Pope Francis blesses a priest at the weekly General Audience (Vatican Media)
(2021.6.16 Vatican News Christopher Wells)
教皇フランシスコは16日の水曜一般謁見で、昨年5月から途中の7回を除いて続けて来られた「祈り」をテーマにした連続講話を締めくくられた。
「祈り」の最終講話で、教皇は「覚えておくべき最も素晴らしいことは、『私たちが祈るだけでなく、私たちのために祈っていただいているーイエスと御父との対話において、聖霊との霊的交わりにおいて、私たちがすでに受け入れられている』という恩寵です」と強調された。
そして、「祈りは、イエスの生涯における最も明白な特徴の一つ… なぜなら、御父との対話が、イエスの全存在の光り輝く核心だったからです」と語られた。
*信仰宣言の核心は
そして、「イエスは地上での生涯を通して祈られましたが、その祈りは、生涯全体に光を当てる、信仰宣言の”核心”である受難と死に至るまでの日々の間に一層、激しいものとなりました… イエスは人間の苦しみや病気のケアをする博愛主義者ではなかった… 当時も今もこれからも、ずっとそうです」とされ、「死に対する生の決定的な勝利への希望を与える、完全な救い、救世主としての救いを、イエスは私たちにくださいます」と説かれた。
さらに、「イエスは生涯最後の過ぎ越しの日々に、ひたすら祈られます。ゲッセマネでの苦悶の中で、主に対して親しさと信頼をこめて”アッバ―父よ”と神に語り掛けられ、十字架の上で、神が沈黙される中で、再び、父である神をお呼びになります」と付け加えられた。
*十字架は御父の贈り物を全うする
また教皇は、「十字架は、私たちを救う代償として御子の無償の愛を提供される御父の賜物の完成です。世の罪をすべて負われたイエスは、神から離れた深淵に降りて行きますが、それでもなお、息を引き取られる前に、神を呼び求めますー『父よ、私の霊を御手に委ねます」と語られ、「イエスの祈りの神秘に浸るために、最後の晩餐でのイエスの祈りに注目しましょう… この祈りは、イエスの死と復活と同様に、創造と救済の摂理の全てを包含しているのです」と説かれた。
*私たちは決して一人ではない
そして、その時、イエスの祈りは「さらに熱を込めたものとなります。最後の晩餐にいた弟子たちのためだけでなく、私たち一人一人のために取り成してくださいます。私たち1人ひとりに『私は、最後の晩餐の席で、そして十字架の上で、あなたのために祈る』と話すことをお望みであったかのように、です」とされたうえで、最後に「私たちがもっとも辛い目に遭っているときでも、私たちは決して一人ではありません… 私たちはキリスト・イエスに賜物をいただきました。そしてイエスの受難、死と復活、すべてが私たちのために奉げられたのです」 と講話を締めくくられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
カリタス・ローマ運営の複合支援施設を訪れた教皇フランシスコ 2019年11月 (Vatican Media)
(2021.6.14 バチカン放送)
教皇フランシスコは14日、カトリック教会の2021年度「貧しい人のための世界祈願日」(11月14日)に先立つメッセージを発表された。
今年で第5回目を迎える同祈願日のテーマは「貧しい人々は、いつもあなたがたと一緒にいる」(マルコ福音書14章7節)。
メッセージで教皇は「貧しい人々は、あらゆる状況・場所において、私たちを福音化する。なぜなら、これらの人々は、御父の最も純粋な御顔を常に新しい方法で再発見させてくれるからです」とされ、「新しい福音宣教は、貧しい人々の救いの力としての存在を認め、それを教会の中心に据え、彼らの中にキリストを見出すように、と私たちに求めています」と訴えられた。
さらに、「私たちの貧しい人々に対する寄り添いは、単なる行動や支援計画から成り立つのではなく、何よりもそれぞれの人を唯一の存在として認める『他者への関心』から出発する必要があります… この愛ある関心から、その人の善を願う真の配慮が生まれるのです」と説かれた。
