・「司祭から性的暴行を受けた」と被害女性が仙台司教区など仙台地裁に訴え

(2020.9.30 カトリック・あい)カトリック仙台司教

 仙台市の女性が宮城県内の教会司祭から性的に暴行され、申告したカトリック仙台教区からも二次被害を受けたとして、9月24日、損害賠償を求める訴えを仙台地方裁判所に起こした。河北新報(本社・仙台市)などが25日付けで報じたもの。聖職者による性的暴行は世界的に教会の信用を失墜させる深刻な問題となっており、訴訟も多くなされているが、日本で、裁判に持ち込まれたのは初めてとみられる。

 同紙などによると、訴えを起こしたのは仙台市青葉区の看護師鈴木ハルミさん(67)で、仙台司教区と暴行したとされる司祭、二次被害を加えたとされる司教に対し合計5100万円の損害賠償を求めている。鈴木さんは1977年、当時、所属していた気仙沼カトリック教会の司祭に、夫の暴力について相談した際、教会の一室で乱暴されたという。

 当時、別の司祭数人に相談したが、相手にしてもらえず、罪悪感にさいなまれ、精神障害を発症するなど、長い間苦しみ続けたが、主治医の助言で被害を認識し、2016年に教区に申告した。申告を受けた教区は第三者委員会に調査を託したが、同年10月にまとめた報告書は「(性的被害が)存在した可能性が高い」としたものの、司祭の責任を問わなかったうえ、司教からは「合意の上でやった」などと言われてフラッシュバックに苦しむようになり、二次被害を受けた、としている。

 原告代理人の弁護士は、鈴木さんが被害に遭ったことを理解したとする15年ごろが起点となるため、請求権はある、としており、教区については、十分に被害調査をしていないことなどが義務違反に当たると主張している。

 河北新報によると、鈴木さんは24日の提訴後に仙台市内で記者会見し、「失った尊厳を取り戻すための裁判。同じように暗闇で息を潜めている被害者に声を届けたい」と語り、仙台教区事務局の担当者は取材に「今後、協議した上で対応していきたい」と述べている、という。

 なお、仙台教区では、2006年3月から教区長を務めていた平賀徹夫司教が、75歳の役職定年で今年3月に退任、現在、教区長が空位となっており、小松史朗師が代行の使徒座管理者を務めている。

 

 

 

2020年9月30日

・「正義、民主主義、生活の質の確保を求めるのは正当」香港の湯枢機卿が信徒に書簡

Cardinal John Tong HonCardinal John Tong Hon 

 また枢機卿は、今の時期に、「教会が、国の統治制度として『民主主義』を支持することを改めて言明するのは適切なことです」と述べた。

 そして、「教皇フランシスコは使徒的勧告『Evangelii Gaudium(福音の喜び』で、『平和、正義、友愛において人々を作り上げることにおける進歩は、献身的で責任ある市民によって達成できる』と述べていますが、そのような進歩は、前に進むプロセスー人々が、結果を急ぐことに幻惑されず、ゆっくりと、確実に前に進むこと、です。平和、正義、友愛の社会の構築に貢献するために、私たちは『預言者』と『僕』の2つの果たすべき役割を持っています。私たちは『時のしるし』を識別し、『地の塩』『世の光』、そして人間社会の『パン種』のように行動しなければなりません」と説いている。

*目的は手段を正当化しない

 さらに、枢機卿は、「社会政治改革と社会の幸せのための、私たちの決然とした努力は、教会の社会教説によって導かれる必要があります。そして、何よりも、イエスが山上の説教で示された八つの幸いの教えを実践せねばなりません… 他人を、憎み、戦う『敵』として扱うことは、キリスト教の信仰と矛盾していることを知る必要があります」と述べ、「キリストは十字架につけられることで、信徒すべてが従うべき模範を示しました。解決しなければならない対立が何であれ、正義と平和を達成するために、『愛と赦し、和解』が常に優先されねばなりません。目的は手段を正当化しないのです」と信徒たちに訴えた。

