・中国の人権活動家孫林氏が公安に撲殺?死因の公開求める親族や抗議の友人らも脅迫受ける(BW)

Sun Lin. From X. 中国の南京で17日、中国共産党・政府に批判的な人権ジャーナリスト、孫林氏の自宅に公安警察が押し入り、本人を殺害した。 これに抗議し、死亡報告書の公開を求めた親族や友人たちも公安警察から脅しを受けている。

 関係者によると、17日の正午ごろ、党国家安全保安部・南京宣武支部の担当職員が正午頃、孫林氏の自宅に侵入した。 近所の人たちは口論や家具が壊れる音を聞いた。そして 2時間後、救急車がやって来て、孫林氏を江蘇中西洋医学病院に搬送したが、同日夕、死亡したことが明らかになった。。

 孫林氏の親戚の話では、彼は1955年生まれで、健康状態は良好。最近、人間ドックを受け、問題なしの結果が得られていた。 彼らは孫林氏が自然死したとは信じていない。公安警察によって殺された、と受け止めている。

 孫林氏は、南京の有名な反体制活動家だった。元々、中国共産党・政府管理のメディアに記者として勤務していたが、退社して、自主制作の雑誌やビデオ チャンネル、海外で発行される反体制派メディアの世界に移った。「人権と民主主義のたゆまぬ擁護者だった」と彼を知る人は語っている。

 最初に当局に逮捕されたのは2008年で、懲役4年の判決を受けた。 2012年に釈放されたものの、翌2013年、父親の張林が著名な反体制派だという理由で学校に通うことを妨げられていた10歳の少女、張安尼を支援する活動の模様を撮影した、として再び逮捕、拘留された。

 しばらくして釈放された孫林氏は、「中国共産党は、民主主義を決して受け入れない」との見解を表明したとして2016年に再び逮捕され、4年の懲役刑を言い渡された。 2020年に釈放された彼は、目立たないよう努めたが、2020年まで4年間の拘留中に殴打され、薬物を投与されたことを公表していた。

 そして2023 年 11 月 17 日、中国共産党はついに彼を「完全に排除」するに至った。 中国全土の反体制派は孫林氏の「暗殺」に抗議を続けているが、 ソーシャルメディアに投稿されたコメントは即刻、削除されるが、投稿者を公安が訪れ、「孫林に関するこれ以上の要求やコメントをすれば刑務所に送る」と通告されている、という。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

 

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2023年11月27日