・国連人権委の特別報告者3人が、中国共産党によるウイグル人子弟の”強制中国化”教育を批判する声明(Bitter Winter)

Deported soon? Uyghur children in Turpan, Xinjiang. Credits. 
Deported soon? Uyghur children in Turpan, XinjiangCredits

(2023.10.4  Bitter Winter   Massimo Introvigne)

 国連人権委員会の特別報告者、フェルナン・ド・ヴァレンヌ(少数民族問題)、アレクサンドラ・ザンタキ(文化的権利問題)、ファリダ・シャヒード氏(教育問題)が4日、連名で、「新疆ウイグル自治区で中国政府・共産党が行っているウイグル族やチュルク系イスラム教徒の子供たちを親から強制的に引き離し、寄宿学校に入れて中国人に文化、言語面で強制同化する政策」を非難する共同声明を出した。

 声明は、中国政府・共産党のこの行為の目的は、「ウイグル人たちの民族的および宗教的アイデンティティを破壊することにある… 子供たちは『人工的な孤児』にされている」と強く非難。

 さらに、「中国政府・共産党が運営する新疆ウイグル自治区の寄宿学校は、ウイグル人などの子どもたちの母国語であるウイグル語による教育をせず、ほとんどが”公用語(北京語)”でなされている。子どもたちは、家族や地域社会から強制的に引き離され、北京語と漢民族の文化に『強制同化』されようとしている」と強い懸念を表明した。

 また、国連は「親が亡命、または逮捕・拘禁されている幼い子供たちを含む、主にウイグル族の子供たちを家族から大規模に連れ去っている」という情報を入手しており、「これらの子供たちは中国当局によって『孤児』として扱われ、全日制の寄宿学校、幼稚園、または孤児院に預けられ、使用される言語はほぼ中国語(普通話)に限られている。彼らは 厳しく管理された寄宿施設に入れられ、両親、大家族、地域社会とのつながりを断たれ、民族の文化的、宗教的、言語的アイデンティティを弱めることになるだろう」と声明は述べている。

 声明に署名した特別報告者たちは、「教師が特定の言語の授業以外でウイグル語を使用した場合も、制裁の対象となる可能性がある」とし、最近、新疆ウイグル自治区で、ウイグル族やその他のイスラム教徒の子供たちのための「寄宿学校の数が急激に増加」していると指摘。 ウイグル語やその他の少数言語による教育が提供される地元の学校の閉鎖も大規模になされており、基本的人権侵害の極めて深刻な懸念を引き起こしている」と強く警告している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。
2023年10月8日

・「中国愛国天主協会」が「宗教活動の場の管理強化のための措置」を学ぶ会

(2023.9.4  中国天主教=Catholic Church in China=ニュース)

 中国のカトリック「一会一班」は4日、1日から施行された国家宗教行政令第19号「宗教活動の場の管理のための措置」を学び、話し合うための特別研究会を開いた。

 会を主宰した中国愛国天主協会の会長、李山・北京大司教は、この措置に対応した対策策定の必要性、策定の進め方、管理組織、監督と管理について詳細に説明。 今回の措置は、「宗教活動の場と信徒たちの合法的な権利と利益を保護し、宗教活動の場の管理の制度化と標準化を改善し、中国における宗教の『中国化』の方向性遵守に非常に重要な『宗教問題に関する諸規則』の徹底的な実施のための重要な措置だ」と指摘した。

 李山大司教は、今回の措置を受けて、「カトリック活動の場の民主的管理を実施し、人事管理システムの確立および改善、宗教活動、社会活動、および人々の国内での対外交流を規制することが求められる」と強調。 宗教活動の場は、「適切な規模、厳格な経済、安全、秩序の原則を遵守しなければならならず、 内部管理を強化し、管理体制を確立・改善し、現地関係部署の指導・監督・点検を受ける必要がある」と述べ、「 私たちは、全国のカトリック教会が、それを誠実に学び、広く公表し、措置の核となる本質と精神的本質を深く理解し、全国のカトリックの活動の場の制度化と標準化された管理をさらに強化し、中国のカトリックの健全な継承を促進するように導かねばならない」と参加者を促した。

 この後、研究会に参加した「一会一班」の各地の常駐リーダーと部局長が「施策」について突っ込んだ議論を行い、「宗教活動場の管理を包括的かつ綿密に規制し、宗教活動場の内部管理メカニズムを明確にし、人事管理、宗教活動管理、建設管理、安全管理の関連内容を追加し、監督メカニズムを改善すること」ことを、全員で確認した。 この措置はまた「厳格な教育管理、贅沢からの倹約と棄権、および緑の環境保護の概念」を具体的に示しており、 この措置の実施に伴って、宗教活動の場の管理のための規則と法律が施行された。これは非常に実際的な重要性と指導的意義があり、「 徹底的に研究し、学んだことを応用し、措置の実施を促進し、カトリックの活動の場の管理の制度化と標準化をさらに改善すること」でも一致した。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二=原文のまま)

2023年9月14日

・偽りの「仏教外交」—国家統制に従属する中国とロシアのが連帯(BW)

 中国とロシアの自国政府に忠実な仏教団体の代表たちが、ロシア東シベリアのブリヤート共和国の首都、ウランウデで8月に開かれた「国際仏教フォーラム」に参加し、プーチン大統領自身がメッセージを送った。(写真右は、ウラン・ウデのフォーラムで講演する中国仏教協会の胡雪峰副会長=「 微博」より)

 ロシアと中国の国家公認の仏教団体はいずれも信頼性に問題を抱えている。 昨年、Bitter Winterが報じたように、当時のロシアの住むカルムイク人(モンゴル系民族の一部族)仏教徒の最高指導者、テロ・トゥルク・リンポチェが2022年10月、ロシアによるウクライナ侵略戦争を非難。「ウクライナ側が正しい」と述べ、当局による逮捕の危険が出たため、モンゴルに亡命し、そこで、徴兵を嫌って国境を越えて来た何万人ものロシアの仏教徒の食事の世話などをしている。

 彼は、1992年以来カルムイク人の仏教指導者であり、おそらくロシア国内の仏教徒に最も尊敬されている人物だったかもしれない。 プーチン政権による彼への激しい批判はロシア国内の仏教徒を大きく動揺させている。

 中国では、政府・共産党の統制下にある中国仏教協会では、2018年に、当時、会長で北京龍泉寺の住職だった雪成師が尼僧6人を性的に虐待した、との疑いをかけられ、辞任を余儀なくされて以来、動揺が収まっていない。

 チベット仏教でも、指導者のパンチェン・ラマ10世が1989年1月に中国チベット自治区で亡くなった後、後継者の選定者たちが1995年5月にゲンドゥン・チューキ・ニマという6歳の男児をパンチェン・ラマの転生者としたが、チベット自治区当局はこれを認めないばかりか、拉致、行方不明にした。当局は同年11月にやはり当時6歳のギェンツェン・ノルブをパンチェン・ラマの”転生霊童”とし、北京政府が彼をパンチェン・ラマ11世とすることを認めた。30代になったギェンツェン・ノルブ師は現在、中国仏教協会の副会長を務め、中国共産党の“傀儡”と見なされている。

Group work during the Forum.