そして「イエスは貧しい人々の側にいるだけでなく、彼らと同じ境遇を分かち合いました… 『貧しい人々は、いつもあなたがたと共にいる』というイエスの言葉には、『貧しい人々はいつも私たちの間にいるのだから』と関心を払わないのではなく、これらの人々の中に積極的に入っていくように、との勧めが込められています」と強調。「貧しい人々は共同体の外にある存在ではなく、苦しみを分かち合い、その困難や疎外感を和らげるべき兄弟姉妹です。”慈善の行為”は、恩恵を与える人とそれを受ける人の関係を生むだけですが、”分かち合い”は兄弟愛を生みます」と指摘された。
倫理的・社会的混乱が常に新たな貧困の形を生み、これに加えて、現在も続いている新型コロナウイルスの世界的大感染が貧しい人々をさらに増加させたことを憂慮され、特にいくつかの国々で、コロナ感染が与えた影響は深刻で、人々は最低限の生活もできなくなっています。世界全体でコロナ感染阻止に闘うだけでなく、「雇用問題への対応は急務」とされた。
現在の世界の貧困問題について、教皇は、個人中心の生活スタイルが貧困の形成に関係していること、貧困の責任をすべて当人たちに帰す傾向があること、を指摘。「貧困は運命のなす業ではなく、人々のエゴイズムの結果です」と語られ、すべての人の能力を活かす発展プロセスの必要を指摘するとともに、「貧しい人々が、常に”受け取るだけの側”であってはならない」として、彼らが自らの能力を引き出せる環境を整えることの重要性を強調された。
また、教皇は、「貧しい人々は分かち合いの模範。私たちに連帯と分かち合いを教えてくれる存在」とされ、イエスの「貧しい人々は、いつもあなたがたと一緒にいる」(マルコ1福音書14章7節)という言葉は、「善を行う機会を見逃してはならない」という呼びかけだ、と説かれた。
最後に、教皇は、今回が5回目となる「貧しい人のための世界祈願日」を世界各地の教会に根付かせ、貧しい人々との出会いを通して福音宣教活動を広げるように、と願われ、世界の信徒たちに、「貧しい人たちが扉をたたくのを待たないで、私たちの方から出かけて行きましょう」と呼びかけられた。
(編集「カトリック・あい」)
Pope Francis holds his weekly general audience at the Vatican on June 2, 2021. (Vatican Media)
(2021.6.2 Vatican News Robin Gomes)
教皇フランシスコは2日、水曜恒例の一般謁見で「祈りについて」の講話をお続けになり、福音書からいくつかの例を挙げて「祈りは、イエスの弟子たちとの関係の基本」であることを説かれた。
*使徒を選ぶ前に父なる神に祈る
ルカ福音書では、「イエスが12人の使徒をお選びになる前に、山に登られ、夜を徹して神に祈られた」(6章12節)と書かれている。
教皇は、「父との対話であるこの祈りが、使徒を選ぶ基準ですが、最上のものとは思われません。とくに、裏切り者となるユダを選んだことについては」とされたうえで、「しかし、使徒たちの名前は、神の計画の中に書かれていたのです。使徒たちは時として、イエスの心配の原因になりますが、彼らが過ちを犯したときや、彼らが堕落したときでさえ、イエスは慈しみを持ち続けました」と指摘。
その理由は、「父から彼らを受け取ったからです。だから、使徒たちのための祈りは、イエスの生涯に繰り返し再現されるのです」と説明された。
*イエスは辛抱強く、回心を待つ
最後の晩餐でのペテロに対する接し方で明らかなように、イエスは弟子の回心を辛抱強く待っておられる(ルカ福音書22章31-34節参照)。イエスはペテロのために、「信仰がなくならないように」と祈り、「立ち直ったときには、兄弟たちを力づけてやりなさい」と彼に言われた。
教皇は 「イエスは、弟子の心が弱っている時にも愛され、その愛は止まることがなく、さらに激しいものとなる。私たちも、イエスの祈りの中心にいるのです」と語られた。
*転機での祈り
ルカ福音書9章18-20節は、弟子たちの信仰を確かめるために、イエスが一人で祈っておられる場面から始まる。集まって来た弟子たちに、イエスが「あなたがたは、私を何者だと思うのか」とお尋ねになると、ペトロは「神のメシアです」と答える。
