・バチカン人間開発省のタークソン初代長官が、”定年”まで2年残し辞任(Crux)

 (2021.12.23 Crux Senior Correspondent  Elise Ann Allen)

 

ローマ発 – バチカン広報が23日発表したところによると、教皇フランシスコは側近でバチカン人間開発省長官、ピーター・タークソン枢機卿から出されていた辞表を受理した。

 枢機卿は、2016年に正義と平和評議会などバチカンの四つの機関を統合する形で発足した人間開発省の初代長官を6年にわたってづづけて来た。現在73歳で、”定年”まで2年を残しての辞任を巡って、様々な憶測が飛び交っているが、統合された四つの機関出身の高官たちの不一致の責任をとった、との見方が強い。

(以下、翻訳中)

After rumors began to circulate last week, Turkson confirmed via Twitter on Sunday that he had submitted his letter of resignation to Pope Francis, telling journalists Tuesday that it was simply a matter of his 5-year term coming to an end.

In their statement, the Vatican noted that “In August 2016, Pope Francis announced the creation of the Dicastery for Promoting Integral Human Development as a result of the merger of four pre-existing pontifical councils. The new dicastery began to operate in January 2017.”

Thanking Turkson and other leaders of the department for their service, the Vatican announced the pope’s decision to name current department undersecretary Canadian Jesuit Cardinal Michael Czerny as the interim prefect beginning January 1, 2022. Italian Sister Alessandra Smerilli will continue in her role as secretary, but also on an interim basis.

Turkson was appointed head of the former department for Justice and Peace in 2009, meaning he has been leading a Vatican department for nearly 13 years.

From the beginning of Francis’s papacy in 2013, Turkson has been considered one of the pope’s key allies, and has played a crucial role in implementing the pope’s social and political agenda.

Many observers believe Turkson’s unexpected exit is related to internal tensions in his department, which merged four difference offices into one-mega structure.

Others point to the inherent tensions with his relationship with Czerny, who Francis put in charge over the migrants and refugees section of the department, which the pontiff had reserved to his own competence, despite being officially part of Turkson’s dicastery. Czerny was named a cardinal in 2019, and it is unprecedented that a cardinal would serve under another cardinal in a Vatican department.

According to the Vatican statement, Turkson’s resignation is also the result of a formal audit of the department carried out this this past summer which was requested by Pope Francis and conducted by Cardinal Blase Cupich of Chicago.

Following that inquiry, two high-profile personalities in the department also made their exits: French Father Bruno-Marie Duffé, formerly the department’s secretary, or number two official, and Father Augusto Zampini, an Argentine who’d been named Adjunct Secretary in 2020.

Turkson met with Pope Francis on Monday and presided over a press conference Tuesday for the presentation of Pope Francis’s message for the 2022 World Day of Peace, which is observed on January 1, which was likely his last public appointment as head of his department.

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2021年12月24日

・教皇フランシスコ、17日で85歳に

教皇フランシスコ

(2021.12.17 バチカン放送)

 教皇フランシスコは、12月17日、85歳の誕生日を迎えられた。

 教皇は、(ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)は、1936年12月17日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにお生まれになった

 85歳の誕生日、教皇はカトリック教会関係者、信者たちはもとより、宗教の違いを超えた、世界中の人々からの温かいお祝いのメッセージを受け取られた。

 この日、教皇は、バチカン宮殿でモルドヴァ、キルギス、ナミビア、レソト、ルクセンブルグ、チャド、ギニアビサウの7カ国の駐バチカン大使から信任状を受け取るなど、いつもどおりに公務を行いつつ、誕生日の一日を過ごされた。

 この一年間、教皇は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響による様々な制約下においても、精力的に活動を続けてこられた。今年3月にイラク、9月にハンガリーとスロバキア、そして12月に入ってからはキプロスとギリシャを訪問された。

 これらの訪問で教皇は、カトリック共同体を励ますと共に、回勅「Fratelli Tutti(兄弟の皆さん)」が示す兄弟愛の精神をもって、他のキリスト教教会や諸宗教との対話、移民や貧しい人々との出会いの機会を積極的に持たれた。

