・バチカン銀行が2020年版年次報告を発表「最終利益3400万ユーロ(約48億円)は教皇の慈善活動、資本増強などに配分」

The Vatican BankThe Vatican Bank  (© Vatican Media)

2021年6月12日

・教皇、聖職者省長官に韓国のユ・フンシク司教任命-福音宣教省長官に次いでアジアから

(2021.6.12 カトリック・あい)

聖職者省の新長官に任命された韓国のユ・フンシク司教

 教皇フランシスコが、11日、教皇庁聖職者省の新長官に韓国・大田教区の兪興植(ユ・フンシク)司教を任命された。現長官のベニアミノ・ステラ枢機卿が提出していた定年を理由とする辞表の受理に伴うもの。

 教皇がバチカンの主要官庁のトップにアジア地域の聖職者を選ぶのは、フィリピン出身の福音宣教省長官ルイス・アントニオ・タグレ枢機卿に続くもので、教皇のアジア地域重視を示していると関係者の間で受け止められている。

 それと同時に、フィリピンや韓国のカトリック教会の高位聖職者の層の厚さ、それと対照的に、定年を迎えた司教の後任さえも満足に手当てできない日本の教会の高位聖職者の層の薄さを、改めて際立たせた、と言える。

 ユ・フンシク司教は、教皇フランシスコが2014年8月に韓国を訪問された際、大田教区でお迎えし、教皇とは知己の間柄だ。1951年に生まれの69歳。大田教区で司祭に叙階し、2003年に同教区の補佐司教となり、2005年から司教を務めている。韓国司教協議会の平和委員会の代表で、北朝鮮に4回訪問している。

 

2021年6月12日

・バチカンが、信徒の国際組織の指導者の任期を制限する教令を発出ー私物化や権力乱用を防ぐ狙い

 教皇庁の信徒・家庭・いのち省が11日、教皇の承認を得て、「カトリック信徒の国際組織の指導者たちの任期・交代に関する教令」を発出した。3か月後に発効する。Vatican Newsは、教令の狙いを、「信徒の国際的な団体・組織で権限を持つ者が、奉仕の役割を果たし、私物化したり、権力を乱用したりするのを未然に防ぐことにある」と説明している。

 教令は、カトリック信徒の国際的な団体・組織における指導者の任期と信任の回数(最大で連続10年間)、また指導者たちを選ぶプロセスとそれを選ぶ人々について規則を定めるもの。対象は、教皇庁によって認可あるいは設立され、信徒・家庭・いのち省の管理下にあるすべての国際的信徒団体・組織。

 目的は、これらの団体の指導職における「健全な交代」を促し、教会的な交わりにおいて真の奉仕を行えるようにすること、としている。教令に付随した解説によると「責任者の交代を通して行われる運営組織の世代交代は、その組織の活力に大きな利益をもたらす。それは創造的な成長と、育成のための努力を推進する機会である。それは、カリスマへの忠実をより強め、時のしるしの理解を助け、刷新された宣教行為を励ますもの」と説明している。

 また、信徒・家庭・いのち省は「団体・組織の創設者たちが果たした重要な役割を認識」し、「団体・組織の発展と安定のために必要と判断される場合、また運営の中心組織の明確な意志と一致する場合」、創設者に対し、規則が定める制限を免除する、としている。

2021年6月12日

・教皇が大司教辞表を受理しない旨のマルクス枢機卿あて書簡公表ーメッセージを日本の司教たちも真剣に受け止める必要

(2021.6.11 カトリック・あい)

 ドイツの最有力聖職者、マルクス枢機卿が自教区内の聖職者による性的虐待への責任を取って、大司教辞任を教皇フランシスコに申し出ていたが、教皇は辞表を受理しないことを決め、10日、枢機卿にその旨を伝え、書簡を公開した。

 書簡に込められた教皇のメッセージは以下のように、極めて厳しいものだ。自己の教区の司祭の性的虐待が信徒の心を傷つけ、その後の対応が損害賠償訴訟にまで発展している長崎教区を始め、聖職者による性的虐待の調査後もはかばかしい”成果”を出していない日本の司教たちにも、”他人事”とせず、自らへの教訓として受け止め、今後の判断に生かしてもらいたい。

*「引責辞任」の勇気ある申し出を評価

 教皇は書簡で、まず、マルクス枢機卿が自己の責任を明確にするため大司教を辞任する旨の申し出をした勇気を「主があなたにお与えになった恵み」と評価したうえで、ドイツの教会について、聖職者による性的虐待が幅広く明らかにされたことで「教会全体が危機に瀕している。この危機を認識し、対応しない限り、前進はありません」と厳しい見方を改めて示し、ドイツの教会の性的虐待の悲しい過去と、最近までとってきた教会の責任者たちの対応への枢機卿の深い反省に同意するとともに、これが「私たちがとらねばならない最初のステップ」と指摘。

*各司教は”大惨事”を直視し、何をすべきか自問すべきだ

 さらに、「誰もがこの現実を受け入れようとしているとは限らない」が、「それぞれの司教は、この“大惨事”に直面して、何をすべきかを自問しなければなりません」と強調。「私たちは、これまで、非常に多くの歴史的な過ちに直面して、何度も「meaculpa」と過ちを認め、痛悔してきました。これと同じことが、今、私たちに求められているのです」と訴えた。

 そして、現在の危機を克服するために必要なのは、「改革」に取り組む勇気であり、「主は、ご自分の生涯で、十字架の上で、改革を成し遂げられました。これは、親愛なる兄弟であるあなた(マルクス枢機卿)自身が辞任を表明する際に目指す道」とする一方、「あなたは、(大司教辞任を申し出た)私あての書簡で『過去を”埋め”ても、何も起こらない』と言われました。危機を前に沈黙し、対応せず、教会の”威信”に過度の重きを置くことは、歴史的な失敗につながり、 『戸棚に骸骨をしまっておく』ことの重みに、私たちを導くだけ」と警告。

*改革の出発点は、自分が罪人と認めること

 「性的虐待の現実に教会がどのように対応して来たかを白日の下に晒し、聖霊が、私たちを荒涼とした砂漠から十字架、そして復活に導いてくださるようにすることが急務。それは私たちが従わなければならない聖霊の道であり、出発点は謙虚な告白ー『私たちは間違い、罪を犯しました』ーです」とされた。

 さらに「” 世論”と制度の力は私たちを救わない。罪を隠蔽しがちな”教会の威信”は私たちを救いません。お金の力もメディアの声も私たちを救うことはできません。救うことのできるのは、私たちの率直な告白です。『私は罪を犯しました』『私たちは罪を犯しました』『私は罪人です』」と語り、「教会として、私たちは『恥の恵み』を求めなければなりません。そうすれば、主が私たちをエゼキエル書(16章)の『恥知らずな女(不実なエルサレム)』に堕落することから救ってくださいます」と強調した。

*謙虚に、羊飼いとなれ

 そのうえで、教皇は、枢機卿に「ミュンヘン・フライジング大司教としての職を続けてください。そしてあなたに課せられた使命を確認し、辞表を受理しないローマ司教が『自分を理解してくれていない』と思うなら、ペトロが主の前で感じたことを思い起こしてくださいー『私から離れてください、私は罪人です」と言うペトロに、主は答えました。『私の羊を世話する羊飼いになりなさい』と」と述べ、留任を求めた。

 

 

2021年6月11日

・教皇、教会の刑罰制度改定の使徒憲章発出・「重大な悪」を防ぎ「傷を和らげる」狙い

教会における制裁を扱う、教会法典「第6集」(写真:1983年版)教会法典「第6集」

 教皇フランシスコが、教会における犯罪処罰制度を定めた「教会法典・第6集」を改める使徒憲章「パシテ・グレジェム・デイ」に5月23日に署名、6月1日にその内容が発表された。今年12月8日発効する。