(写真左は、フォーラムでの小グループ対話)

 中国とロシアの国家公認の仏教団体”は、いずれも国際的な仏教組織で活動しており、僧衣をまとった代表者を世界中に派遣し、自国政府の仏教など宗教政策の擁護に努めている。8月の「国際仏教フォーラム」に参加した 中国とロシアの”公的仏教団体”がこの取り組みに協力しているのは当然のことだ。中国からは中国仏教協会の胡学峰・副会長をトップに6人が 参加した。

 フォーラムでは、冒頭にプーチン大統領からの歓迎のメッセージが読み上げられ、 ブリヤート共和国の大統領が歓迎の挨拶をした。そして、胡副会長など中国、ロシア両国の代表が「現代化された仏教」を称賛し、それぞれの政府への忠誠を表明した。 ロシアの参加者は、ロシアのウクライナ軍事侵略を「西側の侵略とナチズムとの戦い」とし、この戦いで多くの命が落とされているロシア人仏教徒の”愛国的取り組み”を祝福。中国の代表団は、「我が国では、信教の自由が謳歌されている」と説明した。両者は互いの主張を笑いを持って受け止めることをしなかったが、中国とロシアの”国営仏教”が国際的な仏教組織に浸透していることは笑い事ではない。 それを阻止せねばならない。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

 

 

2023年9月13日

・習近平はなぜ、新疆ウイグル自治区での演説で「”苦労”して勝ち取った安定」と言ったのか

Xi Jinping speaking in Urumqi on August 26. Screenshot.

     中国共産党の”専門用語”を解釈すると、新疆ウイグル自治区の首都ウルムチでの習主席の声明から浮かび上がってくるのは、「大量虐殺は継続すべきだ」ということだ。

Xi Jinping speaking in Urumqi on August 26. Screenshot.

 先月、新疆ウイグル自治区を訪問した際、習近平は演説の中で、この地域の現状を「苦労して勝ち取った安定」と表現したが、プライドと泣き言の匂いがするこの表現の中身については明確にしなかった。

 彼が演説で言及した「苦労」とは何だろうか?  彼が”ウイグル問題”を解決するために選んだ手段は「強制収容所」だった。 中国当局は、「2017年以降、この地域での暴力行為の発生はゼロになった」と誇らしげに、繰り返し主張してきた。その通りだとすれば、それは300万人のウイグル人(そのほとんどが兵役年齢の男性)を投獄することで達成されたことになる。

 習金平は、300万人を強制収容することの経済的、技術的、精神的コストを事前に検討し、それを許容できるものとみなしていたようだ。「 技術コスト」についての州の判断は正しかったかも知れない。

 新疆ウイグル自治区で長年にわたって整備されてきた軍と警察の力量からして、10万人の武装人員によって300万人の非武装の人々を収容所に送り込むことは不可能ではない。「 法と良心」を脇に置いて、起こり得る危険を冒すだけで十分だ。多くの収容所が設立され、整備されている間、ウイグル族から激しい抵抗もなかった。

 この地域の天然資源やビジネスの戦略的立地を考慮すれば、強制収容所の建設と運営にかかる経済的なコスコは問題にならない。ウイグル人実業家を強制収容して、その財産を没収し、収容所に入れた人々から食費や罰金を徴収すれば、”黒字”ニさえなっているかも知れない。

  もっとも、他にもコストがかかるものがある。強制収容所の非人道的な運営は、将来の世代の安全に不安を持つ、この地域に住む漢民族への反発を招く可能性がある。今回の新疆ウイグル自治区訪問の際、習主席が漢民族の住民から反発や批判を受けることはなかったが、同自治区のヤルカンド県の共産党書記が、強制収容していた7000人を、中央の許可を得ずに釈放して「重大な規律違反」として有罪の判決を受ける、という事態が発生している。この自治区に住む漢民族は、中国の現体制の受益者ではあるが、この自治区の住民として自らの権利を主張することもない

The audience in Urumqi on August 26 listening attentively and taking notes. Screenshots.

 では、習主席は、どのような「苦労」を経験した,と言うのだろうか。考えられるのは、強制収容所問題で、海外、国際社会から多くの批判を受けてきたことだろう。過去5年の間に、北米と欧州の22の政府と議会は、中国のウイグル政策を「大量虐殺であり、人道に対する罪である」と定義した。

(写真左は、2023年8月26日、習主席の講演に参加して、メモを取る人々)

 これに中国は反発し、西側諸国と政治的、経済的な制裁のぶつけ合いと招いた。この問題が国連で取り上げられないように、経済力、外交力を駆使して、途上国を味方に付けようとした。 世界中で900以上の非政府組織(そのほとんどが偽物)を創設し、動員することで、国連が昨年作成した「新疆報告書」を公表しないよう圧力をかけた。

 ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官が2022年5月に中国を訪問した。だが、もともと新疆ウイグル自治区を視察する予定だったのが”友好訪問”に変更したうえ、習主席との会談では「教師面して偉そうに他国を説教するべきでなく、人権問題を政治化してはならない」と“クギ”を刺され、帰国前の記者会見では、「反テロリズム」や「脱過激化」など中国政府が使う表現をそのまま使う一方で、「ウイグル人大量虐殺」問題には一切触れず、「中国のプロパガンダに加担した、として国際人権団体から批判された

 もっとも、彼女は、国連人権高等弁務官を昨年辞任する直前に、ウイグル報告書を発表し、「大量虐殺」という言葉こそ使わなかったが、本文中に、読者から「実際に大量虐殺があった」と判断されるような表現がされたいた。

  イスラム諸国を通じてウイグル人虐殺を隠蔽しようとする中国の取り組みは、時として予期せぬ結果をもたらす。中国によって事前に準備された「新疆ウイグル自治区訪問」に参加した一人でアルバニア人のイスラム研究者オルシ・ヤジチ氏は「中国の友人たちよ、あなた方がやっていることは『職業訓練』ではなく、『拷問』だ」と、世界中にYouTubeで所見を述べた。

  最後に、おそらくアジアにおける中国の最も近い”パートナー”、パキスタンの政治家イムラン・カーン氏は「ウイグル問題については、われわれは西側ではなく、中国のバージョンを信じている。われわれは、中国の助けが必要だからだ」と述べた。この言葉は、中国が、ウイグル人虐殺問題についてイスラム諸国を黙らせるために、経済的な強迫を加えていることを暗に認めたものであり、中国政府・共産党にとって、欧米からの批判よりも大きなダメージだ。

  言い換えれば、中国は貧困国や独裁国家を引き連れることで”数的優位”を築き、それによって、国連におけるウイグル問題の議論を阻止するのに成功したものの、このようなやり方自体が、「中国がウイグル問題に関して自信を無く

している」ことを露呈させているのだ。習近平は新疆ウイグル自治区訪問の際の演説で”苦労”という言葉を使うことで、そうした問題を暗に認めた、と言えるだろう。国連の大多数の加盟国は、この問題の真実を公に認める立場にないが、それが何なのかは知っている。

Alena Douhan. From Twitter.