 同時に、環境回勅「ラウダート・シ」に表れるように、環境問題にも大きな関心を寄せる教皇は、英グラスゴーで11月に開かれた「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議」(COP26)に先立ち、10月に、バチカンで開かれた諸宗教指導者の会議「信仰と科学、COP26に向けて」に出席。グラスゴー会議開会前々日10月29日には、英国BBCのラジオ放送の中でメッセージを述べられた。そして、COP26会議では、特使として出席したバチカン国務長官パロリン枢機卿を通し、ご自身のメッセージをおくられている。

(編集「カトリック・あい」)

2021年12月18日

・教皇が「Fratelli tutti(兄弟の皆さん)基金」を設立、教えを広める活動を支援

(2021.12.16 カトリック・あい)

 バチカン広報は15日、教皇フランシスコが8日付けの自筆証書をもって、「Fratelli tutti(兄弟の皆さん)基金」を設立された、と発表した。

 基金の目的を、教皇は証書の中で、昨年出された新回勅『Fratelli tutti(兄弟の皆さん)』で表明した教えを広める一環として、「霊性、芸術、教育、そしてこの世界との対話に関わる先導的な取り組みを支援すること」と説明されている。

 基金は、教会法上の公的法人、民事法に基ずく法人としてバチカン市国に設立し、教会法、とくにバチカンの機関を規制する特別規範、バチカン市国の規範、および私が承認する付属法令に準拠とする、とされている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年12月16日

・「私たちに命を与える神の恵み」教皇、各地から贈られたツリーと馬小屋の点灯式

(2021.12.10 バチカン放送)

 10日、バチカンの聖ペトロ広場で降誕祭のツリーと馬小屋の点灯式が行われ、教皇は、式のためにバチカンを訪れた各地からの使節団に感謝の言葉を送られた。

 今年のツリーは、イタリア北部トレンティーノ・アルト・アディジェ州トレント県アンダロの森からもたらされた。ツリーの隣に毎年設けられる大型プレゼピオ(イエスの降誕を再現した馬小屋の模型)は、2021年度はペルー中南部のワンカベリカ県から届いた。また、バチカンのパウロ6世ホールのステージ上のプレゼピオは、イタリア北部ヴェネト州ヴィチェンツァ県ガッリオの小教区の関係者によって設置された。

 教皇はこの日、パウロ6世ホールで、ペルーと、北イタリア2教区からの、合わせて3つの使節団とお会いになり、寄贈されたツリーとプレゼピオに心からの感謝を表された。教皇は「ペルーのプレゼピオの中の民族衣装をまとった登場人物たちは、アンデス地方の人々の文化を表現すると共に、救いへの普遍の招きを象徴しています」と指摘。「実際にイエスは、すべての文化と国に属する人々を救うために、一つの民族の具体性をもって地上に降りて来られたのです」と話された。

 また教皇は、降誕祭のツリーについて、「命を与える神の恵みとしての『再生』を思い起こさせるものであり、樅ノ木の光は、世の闇を照らすイエスの光を連想させるもの。優しさ、分かち合い、家庭的な親密さ、といった降誕祭独特の雰囲気の中に私たちを招き入れるツリーとプレゼピオは、私たちの共同体の遺産」とされ、「消費主義的にクリスマスを過ごすことなく、心に触れる美術や音楽、伝統を通して、神の寄り添いに包まれましょう」と呼びかけられた。

 同日夕方、バチカンの聖ペトロ広場で、ツリーとプレゼピオの点灯式が行われた。パウロ6世ホールで行われた点灯式では、それぞれの使節団の代表の挨拶や、各地の紹介がビデオなどを交えて行われた。また、バチカン警察の楽隊の演奏によるクリスマスの調べが会場を温かく包んだ。集いの中で、ペルーの少女によって最初に広場のプレゼピオが、そして最後にトレントの少女によってツリーがそれぞれ点灯された。

(編集「カトリック・あい」)

2021年12月11日

・教皇、仙台教区司教にエドガル・ガクタン師を任命

 教皇フランシスコは8日、空席となっていた仙台教区司教に、東京教区・松原教会の主任司祭エドガル・ガクタン神父(57)を任命された。

 ガクタン師は、1964年9月23日生まれ、フィリピン出身。淳心会会員。1981年-1985年、バギオのセントルイス大学で哲学、1986年−1989年、マニラのマリーヒル神学院で神学を学ぶ。1990年に神学生として来日し、1993年に神学の勉強を終えるためフィリピンに戻り、1994年4月に母国で司祭叙階。

