・カトリック北京大司教が周枢機卿の招待で、香港を初訪問

 中国カトリック北京教区長の李 山 (Li Shan)大司教(写真左)は、香港教区長の周 尚仁( Chow Sau-yan)枢機卿(写真右)の招待を受け、13日から香港を訪問している。

  香港教区のウェブサイトによると、13日に始まった訪問の目的は「両教区間の交流と交流を促進する」こと。13日は李 山 大司教 ら北京教区の代表団の香港入りを受け、香港教区本部の礼拝堂での夕の祈りを共に捧げたあと、枢機卿の執務室で贈り物の交換が行われた。北京大司教は枢機卿にイエズス会宣教師マテオ・リッチのステンドグラスの像を、枢機卿は大司教に白の木製パネルに聖ペテロとパウロを描いた像を贈った。

 翌14日は、教区本部の礼拝堂でのミサ聖祭の後、北京教区の代表団は市内の無原罪の御宿り大聖堂と教区センターを訪問した。

 今回の李 山 大司教の香港訪問に先立ち、周枢機卿が同大司教の招きで、4月17日から21日にかけて北京教区を訪問している。訪問中、枢機卿は、歓迎式の挨拶で、香港教区代表団は、16世紀から17世紀にかけて中国で宣教師を務め、中国のカトリック教徒に非常に愛され、教皇フランシスコによって「出会いの文化の人」と評されたマッテオ・リッチ神父を讃え、「中国と西側諸国との間の友情の架け橋となり、中国世界におけるキリスト教のメッセージの文化浸透に今も有効なモデルを実践している」と強調。

 北京訪問中、周枢機卿と李山大司教は北京のマテオ・リッチゆかりの至聖救世主大聖堂でミサを捧げ、枢機卿は説教で、教皇フランシスコがどのようにして教会における”シノドスの道”を歩もうとされているか、教会の全信者が互いに耳を傾け合うように、さらには私たちを導く聖霊の声に耳を傾けるように勧めていることを説明。「聖霊は分裂の神ではなく、統一の神」であることを強調し、「香港教区、北京教区、そして中国本土のカトリック共同体がより緊密な協力と交流を行えるように」と期待を表明していた。

  周枢機卿は、イエズス会の雑誌のインタビューで北京訪問を回想し、香港教区は「教皇ヨハネ・パウロ二世から『架け橋教会』となる使命を受け取っています」と強調し、「最大の課題は、異なる教会を結びつけること。対立する人々がが、お互いを、「聞いてもらい、理解してもらいたい」と望む人間、として認識できるようにすること」と述べ、 北京訪問の「最も注目すべき」成果の一つとして、「両教区の司教間の個人的な接触と、さまざまな分野での協力の再燃が見られる。私たちが合意した協力は双方が強く望んでいたもの。共に働く希望と決意が与えられた」と語っていた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2023年11月15日