 中国共産党がこのまままウイグル人虐殺問題を隠ぺいし続けることで、どれほどの経済的コストを払うことになるかは、まだ分からない。この問題を隠ぺいするために、ベラルーシ出身の国連官僚、国連の「一方的強制措置と人権に関する人権理事会」討議報告の報告者、アレナ・ドゥーハンに渡したのが20万ドルだったことから考えれば、この問題に中国が世界中でどれだけの金を費やしたかが想像できるだろう。 

(写真右は、アレナ・ドゥーハン)

 真実と戦うのは容易ではないが、 嘘によって得た{誤った尊敬}を維持するのも、非常に難しい。中国当局者らは嘘をでっち上げ、他人にそれを信じさせることにうんざりしており、このことは経済的コストよりも深刻である。これは、習近平の講演での「苦労して勝ち取った安定」についての言及で明らかになった泣き言だ。そうした解釈を入れて「苦労して勝ち取った安定」と語った彼の真意は次のようになる。

 「われわれは、大量虐殺によってこの安定を維持し、栄光を汚し、イメージを汚し、時には誇りさえ、汚してしまった。 このように、すでに大きな代償を払ってきている。 後戻りはできない。われわれは結果に固執し、大量虐殺を続けることを躊躇すべきではない」。

 この”読み”の正確さは、習近平のウルムチでの演説にあった次のような指示によって確認されている-「 脅威を主要な発生源から排除するためのメカニズムを改善する… 」「”テロ”と分離主義に対する戦いを続ける… 」「イスラム教の中国化を続ける…」「 ウイグル人に 中国の文化・思想を受け入れさせる…」「ウイグル人を中国の地方に移住させ、ウイグル地域への中国人移民の再定住を加速する…」

 これらの指示はすべて、虐殺禁止国際条約の別の条項に違反している。 実際、それらは「世界が何と言おうと、大量虐殺を継続せよ」という命令なのだ。 習近平が講演で語った「苦労して勝ち取った安定」は、本質的にはウイグル族虐殺継続の決定を正当化するものである。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。
2023年9月12日

In August, a New Crackdown on House Churches in Guangdong(BW)

In August, Elder Zhu Longfei of Shunde’s Shengjia Church was detained, Guangzhou’s Huajing Church was banned, and Meizhou’s New Hope Church was raided and sealed.

by Qi Junzao

Lawyers consult with relatives trying to visit inmates of the crowded Nanhai District Detention Center in Foshan City, Guangdong, where the leaders of Shunde’s Shengjia Church are currently detained. From Weibo.
Lawyers consult with relatives trying to visit inmates of the crowded Nanhai District Detention Center in Foshan City, Guangdong, where the leaders of Shunde’s Shengjia Church are currently detained. From Weibo.

The authorities in China continue to try, based on indications coming from Xi Jinping himself at the 2021 National Conference on Work Related to Religious Affairs, to compel house churches to joi

Orders of arrest of the four leaders of Shengjia Church, June 28, 2023. From Twitter.n the government-controlled Three-Self Church—or else. A campaign against independent house churches has been conducted this month of August in Guangdong province.

Zhu Longfei, an elder of the Shengjia Church, located in the Shunde District of the prefecture-level city of Foshan, Guangdong, was detained on August 8. This is part of the calvary of Shengjia Church, which seems to have no end. The Shunde church was repeatedly “invited” to join the Three-Self Church and refused.

Devotees soon learned that their refusal came with a p

rice. Their pastor Deng Yanxiang and Wang Weicai, a businessman who had left his professional activity to become a full-time church co-worker in 2016, were increasingly harassed by the police.

 

On May 24, 2023, the Shengjia Mutual Learning and Mutual Aid Center, i.e., the Bible study training class of the Shengjia C

hurch, was raided by dozens of agents of the national security, the Shunde District Police, and the Ethnic and Religious Affairs Bureau. The church teaching and study materials were confiscated, and the church was sealed. Pastor Deng Yanxiang, Wang Weicai, and church workers Zhu Jianglong and Sister Zhu Qiaoling were detained. On May 25, all four were charged by the Shunde District Police with “illegal business operations,” now a popular trumped-up charge against house church leaders.

Orders of arrest of the four leaders of Shengjia Church, June 28, 2023. From Twitter.

On June 28, they were formally arrested by the Shunde District Procuratorate. Yet, the Shengjia Church continued to operate, led by Elder Zhu Longfei and other co-workers. As mentioned earlier, on August 8, Zhu Longfei was also detained by the Shunde District Police, accused himself of “illegal business operations,” and taken to the Nanhai District Detention Center in Foshan City, Guangdong, where the other leaders of the Shengjia Church had also been jailed.

On August 19, the Civil Affairs Bureau of Tianhe District, one of the eleven districts of Guangdong’s capital, Guangzhou City, issued a notice to ban Guangzhou Huajing Christian Church.

Notice that Guangzhou Huajing Christian Church has been banned on the website of the Government of Tianhe District, Guangzhou City.

On August 20, 2023, as reported by local devotees through social media, the local police raided New Hope Church in the prefecture-level city of Meizhou, Guangdong, a city famously connected with the Hakka ethnic group. Two preachers were detained, and the church was sealed.

There is no peace for house churches, unless they give up and agree to join the Three-Self Church.

2023年8月29日

(評論)中国の一方的な決定から3か月遅れで教皇が上海司教任命―誰が勝ち、誰が負けたのか(BW)

Bishop Shen Bin. From Weibo.

 第三に、パロリン長官は「中国のカトリック教徒は、たとえ『秘密主義(地下教会の信徒)』と定義されている者であっても信頼に値するし、彼らの良心と信仰は尊重されるべきだ」と語った。

 「良心」という言葉が使われたのは決して偶然ではない。 2018年のバチカンと中国が暫定合意を結んだ時、「秘密のカトリック教会(地下教会)はなくなり、(中国共産党が管理・指導する)中国天主愛国協会に合併された(ことを意味する)」と大騒ぎされた。これが事実ではなく、愛国協会への参加を拒否するカトリックの”良心的兵役拒否者”が多数いる、と訴える人々は、親中派の自称「バチカン専門家」らから攻撃を受け、そうした事実を伝えるBitter Winterなどのマスコミも非難された。

  パロリン国務長官は「秘密教会」が健在であることを認めている。 彼は、この「秘密教会」の会員、つまり愛国教会への参加を拒否するカトリックの”良心的兵役拒否者”は「尊重されるべきである」という、2019年のバチカンのガイドライン(もう効力を失っていると主張する者もいる)の主張を繰り返し述べている。