*新たな形の犯罪への処罰を明確化

 改定作業は、前教皇ベネディクト16世により始められた。制度改定でいくつかの新しい形の犯罪に対する処罰が導入され、「より重大な悪を防ぎ、人間の弱さによって引き起こされた傷を和らげる」ための、いっそう有効な道具となる、とバチカン広報局は説明している。

 「あなたがたに委ねられている、神の羊の群れを牧しなさい。強制されてではなく、神に従って、自ら進んで世話をしなさい」(ペトロの手紙1・5章2節)。使徒ペトロのこの言葉とともに使徒憲章「パシテ・グレジェム・デイ」は始まる。

 教皇は同憲章で、「世において教会が必要とするものにふさわしく応えるために、聖ヨハネ・パウロ2世が1983年1月25日に公布された教会法典中の刑罰法規をも見直す必要が明らかになり、司牧者たちに、より重大な悪を防ぎ、人間の弱さによって引き起こされた傷を和らげるための道具として、それを用いることを可能とする変更が必要となりました」と説明。

*「刑罰制度に訴えようとしない司牧者」の怠慢を批判

 そして、ベネディクト16世が2007年に着手し、世界中の教会法専門家、司教協議会、修道会責任者、教皇庁諸機関が「共に参加・協力する精神」のもとに取り組んできた改定作業の経緯を思い起こされた。

 この深い内容を持つ複雑な作業の結果は、2020年2月、教皇フランシスコの手に託されていた。 教皇は、世紀にわたり教会が行いに対する規則を定め、「司教をその順守に関する責任者とし、神の民を一つにまとめてきた」歴史を振り返り、「愛と慈しみは、しばしば曲がってしまったものを、父がまっすぐ正すことを求めます」と指摘。このことは、教会やキリスト教共同体、被害者とされる人に対してだけでなく、犯罪に手を染めたことで、「教会の側からの処罰」という憐みの時を必要とする者に対しても、慈愛によって求められる「不可欠で具体的な完成すべき課題」であり、「特に多くのケースにおいて、『信者の間に、つまずきと混乱を生む』という考え方が、更生をより困難なものにしていた」と説明された。

*司牧者が考慮すべき三つの目的

 そして、「刑罰制度に訴えようとしない司牧者の怠慢は、『司牧者がまっすぐ誠実に自身の任務を果たしていない』ことを表しています」と現状を批判。「慈愛は、司牧者に対し、必要な時はいつでも刑罰制度に訴えることを求めています。その際、司牧者は教会共同体のために三つの目的を考慮に入れる必要があります。それは、『正義が求めるものの回復』『犯罪者の更生』『不正に対する償い』です」と記している。

 改定版は、現行法に様々な変更を導入し、いくつかの新しい形の犯罪を制裁する規定を定め、弁護人依頼権、公訴時効、刑罰を従来よりも正確に定義するなど、刑法の基本に関わる専門的観点からも改善が図られ、「具体的なケースにおいて適用すべき最もふさわしい刑罰を判断する際の客観的基準」を示すとともに、「特に共同体の中で、より大きい被害とつまづきをもたらす犯罪」に対して適用される刑罰の内容について、当局の自由裁量を制限し、「教会的一致」を重視するものとなっている。

(編集「カトリック・あい」)

2021年6月3日

・教皇、ケルン大司教区の聖職者の性的虐待への対応問題で調査団派遣

A view of Cologne's CathedralA view of Cologne’s Cathedral 

 駐独バチカン大使館の声明は、調査団の任務について、「ケルン大司教区の複雑な司牧状況の全体像を把握するとともに、ケルン大司教のライナー・マリア・ヴェルキ枢機卿、ハンブルク大司教区のシュテファン・ヘッセ大司教、およびケルン大司教区のドミニクス・シュワデルラップ、アンスガー・パフ両補佐司教による性的虐待問題への対処の誤りの有無について取り調べる」としている。

 ケルン大司教区では、先に、ヴェルキ枢機卿がドイツの有力法律事務所に、大司教区における聖職者による性的虐待に関する調査を依頼し、 3 月 18 日に「ケルン大司教区における性的虐待との闘いに関する独立報告書」が発表されている。

 800 ページを超える大部の報告書によると、1975 年から 2018 年までの期間に、性的虐待の被害者として 314 人を特定。その全員が、被害を受けた当時、未成年だった。

 一方、ヴェルキ枢機卿は28日、大司教区のウェブサイトに、調査団の来独を歓迎する言葉を載せ、教皇の今回の判断を歓迎し、また、アボレリウス枢機卿ら調査団の調査に積極的に協力することを約束している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

2021年5月29日

・教皇、バチカン典礼秘跡省長官にアーサー・ローチ次官を任命

Pope Francis with Archbishop Arthur Roche in May 2016Pope Francis with Archbishop Arthur Roche in May 2016 

(2021.5.27 Vatican News staff writer)

 教皇フランシスコは27日、空席となっていたバチカンの典礼秘跡省の長官に、アーサー・ローチ次官(大司教)を昇格させる形で任命した。また、後任の次官にビットリオ・フランチェスコ・ビオ​​ラ大司教を、次官補にアウレリオ・ガルシア・マルシアス司教(予定)をそれぞれ任命した。

 ヴィットリオ・フランチェスコ・ヴィオ​​ラ司教はフランシスコ会所属。イタリア 共和国ピエモンテ州のトルトナ教区長を務めていた。

 アウレリオ・ガルシア・マルシアス師は、同省の事務局長。1965年3月、スペインに生まれ、1992年に司祭叙階、サラマンカ大学で哲学修士を取得の後、聖アンセルモの教皇庁立典礼研究所で博士号を取得。スペインのバリャドリッド神学校の校長などを務めた後、2015年9月から典礼秘跡省に勤務している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年5月28日

・教皇、バチカン庭園「結び目を解くマリア」の前で、”ロザリオ・マラソン”最後の祈り

(2021.6.1 カトリック・あい)

   教皇フランシスコは一か月にわたる「ロザリオの祈りのマラソン」の終わりを迎え、5月31日夕(日本時間1日未明)、バチカン庭園に置かれた「結び目を解くマリア」の前で、新型コロナウイルスの世界的感染が速やかに終息し、世界中の人々が通常の仕事と社会活動に戻れるよう、若者、新婚夫婦や結婚を真近下に控えたカップル、少年少女奉仕団員、聖職者たちとともに、ロザリオの祈りを捧げられた。

 教皇が提起して始められた”ロザリオの祈りのマラソン”は、5月を通して、世界中の聖母マリアに奉げられた聖堂で行われ、長崎の浦上天主堂・被爆のマリア小聖堂からも祈りが世界中に動画中継され、31日の教皇の祈りも世界に向けて動画発信された。

 最終日の31日のロザリオの祈りは、教皇が特に希望されて、バチカン庭園に、独アウグスブルクの教会から届けられた「結び目を解くマリア」の前で行われ、この日の為に、アウグスブルクから教区長のベルトラム・ヨハネス・マイヤー司教が原画の模写絵を帯同し、庭園の一角に設置した。結び目を解くマリアへの祈りは、様々な時代に、様々な結び目ー失業、暴力、病気、そして司牧や奉仕の活動の躓きとなるさまざまな事柄ーを解いてくださるように、と捧げられてきた。

 31日のバチカンでの祈りは、フランス、ドイツ、ルワンダ、チリ、スペイン、スコットランド、パラグアイ、イタリアの聖堂とも動画接続され、参集した聖職者、信徒たちが新型コロナウイルスの世界的大感染の速やかな終息を共に祈った。

 祈りの最後に、教皇は庭園に置かれた聖母マリアの像に冠を載せ、聖母マリアのように、自分自身を捧げ、互いに協力して全ての人に愛と慈しみを示すことができるように、と祈られた。そして、世界に人々に向けて「私たちは、新型コロナウイルスから全世界を守ってくださるように、主に求め続けています。そして、誰もが例外なく、ワクチン接種を通じて自分自身を守る機会がすぐに与えられますように」と励まされた。