 同年5月、再び日本に派遣され、1994年−1997年、大阪大司教区金剛教会・三日市教会助任司祭。1997年−2003年、大阪教区堺ブロック共同宣教司牧チーム。2004年−2012年、淳心会日本管区長、2013年-2017年、カリタス大船渡ベース・ベース長、仙台教区・第4地区担当。2017年から東京大司教区・松原教会主任司祭。2020年から淳心会アジア管区・日本地区の地区長。

(編集「カトリック・あい)

(2021.12.8 菊地東京だ司教の日記より)

 仙台教区に、新しい司教が誕生しました。教皇様は、平賀司教様が2020年3月18日引退されてから空位となっていた仙台教区の後任の司教として、淳心会のエドガル・ガクタン神父様を任命されました。ガクタン被選司教様、仙台教区の皆様、おめでとうございます。

 淳心会会員のEdgar GACUTAN被選司教は、1964年9月23日にフィリピンで誕生。司祭叙階は1994年です。現在、東京大司教区の松原教会の主任司祭を務めておられます。司教叙階式の日程などは、追って、仙台教区から発表されます。

 

2021年12月9日

・教皇、正午の祈りで、キプロス・ギリシャ訪問報告、ヨセフ年終了を宣言

教皇フランシスコ  2021年12月8日「無原罪の聖マリア」の祭日のお告げの祈り 教皇フランシスコ  2021年12月8日「無原罪の聖マリア」の祭日のお告げの祈り   (Vatican Media)

 この中で教皇は、2日前に終了したキプロス・ギリシャ訪問を振り返り、両国で受けた歓迎と愛情に心からの感謝を述べられたうえで、「キプロスは、地中海の類まれなる真珠。だが、その美しい真珠は分断の壁によって苦しんでいます」と語られた。

 また、キプロスでの家族的な温い出会いの中で、カトリック共同体とのミサ、またキプロス正教会のクリソストモス2世大主教との会見を思い起こされ、「キプロスが、対立よりも出会いが勝る場所、貧しい人々を大切にし、兄弟愛を育む場所であり続けて欲しい」と願われた。

 ギリシャについては、「ヒューマニズム、民主主義、英知、信仰など『ヨーロッパの記憶』としての偉大な歴史に浸る旅でした」とされ、ギリシャでも「共にいることの神秘」を体験した、と語られた。そして、司教や若者をはじめとするカトリック共同体との交流を喜ばれ、アテネ滞在中に互いに訪問し合ったギリシャ正教会のイエロニモス2世大主教に感謝を表された。

 さらに、キプロスとギリシャのレスボス島での移民・難民たちとの出会いを振り返られ、「彼らの苦しみを見つめることで、私たちが、自分の無関心を反省し、”眠り込んだ日常”から目覚めることができますように」と祈られた。

  また、教皇は、昨年12月8日に始まった「聖ヨセフの特別年」が、この日、8日をもって閉幕したことを告げられた。

 1870年12月8日、福者教皇ピオ9世によって、聖ヨセフが「カトリック教会の保護者」として宣言されてから150年を機会に、教皇は昨年、聖ヨセフをテーマにした使徒的書簡「パトリス・コルデ」を発表。これと共に1年間にわたる「聖ヨセフの特別年」が始まっていた。

 教皇はまた、イタリア中部ロレートの聖母巡礼聖堂で昨年12月10日から行われていた「聖年」が、8日で終了したことを紹介された。 同巡礼聖堂では、1920年に「ロレートの聖母」が航空関係者の保護者として宣言されてから100周年を記念し、「聖年」が祝われていた。

(編集「カトリック・あい」)

2021年12月9日

・教皇キプロス訪問:指導者たちに-「平和に導く唯一の道は『対話』」

(2021 . 12 .2 バチカン放送)

 教皇フランシスコは、キプロス訪問初日の2日夕、首都ニコシア市内の大統領官邸を訪問され、ホールでのアナスタシアディス大統領はじめ各界代表、外交団による歓迎式にお出になった後、大統領と個人的に会談された。

 歓迎式でのあいさつで教皇は、まず、ヨーロッパと中東に開く扉として、世紀にわたって「人々をつなぐ」役割を果たしてきた国、キプロスに訪問したことに喜びを表明された。

 そしてキプロスを「地中海の真珠」にたとえて、「真珠貝に砂粒のような異物が侵入する時、その傷を覆おうとする反応によって美しい真珠が生まれること」を思い起こされ、「キプロスにとって最も大きな苦しみは、ここ数十年、この地にもたらされた恐ろしい分裂です」と語り、島全体の平和を祈ると共に、平和に導く唯一の道として「対話」の道を強調された。