 私たちは、「尊重」されていないことを知っている。カトリックの”良心的兵役拒否者”が受ける唯一の”敬意”は、嫌がらせを受け、刑務所に入れられることだ。そして、上海やその他の地域での司教人事で、バチカンそのものも、あまり”敬意”ある扱いを受けなかった。中国共産党は、このような繰り返しの暫定合意破りさえも、バチカンが受け入れたことを、自分たちにとっての”勝利”と見なすかもしれない。

 だが、パロリン長官のインタビューでの発言の中に隠されているのは、「秘密教会」が依然として中国に存在している、という重大な告白、それに、バチカンは彼らを”反逆者”とは見なしておらず、何らかの形で協力する、というやや漠然とした約束である。もしも、バチカンが、真剣に”良心的兵役拒否者”を守ろうとし、彼らを「尊重」することを本気で主張するなら、バチカンは中国共産党から「尊重」されることはない。

 国務長官は2018年のバチカンと中国の暫定合意に基づいて”時限爆弾”を仕掛けたばかりであり、いつか、その爆発で暫定合意が吹き飛ぶ可能性がある。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

 

2023年7月18日

・教皇、中国側が暫定合意無視で任命した上海教区長を3カ月遅れで追認ー「対話と実り多い司牧活動のため」と国務長官

上海の余山(シェシャン)の聖母巡礼聖堂の前で祈るカトリック信者たち上海の余山(シェシャン)の聖母巡礼聖堂の前で祈るカトリック信者たち 

 バチカンは15日、教皇フランシスコが同日付で中国・上海教区の司教長にヨセフ沈斌(シェンビン)司教を任命した、と発表した。

 上海教区長のポストは、過去9年間空席となっていたが、中国の政府・共産党の管理下にあるカトリック教会上海教区が4月4日、教区長に、国政助言機関の人民政治協商会議(政協)常務委員の沈司教が就任した、と一方的に発表。司教人事には双方の合意が必要とするバチカンと中国政府の暫定合意に反するものとして、バチカン関係者などから批判が出ていた。

 それを教皇が3か月遅れで”追認”したことについて、バチカンのパロリン国務長官は同日、Vatican Mediaのインタビューで、沈斌・司教を教皇が上海教区長に任命したのは「優れた評価を得ている司牧者」であるため、と説明。合わせて、バチカンの中国との対話の進展と、バチカンの常設連絡事務所を北京に開設することへの期待を示した。

 国務長官のVatican Mediaの問いに対する答えは以下の通り。

問:バチカンは、教皇フランシスコが上海教区の司教にヨセフ沈斌(シェンビン)司教を任命したことを発表した。この任命が、同司教が海門教区から(中国側の判断で)に上海教区に異動させられたのに遅れてなされたのはなぜか。また教皇フランシスコのこの行為は何を意味するのか。

答:このことを説明するためには、以前に起きたことと、その状況を振り返るのがよいでしょう。ご存知のように、教皇庁と中国間の司教任命をめぐる暫定合意は、2022年10月22日、さらに2年延長されています。延長が合意されて一か月経つか経たないうちに、中国・余江教区のヨハネ彭衛照(ポン・ウェイチョウ)司教が江西教区の補佐司教として着座した、との知らせを事後に受けた際には、バチカンは、驚きと遺憾を表明せねばならなかった。江西教区の設置はバチカンが承認しておらず、それに加えて、この人事について中国側からバチカンに何の相談も連絡もなかったからです。

 上海教区の司教人事についても、海門教区の沈斌司教を上海教区長に異動させるという中国当局の処置の連絡は受けましたが、バチカンの合意を得ることはなかった。ただ、(前回の江西教区の補佐司教の一方的人事に対しては、即、遺憾の意を表明したのに対して)今回、時間をおいて対応しようという判断は、上海教区がバチカンの認めた教区であり、長期にわたって教区長が空席のままになっていたという司牧上の問題がある中で、優れた評価を得ている司牧者(であるかどうかの判断も含めて)、バチカンとして沈斌司教を版入教区長に任命する機会を、注意深く見極める必要があったから、と言えます。

 

 

問:上海教区、江西教区いずれの司教人事も、バチカンの同意を得ずに行われた。このような中国側の行為は、ここ数年間にバチカン側と中国側に生まれた対話と協力の精神を理解していないように思われるが。

答:教皇フランシスコは、上海教区で起きた教会法上の不規則な状態を正常にすることを望まれました。それは、同教区にとって最善であり、司教の実り多い司牧活動を考えてのことでした。教皇の意向は、基本的に司牧的なものであり、沈斌司教が福音宣教と教会の交わりを推進するためにより落ち着いて働けるように、というものです。

 同時に、同教区において長い間懸案となっている諸問題、たとえば、2人の補佐司教、未だ遠ざけられているタデウス・馬達欽(マ・ダキン)司教と、辞職したヨセフ邢文之(シン・ウェンジ)司教の件などについて、正しく賢明な解決がなされ、バチカンと中国当局との合意のもとに、同司教がそれを助けることができるように、と私たちは期待しています。

問:バチカンと中国の当局との対話の将来をどのように見ているか。

 歩みの途中に置かれた障害は、信頼を蝕み、前向きなエネルギーを取り上げてしまいます。それにもかかわらず、対話を進めるべき理由は、私にとって、より大きく思われます。実際、バチカン側と中国側の対話のパイプはまだ開かれており、それはある意味、定められたものとも言えます。問題があるのは避けがたいことですが、対話が真理と相互の尊重うちに育つなら、教会と中国社会のために多くの実りをもたらすかも知れません。

 それを円滑に、豊かなものにするために、中国にバチカンの常設の連絡事務所を開設することは非常に役立つことに思われます。さらに言えば、このような事務所の存在は、行政当局との対話を促進するだけでなく、中国の教会内部の完全な和解と、教会の望まれる正常化への歩みにも、貢献できるでしょう。

2023年7月16日

・中国のウイグル人たちからの強制臓器摘出を阻止へ、米下院の法案通過で国際的な動き広がる(Bitter Winter)

Protest against Uyghur organ harvesting in Sydney, Australia. From Twitter.