(2021.5.28 カトリック・あい)

    教皇フランシスコの提唱で世界中の教会が参加して行われている新型コロナ感染の終息を願う「ロザリオの祈りのマラソン」は、31日月曜日に最終日を迎え、教皇は同日現地時間午後5時45分(日本時間6月1日午前0時45分)から、バチカン庭園に置かれる「結び目を解くマリア」の絵の前でロザリオの祈りを捧げられ、バチカンのウエブサイトなど各種メディアで世界に実況中継される。

*「マリア、結び目を解く方」Mary-Untier-of-Knots-1.jpg

 Vatican Newsによると、「結び目を解くマリア」の絵を置くことは、教皇が特に望まれた。原画(写真右)は、教皇が30余年前、「博士論文準備」という名目でドイツのアウグスブルクに数か月滞在させられた際に、足しげく通ったザンクト・ペーター・アム・ベルラッハ教会に掛けられている。ロザリオの祈りのマラソンの最終日を前に、アウグスブルクのベルトラム・ヨハネス・マイヤー司教が、その模写を持ってバチカンを訪れ、庭園に設置する。

 この油絵は、19世紀の画家ヨハン・ゲオルグ・シュミットナーの作によるもの。2人の天使の助けを受け、愛らしい子供の天使たちに囲まれながら、マリアがウエディング・リボンの結び目を解き、一方で、悪魔を象徴する蛇の頭を、足で押しつぶしている様を描いている。絵には、次のような逸話が隠されている。

 それは、「離婚の危機に遭ったバイエルンの貴族から相談を受けたイエズス会士の司祭が、結婚式で彼が使ったウエディング・リボンを持ってこさせ、夫婦の仲をとりなりしてくれるよう聖母マリアに祈りを捧げ、(絡んだリボンの)すべての結び目が解かれるように、と、結婚の絆であるそのリボンを高く上げた。その祈りが聞き入れられて、夫婦は様々な困難を乗り越え、結婚生活を続けることができた」というものだ。

 ホルヘ・マリオ・ベルゴリオという名のイエズス会士だった教皇も、形は違うが、この絵を前に祈ることで、多くの苦難を乗り越えることができた。彼は、アルゼンチンの軍事独裁政権の下での政治的、社会的危機の中でイエズス会管区で指導・監督の役割を担ったものの、管区のイエズス会士の間で激しい対立、分裂が生じ、上長の判断で、”一時避難”の形で、アウグスブルクに事実上”左遷”された。多くの困難、苦しみを抱えた彼は、この絵に出合い、心の安らぎと助けを得るという、忘れることのできない経験をしたのだ。(「教皇フランシスコの挑戦」=ポール・バレリー著、南條俊二訳、春秋社刊=参照)

*「結び目」にちなんだ5つの祈りの意向

 1か月にわたる「ロザリオの祈り」のマラソンの締めくくりとなる31日の夜の祈りで、教皇は、バチカン庭園に置かれる「結び目を解かれる方、マリア」の絵の場所を、”野外の聖堂”とされ、「結び目」にちなんだ5つの祈りの意向を示されている。

 第一は、新型コロナ大感染の中で悪化した「傷ついた関係、孤独、無関心」。

 第二は「失業、特に若い人たち、女性たち、一家の父親たち、そして従業員の雇用を守る為に働くビジネスマンたちの抱える課題」。

 第三は「暴力の悲劇ー特に家庭内暴力、女性への暴力、そして、現在の危機によって引き起こされた社会的緊張の結果として生じている暴力」。

 第四は「人類の進歩ーすべての人、特に最も弱い人、最も貧しい人が恩恵を受けることのできる研究開発に支えられた進歩」。

 そして、最後に「カトリック共同体が、司牧活動のすべての分野で、情熱を取り戻し、新たな勢いを感じることができるような、そして、若い人々が結婚し、家庭を作り、未来を切り開くことができるように」だ。

 なお、このロザリオの祈りには、世界の聖母マリアに奉げられた以下の聖堂も参加する。

 Notre Dame de Boulogne in France; Our Lady of Schoenstatt in Germany; Our Lady of Sorrows in Rwanda; the National Shrine of Maipú in Chile; Nuestra Senora de Os Gozos in Spain; the Shrine of Our Lady of Lourdes in Carfin, Scotland; the Basilica Shrine of La Virgen de los Milagros de Caacupé in Paraguay; and the parish sanctuary of Our Lady of Health in La Spezia, Italy。

 

2021年5月28日

・教皇”シノドスの旅”を10月に開始、2023年10月の第16回総会までの”工程表”発表

(2021.5.21 Vatican News  Salvatore Cernuzio)

 「For a synodal Church: communion, participation and mission(共働する教会へー交わり、参加、そして使命=バチカン放送仮訳は「シノドス性ある教会のために:交わり、参加、ミッション」)をテーマとする世界代表司教会議(シノドス)の第十六回通常総会は10月9、10両日のミサなど”開会式”で事実上開始されるが、今回は、一度の会議に留まらず、2023年10月まで、教区、五大陸、世界の3つの段階で3年にわたる、世界の司教、司祭、信徒が参加する”シノドス(ギリシャ語で「共に歩む」)の旅”という異例の形をとることになる。

 バチカンのシノドス事務局が教皇フランシスコの認可を得て21日発表した声明によると、世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会はまず、教皇フランシスコが出席して10月9,10両日のミサなどで始まり、17日から世界の各教区レベルで、信徒も参加する形の話し合いがもたれる。その結果を2022年4月までに各司教協議会がまとめてシノドス事務局に報告、報告をまとめた第一次討議要綱をもとに、各大陸レベルの協議を持つ。そして、その結果をもとにした第二次討議要綱を受けて、2023年10月にローマで世界レベルの代表司教会議を開き、議論を締めくくる予定。

 声明は「共働性のプロセスは、”local church(現地の教会)がそれに関わることによってのみ、真に存在する」と述べ、「現地教会が真に参加するために、東方典礼カトリック、法的責任能力のある教会の会議、議会、そして国別、地域別、大陸別の司教協議会の関与が必ず必要」としている。

*分散型のシノドス

 シノドスは教皇パウロ6世によって、第二バチカン公会議で実現した”合議”の経験を持続する方法の一つとして、考えられたものだ。2015年10月のシノドス制度発足50周年の際、教皇フランシスコは、「一般信徒、司牧者、ローマ司教」が共通の道を歩むへの強い希望を表明されていたが、今回、初めて、教皇の希望に沿った”分散型”シノドスが挙行されることになる。

*バチカンでの教皇による厳粛な開会

 声明によると、共同性のプロセスは、今年10月9、10両日、教皇フランシスコ出席のもとにバチカンで始まり、出会いと省察、そして祈り、ミサ聖祭が捧げられる。

*教区レベル:”神の民”の協議と参加

 次に10月17日からは、世界のそれぞれの教区で、司教が主宰しての話し合いが行われる。この段階の目的は、”神の民”の協議。そのために、バチカンのシノドス事務局はそれぞれの教会での協議のための準備書類を送付する。その中には、質問票や提案などの案内書も含まれる予定で、各司教区のほか、修道会、国際的な信徒組織、カトリック系大学などにも送付される。

 また、各教区の司教は、10月以前に、司教協議会の連絡窓口として教区の担当者を任命し、各司教協議会も、バチカンのシノドス事務局と協調を図るための代表者ないしチームを任命することを求める。

 教区の識別力は、「シノドス前会議」で最大限活用され、成果は教区の属する司教協議会に送られる。識別の期間の会議に集まった司教たちは、シノドス事務局に送付する報告をまとめる。この段階は2022年4月までに完了することとする。シノドス事務局は、各司教協議会から受けた報告をもとに、2022年9月までに第一次Instrumentum laboris(討議要綱)をまとめ、各司教協議会に送付する。

*大陸レベル:対話と識別

 続いて、2022年9月から2023年3月にかけて、大陸レベルの会議を進め、2023年3月までにそれぞれが最終文書をまとめ、シノドス事務局に送付する。シノドス事務局は、これをもとに第二次Instrumentum laboris(討議要綱)を2023年6月までにまとめる。

 

*世界代表司教会議

 そして、2023年10月、今年10月から始まった3年にわたる教会会議の旅は、2018年9月に教皇が公布された使徒憲章「エピスコパリス・コムニオ(司教の一致)」で確立された新手順によって進められるローマでの世界代表司教会議の総会で締めくくられる。

 

 

( シノドス事務局の発表文書全文=英語版以下の通り)

“For a synodal Church: communion, participation and mission”  XVI Ordinary General Assembly of the Synod of Bishops

Presentation of the Programme for the celebration of the upcoming Synod approved by Pope Francis during his audience with Cardinal Secretary General of the Synod of Bishops, 24 April 2021.