 続けて、司牧者、司祭たちに対して、「信者を啓発し、教会の社会教説で良心を形成し、バランスの取れたアプローチを採用し、社会的関心をもつ活動に従事する際に、正しい行動を取ることができるようにする必要があります」と述べる一方、司祭たちは「社会的に関心のある分野で、自分たちの影響力を行使すべきではない」と注意を与えた。

 枢機卿はまた、教会に戦いを挑んだり、批判したり、あるいは教会の指導者たちを誹謗中傷したりする信徒は、悪い模範を示し、教会に分裂を引き起こしている、と批判。教会の位階制秩序との交わりを維持することによってのみ、「カトリック信徒は、第二バチカン公会議が提唱する ‘sense of faith’ (sensus fidelium)を真に証しすることができるのです」と強調した。

 

*挑戦の最中での希望

 書簡の中で、枢機卿は、「多くの信徒たちが、香港の将来について暗い予想をしています… それは、法の支配と政治改革の不確実性と、新型コロナウイルスの大感染が香港の経済と市民の生計に耐え難い影響を与えていることに基づくものです」と述べたうえで、「私は真剣に呼びかけたい… 将来に強い不安を持つ信徒たちに、イエス・キリストに揺らぐことにない希望を置くように…」と呼びかけた。

 また、「昨年来の社会的混乱と現在のコロナ大感染が香港に大きな影響を及ぼしており、今後数年にわたって、私たちの福音宣教の使命が新たな挑戦を受けると予想される」とし、「神が私たちの人間の運命の鍵であり、人類家族の強い連帯感が求められており、そして教会生活の多様性を可能にしつつ、共同性を維持する重要な鍵」と結論付けました。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2020年9月29日

・暫定合意期限直前-共産党統制下の「中国天主愛国協会」参加拒否する”地下教会”神父逮捕(BW)

 バチカンと中国の司教任命に関する暫定合意の期限が今月末に迫る中で、中国当局によるカトリック”地下教会”の司祭への弾圧が続いている。福建省の南東部、閩東(Mindong)教区の劉茂春( Liu Maochun)神父が9月1日、地元の警察に逮捕された。中国政府・共産党の管理・統制下にある中国天主愛国協会への加盟を拒否しているのが理由だ。

 劉神父が逮捕された時、彼は病院に入院している人を見舞いに行っている最中だった。神父は福安の拘置所に連行され、尋問を受けた。現地の情報筋によると、神父への尋問は数日にわたり、耳の側で大きな音をたてたり、終日、強い光を目に当てて、眠らせない、いわゆる”exhausting an eagle(ワシを憔悴させる)” 拷問にかけられた。「当局は、劉神父が法に従わず、”イデオロギー的に過激”だった、と主張している」という。

 劉神父逮捕の翌日、9月2日に今度は、やはり福建省の寧徳市公安局が、劉神父と同じ教区の朱瑠璃(Zhu Rutuan)神父の逮捕を命じ、中国天主愛国協会に参加するよう圧力をかけようとした。事前の警告を受けた朱神父は姿を隠したが、公安局の職員は現在、ハイテクの監視技術を駆使して彼を追っている。

 2018年9月に暫定合意がバチカンと中国の間に結ばれて以来、当局と教区司祭たちの緊張はむしろ高まっている。(注:国内の諸宗教の統制・管理を担当する)中国共産党は、党の管理・統制にしたがわず、教皇のみに忠誠を誓う”地下教会”の聖職者、信徒に対する迫害を緩めず、中国天主愛国協会への加盟を強要し、従わない場合、あらゆる脅迫を行い、さらに逮捕、拘禁も繰り返している。

 バチカンは昨年、中国のカトリック教会の聖職者、信徒に対し、中国天主愛国協会への加盟を「良心的拒否」することを尊重する指針を出しているが、この指針は(注:共産党とその下部にある現地当局によって)無視されている。

 46歳の劉神父は福建省福安市の羅江地区にある元司教館、教区の郭靖(GuoXijin)補佐司教と共に宿舎にしている。神父は中国天主愛国協会への参加を拒否することで繰り返し、親族も巻き込む形で迫害を受けており、高齢の両親も神父を協会に参加させるよう、頻繁に圧力をかけられ、甥が経営していた旅行代理店は昨年、閉鎖されてしまった。