 中国でのウイグル人イスラム教徒や法輪功信徒などに対する営利目的の強制臓器摘出(いわゆる「臓器狩り」)の阻止を狙いとする「2023年強制臓器摘出停止法案」が、米議会下院で圧倒的多数で可決され、上院で審議に回された。最近、ケニアの首都ナイロビで開かれた世界医師会の会合でも、これと関連する中国におけるウイグル人の扱いが、主要テーマとして取り上げられている。

(写真右は、オーストラリア・シドニー市街でウイグル人にたいする強制臓器摘出に抗議する人々)

 この法案が成立、施行されれば、中国政府・共産党の幹部などが強制臓器摘出(いわゆる「臓器狩り」)に関与した場合、その責任を追及し、最高25万ドル(約3300万円)の民事罰、最高100万ドル(約1億3000万円)の刑事罰および20年の懲役刑などが課されることになるいう。

 これまで臓器狩りと人身売買の阻止を訴えて来たウイグル人権団体Campaign for Uyghursのルシャン・アバス氏は、この法案が米議会下院で可決されたことを歓迎。Bitter Winterの取材に対して、「ウイグル人イスラム教徒やその他の『良心の囚人』から臓器狩りは、中国共産党が犯した恐ろしい犯罪の一つです… 陰惨すぎて信じられない人もいるかも知れませんが、これが現実であり、私たちは指導的な人々に自らの行動の責任を追及しなければなりません」と訴え、米議会上院での速やかな法案成立と実施を求めた。

 彼女はまた、「イスラム教徒に対して、中国は厚かましい『ハラール(イスラムの教えに従った)臓器』の宣伝をしていますが、それは、この想像を絶する犯罪の恐怖を増幅させるだけです」と述べ、「この法案の成立は、ウイグル族コミュニティに対する中国共産党の忌まわしい残虐行為との戦いにおける重要な転換点になります」と期待を表明している。

 中国における臓器狩りの問題が浮上したのは、1970年代。処刑された囚人から臓器を摘出、営利目的で流通されているという指摘があり、 国際的な非難を受ける中で、中国政府は2013年にこの”慣行”を廃止すると言明、2015年に廃止が完了した、と公表していた。

 だが、英国医療評議会の倫理委員会によると、実際には、国際的な非難を受けないように数値を操作しただけで、臓器狩りは続けられており、 中国は、年間約9万件という臓器移植が、「数日から数週間の待ち」のテンポで進められ、10億ドル規模の世界最大の”臓器移植プログラム”が進んでいる。

 亡命ウイグル人のエンベル・トフティ博士は、首都ウルムチで青年外科医だった1990年代に、腎臓が摘出されたと一目でわかるU字型の傷跡が残る3人の少年を6か月間にわたって診察し、 1995年には、生きている死刑囚から臓器を摘出するよう命じられたうえ、そのことを一切口外しないように言い渡された、という経験を明らかにしている。。

Dr. Enver Tohti. From Twitter.

(左の写真はエンベル・トフティ博士。 ツイッターより)

 また、Bitter Winterのインタビューに応じたウイグル難民のアイヌル氏は、1980年代のある夏、友人の娘が少女たちとともに村を出て中国の内陸部で働くことになったが、「6か月後に戻ってきました。そのうち3人の体には大きな傷跡があった。事情を聴くと、『 工場で働くには健康診断が必要だ、と言われて、診断を受けたが、気を失い、目が覚めたとき、自分たちに何が起こったのか全く分からなかった』と明かしてくれました」。だが、その後、2人が病気になり、死亡した時、医師が遺体を調べて、腎臓が摘出されていたこと分かった、という。

 また、 2016 年に、新疆ウイグル自治区のすべてのウイグル人に「無料健康診断」が義務付けられ、生体認証のための虹彩スキャン、血液型検査、指紋採取、DNA 検査の提出が強制されるようになったが、 ウイグルの人権活動家は「中国内外の臓器需要に対応するために”健康診断”で集められたデータが利用されること」を懸念している。

 また2019年6月には、世界の中国における臓器狩りへの非難を背景に、国際的な人権活動家たちの「中国における良心の囚人からの臓器狩りに対する独立法廷」が60ページにのぼる判決要旨を発表し、目撃証言や被害者の体験、医療専門家による調査などによって、中国では”必要”に応じて、臓器が入手可能であり、新疆ウイグル自治区のカシュガル空港には、摘出した臓器を移植者に速やかに運べるような特別な「緊急人体臓器搬送通路」が用意されていることなどが明らかにされ、世界に改めて衝撃が広がった。

 ウイグル人に対する特別な危険行為は、韓国のテレビ放送「TV CHOSUN」の人気調査報道番組「Chosun’s Investigative Report 7」でも取り上げられている。同番組のプロデューサーは、韓国人の天津への”臓器観光”を取材中に、サウジアラビアの人々が、取材先の病院で国民が同じ病院で「halal organs(イスラム教で認められる臓器)」の移植を、国の費用負担で受けるために待機しているのを知った、という。(右の写真は「TV CHOSUN」の調査報道番組の一場面)腎臓の専門病院として名の高い北京同善堂中医医院が制作したビデオでは、敷地内のモスクやハラール・ レストランなど、アラブ患者向けの特別な施設についての説明もされている。

Chosun’s investigative report. Screenshot.

 中国における臓器狩りに関する独立法廷は判決で、「中国では良心の囚人からの強制臓器収奪がかなりの期間にわたって行われ、非常に多くの犠牲者が出ている」と結論づけた。

 法廷で証言したエンベル・トフティ博士は、2017年10月に台北で臓器狩りについて講演した後、台湾人から連絡を受け、「自分の弟から『腎臓の移植を受けるために天津に行った』と言われた」ことを知らされた。その台湾人は、「弟は、法輪功学習者の死の原因が自分にあるのではないか、と心配していたが、外科医から『現在は、すべての臓器が新疆から来ている』と説明を受け、安心した」としている。

 その新疆ウイグル自治区の 収容所から生還したウイグル人の一人は、「収容所に入れられるとすぐ、徹底的な健康診断を受けさせられ、内容の分からない注射を打たれた。健康な収容者が定期的に失踪し、二度と戻ってこなかった」と語っており、 拘留中に死亡し、遺体を弔いたいとする親族などの希望が退けられている、との報告もあり、疑惑はさらに深まっている。

 「極度の警戒」の対象とすることは、国連の委託を受けた独立専門家チームによって表明された。同チームは、民族的、言語的、または宗教的な少数派の収容者たちが、血液検査や、超音波やX線検査などの内臓検査を強制的に

受けさせられ、そうではない収容者と分けられている可能性がある、という「信頼できる証拠」を見つけた、と述べている。そして、調査の結果、そうした検査を受けた収容者たちは、移植をする”割り当て”のための”生体臓器データベース”に登録される、としている。

Ethan Gutmann. Credits.

  そのうえで、専門家チームは、「中国における強制臓器収奪は、さまざまな場所で、逮捕理由の説明や逮捕状の提示もされないまま逮捕・拘留される特定の民族的、言語的、宗教的な少数派がターゲットにされているようだ」と指摘、 「私たちは、囚人や被拘禁者が民族、宗教、思想信条によって差別的に扱われている、という報道を受け、深く憂慮している」としている。

 北京政府の否定にもかかわらず、イーサン・ガットマン氏の2006年以来の調査は、最近では新疆ウイグル自治区アクスの”再教育キャンプ”の隣に大規模な火葬場を発見したこと(2021年12月のウイグル法廷報告書)を含め、大掛かりな強制臓器収奪が行われているとする証言に信憑性を与えるいくつかの「決定的な証拠」を提供している。

 左の写真は、イーサン・ガットマン氏)。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

 

 

2023年6月20日

・中国の中央社会主義研究所が全土の聖書学校教師を北京に集め、マルクス主義原則、習近平思想を学ばせる

A group photo of those who completed the course at the Central Institute of Socialism. From Weibo.