 そして、「忍耐強く、傷の元となった要素も取り込みながら、真珠を作り出していく貝のように、苦境の中で、憎しみに打ち勝ち、傷をいやすことを諦めず、未来の世代に平和な世界を渡すために努力してください」と促された。

 また教皇は、今、地中海が「紛争と人道的悲劇を思い出させる場所」となっていることを残念に思われ、「美しい地中海が『皆を分け隔てる海』ではなく、『皆をつなぐ海』となること」、そして、地理的な、また歴史・文化・宗教的な交差路であるキプロスが「地中海における平和構築の生きた現場となること」を強く希望された。

(編集「カトリック・あい」)

2021年12月3日

・教皇キプロス訪問「守護者聖バルナバの『忍耐』と『兄弟愛』に倣おう」

(2021.12.2 バチカン放送)

 2日にキプロス訪問を開始された教皇フランシスコは同日午後、最初の行事としてニコシア市内のマロン典礼カトリック教会カテドラルで、同国のカトリック司祭、修道者、助祭、カテキスタ、一般信徒の団体や運動の代表者たちとお会いになった。

 会見での冒頭のあいさつで教皇は、特にレバノンからキプロスに渡って来た信徒たちに思いを向け、現在レバノンが直面している危機と人々の苦しみに連帯と祈りを示された。

 また、キプロスに古くから存在するラテン典礼の教会は、今日多くの移民の兄弟姉妹たちと共に、様々な民族・文化を迎えることになったが、「多様化した教会の姿は、人民の出会いによってモザイクのように織りなされてきたキプロスの歴史と役割そのものです」と話された。

 そして、キプロスの教会の保護者、使徒聖バルナバの生き方と宣教生活を振り返り、その特徴を「忍耐」と「兄弟愛」という二つの言葉で表された。

 バルナバは、深い信仰を持つ均衡の取れた人物としてエルサレムの教会から選ばれ、アンティオキアに派遣されたが、「新しい世界、異なる文化、別の宗教的感受性を持つ人々と接しながら、容易ではない環境の中で旅を続け、神の業のしるしを様々なものに見出し、物事を識別できた『忍耐強い人』でした」とバルナバを讃え、「私たちもバルナバのような、辛抱強い教会を必要としています」と強調された。

 さらに、バルナバのもう一つの特徴として「兄弟愛」を挙げられた。教皇は「キリスト者への容赦ない迫害者であったサウロ(パウロ)の回心後、皆がまだ彼を恐れていた時、バルナバはサウロを連れて使徒たちのところへ案内(使徒言行録9,章27節参照)し、サウロの回心の経緯を説明して、彼の保証人となったこと」を思い起こされ、「バルナバのこの態度、これこそが『兄弟愛』です」と語られた。

 パウロとバルナバは兄弟として宣教旅行を共にしたが、特には議論することもあった。やがてパウロとバルナバは、宣教に若いマルコを連れて行くかどうかで意見が合わず、パウロは、マルコを連れたバルナバと別行動をとることになった。だが、「それは個人的な理由ではなく、宣教における考え方の違いによるものでした。二人はわだかまりをその後に残したわけではなく、パウロは、テモテに送った手紙で『マルコを連れて来てください。彼は私の務めをよく助けてくれるからです』(テモテへの手紙2・4章11節)と述べていることからも分かります」と指摘された。

 そして、「これが教会における『兄弟愛』なのです。世界の兄弟愛の道具となるために、私たちはこうした『兄弟愛』に満ちた教会を必要としているのです」と訴えられた。

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 キプロスのキリスト教共同体の誕生は、使徒時代に遡る。キプロスの初期教会の歴史は、偉大な宣教者、聖パウロと聖バルナバ、そして福音記者聖マルコと結びついている。中でもバルナバはキプロスの出身だ。人口の約8割をキリスト教徒、約2割をイスラム教徒が占めている。キリスト教徒のうち大多数が正教会に属し、カトリック信者は全人口の4.47%。

(編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年12月3日

・教皇、キプロスとギリシャ訪問を開始、すべての信徒に祈りを願う

教皇フランシスコ  2021年12月1日の一般謁見 バチカン・パウロ6世ホール教皇フランシスコ  2021年12月1日の一般謁見 バチカン・パウロ6世ホール  (Vatican Media)

