・教皇、中国で司教任命-この一週間で3人目だが、中国側の”先行任命”とも

(2024.2.1 カトリック・あい)
 バチカンの公式サイトThe Holy Seeによると教皇フランシスコが中国の福建省北部教区の司教として呉一順・司教を任命された。Vatican Newsが1月31伝えたところでは、同司教の叙階式(「カトリックあい」注:中国側は「奉献式」としている)は南平市建陽区のカトリック教会で行われた。呉司教は昨年12月16日に教皇フランシスコが司教に任命しており、これはバチカンと中国の司教任命に関する暫定合意にもとづいてなされ、31日の正式叙階と同時にバチカン報道局から発表され、中国政府・共産党公認のカトリック・サイト「中国天主教」も同日付けでこのことを報じた。(写真は「中国天主教」より)
 教皇による中国の司教任命はこの一週間で3人目。なぜこのように司教任命を急ぐのか、その意図を測りかねる声もカトリック関係者の間に出ている。また今回の呉司教の任命について、「中国天主教」は、「呉師は2022年1月18日に福建省北部教区の司教に任命された」としており、これが事実であれば、中国側が任命した後、2年近く遅れて教皇が追認したことになり、任命が中国主導で行われ、暫定合意の手続きを踏んでいない、と見ることもできるだろう。
 「中国天主教」によると、この「奉献式」には、中国愛国天主協会会長、中国カトリック司教協議会副主席の李山・司教(北京教区長)はじめ中国カトリック愛国協会監督委員会会長で福建省カトリック愛国協会理事長の張思瑞・司教(民東教区長)、中国カトリック司教会議副秘書長で福建省カトリック宗教委員会主任の蔡炳瑞・司教(厦門教区長)が出席。

 中国カトリック愛国協会副秘書長で浙江省カトリック教育委員会主任の金陽柯・司教(寧波教区長)が司会を務め、 中国カトリック司教協議会の楊宇・事務総長が任命書を読み上げた。 式には、全国のすべての教区から約80人の司祭、修道女と信徒の代表者が出席した。

 呉一順・司教は1964年12月7日に福建省寧徳で生まれ、洗礼名はペトロ。 1985年9月から1992年7

月まで上海の余山修道院で神学を学び、1992年8月に司祭に叙階。1999年12月に福建省北部教区の司祭となり、2001年9月から同省カトリック教会の「2つのセッション」の副部長を務めた(その間、2010年11月から2018年4月まで福建省教育委員会の秘書長も務めた)。

 

 

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2024年2月1日