A group photo of those who completed the course at the Central Institute of Socialism. From Weibo.

 

 中国全土のキリスト教神学校の教師を集めて北京の社会主義中央研究所で行われていた「キリスト教神学校主要教師養成課程」が2日、修了した。

 この課程の狙いは、マルクス主義の中核となる原則、中国共産党の第20回全国代表大会、そして『社会主義の新時代』に関する習近平主席の考えについて学ぶ」こと。

 中央社会主義研究所は、中国共産党の党員になっていない人々にマルクス主義を教育する目的で、毛沢東主席によって 1956 年に設立され、中国共産党の指導の下で運営される主要な教育機関。所長は、中国共産党全国人民代表大会常務委員会副委員長の郝明金(ハオ・ミンジン)氏。これまでに短期コースやセミナーを通じて 10万 人以上を”教育”してきた。

 「キリスト教神学校主要教師養成課程」の修了式で、中国キリスト教評議会副局長兼神学教育部長のリン・マンホン牧師は「この課程は、教師が必要な『高度な社会主義文化』を習得するのに役立った」とし、三自教会(注:中国政府・共産党の管理下にあるプロテスタント教会の全国組織)と提携するキリスト教神学校が、経験豊富な教授を指導者とする「イデオロギー的および政治的な教育と研究のグループ」の設置についても報告した。

 また同牧師は、「『キリスト教の中国化』は、聖書学校の教師と学生が『政治的認識』を高め、中国共産党の文書、特に第20回党大会の文書を熱心に研究する必要があることを意味している」と語った。。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載しています。
2023年6月14日

・中国当局が「聖職者・情報照会システム」導入ー新たな宗教活動規制?(Bitter Winter)

   今年の初め、Bitter Winter は「仏教および道教の僧侶に関する情報照会システム」(佛教道教职人员信息查询系统)が北京で開始された、と報じた。 それは、”偽り、詐欺的”な道教や仏教の僧侶の”正体を暴く”ためのツールとされていたが、実際には、中国共産党に従属せず、政府管理の「中国仏教協会」や「中国道教協会」にも属さない仏教、道教の聖職者を特定し、活動が違法であるとして、迫害するのが狙いだった。

 だが、このほど、このプロジェクトは仏教と道教に限定されないことが判明した。中国共産党・政府は5月23日から、カトリックの「中国天主愛国協会」、イスラムの「中国イスラム協会」、プロテスタントの「三自教会」に対する「イスラム教、カトリック教、キリスト教(プロテスタント)の聖職者に関する情報照会システム」(斯兰教、天主教、基督教教职人员信息查询)の運用を正式に開始した。これにより、 仏教、道教の僧侶だけでなく、中国共産党の管理・統制下にない司祭、牧師、イマームを特定、規制できるようになる。

 中国では宗教は 5 つの「公認宗教組織」を通じて管理されており、その指導者や幹部は事実上、中国共産党によって選ばれ、信者たちに党の命令とイデオロギーを伝えることとされている。5つの組織とは、「中国仏教協会」「中国道教協会」のほかに、「中国天主愛国協会」、「中国イスラム協会」、プロテスタントの「三自教会」。合法的とされるためには、これらに所属する必要がある。だが、各宗教の多くの中国人信者はこれらの組織ではなく、プロテスタントは”家庭教会”、カトリックは2018年のバチカンと中国の司教任命に関する暫定合意を拒否する”良心的兵役拒否者”の”地下教会”、独立系のモスクなどに属している。

 理論的には、認可された 5 つの宗教組織に所属せずに活動するすべての教会共同体は「違法」だが、1982 年に当時の指導者、鄧小平が限定的な”寛容”を認めていた。 だが、習近平政権下で、その”寛容”は消え去り、すべてのこうした教会共同体に 5 つの宗教への参加を強制するようになっている。 参加を頑強に拒む共同体、信者は「邪教」に分類され、法輪功や全能神教会などのように、「異端」のレッテルを貼られ、活動が禁止され、犯罪組織とみなされ、厳しく迫害される可能性がある。

 信者は、携帯電話の認証コードを取得した後、司祭、牧師、またはイマームが「合法」であるかどうかを確認できる。当然ながら、これによりシステムの運用者である当局は、誰がデータベースにアクセスしているかを識別できることになる。

 使用手順は次のようなものだ。

 ステップ 1: 問い合わせ者は個人の携帯電話番号を入力し、SMS 認証コードを取得した後にシステムにログインする。

Step 1. From Weibo.

 ステップ 2: ユーザーはシステムにログインした後、名前、ID カード番号、住居 (都道府県レベルの市または中央政府直轄市の区域に合わせて正確な内容 ) 司祭、牧師、またはイマームであると”主張”する人物を、定型のフォームに記入する。

 ステップ 3: その人が「合法的な」聖職者である場合、つまり、中国天主愛国協会、中国イスラム協会、または三自教会に所属している場合、システムはその人物の関連情報を表示。

 ステップ 4: 司祭、牧師、またはイマームであると主張する人物がデータベースに見つからない場合、システムはその旨をユーザーに通知する。当然ながら、当局は、利用者の一連の操作を把握しており、「違法な」聖職者とそれを報告した人物の両方を簡単に特定する可能性だ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。
2023年6月10日

・教皇、バチカン社会科学アカデミーの新会員に「大学憲章から『思想の自由』を外し『共産党の指導に従う』と誓った中国・復旦大学」の教授を任命

(2023.6.5  カトリック・あい)

 バチカンが5日発表したところによると、教皇フランシスコは同日付で、社会科学アカデミーの会員として、新たに中国・復旦大学の白東東教授(中国哲学・政治哲学)と米国・エール大学環境大学院のジャスティン・ファレル教授(社会学)の二人を任命された。

 中国国籍の初の会員とされる白教授は、1970 年 6 月 4 日に中国・北京で生まれた。 2004 年に米国のボストン大学から哲学博士号を取得、米国オハイオ州にあるイエズス会経営のザビエル大学で教授を務めた。 現在は、復旦大学、ニューヨーク大学法学部、同大学上海校の教授を務めている。 中国哲学と政治哲学に関する多数の著書があるという。

 復旦大学は上海市に本部を置く中国を代表する総合大学で中国国家重点大学の一つだが、2019年に大学憲章から「思想の自由」への言及を削除し、「共産党の指導に従うことを誓う」「教職員に習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想を身につけさせ、教師と学生の心を武装させる」と付け加え、教員と学生に「社会主義の核心的価値観」の遵守を義務づけた。

 中国専門家からは、このような復旦大学の憲章の改定に、「若者が、共産党政権反対に傾く土壌を排除しようという思惑がある」との見方があり、中国政府・共産党が国内にとどまらず、海外にまで人権圧迫の動きを強めている中での、今回の復旦大学教授の任命の意図を測りかねるとする声も欧米関係者から出ている。

