・黒竜江省で集団礼拝中のプロテスタント200人以上を公安当局が逮捕・拘束

(2024.2.5 Bitter Winter   Shen Xiang)

 「信仰による義認」は、「神は悔い改めイエスを信じる者だけを立証する」というプロテスタントの教義でマルティン・ルターによって始められたもの。 中国では、政府・共産党の管理下にあるプロテスタント教会の集団「三自教会」によって異議が唱えられ、「愛による義認」と言い換えられたケースもあったが、現在では、保守的なプロテスタント教会の緩やかなネットワークの呼称となっている。

 鎮小団村では大規模な「信仰による義認」礼拝が毎月開かれており、黒竜江省周辺の県や市、さらには遠く 700キロも離れた遼寧省の鉄嶺市からも信者が参加している。

 地元の信者たちは、襲撃の2日前に近くに不審な車が停まっているのを目撃していたが、27日昼過ぎ、特別公安と地元警察の警察官約150人が集会場を襲撃、 約200人の信者を捕らえた、という。3台の大型バスで連行されたが、それだけでは収容できず、普通車車で連れ去られた人もいた。 村民はBitter Winterの取材に、「犯罪者を逮捕するときでさえ、これほど多くの警察官を見たことがありません!」と語っている。

 逮捕容疑は明らかにされず、拘束された人たちの消息も不明だ。中国では、信仰よりも中国共産党への忠誠を優先させる「宗教の中国化」を掲げ、これに従わないキリスト教の教会やイスラム教のモスクを破壊したり宗教活動を制限するなど、取り締まりを強化している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日4か国語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。
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2024年2月8日