  教皇フランシスコは、12月2日、キプロスとギリシャへの実質3日間の司牧訪問を開始される。二カ国訪問の出発を前にした1日の般謁見で、「この訪問を祈りをもって見守ってほしい」と、すべての信徒に願われた。

 キプロスとギリシャについて、教皇は、「豊かな歴史・精神性・文明にあふれた国であり、この訪問は使徒的な信仰と、キリスト教と諸宗教間の兄弟愛の源泉をたどるものになるだろう」と話された。

 また、教皇はこの訪問で移民・難民が多く住むレスボス島を訪れ、「希望を探す多くの移民たちとの出会いを通し、傷ついた人類に寄り添いたい」と語られた。

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(教皇のキプロスとギリシャ訪問・詳細日程)

 教皇フランシスコは、2021年12月2日から12月6日まで、第35回目の海外司牧訪問(イタリアを除く)として、キプロスとギリシャの2か国を訪問される。

 この訪問で、教皇は、最初の訪問国キプロスに12月2日(木)午後から4日(土)早朝まで滞在。この間、国際空港のあるラルナカ、首都ニコシアの2都市を訪れる。この後、ギリシャを4日午前から6日(月)午前まで訪問。首都アテネで行われる様々な公式行事と共に、5日(日)にはレスボス島で移民との出会いを予定している。教皇のキプロスとギリシャ訪問の日程は次のとおり。

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*キプロス*

12月2日(木)午前、ローマ・フィウミチーノ国際空港から、キプロスのラルナカ国際空港に向けて出発。午後、現地到着。空港で歓迎式。首都ニコシアに移動。マロン典礼カトリック教会のカテドラルでキプロスの司祭・修道者・助祭・カテキスタらとの出会い。大統領官邸で歓迎式典、大統領を表敬訪問、各界代表との会見。

12月3日(金)午前、キプロス正教会のクリソストモス2世大主教をニコシア市内の大主教館に表敬訪問。正教会の主教座聖堂で聖シノドのメンバーと会見。ニコシアのGSPスタジアムでミサ。午後、市内の小教区の教会で移民たちとエキュメニカルな祈りの集い。

12月4日(土)午前、ラルナカ国際空港で送別式。次の訪問国ギリシャの首都アテネに向けて出発。

 

*ギリシャ*

12月4日(土)午前、アテネ国際空港に到着、空港で歓迎式。アテネ市内の大統領官邸で歓迎式典。同官邸で、大統領への表敬訪問、首相および各界代表と会見。午後、ギリシャ正教会の大主教館にイエロニモス2世大主教を表敬訪問、正教会関係者と会見。アテネのカトリック教会のカテドラルで司祭・修道者・助祭・カテキスタらとの出会い。バチカン大使館でイエズス会関係者らと私的な集い。

12月5日(日)午前、アテネからレスボス島のミティリニに到着。移民受入・登録センターで、難民たちとの出会い。午後、アテネに戻り、メガロン・アテネコンサートホールでミサ。イエロニモス2世大主教、バチカン大使館に教皇を表敬訪問。

12月6日(月)午前、バチカン大使館に国会議長の訪問。アテネ市内のカトリック系学校で若者たちとの出会い。アテネ国際空港で送別式。ローマへ。午後、ローマ着。

2021年12月2日

*バチカンで巨額不動産不正取引の裁判難航、長期化も(VN)

(2021.11.18 Vatican News Salvatore Cernuzio)

 バチカンがロンドンの高級住宅街に保有する不動産の不正取引をめぐって元列聖省長官など6人が被告となったバチカンでの裁判で18日、第四回公判が開かれたものの、手続き上の問題で検察側、弁護側が対立して中断。12月1日に再開されることになった。

 バチカン美術館の多目的室を使用して開かれた第四回公判では、ジュゼッペ・ピグナトーネ裁判長が冒頭、公判が円滑に進むよう希望を述べた。しかし、弁護側は、今月3日に検察側が提出した6人の有罪を立証する資料に削除された箇所があるなど起訴の有効性に瑕疵があるとして、裁判の無効を主張。これに対して検察側は、削除された箇所は、現在新たに進めている捜査に支障がある部分であり、起訴の有効性には全く問題がない、と反論。1時間の休憩をはさんで2時間40分にわたって行われた議論は平行線をたどり、決着しなかった。