2023年6月5日

・中国、マカオにも香港型「国家安全維持法」を導入へ(Bitter Winter)

 中国政府・共産党による民主化運動の徹底制圧がなされた香港に比べれば”無風”状態にも見えたマカオについて、党指導部は、「外国の侵入」の危険にさらされており、香港と同じ厳しい取り締まり法制の導入が必要、と判断した。マカオに適用される 改正国家安全維持法は5月18日に、マカオ立法議会で、あえて異議を唱えた議員は1人を除く、”全会一致”で可決された。

 中国共産党は新聞発表で、マカオの現行国家安全維持法は、「柔軟」であり、「不特定の国家安全保障、リスク、脅威の観点からの新たな好ましくない課題に対処するには不十分であるとみなされた」とし、中国メディアは、新たに厳格な法律が必要な理由として、スパイ活動、「外国の干渉」、「台湾の独立に有利な勢力」によるマカオへの侵入の試み、を挙げた。

 スパイ活動と国家機密の保護に対するマカオの新たな規制が準備されており、改正国家安全維持法に次いで導入される可能性がある。

 極めて重要な賭博業界を含むマカオのビジネスリーダーたちは、新法が観光業や外国企業の活動に悪影響を与えるのではないかと懸念している。 中国では従業員が「スパイ容疑」で告発されるのが極めて容易なことを経験しているからだ。また、カトリックなどキリスト教会は、現在香港で起きているように、「中国化」され、”習近平と共産党の栄光”を説くよう要請されるのを恐れている。

 中国共産党が突然、「マカオが香港と同じくらい危険となる可能性があり、あらゆる形態の潜在的な反対派の取り締まりが必要だ」と判断したかどうかは、今のところ不明だ。しかし、マカオへの改正法導入は、党が「自由と反対意見の可能な空間」を全国でこれ以上徹底するか模索していることのさらなる証拠であり、そのような「空間」は今、容赦なく一つ一つ排除されている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。
2023年6月2日

・モスクの「中国化」に抗議する回族イスラム教徒に、公安当局が”最後通告”(Bitter Winter)

(The protesters clashing with the police in Najiaying. All images from Weibo and Twitter. )

 中国・雲南省の納家営モスク(イスラム寺院)の「中国化」を強制する当局に対して、現地の回族イスラム教徒たちが大規模な抗議デモを続けている。公安当局は大規模な部隊を出動させ、6月6日までに抗議活動を終結させるよう最後通告するなど緊張した状況が続いている。

 中国では、習近平主席の宗教”中国化”方針のもと、中央、地方の当局あげて、思想・教義はもとより、聖堂の建築などについても”中国化”が全国規模で進められている。その一環として、イスラム教のモスクについても中国風に改造することが求められ、これまでの中国のほとんどの地域で、モスクの特徴であるナレットやドームが消している。

 そうした中で、穏健で裕福な回族が住んでいる雲南省の納家営モスクと沙店モスクは、数少ない伝統的なモスク建築のままの建物として知られていた。だが、5月27日になって、当局はいきなり、ブルドーザーや工事資材をもった作業員を400人以上の公安部隊をともにモスクの周囲に送り込んできた。

Anti-riot police deployed outside the mosque on May 27.

(左は、モスクの外に配置された公安部隊)

だが、抗議の回族イスラム教徒は何千人にも膨れ上がり、28日には公安部隊はいったん撤退したが、その後、一説には部隊の規模は5000人に増強され、地域のインターネットは遮断された。すでに逮捕者は数十人に上っているが、公安当局は、6日までに抗議活動を止めない場合、参加者は全員を逮捕、長期の懲役刑を課する、と最後通告を行っている。The police “ultimatum.”

(右の写真は、公安当局による最後通告の全文)

 また公安関係者は市内の各家庭を回り、沙店の全戸を訪問し、「モスクは”修正”され、これまでより美しくなる」と住民に説明すると同時に、抗議活動に参加しないよう警告している。

The Grand Mosque of Shadian, as it is now (left) and as it will look like after the “Sinicization” (right).

 

 民族的には「漢民族」とされている回族は、中国の少数民族の一つだが、同国最大のイスラム教徒の民族集団でもある。中国全土に広く分散し、人口は約1000万人といわれる。

 伝統的に中国共産党に忠実な「善良な」イスラム教徒として紹介されてきた。だが、宗教の「中国化」のプロセスは、この典型的な「中国人イスラム教徒」の共同体社会さえも直撃し、不快感と抵抗を生み出している。 中国の宗教のいかなる”部分”も、習近平の監視と弾圧を強化する政策から免れないわけではない、ということを示している。

 (左の写真は現在のモスク=左≒と「中国化」を終えた後の同じモスクの姿=右)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

2023年6月2日

・「 中国化神学」に関するカトリックフォーラム開催ー「習主席の新時代の中国の社会主義思想を指導イデオロギーとして堅持」と北京司教

(2023.5.10  中国天主教(Catholic church in China))

  第200回「カトリック中国化神学フォーラム」が5月9、10の両日、浙江省寧波で開催された。 フォーラムは、浙江省の「二つの教会」が共催し、寧波愛国カトリック協会と寧波カトリック教区によるカトリック「一つの社会と一つのグループ」が主催。 中国カトリック「一つの社会と一つのグループ」の責任者、中国カトリック神学研究委員会のメンバー、各地の「二つのセッション」の責任者、科学研究機関、大学、神学・哲学アカデミーなどの代表が集まり、「教会の中国化に対する聖書の解釈と研究の重要性」を中心に意見を交換した。

 開会式には、中国共産党・中央統一戦線工作部の関連部門責任者、浙江省・共産党委員会統一戦線工作部副部長、浙江省民水委員会主任が出席し、講演した。 冒頭のあいさつは、中国愛国天主協会の会長、李山・北京司教が行い、司会は、中国カトリック司教会議の会長、申斌(シェンビン)上海司教が行った。

 共産党中央委員会統一戦線工作部の関連部門の責任者は演説の中で、「わが国におけるカトリックの中国化を促進し、神学的思想の構築を深めるための要件」を提示。 要件の第一は「独立と自己管理の原則を遵守し、わが国のカトリックの中国化のための確固たるイデオロギー的および政治的基盤を築くこと」。 第二に「優れた中国伝統文化に根を下ろし、カトリック神学思想の構築を強化すること」。 第三は「自己を更新し、中国におけるカトリックの中国化の内生的な原動力を刺激し続けること」。 第四に「時代とともに前進し続け、わが国のカトリックの中国化を促進し続けること」とした。

