・今も収監中の香港の民主派メディア王ジミー・ライ氏-豪州の弁護士が不当な扱いを告発する活動

Jimmy Lai heading to court on December 2, 2020. Credits.
Jimmy Lai heading to court on December 2, 2020. Credits.

 そうした中で、

 控訴院の前身は英国の司法制度の下で運営され、 現在も英国から継承された共通法の管轄区域とされており、中国に移管後でも、その管轄区域から非常勤判事を採用できる。実際、イングランド、ウェールズ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダから派遣された裁判官が座っている。だが、中国共産党・政府による香港の直接支配、一国二制度の事実上の消滅、そして、2020年の香港国家治安維持法に施行で、そうした裁判官の地位、役割は曖昧なものになりつつある。

 現在、オーストラリア人4人が控訴院の裁判官を務めているが、 そのうちの1人、新任のパトリック・キーン裁判官はこのほど、香港行政区の李家超・行政長官に宣誓を誓ったが、李長官は2020年に「香港での法の支配の破壊」など「悪意のある活動」に関与したとして米国から制裁を受けている。 具体的には、現在オーストラリアに”亡命”している香港の元議会議員の許智峯氏など民主活動家8人に100万香港ドルの”懸賞金”をかけ、「恐怖の中で生きるべき路上のネズミ」と呼び、「人生を…地の果てまで」追われることになるだろう、と脅迫していた。

The campaign for Jimmy Lai reached London too. From X.

 このような人物に、他の3人のオーストラリア人裁判官も忠誠を誓うことが赦されるのだろうか。その答えは言うまでもない。そして、それが、ジミー・ライのような無実の犠牲者に対する、自称”自由世界”の姿勢を示しているのだ。

これら 4 人のオーストラリアの裁判官、オーストラリア勲章の全同胞団(傑出した功績や卓越した功績を示したオーストラリア人に対する国家的表彰)がそのような人物に忠誠を誓うことは許容されるのでしょうか? もちろん、答えはすでに質問の中に含まれており、ジミー・ライのような無実の被害者に対する自称自由世界の態度の多くを説明しています。

 

The campaign for Jimmy Lai reached London too. From X.

(Marco Respinti はイタリア人ジャーナリストで国際ジャーナリスト協会 (IFJ)の会員)

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2023年12月2日