 

*出廷した被告は元列聖長官のみ

 この日の公判には、6人の被告の中から元列聖省長官のベッチウ枢機卿一人が出席した。公判では、裁判所の7月と10月の二回にわたる命令を受けて検察側が今月になって提出した追加の起訴資料が問題となった。

 この資料は、115時間以上にわたる関係者の音声が記録されたDVD53枚だったが、弁護側は「膨大な量の資料を検討する時間が明らかに不足している」とするとともに、「DVDの記録から、『捜査の都合』を理由に、かなりの部分が削除されている」と指摘。「被告たちが自身を守ることができるように、完全な資料が利用できることを希望する」と主張したが、検察側は、「捜査に支障がある」として削除部分の開示を拒否。

*検察が教皇を聴取?

 また弁護側は、「検察当局は、教皇フランシスコにも「前代未聞」の面接をし、事情聴取を行ったとみられるが、その記録もない」とも指摘したが、検察側は「教皇に面接した事実はない」と突っぱねた。

 また、弁護側の「検察側が提出した資料を無効」する主張に対して、検察側は、115時間以上のDVD録画について、「語られたことを忠実に記録したものであり、不当な改ざんを行なったかのように示唆する発言は恥ずべきこと」と反論した。

 今回の公判の終わりに、ピグナトーネ裁判長は、バチカンの法廷は、「今回提起された『複雑な問題』に備える」権利を留保すると表明。また、「弁護側が、完全な理解に達するまで、訴訟手続きに関して出された諸問題の検討を開始することはない」とも述べた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2021年11月19日

・「バチカンが巨額の損失を出して裁判がらみの資産売却」と英紙報道ーバチカン改革が問われている(Crux)

(2021.11.9 Crux Editor  John L. Allen Jr.)

 ローマ–バチカンを巡る今週の”新聞ダネ”の最有力候補が火曜日(9日)に登場した。英経済紙Financial Timesが9日付けで、ロンドンの不動産取引市場の専門家の話として伝えた「バチカンが、ロンドンの高級住宅地区チェルシーに保有する不動産を”格安”で売却している」というものだ。

 同紙によると、この不動産へのバチカンの投資額は4億ドル(約440億円)とされているが、売却額は2億7000万ドルで、差し引き1億3000万ドル(約143億円)の損失になる計算だ。

 その専門家は「ロンドンの不動産取引で損失が発生するのは難しいのは、よく知られたこと」であり、「彼ら(バチカン)がどうやって、このような損失を出したのか理解できない」と述べている、という。

 バチカンの ロンドンにおける”大失態”は、現在、バチカンの裁判所で進められている「世紀の裁判」のに直接関係している。つまり、バチカンの前列聖省長官で元国務次官のアンジェロ・ベッチウ枢機卿、バチカン官僚といくつかの企業関係者あわせて10人が、この不動産を巡る不正取引などで刑事告発されている裁判だ。

 この裁判は現在難航している。バチカンの検察側は、当初、プライバシー権を理由に、裁判所による「証人の画像と音声が録音されたDVD」の提出命令を拒否。裁判所側はこれを受け入れず、結局、今週になって、膨大な記録が入った52枚のDVDを提出した。この提出資料は被告弁護側も利用できるが、”捜査の都合上”という理由で、38件が削除されており、被告弁護側の反発を招いている。

 次回公判は17日に予定されているが、裁判が軌道に乗るかどうか重要なものになるが、問題の一つは、カトリック教会全体に大きな影響を与えかねない事案にもかかわらず、この裁判で扱われている国際的な金融取引について、専門家以外には理解不能な専門用語が乱発されていることだ。

 教皇フランシスコは2013年に着座されて以来、バチカン改革に精力的に取り組んでおられ、それは財務・金融面での改革のみならず広い範囲に及んでおり、ロンドンを舞台とした巨額不動産不正取引問題の欧米でのマスコミ報道は行き過ぎではないか、との見方もあるかも知れない。だが、教皇は目指しておられるバチカン改革は、”権力”や”特権”を振り回す”バチカン文化”を、”奉仕”の精神に改めることであり、それは、現在の裁判が公正に行われ、疑惑が一掃される以上のことが必要になるのだ。