教皇は「与えられた使命を果たす大き転機を前にして、イエスは毎回、熱心で長時間にわたる祈りを捧げられます」、そして、ペトロの答えを受ける形で、イエスはご自分の死と復活を予告されるが、「このような信仰の試練は、弟子たちにとって、新たな出発点となるもの。彼らと私たちの反発を本能的に呼び起こす、イエスのこのような予告の瞬間に、祈りこそが、光と力の唯一の源となるのです」と強調。「”歩む道が上り坂になる”たびに、私たちは、いっそう熱心に祈る必要があります」と付け加えられた。
*イエスの姿が変わる
ご自身の死と復活について予告されて八日ほど経った時、イエスの「変容」が起きる。ルカ福音書9章28-31節はそのことを伝えているーイエスは、ペトロ、ヨハネ、ヤコブを連れて、祈るために山に登られた。祈っておられる句碑に、イエスの顔の様子が変わり、衣は広く光り輝いた。モーセとエリアが、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最後のことについて、イエスと話していた…
「イエスの栄光のこの瞬間は、祈りの中で行われ、子は父との深い交わりの中で、愛と救いの計画を完全に受け入れました」と教皇は語られ、その祈りの中から、イエスの変容に立ち会った3人の弟子たちに対して、「これは私の子、私の選んだ者。これに聞け」(9章35節)という声がくだった、とされた。
*イエスは私たちの祈りを完成させる
教皇は、「このように、イエスは、私たちに、ご自分が祈るように祈りることお望みになるだけでなく、私たちの祈りへの試みが完全に無駄で効果がなかったとしても、いつもイエスの祈りに頼れる、と保証してくださいます」と信徒たちを力づけた。
そして最後に教皇は、「たとえ、私たちの祈りが舌足らずであっても、揺れ動く信仰によって影響を受けたとしても、決して神を信頼することを止めてはなりません」「イエスの祈りに支えられて、私たちの臆病な祈りは、鷲の翼に乗って天に舞い上がるのです」とと強調して、講話を締めくくられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
Pope Frandis during Angelus Prayer, Saint Peter’s Square (ANSA)
(2021.5.30 Vatican News Lydia O’Kane )
教皇フランシスコは30日、「三位一体の主日」の正午の祈りの説教で、「至聖なる三位一体は、神の愛の素晴らしい奥義と、私たちの地上での旅を導かれる方からくる光を深く考えさせる機会を提供してくださいます」と語られた。
説教の初めに、教皇は、三位一体の奥義は「私たちの心に語りかける限りなく大きな神秘ー私たちの理解力を超えているが、私たちの心に語りける神秘ーです」とされ、その神秘は、「聖ヨハネが神の啓示のすべてを『神は愛』の一言で表したことの中に、それは込められています」とされたうえで、「神が愛であり、唯一無二の存在である限り、父と子と聖霊の間にも交わりがあるのです」と説かれた。
*団結の絆
そして、「子をもたらすことで自分自身を与えるのは父。そして、自分自身を父に与えるのは子。その互いの愛が聖霊であり、一致の絆です」とされ、「この三位一体の奥義は、イエスご自身によって明らかにされました… 神の顔を、憐れみ深い父として示されました。真の人間であるご自身を、神の子であり、父の言葉であると表現されました」と説かれた。
また、教皇は、「イエスは父と子から発する真実の霊、パラクレートスー私たちを慰め、弁護してくださる方、について話されました」と述べられた。
*愛と光の奥義
教皇は続けて、「聖三位一体の祝日は、私たちの出発点であり、地上の旅の目的地である、この素晴らしい愛と光の奥義を深く考える機会となります」と語られ、福音宣教とあらゆる形のキリスト教徒の使命を考える際に、「イエスが示された『一致』を無視することはできません」とされ、「福音の素晴らしさは、互いに大きな違いを持つ私たちが、調和の中で生き、証しするように求めているのです」と強調された。
