日からの「愛の喜び・家庭年」にあたって、ファレル枢機卿が会見

 

Year Amoris Laetitia Family - 2021-2022Year Amoris Laetitia Family – 2021-2022 

 

 (2021.3.19 カトリック・あい)19日からの「愛の喜び・家庭年」を前に、バチカン「信徒・家族・命の部署」長官のケビン・ファレル枢機卿が主催者を代表して18日、記者会見し、この特別年の狙いと意味について語った。(概要は、バチカン広報局が日本時間18日深夜発表した会見の全文を基に、「カトリック・あい」が翻訳、まとめました)

 長官はまず、新型コロナウイルスの世界的な大感染が人々を苦しめている現状を取り上げ、「このような事態が私たちを”麻痺”させるようなことがあってはなりません。むしろ、このような時であるからこそ、キリスト教徒は『希望の証人』となる必要があります」と述べた。

 そして、このような状況であるからこそ、その現実の中で使徒的勧告「(家庭における)愛の喜び」を学びなおし、勧告発出から5周年となるこの年を捧げることが重要であり、それは「神の家族への計画を世界に示すことは、喜びと希望の源、良き知らせ、だからです」と強調した。

 長官は、教皇は昨年12月8日から今年12月8日までを、聖ヨゼフを「カトリック教会の保護者」と定めて150周年を記念する「聖ヨセフ」年としているが、19日の聖ヨセフの祝日とともに始まる「愛の喜び・家庭年」はともに重要な意味を持つ、と指摘。

 教皇が、今年を、聖母マリアの夫であり、イエスの父である聖ヨセフに捧げられたのは、「彼は、聖家族を世話するために選ばれるほど、神から愛された。彼のように、この世のすべての夫婦は、神に選ばれ、愛されている、と感じてもらいたい」と教皇が願われたから、と説明。

 「コロナの大感染は、何百万もの人々に非常に苦痛な結果をもたらしました。しかし、そのなかで、『家族』が、聖ヨセフがそうであったように、『生命の守護者』としての顔を見せている。家族は、私たちの最も本質的な関係、愛の中で生まれ、私たちが人として成熟することを可能にする関係であり続けねばならないのです」と強調した。

 その中で、発出5周年を迎える使徒的勧告「(家庭における)愛の喜び」は、それまでの世界代表司教会議などの成果を、改めて学び、実践する貴重な機会であり、教会としても、そして家族も、勧告の内容の豊かさを受け止め、成熟への”旅”に勇気をもらい、全ての人に実践を通して手を差し伸べ、福音を広めていくきっかけになる、と指摘。コロナ禍の中で、苦しみ、孤独に陥る世界の家族と共に歩み、声を聴き、勇気と愛を育むように助ける機会としたい、と希望を述べた。

 

2021年3月19日