教皇のバチカン改革は、財務・金融とコミュニケーションの2つの分野で始められた。一日の終わりに、どちらも実質的に変化していないように見えるとき、それは教皇が目指す目標が達成可能なのが疑問が頭をもたげるだろう。 ”バチカン文化”を根底から改めたいのであれば、”商売”に既得権を持つ”古参の有力者”から、文化の支配権を取り上げる必要がある。言い換えれば、それは“金力”を取り上げることー一般社会と同じように、バチカンでも「お金がものを言う」からだ。

 バチカンでの巨額不動産不正取引事件の裁判は、バチカンにおいて、説明責任と透明性を基礎に置く新たな日が始まったことを大々的にうたう教皇の改革プロセスの一里塚になるはずだった。しかし、現状を見る限り、それからはほど遠い状態だ。特に、この裁判で、罪を認め捜査に協力することで起訴を逃れる者がいるなど、ベッチウと他の被告が公正な扱いを受けていないという印象を与えてしまっている。

 裁判がどのように決着するか、その判断をするのは時期尚早だ。だが、私たちカトリック教会に関わる全員が注意を払う時期としては、今はふさわしい。なぜなら、この裁判の行方に、私たちが大きな利害関係を持っているからだ。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

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2021年11月10日

・バイデン米大統領、教皇を訪問、環境問題やコロナ、難民支援など話題に

教皇フランシスコ、バイデン米大統領を迎えて 2021年10月29日 バチカン宮殿

(2021.10.29 バチカン放送)

 教皇フランシスコは29日、バチカン宮殿で米国のバイデン大統領の訪問を受けられた。バイデン氏がこれまで3回、教皇にお会いしているが、大統領としては初めて。カトリックの米大統領がバチカンを訪れるのは、ケネディ大統領に次いで二人目だ。

 二人の会談は1時間15分(同日行われた韓国の文大統領との会見は約25分)に及び、地球環境保護、新型コロナウイルスとの闘い、難民や移民への支援などを中心に、信仰と良心の自由の権利を含む人権問題も話し合われた。

 さらに、30日からのローマでのG20サミットを念頭に、国際情勢をめぐるいくつかの問題、また外交努力による平和の構築などについても意見が交換された。

 バイデン大統領は、教皇との会見に続いて、国務長官パロリン国務長官とギャラガー外務局長同席で会談した。

 大統領は、ローマでの20カ国・地域首脳会議(G20サミット)と英グラスゴーでの国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)への出席の機会に、イタリアを皮切りに欧州各国を歴訪する。

(編集「カトリック・あい」)

 

 

2021年10月30日

・「世界青年の日」リスボン大会は2023年8月1-6日に(VN)

2019年1月に行われた「世界青年の日・パナマ大会」2019年1月に行われた「世界青年の日・パナマ大会」  (Vatican Media)

 「世界青年の日」は、カトリックの若者の祭典。数年毎(現在は3年毎)に開催地を変えて行われる世界大会と、毎年記念される教区レベルのものがあり、教区レベルの「世界青年の日」は、昨年から、従来の「受難の主日」から「王であるキリスト」の祭日に変更されている。

 世界レベルで行われるWYDリスボン大会は、当初2022年の開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響を受けて、2023年に延期された。

 リスボン総大司教マヌエル・ジョゼ・マカリオ・ド・ナシメント・クレメンテ枢機卿は同日、メッセージを発表し、WYDリスボン大会の開催日発表が「10月4日のアッシジの聖フランシスコの日に行われたこと」を強調したうえで、「大会開催までのこれからの22カ月が、若者たちにとって福音宣教のための有意義な期間となるように」と願った。

2021年10月17日

・ヨハネ・パウロ1世教皇の列福に必要な奇跡認定

ヨハネ・パウロ1世ヨハネ・パウロ1世 

(2021.10.13 バチカン放送)

 教皇フランシスコは13日、ヨハネ・パウロ1世教皇(在位 1978年8月26日-1978年9月28日)の列福に必要とされる奇跡を認める教令の発布を承認された。これにより、同教皇の列福は、教皇フランシスコによる列福式の日付の決定を待つまでとなった。

 奇跡として認定されたのは、瀕死の状態にあった少女が同教皇の取り次ぎで回復した、というもの。2011年に、アルゼンチン・ブエノスアイレスに住んでいた11歳の少女が、重い病気にかかり、死が迫っていると診断された。ところが、地元の小教区の主任司祭が、少女の母親や集中治療室担当の医療スタッフと共にヨハネ・パウロ1世に取り次ぎを祈ったところ、少女は回復した。

