・バチカンが、信徒の国際組織の指導者の任期を制限する教令を発出ー私物化や権力乱用を防ぐ狙い

 教皇庁の信徒・家庭・いのち省が11日、教皇の承認を得て、「カトリック信徒の国際組織の指導者たちの任期・交代に関する教令」を発出した。3か月後に発効する。Vatican Newsは、教令の狙いを、「信徒の国際的な団体・組織で権限を持つ者が、奉仕の役割を果たし、私物化したり、権力を乱用したりするのを未然に防ぐことにある」と説明している。

 教令は、カトリック信徒の国際的な団体・組織における指導者の任期と信任の回数(最大で連続10年間)、また指導者たちを選ぶプロセスとそれを選ぶ人々について規則を定めるもの。対象は、教皇庁によって認可あるいは設立され、信徒・家庭・いのち省の管理下にあるすべての国際的信徒団体・組織。

 目的は、これらの団体の指導職における「健全な交代」を促し、教会的な交わりにおいて真の奉仕を行えるようにすること、としている。教令に付随した解説によると「責任者の交代を通して行われる運営組織の世代交代は、その組織の活力に大きな利益をもたらす。それは創造的な成長と、育成のための努力を推進する機会である。それは、カリスマへの忠実をより強め、時のしるしの理解を助け、刷新された宣教行為を励ますもの」と説明している。

 また、信徒・家庭・いのち省は「団体・組織の創設者たちが果たした重要な役割を認識」し、「団体・組織の発展と安定のために必要と判断される場合、また運営の中心組織の明確な意志と一致する場合」、創設者に対し、規則が定める制限を免除する、としている。

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2021年6月12日