 

1.      “It is precisely this path of synodality which God expects of the Church of the third millennium. What the Lord is asking of us is already in some sense present in the very word ‘synod.’ Journeying together — laity, pastors, the Bishop of Rome — is an easy concept to put into words, but not so easy to put into practice.” (Address of His Holiness, Pope Francis, Ceremony Commemorating the 50th anniversary of the institution of the Synod of Bishops, 17 October 2015). For this reason, the theme of the next Ordinary General Assembly of the Synod of Bishops is, For a Synodal Church: communion, participation and mission.

 

2.      Indeed, synodality refers to the very essence of the Church, her constitutive reality, and is thus oriented towards evangelization. It is an ecclesial way of being and a prophetic example for today’s world. “For just as the body is one and has many members, and all the members of the body, though many are one body, so it is with Christ.” (1 Cor 12:12). In a similar way, Augustine speaks of the Whole Christ (cf. Sermon 341), head and members who form an indivisible and inseparable unity. Only in union with Christ the head, is it possible to understand the plurality of the members of the body, which enriches the Church, overcoming any temptation to uniformity. Since this is a unity in plurality in the power of the Spirit, the Church is called to open new paths whilst embarking on that same journey.

 

3.      The Synod of Bishops is the dynamic point of convergence that calls for mutual listening to the Holy Spirit at every level of the Church’s life (cf. Address of His Holiness, Pope Francis, Ceremony Commemorating the 50th anniversary of the institution of the Synod of Bishops, 17 October 2015). It is not just an event, but also a process that involves in synergy the People of God, the College of Bishops and the Bishop of Rome, each according to their proper function (cf. Address by Cardinal Mario Grech to the Holy Father in the Consistory for the creation of new cardinals, November 28, 2020).

 

PROMGRAMME FOR THE CELEBRATION OF THE SYNOD

 

4.      Considering that the local churches, in which and from which the one and only Catholic Church exists, contribute effectively to the good of the entire mystical body, which is also the body of the churches (cf. Lumen Gentium 23), the fullness of the synodal process can only truly exist if the local churches are involved that process. For a genuine participation of the local churches, there also must be the involvement of other ecclesial bodies in this process, such as, the Synods of the Eastern Catholic Churches, the Councils and Assemblies of the Churches sui iuris, and Episcopal Conferences, with their own national, regional, and continental entities.

 

5.      This synodal journey will begin with a solemn opening and consist of three phases:

 

5.1. OPENING OF THE SYNOD: October 2021

 

This synodal journey will commence both in the Vatican and in the local churches.

 

5.1.1. Official Opening with the Holy Father in the Vatican: 9-10 October 2021.

 

a.       Opening session and time for reflection

b.      Liturgical prayers and celebration of the Eucharist

 

5.1.2. Official Opening in each local church: Sunday 17 October 2021.

 

The local diocesan bishop will celebrate the same programme:

 

a.       Opening session and time for reflection

b.      Liturgical prayers and celebration of the Eucharist

 

5.2. PHASE IN THE LOCAL CHURCHES AND OTHER ECCLESIAL REALITIES: October 2021-April 2022

 

The objective of this phase is to consult the People of God (cf. Episcopalis Communio, 5,2) so that the synodal process is carried out through listening to all of the baptised, who are the subject of the sensus fidei – infallible – in credendo.

 

The following program will facilitate the consultation and participation of all.

 

GENERAL SECRETARIAT FOR THE SYNOD OF BISHOPS:

 

5.2.1. The General Secretariat for the Synod of Bishops will send a Preparatory Document, accompanied by a Questionnaire and a Vademecum with proposals for consultation in each local church.

 

5.2.2. The Dicasteries of the Roman Curia, the Union of Superiors General – International Union Superiors General (USG – UISG) and other Unions and Federations of Consecrated life, international lay movements, and University – Faculties of Theology will also receive this Questionnaire and Vademecum.

 

LOCAL CHURCHES AND EPISCOPAL CONFERENCES OR CORRESPONDING BODIES:

 

5.2.3. Each bishop will appoint a diocesan contact person (team) for the synodal consultation; they shall be a point of reference and link with the Episcopal Conference. They will accompany all the stages of the consultation process in the local church. (Before October 2021)

 

5.2.4. Each Episcopal Conference (or corresponding body) will also appoint a contact person responsible for liaising with both diocesan officials and with the General Secretariat for the Synod of Bishops. (Before October 2021)

 

LOCAL CHURCHES:

 

5.2.5. Consultation in the local churches will include those groups of participation as envisioned in Episcopalis Communio, without excluding other modalities deemed appropriate for the consultation to be real and effective (cf. Episcopalis Communio, 6).

 

5.2.6. Consultation with the People of God in each local church will conclude with a pre-synodal meeting, which will be the culmination of diocesan discernment.

 

5.2.7. At the conclusion of the diocesan phase, each local church will submit their contributions to their Episcopal Conference on a date determined by the Episcopal Conference itself. The Eastern Churches will submit their contributions to their corresponding bodies.

 

EPISCOPAL CONFERENCES OR CORRESPONDING BODIES:

 

5.2.8. A period of discernment will begin for bishops gathered in an assembly (Episcopal Conference). They will listen to what the Spirit has inspired in the churches entrusted to them.

 

5.2.9. Participants in the discernment period and the drafting of the synthesis include the contact person of the Episcopal Conference with regard to the synodal process and their team, as well as those representatives elected to participate in the Ordinary General Assembly of the Synod, following their ratification by the Holy Father.

 

5.2.10. This synthesis will be sent to the General Secretariat for the Synod of Bishops along with the contributions of each of the local churches. (Before April 2022)

 

OTHER CONTRIBUTIONS:

 

5.2.11. The Dicasteries of the Roman Curia, the University – Faculties of Theology, the Union of Superiors General – International Union Superiors General (USG – UISG) and other Unions and Federations of Consecrated life, and international lay movements, shall also provide their own contributions to the General Secretariat of the Synod of Bishops. (Before April 2022)

 

GENERAL SECRETARIAT FOR THE SYNOD OF BISHOPS:

 

5.2.12. The General Secretariat for the Synod of Bishops will proceed with the drafting of the first Instrumentum Laboris. (Before September of 2022)

 

5.3. CONTINENTAL PHASE: September 2022 – March 2023

 

The purpose of this phase is to promote dialogue at the continental level about the text of the first Instrumentum Laboris and deepen discernment within the specific cultural context of each continent.