 関係者は「劉神父は、郭補佐司教の補佐役を務めている。当局は、協会への参加を拒否している郭補佐司教に同調している司祭たちを逮捕し、自分たちに従わせようとしています。そればかりか、教区の信徒幹部にも圧力をかけ、郭補佐司教を支持し続けるなら、お前の家を壊し、お前の子どもたちの仕事を失わせるぞ、と脅しています」と訴えた。

 福安市政府の内部関係者にがBitter Winterに明らかにしたところによると、劉神父の逮捕は、協会への参加を拒否した別の閩東(Mindong)教区の司祭、黄神父が拷問されたという情報を誰が漏らしたのか、を当局が捜査していることと関係している。当局は劉神父が、黄神父の拷問の情報を外国メディアと共有した人物の1人との疑いを持っている、という。

 現地のある信徒は、Bitter Winterの取材に対し、劉神父がWeChatに投稿し、「仮に私が中国天主愛国協会に参加するとしたら、それは当局の卑劣で悪質な戦術によるもので、私自身の意思ではありません」と言明したという。

 地方政府関係者がBitter Winterに語ったー「当局は協会への参加を拒否した聖職者を「極端な宗教的イデオロギーを持つ人物」と見なしている、それは、 神のみを信じ、中国共産党の指導を拒否しているからだ」。また情報筋によると、「”極端なイデオロギー”を持つ人物あるいは人々、または「愛の家」と呼ばれる特別な教化を受けている「謝教(xiejiao)」の会員のラベルを貼られた人々を拘留する計画がある」という。

 

 

2020年9月29日

・長崎教区、”会計不祥事”で司祭集会、小教区司祭と信徒代表の集会で大司教らが説明と謝罪

(2020.9.27 カトリック・あい)

 カトリック長崎教区の公式月刊紙「カトリック教報」10月号が伝えたところによると、長崎教区主催の「教区会計上の重大な不手際」の報告と話し合いのための司祭集会が8月24日開かれた。

 教区、修道会合わせて約60人が出席した第一部では、教区長の高見大司教、中村補佐司教、中浜・教区本部事務局長、下窄・前教区会計から、経過報告と謝罪。続いて、質疑応答が行われた。教区司祭だけが出席した第二部では、顧問団としての責任、兄弟司祭としての司祭団の協力の在り方について意見交換がされた。

 中浜事務局長によると、司祭集会では、「不祥事のきっかけ、関係者の具体的な処分と、現在の心境、再発防止に向けた検証や具体的取り組みなど、教区刷新に向けた様々な質疑応答」があり、信徒の信頼回復を最優先すべきこと、顧問団の対応が甘かったこと、などが指摘された。集会の結果を受けて、「今後顧問会で検討を重ね、金銭的な補填計画はもとより、今後の教区としての具体的対応についても真摯に検討していく」という。

 なお、司祭集会に続いて、9月21日に教区の小教区司祭と信徒の代表者などを対象にした説明会が、教区評議会総会の中で行われた、というが、その内容はまだ公開されていない。

 

2020年9月27日

・世界難民移住移動者の日 :緊急食料支援のお知らせとお願い-カトリック東京国際センター

世界難民移住移動者の日 :緊急食料支援のお知らせとお願い

 カトリック東京国際センター(CTIC)では、5月より2~3ヶ月を目途に新型コロナ感染症の影響で生活に困窮している外国籍の方への「緊急食料支援」を行ってまいりました。しかしいまだ感染症終息の兆しが見ず、支援を希望する方が後を絶たないことから、「食料支援」をとりあえず12月まで継続したいと思います。皆様の周りに生活に困窮している外国籍の方がおられましたら、「CTIC緊急食料支援」をご案内くださいますようお願いいたします。また食料支援継続のために献品・献金をいただけましたら大変助かります。ご協力よろしくお願いします。