 李山司教はあいさつで、習近平の「新時代の中国の特色ある社会主義思想」を研究・実施し、中国共産党第20回全国代表大会の精神を研究・実施するテーマ教育を全国が開始する中、全国の司祭、教区民、専門家、学者が美しい沿岸都市、寧波に集まり、「対話と交換、論文討論、説教などのさまざまな形で中国のカトリック教会が中国化の方向性を固守する理論的研究と実践的な道を絶えず深めた」と述べた。

 そして、「それはまた、人々に前進するように促す動員展開でもある」と述べ、「カトリック教会は中国化の方向性を堅持しており、常に習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想を指導イデオロギーとしてしっかりと受け止めなければならない」と強調。「 カトリック教会は、中国化の方向性を堅持し、独立と自己管理と民主的な教会の原則を堅持している。中国の国家状況に適合する神学的思考システムを構築するという原則を堅持している。 カトリック教会は、中国化の方向性を堅持し、常に主導権を握り、積極的な行動をとるという原則を遵守しなければならない」と言明した。

 浙江省・共産党統戦部副部長は、全国からの専門家、学者、司祭、カトリック教徒を歓迎し、浙江省の宗教活動の基本的な状況を説明。「浙江省が中央統一戦線工作会議と全国宗教工作会議の精神を誠実に実施し、浙江省の認識を得て宗教労働実践例を積極的に作成し、宗教の中国化の『浙江省の窓』を包括的に展示した」と述べた。

 開会式の後、対話、討論、説教の3つのセッションが行われた。

  中国社会科学院学部会員で中国宗教学会名誉会長の卓新平氏、中国仏教協会副会長のイーザン師匠氏、中国道教協会副会長の張高成氏、中国イスラム協会副会長のイマーム・ムー・ケファ氏、中国カトリック司教会議副会長の楊暁亭司教、中国キリスト教評議会副会長のシャン・ウェイシャン牧師、中国宗教誌の劉神光社長は、「カトリックの中国化に関する対話」のセッションで、宗教古典の解釈と研究に関する対話と交流を行った。 中国化の方向性を堅持する上での新時代におけるカトリック教会の重点について共同で議論した。

 「カトリックの中国化に関する討論」のセッションでは、科学研究機関、大学、神学および哲学研究所、教区の専門家、学者、司祭30人近くが論文を交換し、聖書の研究とカトリックの中国化に関連するその問題について意見を交換した。

 また10日に開かれた「カトリックの中国化に関する説教」のセッションでは、参加司祭たちが「倹約を賞賛し、贅沢を控える」というテーマに焦点を当て、教義における「神の貧しさ」と「節制の美徳」に関する教えについて話し合い、国の宗教団体の「贅沢の節制に関する共同イニシアチブ」を積極的に実施し、「司祭と信徒がイエスを模範とし、簡素な生活を送り、教会の健全な継承を共同で促進すること」を提唱。 そして司祭たちは、彼らの深遠な宗教的業績と魅力的なスピーチに対して温かい拍手喝采を浴びた。

 閉会式は、中国カトリック司教会議副議長の楊永強・司教が主宰し、寧波市党委員会常務委員会委員で寧波市党委員会統一戦線工作部長のビアン・ジアン氏が閉会の挨拶を行い、中国カトリック司教会議議長の沈斌司教が閉会の挨拶をした。 閉会式の後、参加した司祭、専門家、学者は、浙江省民主教育実践基地、寧波教区司教事務所、寧波江北聖心教会に赴き、教会の中国化を実践した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」)

2023年5月23日

・モンゴル滞在の著名な中国人反体制作家、”海外警察”が逮捕、中国に連行(BW)

Borjigin and the book for which he was sentenced to jail. Courtesy of the Southern Mongolian Human Rights Information Center.

 *写真はボルギジン氏と彼が中国で有罪とされた著作「中国文化革命」(南モンゴル人権情報センター提供)

 

(2023.5.15 Bitter Winter  Editor  Massimo Introvigne)

 2023年5月3日、中国警察の車両2台が民家に到着し、反体制派作家を逮捕した- 中国ではこうしたことは日常茶飯事だ。だが、今回の事件は中国国境内で起きたものではない。
ラムジャブ・ボルジギン氏は独立主権国家であるモンゴルの首都ウランバートルで逮捕され、すぐに中国に連行されたのだ。

 モンゴル国内で南モンゴル人の反体制派が中国警察から誘拐される5件目の事件となる。 そのうちの1人は、ウランバートルのUNHCR事務所ビル前で逮捕されている。

 ボルジギン氏は、中国政府・共産党が「内モンゴル」と呼び、モンゴル人としてのアイデンティティを抑圧して「中国化」しようとしている南モンゴルでよく知られた作家。
2019年、ボルジギン氏は、血なまぐさい時代の南モンゴル生存者の口頭証言を含む文化大革命に関する本を出版したとして、中国の裁判所で懲役2年の判決を受けた。刑期を終えた彼は、自宅軟禁の一種である無期限の「居住監視」下に置かれたが、ボルジギン氏は今年年 3 月 6 日、モンゴルに入国し、そこで南モンゴルにおける中国共産党によるモンゴル人アイデンティティの抑圧の歴史を 3 巻からなる本の出版を発表していた。

 モンゴルで逮捕され、中国に連行される1週間前、ボルジギン氏はニューヨークに本拠を置く南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)に電話を入れ、「中国警察が娘を連れてウランバートルに来た。私を逮捕し、中国に連れ戻す、と脅している」と助けを求めた。 SMHRICは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に通報したが、明らかにモンゴル当局の共謀、あるいは少なくとも暗黙の了解のもとで3日に起きたボルジギン氏の逮捕、中国への連行を防ぐことはできなかった。

 中国警察はボルジギン氏の”問題”の著作の原稿の回収に”成功”していない。原稿はモンゴル人の友人たちの手で安全に保管されており、彼らThe newly recognized 10th Jebtsundamba Khutughtu presenting offerings to the Dalai Lama. Courtesy of the office of H.H. the Dalai Lama.は出版を続けるつもりだが、モンゴル政府が北京への”従順”な姿勢を強めている今、それすら確実ではない。

 3月3日、ダライ・ラマ師は、モンゴル・チベット仏教の指導者であり、ダライ・ラマ自身とパンチェン・ラマ師に次ぐ第3位の権威であるジェブツダンバ・フトゥグトゥ師が「米国生まれのモンゴル人の少年として生まれ変わった」と発表した。

 しかし、モンゴル政府は中国から、「ジェブツダンバ・フトゥグトゥ師を認めるべきではなく、モンゴルへの渡航も許可すべきではない」と警告を受けている。

 ダライ・ラマ師が認定したジェブツンダンバ・フトゥグトゥ10世はモンゴル仏教聖職者によって正式に即位されるべきだが、これはモンゴル政府の許可がある場合にのみ可能となる。 今のところ、モンゴルが中国の独裁者に抵抗する意思を示す兆候はない。

  *ダライ・ラマに供物を捧げるジェブツンダンバ・クトゥグトゥ10世( ダライ・ラマ法王事務所提供)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け、 中国の現状や宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。
2023年5月16日