・11月のCOP26を前にバチカンで世界の諸宗教指導者が集まり、共同アピールを採択

諸宗教指導者の集い「信仰と科学、COP26に向けて」 2021年10月4日 バチカン・祝福の間諸宗教指導者の集い「信仰と科学、COP26に向けて」10月4日 バチカン・祝福の間  (Vatican Media)

(2021.10.4 バチカン放送)

 英グラスゴーで11月に開かれる「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議」(COP26)を前に、バチカンで4日、諸宗教リーダーの集いが行われた。

 「信仰と科学、COP26に向けて」と名付けられたこの集いは、COP26グラスゴー会議の議長国である英国とパートナー国であるイタリアの駐バチカン大使館の提案に、教皇庁が協力する形で開かれたもので、グラスゴー会議に向けたアピールを採択、シャルマCOP26議長とイタリア外相に提出された。

 共同アピールでは、二酸化炭素実質排出量ゼロへのできる限り早い達成と、地球全体の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1・5度までに抑えるという目標への努力を世界に訴えている。そして、最も豊かな国々や最も大きな責任を負う国々に対し、率先的な役割を引き受け、国内の気候変動対策を強化すると共に、最も弱い立場にある国々が気候変動に対応できるよう財政支援を行うことを強く求めている。

 また、各国政府に対し、クリーンエネルギーへの移行、持続可能な土地利用、環境に配慮した食料システム、責任ある金融に向け、自らの目標を高く持ち、国際協力を強化するよう促している。宗教指導者としては、教育に力を入れ、それぞれが所属する宗教の信者たちを感化し、環境問題について公の場で発言するなど、気候問題に対しより多くの行動に努めることなどを約束した。

 この集いには、教皇フランシスコ、アル=アズハル・モスクのグランド・イマーム、アフマド・アル・タイーブ師、正教会のエキュメニカル総主教バルトロメオス1世をはじめとする世界の諸宗教の指導者およそ40名と外交関係者や科学者が参加した。

 集いでは、COP26グラスゴー会議に向けた共同アピールが紹介され、諸宗教指導者らによる署名が行われた。続いて、教皇はじめ、各参加者から宗教者としての立場で、人類と環境の問題をめぐる発言が行われ、最後に、オリーブの苗の鉢に、参加者らの手により土が入れられた。このオリーブは、記念としてバチカン庭園に植樹される。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年10月5日