 9月の第四日曜日は「世界難民移住移動者の日」です。特にこの機会に、それぞれの教会で、故郷を離れて暮らす多くの人々のためにお祈りと物的援助を呼びかけていただけましたら幸いです。教会にも様々な活動がある中、度々のお願いで恐縮ですが、どうぞよろしくお願いします。

 なお、教会で物資を集めていただきました場合は、こちらから頂きに伺いたいと思いますので、CTICまでご連絡ください。

 

                   2020年9月25日 カトリック東京国際センター 所長 高木健次

 

募集している食料品

米 ◎インスタントラーメン(カップめん、袋めん) ◎レトルト食品(牛丼、親子丼、中華丼、カレー) ◎缶詰(ツナ、サバの水煮、ランチョンミート)
◎スティックコーヒー ◎菓子(ビスケット、クッキー、チョコレートなど)

 *賞味期限、消費期限は3か月以上あるもの、また包装などの破損汚れ等にご留意ください。

 

ご寄付のお問合せは …… カトリック東京国際センター(CTIC) 担当:奥山マリアルイサ
電話:03-5759-1061 Fax:03-5759-1063 E-mail:

*寄贈品の送付先: 〒141-0021 東京都品川区上大崎4-6-22 カトリック東京国際センター(CTIC)

*寄付金の送金先: 郵便振替:00130-2-710756  カトリック東京国際センター

東京教区の皆様

主の平安

 いつもカトリック東京国際センター(CTIC)の活動にご理解とご援助をいただきありがとうございます。とりわけ、新型コロナウイルス感染拡大は社会のあらゆる面で影響を及ぼしておりますが、とりわけ弱い立場の人たちを直撃している感があります。そのような人々の中に、多くの外国籍の方がおられます。たとえ就労資格があっても、多くの場合真っ先に仕事を失うのは外国籍の人だといってもよいでしょう。また、仮放免者や難民申請中など就労資格をもたない人々は、今まで助けてくれていた友人、知人の生活が苦しくなり、周りからの援助をうけられなくたっているとのことです。また、留学生もアルバイトが出来なくなり、生活費はもとより、今後払わなければならない授業料や日本語検定料、また多くの場合、留学にあたっての借金の返済などについて不安の中にいます。

 このような状況を受けてCTICでは5月から今まで行ってきた支援活動の範囲を広げて、緊急食糧援助を行い、実数で450人余りの方にお米や缶詰などをお配りすることができました。その折には「このような時だから、困っている方のために」というお言葉と共に日本全国の修道会、小教区や個人の方から本当にたくさんの支援物資や献金を頂きました。おかげでコロナ感染の影響が予想していたより長引いた中にあっても援助を継続することができました。この機会に皆様のご協力と励ましにお礼を申しあげたいと思います。本当にありがとうございました。

 新型コロナウイルスの感染はまだ治まったとはいえず、今後のことも心配されます。また、現在は少しずつ経済活動が動いているとはいえ、その恩恵は、最初に影響を受けた人々のところに最後に回ってくるという現実があります。そこでCTICではまだしばらくの間、緊急食料支援を継続したいと希望しております。それぞれの教会で援助を必要とされる方がおられましたらCTICの緊急食料支援をご紹介くださいますようお願い申し上げます。また

2020年9月26日

・新潟教区の成井・新司教が22日に叙階ー動画中継

(2020.9.22 カトリック・あい)

 教皇フランシスコから第8代新潟教区司教に任命された成井大介被選司教の叙階式が22日(秋分の日)午前10時から、新潟市のカトリック新潟教会で行われた。動画は以下でご覧になれる。

成井大介

マーク

【新潟司教 パウロ 成井 大介】

 1973年11月24日=愛知県岩倉市に生まれる 2001年 3月10日=司祭叙階 2020年 5月31日=新潟教区司教に任命 2020年 9月22日=司教叙階

【成井司教の紋章の説明】

 モットー 「いつも ふくいんを ともに」

 新潟教区の豊かな自然とそのいのちの恵みに謙虚にあずかりながら、イエスがもたらした良き知らせを多様な人々とともに喜びのうちに生き、分かち合い、広めていく。

 紋章の説明

– 「聖書」は福音(良き知らせ)を、「色のちがう手」は多様な人々(人種、世代、性別、立場など)が交わりのうちに福音を生き、伝えていく姿勢を示す。「背景の青」には聖母マリアに取りなしを願う思いが込められている。