 

GENERAL SECRETARIAT FOR THE SYNOD OF BISHOPS:

 

5.3.1. The General Secretariat for the Synod of Bishops will publish and send the first Instrumentum Laboris. (September of 2022)      

 

INTERNATIONAL REUNIONS OF EPISCOPAL CONFERENCES:

 

5.3.2. Each International Reunion of Episcopal Conferences will also appoint a contact person to liaise with both the Episcopal Conferences and the General Secretariat for the Synod of Bishops. (Before September 2022)

 

5.3.3. Pre-synodal discernment in the continental Assemblies. The criteria for the participation of the residential bishops and other members of the People of God is to be established.

 

5.3.4. The Assemblies will conclude with the drafting of a final document to be sent to the General Secretariat for the Synod of Bishops. (March 2023)

 

OTHER CONTRIBUTIONS:

 

5.3.5. At the same time as the pre-synod meetings at the continental level, it is recommended that international assemblies of specialists also be held, who may send their contributions to the General Secretariat of the Synod. (March 2023)

 

GENERAL SECRETARIAT OF THE SYNOD:

 

5.3.6. The General Secretariat for the Synod of Bishops will proceed to draft the second Instrumentum Laboris(Before June 2023)

 

5.4. UNIVERSAL CHURCH PHASE: October 2023

 

5.4.1. The General Secretariat for the Synod of Bishops will send the second Instrumentum Laboris to the participants of the General Assembly of the Synod of Bishops.

 

5.4.2.      Celebration of the Synod of Bishops will take place in Rome according to the norms established in the Apostolic Constitution Episcopalis Communio. (October 2023)

 

*******

 

6.      The articulation of the different phases of the synodal process makes possible a real listening to the People of God including all bishops at the different levels of ecclesial life (local churches, Episcopal Conferences or corresponding bodies, and International Reunions of Episcopal Conferences). In this way, the participation of all in the synodal process is guaranteed and the exercise of collegiality is configured within the exercise of synodality, as emphasized by Pope Francis on the 50th anniversary of the institution of the Synod of Bishops.

 

7.      In a spirit of collaboration, the General Secretariat of the Synod is open to clarify and accompany any moment of this synodal process, which must be, essentially, a spiritual event of discernment. “One listening to the others; and all listening to the Holy Spirit.”(Discourse of Pope Francis on the Commemoration of the 50th anniversary of the institution of the Synod of Bishops, 17 October 2015).

 

Mario Card. Grech General Secretary Vatican, 21 May 2021

 

2021年5月22日

・ バチカンが、国、教区ごとの「世界青年の日」に向けた司牧的指針発表ー青年司牧の意義を改めて考える機会に

地方教会における『世界青年の日』のための司牧的指針書発表

(2021.5.18 バチカン放送)

 バチカンの信徒・家庭・いのち省が18日、世界の国、教区レベルの「世界青年の日」の司牧的指針書」を発表した。

 「世界青年の日(ワールドユースディ)」は、カトリックの若者の祭典で、数年ごと(現在は3年ごと)に異なる開催地で行われる世界レベルの大会と、毎年記念される各国あるいは各教区レベル(Particular Churches)の大会がある。

 英語訳で“Pastoral Guidelines for the Celebration of World Youth Day in the Particular Churches.”と題する指針書は、後者の「世界青年の日」が、これまでの「受難の主日」から、「王であるキリスト」の祭日に変更して記念されるようになった機会に、青年司牧の意義を改めて考えることを目的にしている。

 同文書は、全7章からなり、第1章では、聖ヨハネ・パウロ2世からベネディクト16世、フランシスコへと続く、教皇たちの「世界青年の日」に対する関心が示される。

 第2章では、各国あるいは教区レベルでの「世界青年の日」の意味と価値、若者たちはもとより、地方教会全体にもたらす実りについて触れている。

 第3章は、国、教区レベルでの「世界青年の日」が「王であるキリスト」の祭日に記念されることの意味、「キリストを王として皆さんの生活に迎え入れてください」と若者たちに呼びかけるメッセージ、また世界の教会がこの日に、若者たちを司牧の関心の中心に据え、彼らのために祈るように、との教皇フランシスコの願いを示している。

 第4章は、「世界青年の日」が目指すものとして、次の目標を挙げている。 ‐「世界青年の日」が、「信仰の祝祭」であるように ‐「世界青年の日」が、「教会の経験」となるように
‐「世界青年の日」が、「宣教の体験」となるように ‐「世界青年の日」が、「召命の識別の機会」また「聖性への召し出し」となるように ‐「世界青年の日」が、「巡礼の経験」となるように ‐「世界青年の日」が、「普遍的兄弟愛の体験」となるように

 第5章では、地方教会レベルでの「世界青年の日」が若者たちの教会活動への参加を促し、その経験を通して教会の活性化につなげ、若者たちを主役とすることで、地方教会の豊かさを示す機会とするよう招いている。

 第6章は、毎年発表される「世界青年の日」に向けた教皇のメッセージを、同記念日やその準備において、有効に活用することを勧めている。

 そして、終章では、「世界青年の日」を地方教会の活動における重要行事と位置づけ、実り多いものとするための特別な配慮を奨励している。

(編集「カトリック・あい」=バチカンの英語訳「Particular Churches」は直訳すると「特定の(あるいは個々の)教会」となりますが、実際の日本語の意味を考慮して、「国あるいは教区(の教会群)」と訳しています)

2021年5月19日

・教皇、カトリック香港教区長にイエズス会管区長を任命+過去の関連記事2本

(2021.5.17 Vatican News staff writer )

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 中国政府・共産党が、香港における民主主義、人権を守ろうとする運動を武力で抑えつけ、諸宗教も中国本土同様、共産党の管理・監督下に置こうとする動きを強める中で、いかに香港のカトリック教会、信徒をまとめ、信教の自由、人権を守ろうとするか、注目される。

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 周神父は、1959年8月7日、香港生まれ。米ミネソタ大学で心理学修士号を取得した後、1984年9月27日にイエズス会に入会し、アイルランドで会士としての修練を積み、1988年から1993年まで香港で神学研究、1994年7月に司祭に叙階された。また米シカゴのロヨラ大学で組織開発の修士号、ハーバード大学で人間発達と心理学の博士号を取得した。

 2007年以降、香港の2つのイエズス会の単科大学と九龍華仁書院の管理者、香港大学の名誉助教授とイエズス会の養成担当などを務め、イエズス会香港管区の教育委員長、カトリック香港教区の教育理事会の理事なども務めてきた。2018年1月にイエズス会管区長に就任した。昨年には、香港の男子修道会協会の副会長になっている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

(参考)

【香港教区長の早すぎる死-後任人事が教皇にとっての”踏み絵”に(CRUX)】

The death of Hong Kong bishop a potential crisis for Church in China

Auxiliary Bishop Joseph Ha, Bishop Michael Yeung, and retired Cardinal John Tong concelebrate Mass May 24, 2018, on the feast of Our Lady, Help of Christians at the Cathedral of the Immaculate Conception in Hong Kong. Yeung died suddenly on Jan. 3, leaving the diocese vacant for the first time since it came under Chinese rule in 1997. (Credit: Francis Wong/CNS.)

