(2026.6.2 Bitter Winter )
中国共産党の管理下にある”公式”カトリック教会組織、中国天主愛国協会は、国際的に非難されている「民族団結促進法」を熱心に推進する一方で、カトリック世界全体が議論している教皇回勅を無視している。
(写真右:南モンゴルで、「民族団結促進法」の宣伝員へと変貌したカトリックの司祭たち。Weiboより)。
中国天主愛国協会が、中国政府。・党の”政治的利用価値”において新たな段階に入った。ここ数か月、同協会の公式サイトや各地の支部は、「民族団結促進法」に継続的な関心を寄せている。
欧州議会はこの法律について、「同化政策を公然と推進し、中国国内外の様々な集団の文化的、宗教的、言語的自由を制限する」ものだと批判している。
国際的な懸念と国内の熱狂との対比は、極めて示唆に富んでいる。中国政府・共産党が「カトリック教会」として承認するこの組織は、党の教義に従って民族的・宗教的アイデンティティを再構築しようとする国家のキャンペーンに、積極的に加担する存在になっている。
モンゴル人にとって「南モンゴル」として知られる中国・内モンゴル自治区での最近の取り組みは、この傾向を如実に物語っている。
地元の天主愛国協会は、「心に三つの意識、民族団結で調和を」というスローガンの下、宣伝イベントを主催している。そのテーマは「福音」ではなく、「民族団結促進法」を内面化する必要を強調するもの。
聖職者たちは同法に関する小冊子を配布し、党の民族政策を説明し、信者たちに当局が「国家意識、公民意識、法律意識」と呼ぶものを養うよう促した。そのメッセージは、カトリック教会の活動は国家の優先事項と整合させ、教区の活動、日常生活、そしてし信徒の育成に浸透させる、というものだった。
このイベントの開催は重要な意味を持っている南モンゴルでは、「モンゴル語教育を弱体化させ、文化的同化を促進する政策」に対する抵抗が長年続いてきた。「民族団結促進法」はこのプロセスの核心をなすものだ。
同法の施行はすでに、学校のカリキュラム、公的な言説、文化機関のあり方を変容させている。今や、国家の管理下にあるカトリック教会が、この同じ政策を強化するために動員されつつある。聖職者たちは、「国家の法律は、宗教的規範に優先すること」、そして信徒は「『五つの承認』を受け入れること」で、国家への忠誠を示すことを強調するよう指示された。このイベントで使われた語彙は、普遍的な教会の”司牧的言語”というよりは、共産党学校で使われる”政治的言語”を反映していた。
「五つの承認」は、習近平の宣伝と統制における重要な概念だ。
第一は「偉大なる祖国の承認」。宗教信者や少数民族に対し、中華人民共和国を唯一の正当な国家的故郷として、心情的かつ政治的な帰属意識を表明することを求める。
第二は「中華民族への承認」。単一で統一された中華民族という党の物語を受け入れることを指し、チベット人、ウイグル人、回族、モンゴル人を含むすべての民族集団が、一つの包括的な国民的アイデンティティの分派として自らを位置づけることが期待されている。
第三は「中華文化の承認」。中国共産党によって定義された中華文化—しばしば儒教的価値観や漢民族の文化的規範が強調される—を受け入れることを求める。宗教団体にとって、これは教義や実践を、国家が承認した文化的テーマに沿うように再構築することを意味する。
第四は「中国共産党の承認」。これが政治的な核心だ。すなわち、中国共産党を、国家、社会、そしてあらゆる宗教事務における正当かつ不可欠な指導者として認めることである。
最後に、第五の柱は「中国の特色ある社会主義の承認」。党の政治体制、イデオロギー的枠組み、および発展モデルを、中国にとって唯一の正しい道として支持することを要求するものだ。
このような動きは、内モンゴル自治区に限ったことではない。中国全土で、カトリック、プロテスタント、仏教、イスラム教など政府・党に服従を誓い、認可された5つの宗教が『民族団結・発展法』の推進に動員されている。それらのウェブサイト、出版物、研修プログラムは、中国民族への帰属意識を強める必要性、文化統合という党のビジョンを支持すること、そして「政治的統一を強化するような形で宗教教義を再解釈すること」というテーマを繰り返し強調している。
中国天主愛国協会は、このキャンペーンにおいて最も積極的な参加者の一つとなっている。同協会のウェブサイトには、同法を称賛する記事が多数掲載されている。しかし、教皇レオ14世が発出したAIに関する回勅『Magnifica Humanitas』が世界的に重要な意義を持ち、人間の尊厳、文化的権利、少数派の保護といった問題に直接関連しているにもかかわらず、同協会はこれについて一切言及していない。
「カトリック共同体の一員だ」と自認するのであれば、当然、教皇の主要な文書と向き合うはずだ。一方、「国家の道具だ」と自認する協会とそれに属する各地のカトリック教会は、党が推進する法律に焦点を当てる。中国の”公式”カトリック教会組織が示す優先事項は、自らを「普遍的な教会の一部」としてではなく、「中国共産党の政治的目標を推進する任務を負った国内機関」として捉えていることを示している。
2018年の「中国国内における司教任命に関するバチカン・中国暫定合意」で、バチカンは、中国国内での”地上教会”とバチカンに忠誠を誓い政府・共産党の指導に服さない”地下教会”の分裂を癒やし、カトリック教会本来の司牧活動の場を創出することを意図していた。
だが、8年が経過した今、そうしたバチカンの狙いとは異なる様相を呈している。”公認”のカトリック教会の組織である中国天主愛国協会は、中国化の機構に吸収され、その聖職者たちはカトリックの教えではなく、政治的イデオロギーを広めるよう訓練されている。
「民族団結・発展法」が文化的同化の中心的な手段となる中で、同法を推進する教会の役割は、避けて通れない問題を提起している―「バチカンは、中国政府・共産党が統制する組織を、中国におけるカトリック教会の代弁者となることを許容し、教皇を無視しつつ、党の最も干渉的な政策を拡大させることとなったこの合意の結果について、再考するのか、それともしないのか」。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載している。

して中国共産党の「宗教の厳格な管理」に関する綱領を学んだ。また、オンライン上の宗教活動の管理や、国家目標の枠組みにおける宗教の「社会的機能」についても指導を受けた。強調された「伝統」とは、文化的ナショナリズムと政治的忠誠心を強化するものだった。



”単純な時代”だった。
記されていた。



たわけではないのではないか。「魯豊の反乱」はさらに広範な疑問を投げかける。これは孤立した火花なのか、それとも中国による地域伝統への厳格な統制が限界に達しつつある最初の兆候なのか?いずれにしても、当局は、祭りを止められなかった。市民たちは自らの「勝利」を祝った。
Protesters confront the police.
(右の写真は、雅陽教会の一部が撤去される様子と思われる映像)