– 「海と山」、「魚と稲穂」は新潟、山形、秋田3県の豊かな自然といのちの恵みを表す。「魚」はイエス・キリストのシンボルであり、「稲穂」は信仰の豊かな実りと謙虚な生き方を表す。

(2020.6.1 カトリック・あい)

 教皇フランシスコが5月31日、新潟教区司教に、神言修道会のパウロ成井大介師を任命された。新潟教区司教のポストは、2017年10月に、当時新潟教区司教だった菊地功師が東京大司教に任命され、同年12月16日に就任して以来、空白が続き、菊地大司教が新潟教区の管理者も兼務する、という変則的な状態が続いていた。2年半ぶりにそうした状態が解消することになる。

 日本の教区では、これまで東京大司教区の補佐司教、新潟司教が2年半もの間、空席を続け、福岡、仙台の両司教も、多くの国で見られるような「前任者の退任を受けた速やかな新司教任命」がされずにいる、という”異常”な状態になっていた。

 だが、日本など”宣教地”の司教の選任について、実質的に大きな権限を持つバチカン福音宣教省の長官にフィリピン出身で日本にも深い理解を持つアントニオ・タグレ師が昨年末に就任して以来、4月に一年間空席が続いていた福岡司教にクラレチアン宣教会のヨゼフ・アベイヤ師が任命され、さらに今回、二年半空席だった新潟司教に成井師が任命されたことで、こうした異常状態の解消に弾みがつくことが期待される。

 新潟教区の新司教となる成井師は1973年生まれの46歳、愛知県出身。現在、ローマの神言修道会総本部で正義と平和部門の責任者を務めている。1986年、神言会小神学校に入り、2000年、終生誓願。2001年、司祭叙階。2006年から2013年まで、カリタスジャパン秘書。東日本大震災被災地の復興支援活動に深く携わった。2013年より、神言修道会総本部の正義と平和・環境問題部門担当。2015年、同部門責任者。日本の司教で神言会出身は、菊地大司教に次いで二人目となる。

2020年9月21日

・チェノットゥ大司教の追悼ミサ、カテドラルで捧げられる-天皇陛下から教皇宛てに弔電も

(2020.9.18 菊地大司教の日記)

 9月8日に、ちょうど四ヶ月の闘病生活の後に帰天された駐日教皇大使ジョゼフ・チェノットゥ大司教の追悼ミサが、教皇庁大使館の主催で東京カテドラル聖マリア大聖堂で捧げられました。司式は司教協議会会長の高見大司教で、日本の多くの司教が参加されました。また東京在住の外交団や、政府関係者からもご参列いただきました。感染症対策のため、カテドラルは入場制限をせざるを得ず、信徒の方々の参列はお断りせざるをえず、残念でありました。

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 現役の外交官が日本国内で亡くなると言うこと自体が滅多にあることではなく、日本の教会にとっても1983年に現役で亡くなられたガスパリ教皇大使以来の出来事です。

 教皇庁大使館を中心に、外務省、防衛省、司教協議会、東京教区と調整を行い、典礼や総務に関しては東京教区が担当しました。日本政府からは、現役の特命全権大使逝去にあたり、外交儀礼に則り、自衛隊の儀仗隊が派遣されました。

 また天皇陛下からは教皇フランシスコ宛てに弔電が寄せられ、茂木外務大臣や在日外交団長のサンマリノの大使から弔辞もいただきました。祭壇内陣前には、天皇皇后両陛下はじめ皇族の方々から、花輪が寄せられました。Nunciofuneral04