そして、「この一致は、キリスト教徒にとって欠かすことができません。一致は、態度や言葉ではありません。一致は、唯一の生き方であり、愛、神の慈しみ、イエス・キリストの義認、そして私たちの心の中の聖霊の存在から生まれるがゆえに、欠かせないのです」と訴えられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
Children play near wind turbines
(2021.5.25 Vatican News staff writer)
環境回勅「ラウダー・ト・シ」特別年は24日に終了したが、カトリック教会としての地球環境を守る取り組みは続くーバチカンの人間開発省が25日、「ラウダー・ト・シ」新行動計画をスタートさせ、これを受けて教皇フランシスコがビデオ・メッセージを出され、「特別年は終わっても、私たちの”共通の家”を守る戦いは続ける」と言明された。
(2021.5.25 バチカン放送)
教皇フランシスコは、統合的エコロジーをテーマにした回勅「ラウダート・シ」が示す目標に向かって歩むための7年間のプロジェクト、「ラウダート・シ・アクション・プラットフォーム」の発足を、5月25日、ビデオメッセージを通し発表された。
昨年2020年5月24日、教皇は、発表から5年を迎えた回勅「ラウダート・シ」についての考察を深める、「ラウダート・シ特別年」を始められ、24日に終了したのに続き、同回勅の精神に沿った歩みの継続を願い、教皇庁人間開発省が企画するこの新しいプロジェクトを認可された。
教皇はビデオメッセージで、終了した「ラウダート・シ特別年」に協力・参加したすべての人々に感謝を表すと共に、この特別年をきっかけに生まれたプロジェクト「ラウダート・シ・アクション・プラットフォーム」を紹介。「このプロジェクトは、統合的エコロジーの精神のもとに、私たちが生活する共同体が完全に持続可能なものとなるよう、様々な形で取り組む、7年間の歩みとなります」と説明された。
「より受容性・兄弟愛・平和・持続性のある世界のために」、このプロジェクトにおいて歩みを共にするよう、教皇はすべての人を招きつつ、特に「家族」「小教区と教区」「学校と大学」「病院」「農業」「組織や活動団体」「修道会」の、これら7つのカテゴリーに参加を呼びかけられた。
そして、教皇は、この7年間を導くための、回勅「ラウダート・シ」から採った7つの目標として、「地球の叫びに対する答え」「貧しい人の叫びへの答え」「エコロジー的経済」「シンプルな生活様式の導入」「エコロジー教育」「エコロジー的霊性」「共同体的取り組み」を挙げられた。
教皇は、「私たちの地球がその本来の美しさを取り戻し、被造物が神の御計画のもとに再び輝けるよう、皆がそれぞれの文化と経験、各自の率先した行動や能力を通し協力」することへの期待を表明された。
(編集「カトリック・あい」)
エルサレムの訪問教会
(2021.5.21 バチカン放送)
教皇フランシスコは21日、エルサレムの聖ステファノ教会で行われる聖霊降臨の前夜の祈りに一致し、聖地の平和を祈願するよう、世界のすべての教会、司牧者と信徒に呼びかけられた。
教皇は同日、バチカン宮殿で、シンガポール、ジンバブエ、バングラディシュ、アルジェリア、スリランカ、バルバドス、スウェーデン、フィンランド、ネパールの9か国の新大使から信任状を受けられたが、この席では、武力衝突が続いていた聖地で停戦が合意されたことを神に感謝され、これを機に、イスラエル、パレスチナ両当事者が対話と平和の道を開くことを願われるとともに、新任の各国大使たちにも協力を期待された。
また、この場で、23日の聖霊降臨の祝日の前夜、エルサレムの聖ステファノ教会で、聖地の司教が信者たちと共に、平和の賜物を祈願することを明らかにし、全世界の教会の司牧者と信徒もこの祈りに一致して欲しい、と希望され、「イスラエルとパレスチナの人々が、対話と互いを赦す道を見出し、共通の希望と兄弟間の共存に向かって、一歩一歩自らを開きながら、平和と正義の忍耐強い構築者となることができますように」と、聖霊に祈り求めるよう、すべての教会共同体に呼びかけられた。
(編集「カトリック・あい」)