 ヨハネ・パウロ1世(アルビーノ・ルチアーニ)は1912年10月17日、イタリア北部フォルノ・ディ・カナーレ(現在のカナーレ・ダゴルド)に生まれた。1935年司祭叙階。1958年、ヴィットリオ・ヴェネト司教。1962年から1965年の全会期を通し、第二バチカン公会議に参加。1969年、ベネチア総大司教。1973年、枢機卿に任命された。パウロ6世逝去後のコンクラーベで、1978年8月26日、第263代ローマ教皇に選出された。

 (注:「カトリック・あい」=同教皇は、第二バチカン公会議の精神を受け継ぎ、教会改革に積極的で、また温和な性格から「微笑みの教皇」と多くの信徒から慕われ、活躍が期待されたが、実力を発揮する間もなく、教皇就任後わずか44日で突然、亡くなられた。その死因や死に至った経過、バチカンの対応について、現在に至るまで納得のいく説明がなされていない。)

 同日、ヨハネ・パウロ1世の列福の件のほかに、尊者・神のしもめマリア・ベレニス・ドゥケ・ヘンカー修道女(1898-1993コロンビア)の列福に必要な奇跡、および神のしもべピエトロ・オルティス・デ・サラテ神父(1622-1683アルゼンチン)の殉教が認められた。また、ディエゴ・ヘルナンデス・ゴンサレス神父(1915-1976スペイン)、ジュゼッペ・スポレティーニ神父(1870-1951イタリア)、イエスのマドレーヌ修道女(フランス1989-イタリア1989)、エリザベッタ・マルティネス修道女(1905-1991イタリア)の、4人の神のしもべ・しもめの英雄的徳が認められた。イエスのマドレーヌ修道女(イエスの小さい姉妹マドレーヌ)は、「イエスの小さい姉妹の友愛会」の創立者。同会は日本でも活動している。

(編集「カトリック・あい」)

2021年10月14日

・11月のCOP26を前にバチカンで世界の諸宗教指導者が集まり、共同アピールを採択

諸宗教指導者の集い「信仰と科学、COP26に向けて」 2021年10月4日 バチカン・祝福の間諸宗教指導者の集い「信仰と科学、COP26に向けて」10月4日 バチカン・祝福の間  (Vatican Media)

(2021.10.4 バチカン放送)

 英グラスゴーで11月に開かれる「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議」(COP26)を前に、バチカンで4日、諸宗教リーダーの集いが行われた。

 「信仰と科学、COP26に向けて」と名付けられたこの集いは、COP26グラスゴー会議の議長国である英国とパートナー国であるイタリアの駐バチカン大使館の提案に、教皇庁が協力する形で開かれたもので、グラスゴー会議に向けたアピールを採択、シャルマCOP26議長とイタリア外相に提出された。

 共同アピールでは、二酸化炭素実質排出量ゼロへのできる限り早い達成と、地球全体の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1・5度までに抑えるという目標への努力を世界に訴えている。そして、最も豊かな国々や最も大きな責任を負う国々に対し、率先的な役割を引き受け、国内の気候変動対策を強化すると共に、最も弱い立場にある国々が気候変動に対応できるよう財政支援を行うことを強く求めている。

 また、各国政府に対し、クリーンエネルギーへの移行、持続可能な土地利用、環境に配慮した食料システム、責任ある金融に向け、自らの目標を高く持ち、国際協力を強化するよう促している。宗教指導者としては、教育に力を入れ、それぞれが所属する宗教の信者たちを感化し、環境問題について公の場で発言するなど、気候問題に対しより多くの行動に努めることなどを約束した。

 この集いには、教皇フランシスコ、アル=アズハル・モスクのグランド・イマーム、アフマド・アル・タイーブ師、正教会のエキュメニカル総主教バルトロメオス1世をはじめとする世界の諸宗教の指導者およそ40名と外交関係者や科学者が参加した。

 集いでは、COP26グラスゴー会議に向けた共同アピールが紹介され、諸宗教指導者らによる署名が行われた。続いて、教皇はじめ、各参加者から宗教者としての立場で、人類と環境の問題をめぐる発言が行われ、最後に、オリーブの苗の鉢に、参加者らの手により土が入れられた。このオリーブは、記念としてバチカン庭園に植樹される。

(編集「カトリック・あい」)

2021年10月5日