 ご遺体は、この後、故郷であるインドへ移送され、現地で葬儀が営まれます。チェノットゥ大司教は、インドでもシロ・マラバール典礼(インドに二つあるカトリック東方典礼のひとつ)に属しているため、教皇からはシロ・マラバール典礼のジョージ・アレンチェリー枢機卿宛てに弔電が送られ、ミサの最後に朗読されました。またご遺体はシロ・マラバール典礼の祭服を着用して、棺に納められました。

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 9年間に及ぶ日本でのお働きに、心から感謝します。

 教皇大使には外交官として国際政治における大切な役割もありますが、教会における役割も重要です。

 私を含め教区の司教は、それぞれが同じ立場で独立して教皇様に直結していますが、その司教と聖座の間を取り次いでくださるのが教皇大使の役割です。

 チェノットゥ大司教は、生前、精力的に全国各地の教会や修道院を訪問され、よく準備した日本語のメッセージを読まれたり、日本語でミサを司式されたりして、大変な「人気者」であったと思います。教会の皆さんにとって、教皇様の代理である大使が各地を訪問し、その実情を知り、励ましてくださることは、大きな喜びであり恵みであったと思います。

 その働きに対して、豊かな報いが御父のもとで与えられますように。

2020年9月19日

・”暫定合意”は中国のカトリック教会の一致を進展させていない(LaCroix)

(2020.9.16 La Croix Vatican City  Dorian Malovic)

「中国とバチカンの間の合意は成功裏に実行された。双方は二国間関係をさらに改善するために、協議と密接な意思疎通を維持し続けるだろう」

 中国国内の司教の任命に関して2018年9月22日にバチカンと中国が結んだ合意について、中国外務省の趙 立堅・報道官は9月10日の定例会見でこう語った。

 *「この合意は中国とバチカンの間のより緊密な関係をもたらすのを助けた」

 だが、実際には、暫定合意を巡る状況は、このような評価よりも、はるかに複雑だ。中国のカトリック教会の全体像を描くことは常に困難を伴う。

 「1974年に中国のカトリック世界との対話が復活して以来、私たちは不信、寛容、緊張、そして緩和と協力という複数の段階を経てきました」と語るのは、中国・バチカン関係に詳しい、パリ外国宣教会のジャン=ピエール=・シャルボニエ神父は語る。「2人の教皇、ヨハネ・パウロ2世とベネディクト16世の下で、バチカンと中国の関係は緊密さを増しました…更新されようとしている暫定合意は、中国教会を普遍的教会に組み入れる歴史の方向に進ませるものです」と付け加えた。

 そして、(注:中国共産党の管理・統制下にある)”公認教会”=中国天主愛国協会(CCPA)に加盟するのを拒否する司祭や司教を、当局が監視、規制している教区や小教区についても、それぞれの置かれた状況に違いがあることを認識することが重要、と指摘した。

 そうした監視、規制が厳しくされている地域がある一方で、陝西省の西安教区の司祭のように、「私たちの所では、司教、司祭、修道女、そして一般信徒への政治的圧力は感じられない」と語る者もいる。同教区は、これまで社会問題に深く関わってきたが、他の教区のように、圧力を受けたことはなかった。だが、司祭は「私たちは中国天主愛国協会(CCPA)と定期的に交渉し、(注:規制や圧力を受けないために)どう対応すればいいかを知っているが、他の地域では、私たちようにすることは、もっと難しい」とも、暗号通信メールを通して記者の取材に語った。

*だが、一部の地域では、司祭や司教が当局に逮捕されている

 今月初め、江西省南部の余江教区の司祭数人が、CCPAへの加盟を拒否したとして逮捕された。

 過去2年間、浙江省では、プロテスタント教会で、何百もの十字架が取り去られた。

 「8月以来、河北省の鄭定の(注:教皇にのみ忠誠を誓い、中国共産党に服従することを意味するCCPAへの加盟を拒否する)地下教会の指導者、賈治国・司教が姿を消しているようだ」と中国本土を隠密裏に旅している香港のカトリック教徒は語った。「地下教会へのこのような圧力は、バチカンと中国の暫定合意に違反していると思います。多くの信徒は、暫定合意の内容が未だに具体的に明らかにされていないことに批判的。その本当の中身が公にされることを望んでいる」。

