・教皇キプロス訪問:指導者たちに-「平和に導く唯一の道は『対話』」

(2021 . 12 .2 バチカン放送)

 教皇フランシスコは、キプロス訪問初日の2日夕、首都ニコシア市内の大統領官邸を訪問され、ホールでのアナスタシアディス大統領はじめ各界代表、外交団による歓迎式にお出になった後、大統領と個人的に会談された。

 歓迎式でのあいさつで教皇は、まず、ヨーロッパと中東に開く扉として、世紀にわたって「人々をつなぐ」役割を果たしてきた国、キプロスに訪問したことに喜びを表明された。

 そしてキプロスを「地中海の真珠」にたとえて、「真珠貝に砂粒のような異物が侵入する時、その傷を覆おうとする反応によって美しい真珠が生まれること」を思い起こされ、「キプロスにとって最も大きな苦しみは、ここ数十年、この地にもたらされた恐ろしい分裂です」と語り、島全体の平和を祈ると共に、平和に導く唯一の道として「対話」の道を強調された。

 そして、「忍耐強く、傷の元となった要素も取り込みながら、真珠を作り出していく貝のように、苦境の中で、憎しみに打ち勝ち、傷をいやすことを諦めず、未来の世代に平和な世界を渡すために努力してください」と促された。

 また教皇は、今、地中海が「紛争と人道的悲劇を思い出させる場所」となっていることを残念に思われ、「美しい地中海が『皆を分け隔てる海』ではなく、『皆をつなぐ海』となること」、そして、地理的な、また歴史・文化・宗教的な交差路であるキプロスが「地中海における平和構築の生きた現場となること」を強く希望された。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年12月3日