(ニュース解説)

 「危機」という漢字は、危険を示す「危」と機会を示す「機」で出来ている。香港教区長のMichael Yeung Ming-cheung司教が1月3日、73歳で亡くなったのを聞いて、すぐ頭に浮かんだのは、1997年に香港が英国から中国に返還されて初めて、教区長のポストが空いた、ということだった。

 Yeung司教の死は、バチカンと中国の関係が岐路に立つ最中に起きた-彼の後任の選択は、北京の共産党当局と1300万人といわれる中国のカトリック信徒によって注視されるのだ。

 昨年9月22日にバチカンと中国政府は、司教任命に関する”暫定合意”に署名し、中国政府によって指名された8人の司教が公認された。大方の報道によれば、この合意-詳細は未だに公表されていない-は、バチカンは中国政府に司教を提案することを認め、その提案に対して教皇には拒否権しか認められず、しかも拒否権の行使をしないように様々な圧力を受ける、というものだ。

 バチカンの中国政府との交渉の狙いは、1950年に共産党政権が「中国天主愛国協会」(いわゆる”地上教会”)を設立し、国内のカトリック信徒がバチカンから独立するように監視を始めて以来続いてきた、中国のカトリック教会の地上教会と地下教会の分裂状態を終わらせることにあった。教皇に忠誠を誓い、共産党政権の監督・支配を拒む地下教会の中国本土における信徒数は、地上教会とほぼ同数と、それぞれが主張している。

 ”暫定合意”の署名が伝えられた時、中国の多くのカトリック信徒は、「合意は、何十年も迫害に遭い続けた”地下教会”を裏切るものであり、北京政府への屈服だ」と非難の声をあげた。批判する人々は「教皇が認めた司教たちはカトリック教会よりも中国共産党に忠実だ」と指摘し、さらに「教皇が認めた司教8人のうち少なくとも2人は”秘密の家族”を持っている(注:つまりカトリックの司教・司祭が禁じられている結婚をし、子供をもうけている)」と糾弾している。

 しかも、”暫定合意”が署名されても、中国当局は、このようなカトリック信徒たちの懸念を軽減するようなことは何もしていない。それどころか、「反カトリック教会キャンペーン」を強め、愛国協会への加盟を拒む司祭たちを逮捕し、司教たちを拘留し、修道院の建物を破壊し、未成年者のミサ聖祭など宗教行事への参加を禁じる政令を公布している。

 このような弾圧は、中国のあらゆる宗教活動に対する共産党による規制強化に努める習近平主席の方針に沿ったものだ。だが、こうした中国側の振る舞いに対して、バチカンは、”暫定合意”が損なわれないように、と沈黙を続けている。

 バチカンの中国との交渉で、香港は特別重要なケースだ-この英国の元植民地は、英国の統治下で保障されていた信教の自由を含む諸々の自由を住民に与える基本法によって統治されている。香港の司教たちは、中国政府の干渉を受けることなく、教皇によって任命されている。

 だが、それにもかかわらず、バチカンは香港での司教任命に慎重なやり方をしてきた。香港が1997年に英国から中国に返還されてから、直接に司教を任命することをせず、まず、補佐司教として任命し、司教が務める教区長のポストが空いた時に、自動的にその後任の司教となる、というやり方をしてきたのだ。こうすることで、教区長が空席となったときに中国政府がバチカンにかける可能性のある圧力を軽減し、新司教には教区長のポストに就く時になるものだということを、中国政府に認識せるようにしてきたのだ。

 今回のYeung司教の死去に伴って生じた危険は、中国共産党当局が、この元英国領で、新司教を作る力を行使しようとするかも知れない、ということだ。

 香港のカトリック信徒数は40万人にのぼるが、全人口の5パーセントでしかない。だが、カトリック信徒たちは英国による統治以来、卓越した役割を演じてきた-教育、住宅、医療健康、その他の社会サービスを提供している。香港の民主主義運動でも活発に活動しているが、中国政府が背後についた行政府にも格別に大きな影響力をもつ-香港特別行政区行政長官の林鄭 月娥(りんてい げつが、キャリー・ラム)はカトリック信徒であり、三人の前任者たちの1人もそうだった。

 その独特の性格から、香港教区長は通常、”中国のカトリック教徒の声を事実上代弁する存在”とされてきた。英国から中国へ返還されて以来の三人の司教たちは全員が枢機卿になっているが、そのうちの1人、86歳になる陳日君枢機卿は、”暫定合意”に対する最も歯に衣を着せぬ批判者だ。

 香港の新教区長・司教として、最も可能性のあるのは、香港生まれの現役の2人-マカオのLee、それに香港の補佐司教、Joseph Haである。Leeは属人教区Opus Deiの会員で、”暫定合意”の強力な支持者だが、”政治”への関与は避ける傾向にある。これに対して、フランシスコ会の会員であるJoseph Haは、香港の民主活動家たちの支持者で、香港教区の正義と平和委員会の指導者でもあり、中国の共産党政権の不興を買うような政策をしばしば主張している。

 もっとも、このような二人の違いは大げさにするものではない-Leeは共産党政権の”使徒”ではないし、Haも、中国当局に嫌がられる陳枢機卿のような激しい批判者ではない。だが、中国のカトリック信徒たちは、香港教区長・司教の後任人事を、中国における信教の自由の実現に、バチカンが前向きに取り組むかどうかの証しとなる、と見ている。

 もし教皇がHa、あるいは同様の考え方を持つ人物を選べば、中国の信徒たち、特に香港の信徒たちは「教皇が我々の思いを聴いてくれている」と受け取るだろうし、「ほとんどの切り札を持っている」と自信を深める中国との交渉で、バチカンが何枚かのエースを確保することになるだろう。

 だがもし、この人事で「中国政府に屈した」という見方をされれば、教皇は、地下教会の信徒たちをさらに見放す危険を冒すことになり得る-地下教会の多くの信徒たちは”暫定合意”と共産党の支持を得た司教たちを受け入れることを、躊躇している。

 陳枢機卿はすでに、中国に新たな分裂が起きる可能性を示唆している-地下教会の信徒の中に、中国政府とバチカンの両方への忠誠を拒否する者が出る可能性だ。

 香港の暫定教区長は「11日にYeung司教の葬儀が終わるまでは、正式の新教区長が選ばれることはないでしょう」と語っている。教皇は人事を早期に行うと見られている。ポストが長く空いたままであればあるほど、中国政府による人事への関与が強まる、と見られるからだ。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、

【どうなるカトリック香港教区長人事 – バチカンの決定が抗議活動の運命に重くのしかかる(BW)】

湯漢(トンホン)枢機卿

湯漢(トンホン)枢機卿

 香港の抗議活動が現在も続いている。新たな天安門事件になるとも考えられている。人権 保護の活動家は、米国及びドナルド・トランプ大統領の姿勢が、抗議活動の運命を決定し、さらに 中国共産党 内の 習近平 主席に対する敵対勢力を作り出す、または、勢いを与える可能性があると推測している。

 しかし、香港の一部の人々は、トランプ大統領と習近平主席に加え、第三世界の指導者の選択が香港の未来に大きな影響をもたらすと考えている。その指導者とは教皇フランシスコである。香港のローマカトリック教会の信者は、香港の人口の5%に過ぎないが、政治、文化及びメディアにおいて不釣り合いな力を有している。

 林鄭月娥(ラムチェン・ユッコ)香港特別行政区行政長官自身も敬虔なカトリック教徒であり、カトリックの学校で教育を受けた。また、重要な政治の事案に関してカトリックの司教に定期的に相談していることは周知の事実である。林鄭長官が中国共産党寄りの立場を取っていることが、抗議活動に拍車をかけている。

 また、香港は伝統的にバチカンと中国との橋渡し役を務めてきた。バチカンと中国の関係の専門家によると、2013年にフランシスコが教皇に就任する前は、反共産党の陳日君(チャン・ヤックワン)枢機卿(1932年~、2002年から2009年まで香港教区司教)の影響力により、カトリックの神父と司教に対し、中国政府が管理する 中国天主教愛国会 への参加を勧める共産党とのいかなる協定にも強い反対が起こり、功を奏していた。その影響力はバチカンにも及んでいた。

 この専門家によると、陳枢機卿はサレジオ会の同僚である韓大輝(ホン・タイファイ)大司教(1950年~、香港生まれ)と最強のタッグを組んだという。韓大司教はローマ教皇庁で最も影響力の高い中国の司教であり、2010年以降、福音宣教省の長官を務めていた。この機関は中国を直接担当するバチカンの部門である。