 2018年9月の暫定合意を受けて、バチカンは中国の教会が一方的に司教に叙階していた8人の破門を解き、中国当局は、教皇が任命していた司教6人がいそれぞれの教区長となることを認めた。「結果はわずかだが、前進は見られます」とシャルボニエ神父は言う。

 一方、中国政府・共産党公認の教会関係者はこうも指摘する。「暫定合意によって、過去2年間、”調和と一致”よりも”緊張と不信”が、特に、習近平主席がが主導するすべての宗教の「中国化」政策の中で、高まっています」。

 

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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2020年9月18日

・”暫定合意”延長前夜ー「中国共産党の狙いは”地下教会”の消滅」と司祭、信徒たちが悲鳴(BW)

 バチカンと中国の中国国内の司教任命に関する暫定合意の期限が9月末に迫る中で、政府・共産党の支配・統制下に入ることを拒む”地下教会”の司祭、信徒への迫害が強まっている。最近では、江西省南東部の余江教区の地下教会の司祭が迫害を受けた。

 バチカンの中国との交渉担当者、クラウディオ・マリアチェリ大司教は、暫定合意はさらに1〜2年延長すべきと考えているようだが、政府・党の支配・管理下にある中国天主愛国協会(CPCA)への加入を拒み、教皇にのみ忠誠を誓う余江教区や他の教区の司祭、信徒たちは、暫定合意が延長されることで、すでに激しさを増しているCPCAへの加盟圧力が一段と強まることを懸念している。

 余江教区のある司祭は、BitterWinterの取材に対し、最近の2週間に3回も、現地当局に呼びつけられ、こう通告されたというー「バチカンとの合意は、”暫定合意”ではなくなる… CPCAへの加盟を拒み続けるなら、ミサを捧げるのは禁じる」。

 司祭は「彼らは、国家安全維持法違反で処罰する、とも脅迫しました。そして、CPCAに加盟しない教会は違法であり、国内のすべての宗教施設は、共産党に従い、党が決めた規則に従って、運営されねばならない。従わない者は”反社会的疑似宗教”の信徒と見なす」と言明。さらに、「信教の自由は、中国共産党の指導の下においてのみ、認められ、中国のすべてのカトリック教会は”中国化”されねばならない」とまで言ったという。

 「バチカンと中国の暫定合意の更新・延長は、教会の発展と司祭の将来​​の両方を脅かすことになるでしょう… 中国共産党は、CPCAに加盟しない教会の排除を目指しています。加盟を拒否する司祭は、居宅に戻って隔離された生活を送る以外に選択肢がなくなり、宣教司牧という神から与えられた使命を遂行できなくなる」と、この司祭は訴えた。

 信徒たちも、司祭の将来​​を心配している。 「彼が政府に抵抗し、CPCAへの参加を拒否し続ければ、確実に逮捕されます」と同教区のある信徒は、BitterWinterに語った。彼によると、現地の規制当局は「CPCAへの加盟を拒否する教区司祭8人を逮捕する計画を立てており、8人の所在を明らかにすることを拒否する信徒たちは逮捕・勾留する」と彼らを脅している。

 司祭の1人は7月、迫害を避けるために住まいから姿を消した。彼の家には監視装置が設置されていたため、彼が家から出てわずか30分後に7人の規制当局の役人が家やって来た。現在、特別に配置された職員が地域の家々を巡回し、住民に司祭の”手配写真”を見せ”るなどして、逮捕に躍起になっている。

 先の司祭はBitterWinterの取材に、「残りの人生を刑務所で過ごすか、実家に帰って農業をするか、心の準備はしています… いずれにしても、私は共産党を崇拝することはできません」と決意を語った。