 陳枢機卿と韓大司教はベネディクト16世(Benedict XVI)と親交があり、事実上、中国のカトリックの神父と司教に中国天主教愛国会への参加を勧めるまたは強制する全ての協定を阻んできた。二人は後に大司教となるエットーレ・バレストレロ(Ettore Balestrero)神父の支持を得ていた。バレストレロ神父はバチカン国務省の上位の政務官であり、中国共産党に断固として反対する立場を取っている。

 2013年、ベネディクト16世が退位し、フランシスコが教皇に選ばれた。教皇フランシスコは外交の優先事項の一つとして、(当時まで)バチカンのお墨付きだった中国天主教愛国会への参加を拒否して苦しんできた反中国共産党のカトリック教徒に「犠牲」を求め、中国政府との合意を示唆していた。

 人事は重要だ。中国共産党と合意を得るため、一部の人材がバチカンを去る必要があった。バレストレロ神父はベネディクト16世と親交がとても深く、ベネディクト16世が退任する直前にはコロンビアに(教皇)使節として派遣されていた。

 情報筋によると、これは異なる考えを持つ新しい教皇の統治下でバレストレロ神父を守るための措置だったようだ。この人物によると、バレストレロ神父がバチカンを去ることに関して、中国共産党がバチカンに「満足している」と伝えたという。バレストレロ大司教は2018年、(カトリック教会にとって重要な国である)コロンビアの教皇使節から、コンゴの教皇使節に降格されたのだが、その原因となった大司教の弟が巻き込まれた不可解なスキャンダルに「中国が関与している」と見る者もいる。

 陳枢機卿が2009年に香港教区長を退任すると、後任に(後に枢機卿となる)湯漢司教(1939年~)が就任した。湯漢司教は陳枢機ほど中国共産党を敵対視しておらず、いかなる問題に対しても(前任者の陳枢機卿とは異なり)バチカンを批判することもなかった。

 しかし、常に中国本土が絡む問題には非常に慎重であった。バチカンが香港で非常に用心深い行動を取っていることは、2014年の2人の若い補佐司教の任命から見て取れる。1人は反中国共産党として知られる聖フランシスコ会の夏志誠(ハー・チシン、1959~)であり、もう1人は中国との合意に前向きな李斌生(リー・バンサン、1956年~)であった。李補佐司教はオプス・デイに所属し、神学的には保守派と見なされている。これは、進歩主義か保守派かは、バチカンと中国の協議に関する見解とは必ずしも比例しないことを示している。

 2016年から2017年にかけて状況は変化し、2018年のバチカンと中国間の合意 に関する特定の決定が既にバチカンで行われていた可能性がある。韓大司教は2016年に教皇庁から外され、問題が続いていたグアムに派遣された。グアムでは、前司教が性的虐待のスキャンダルに関与したとして辞任しており、その対処のためとされた(内部筋によると、この人事に関しても中国共産党がバチカンに謝意を示したようだ)。その後、韓大輝大司教は教皇使節としてギリシャに派遣される(ギリシャはバチカンの外交においては重要な国ではない)。

 同じく2016年、香港の李補佐司教がマカオの司教に昇進した。この人事にも中国共産党は「感謝した」という。

 2017年、湯漢枢機卿が香港教区長を退き、楊鳴章(ユン・ミンチャン)司教(1945年~2019年)が就任した。林鄭・香港行政長官と親しい間柄にある楊司教が、「2018年のバチカンと中国間の合意を推進するために任命された」という印象を拭いさることは難しい。楊司教は、「中国国内のプロテスタント教会から十字架を撤去する中国共産党の組織的な取り組みを認めた」印象を与え、その後、「中国共産党の規則に敬意を払うべきだとする立場」を主張して、バチカンに恥をかかせた。

 ここでも、神学理論に関しては保守的でも、中国共産党を支持する可能性があることが証明された。楊司教はLGBTの権利に対して過激な態度を示し、同性愛を薬物依存に例えており、教皇フランシスコの寛容な姿勢と対立していると見られていた。

 2019年1月23日、肝硬変を患っていた楊司教は香港教区長の任期が終わる前に他界した。妥当な後継者の候補2人のうち、どちらを選ぶかが、数ヶ月前にバチカンが署名した協定に対するバチカンの評価が明らかになるはずだった。また、 中国共産党は、マカオの李司教が香港教区長になることを望み、「反中国共産党」と見られている夏補佐司教が選ばれたら、不満を抱くはずだった。

 だが、教皇フランシスコは李司教でも夏補佐司教でもなく、引退した中道派の湯漢枢機卿に香港教区長への復帰を求め、香港カトリック教会を導く役割を湯枢機卿が担うことになった。湯枢機卿はカトリック教徒の林鄭・香港行政長官に、物議を醸し出している逃亡犯条例の改正案への署名に反対するよう勧め、その他の宗教の指導者たちも抗議活動に参加する人々をある程度支持した。また、湯枢機卿は、香港のカトリック教徒に対して「バチカンと中国間の合意に対する陳枢機卿の強い非難を支持しない」と言明する一方、夏志誠補佐司教による抗議活動への積極的な参加を阻止しないどころか、「道徳心の高い指導者の1人」と見なした。

 バチカンは香港の抗議活動に関して沈黙を貫いている。しかし、遅かれ早かれ言葉ではなく、重大な決定をもって立場を明確にすることが求められるだろう。湯枢機卿は80歳であり、「職務への復帰はあくまでも一時的」と明言していた。間もなく教皇は新しい香港教区長を選ばなければならない。

 現地のカトリック教徒は抗議活動を大々的に支持し、夏補佐司教が香港教区長に任命されることを希望している。マカオの李司教が任命された場合、抗議活動の参加者は「抗議活動と民主主義に反対する立場をバチカンが表明するもの」と見なすだろう。内容が公開されていない2018年のバチカンと中国間の合意には司教の選任に関して「バチカンと香港の中国共産党の合意が必要とされる」ことを示唆する条項が含まれているとの情報をBitter Winterは掴んでいる。

 いずれ分かることだが、夏補佐司教が教区長に任命されれば、中国共産党と国際社会に対し、バチカンが香港の民主主義を支持していること、そして、人権問題をバチカンが軽視していたために2018年の合意が実現したわけではないこと、を示す効果がある。

 逆に、李司教が任命されれば、それと反対のメッセージを送ることになるが、マカオの教区長を務める李司教は一筋縄ではいかない性格の持ち主であり、無条件で中国共産党を支持していると見なすことは間違いだ。夏補佐司教も陳枢機卿のバチカンに対する真っ向からの批判を支持したことはない。教皇フランシスコが第三の候補者を「考案」して世間を驚かす可能性がないわけではないが、今のところ手掛かりや噂は聞こえてこない。

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日8言語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年5月17日

・16日から環境回勅「ラウダー・ト・シ」特別年の締めくくりの週間、教皇参加呼びかけ

(2021.5.17 カトリック・あい)

 教皇フランシスコが定められた環境回勅「ラウダート・シ」発表5周年の特別年が24日で終了するが、教皇は16日からの一週間を締めくくりの特別週間とされ、「地球の叫び、貧しい人々の叫び」に耳を傾ける機会とするよう、16日の正午の祈りの場で、世界の信徒たちに求められた。

 そして、これまで特別年に協力してくれた、バチカンの人間開発の部署、カトリック地球気候運動、カリタス・インターナショナル、そして数多くの関係団体に感謝を述べるとともに、この特別週間に、すべての信徒が参加してくれるように呼びかけられた。

 「ラウダート・シ」発表から昨年5月24日で5周年を迎えたのを受けて、教皇は今月24日までを同回勅についての考察を深める特別年とされ、同回勅に改めて親しむとともに、「私たちの『共通の家』と、そこに住む最も弱い立場にある兄弟姉妹たちの保護」に取り組むように、世界の信徒たちに提唱されていた。また、つぎのような特別年のための「地球と人類のための共通の祈り」をお作りなり、信徒たちに唱えるよう勧められていた。

**********

《地球と人類のための共通の祈り》

英語訳

Loving God,
Creator of heaven, earth and everything in it.
Open our minds and touch our hearts,
so that we can be part of creation, your gift.

Reach out to those in need during these difficult times,
especially the poorest and most vulnerable.
Help us show creative solidarity in dealing with
the consequences of this global pandemic.
Make us brave to embrace the changes aimed
at the common good.
Now more than ever, that we can feel that we are all
interconnected and interdependent.

Make it possible for us to listen and respond
to the cry of the earth and the cry of the poor.
May today’s suffering be the pain of childbirth
in a more fraternal and sustainable world.

Under the loving gaze of Mary Help of Christians,
we ask this through Christ our Lord.

Amen.

(日本語仮訳「カトリック・あい」)

 愛にあふれる神よ、

 天と地と、そこにあるすべてのものの創造主よ。

 私たちの心を開き、私たちの心に触れてください。

 私たちが、あなたの贈り物である被造物の一部でいることができるように。

 この困難の時、最も貧しく、最も弱い人たちをはじめ、困窮した人々のそばにいてください。

 新型コロナウイルス世界的な大感染に立ち向かう中で、私たちが創造的な連帯を示せるように、助けてください。

 共通善の追求に向かって、変化を受け入れる勇気を、私たちにお与えください。

 

 私たちは今、これまで以上に、皆が互いにつながり、互いに依存していることを感じています。

 地球と貧しい人々の叫びに、私たちが耳を傾けることができるようにしてください。

 この現在の苦しみが、より兄弟愛に満ち、持続可能な世界を築くための産みの苦しみでありますように。

 扶助者マリアの愛に満ちた眼差しのもとで、私たちは、主キリストを通してお願いします。アーメン。

2021年5月17日

・教皇、現代社会に対応した「信徒カテキスタの務め」定めた自発教令を発出+解説+英語訳全文

Catechists and students in UgandaCatechists and students in Uganda 
2021年5月11日

・保守派のサラ前典礼秘跡長官、次期教皇選出宣言の”栄誉”ある役割外れる(LaCroix)

The retired Guinean cardinal had been the senior cardinal deacon, but Pope Francis hasreligion/cardinal-sarah-no-longer-in-line-to-announce-the-next-pope
M.MIGLIORATO/CPP/CIRIC

(2021.5.3 LaCroix Xavier Le Normand | Vatican City)

 教皇選挙(コンクラーベ)の最後に常に発せられるのがこの言葉だー「Annuntio vobis gaudium magnum:habemus papam(私は皆さんに大きな喜びを告げます。教皇が選ばれました)!」

 バチカンの聖ペトロ大聖堂の中央バルコニーから発せられる言葉で、サンピエトロ広場に集まった人々、そして世界中の人々に、枢機卿たちが選んだばかりの「ローマ司教」そして「世界の教会の筆頭司牧者」を宣言するのだ。

 そしてこの宣言の役割を担う者には、三段階の枢機卿の位階の中で一番下の助祭枢機卿のうち、最も長くそのポストを務めている人が選ばれ、枢機卿に選ばれた日が同じ者が複数存在する場合、教皇が選任を先に発表した者が選ばれることになっており、2013年に教皇フランシスコを選出した際、この宣言の役割を担ったのは、フランス出身の故ジャン=ルイ・トーラン枢機卿だった。

 現時点で、最も在任期間が長い助祭枢機卿は、現在では廃止されている「正義と平和協議会」の議長を務めていたレナート・マルチーノ師だが、2012年に80歳になった段階で教皇選挙権を失っており、教皇選出を宣言する資格はなくなっている。従って、その役割を担う可能性がある80歳未満の助祭枢機卿の”筆頭候補”は、先日、典礼秘跡長官を退任したロバート・サラ師、ということになるはずだった。

 だが、そうではなくなった。教皇が今週、サラ師を、他の7人の助祭枢機卿ととともに、「司祭枢機卿」に格上げする人事を発表したためだ。そして、新教皇選出を宣言する役割を持つ80歳未満の助祭枢機卿は、現時点では、バチカン市国長官のジュゼッペ・ベルテッロ師が該当することになったものの、ベルテッロ師は来年11月に80歳の誕生日を迎える。それ以降に教皇選挙が行われるなら、その役割は、奉献・使徒生活会省長官のジョアン・ブラス・ジ・アビス師にお鉢が回ってくつことになる、と考えられる。

 もっとも、教皇選出を宣言するだけが助祭枢機卿の役割ではない。教皇選挙が結論を出せず、続けられる際には、他の重要な役割を務めることが求められる可能性がある。

  ヨハネ・パウロ二世の使徒憲章「UNIVERSI DOMINICI GREGIS(使徒座空位と教皇選挙に関して)の定めでは、「3日続いても教皇が選挙されず選挙が難航する場合は、祈ったり、選挙者同士の間での意見交換、助祭枢機卿による講話を聞くために1日選挙を休む。その後同じ方法で選挙をし、7回投票しても結果をみない場合、祈り、意見交換、講話のためにもう1度休みを取る。投票を再開し、7回投票しても教皇が選出されない場合は、同じように休みをとる。そして投票を開始し、また7回繰り返す」(74条)とされている。

 要するに、このように事態になった際には、助祭枢機卿に、選挙の休止期間の講話を担当する役割が与えられるのだ。現時点では、ベルテッロ師がその役割を果たす可能性もある。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年5月5日

・教皇、コロナ感染終息を願うロザリオの「祈りのマラソン」開始

(2021.5.2 バチカン放送)

 聖母月の初日にあたる5月1日、バチカンでの教皇フランシスコによるロザリオの祈りとともに、新型コロナウイルスの世界的大感染の終息を願う「祈りのマラソン」が始まった。

 「祈りのマラソン」は、コロナ感染終息を世界の全教会を挙げて祈るために、教皇ご自身が発案されたもので、5月中、日ごとに世界の異なる巡礼聖堂でロザリオの祈りが捧げられる。世界各地での祈りは、連日イタリア時間午後6時(日本時間 翌日午前1時)から、Vatican Newsのインターネットサイトを通して中継される。

聖母月初日、5月1日、教皇はバチカンで信者らと共にロザリオの祈りを唱えられ、これによって「祈りのマラソン」をスタートさせた。

 1日、教皇によるロザリオの祈りが行われた聖ペトロ大聖堂のグレゴリアーナ礼拝堂は、教皇グレゴリオ13世(在位1572-1585)の時代につくられたもので、祭壇の上部には旧大聖堂から伝わる「御助けの聖母」の聖画が掛けられている。この礼拝堂には、4世紀の司教教会博士、ナジアンズの聖グレゴリオの聖遺物も保管されている。

 同日夕方、グレゴリアーナ礼拝堂には、若者や、お年寄り、家族など、ローマとラツィオ州の小教区の信徒の代表が参加し、「御助けの聖母」の祭壇に献花された教皇は、祈りへの導入の言葉で、「この聖母月に、世界の巡礼地と信者たち、またすべての善意の人々と一致し、コロナ感染で苦しむ人類を聖母に託して祈りたい」と述べられた。

 そして、教皇は、コロナ感染で亡くなった方々とその遺族、患者と医療関係者、コロナとの闘いのために奉仕するすべての人々を、聖母の慈しみに委ね、ロザリオの祈りの「栄えの原義」を、信者たちと共に捧げられた。

 祈りの後、教皇は、「今日の世界を覆う苦しみと不安に満ちた悲劇的な状況に、聖母の保護を求めつつ、この辛い試練が終わり、希望と平和の訪れを見ることができるよう、私たちのために神に願ってください」と聖母に祈られた。そして、30本のロザリオを祝別。これらのロザリオは 「祈りのマラソン」に参加する世界30か所の巡礼聖堂にもたらされる。

2021年5月3日