 また同教区の別の司祭は「暫定合意が更新された後に、中国共産党は、党の指導に抵抗する司祭に、これまでよりも、さらに冷酷な措置をとるでしょう」と強い懸念を表明する。

 江西省の余江教区だけではない、河北省北部の滄州市のある司祭も同じ見方だ。 「新しい合意は、中国のカトリック教徒を守らず、迫害をさらに強めることになるでしょう」とし、 「2年前のバチカンと中国の暫定合意後にもたらされたすべての変化は、中国のカトリック教徒を失望させました。 中国共産党は、カトリックを含むすべての宗教を”中国化”し、党が定めた規則に従わせ、中国政府の”操り人形”になることを強いているのです」と強く批判した。

 中国共産党の支配下に置かれることを拒否する集まりに対して、中国全土で迫害され、処罰され、集会場所は閉鎖される事態は、従来よりも激しさを増している。 8月2日、江西省福州市の崇仁区当局は、30年以上前に建設されたカトリックの小南門教会にやって来て、十字架やキリスト像などすべての”宗教的象徴”を破壊するよう命じ、その後、教会の不動産所有者に聖堂を閉鎖すAll religious symbols in the Xiaonanmen Chapel have been obliterated.るように命じた。

小南門聖堂の祭壇などに置かれていた十字架や聖画など(左)はすべて、取り去られてしまった(右)

 ある信徒は、その時の模様をこう語った。「ここで聖歌を歌い続けなら、聖堂を倒す、と彼らは脅しました… 2018年の暫定合意の後から、当局の職員が聖堂を頻繁に訪れるようになり、『司祭が聖堂でミサを捧げているのが分かったら、聖堂の不動産所有者の2人の子供に支給している障害手当を取り消す』とまで言ったのです。

 また、この直前の7月21日には、福建省福州市の杭埠地区の共産党支部事務局長が地元の警察署長を伴って、曾景牧・司教の居宅敷地内にある集会所を訪れ、新型コロナウイルス感染防止を理由に、集まっていた会衆に解散を命じた。

 曾司教は、共産党の支配下に入ることを拒む”地下教会”のリーダー的存在だが、ある信徒は「当局は、司教の居宅を常時監視するために人員を配置しています… 敷地の入り口には監視カメラが取り付けられ、ミサを捧げるのはもちろん、聖歌を歌うこともできない状態です」とBitterWinterに語った。

 同じ7月、江西省の崇仁県の当局は、カトリックの集会場の不動産所有者に参加信徒の名簿を提出するよう要求、教会に対してはCPCAへの加盟を拒否することは違法だ、と警告している。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

2020年9月18日

・東京教区が新型コロナ対策の制限緩和‐19日以降、ミサの年齢制限なしに

(2020.9.14 カトリック・あい)

 東京教区は14日、菊地大司教名で、新型コロナ対策として行ってきたミサ参加の年令制限などを緩和する、と発表した。

 緩和される主な内容は以下の通り。

 ①「75歳以上の高齢者のミサ参加」を9月19日(土曜日)から自粛解除とする

 ②ミサや集会などで聖歌隊などの少数者による歌唱(広い空間がある場合のみ)などを可能とする

 ③口での聖体拝領の希望者は、特に司祭の手指を介した感染を防ぐため、事前に司祭に相談することを条件に可能とする

 ④ ミサ以外の会議などは、通常の室内定員の半分程度であれば手指消毒、換気を保ち、全員マスクを着用など感染症対策を充分に行い、互いの距離を取り、時間をなるべく短くすることで、可能とする

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*教会活動の制限緩和についての、菊地大司教の東京教区司祭、信徒へのメッセージは次の通り。

教会活動の制限緩和について

 新型コロナウイルス感染症による社会活動への影響は続いており、命を守るための慎重な対応は、まだまだ必要だと考えられます。

 東京教区では、1月末からの感染症対策に始まり、2月27日からは公開ミサを中止とし、その後6月21日から、密集・密接・密閉を避け、人数制限などを行いながら、公開のミサを再開する対応をとってまいりました。感染症対策や年齢制限なども含め、教区の皆様には前例のない忍耐をお願いしております。

 命を守る、という積極的な対応の意味を理解してくださり、ご自分の要望を二の次とされ、辛抱強くご協力いただいている多くの皆様のおかげで、これまでのところ、教会共同体におけるクラスターなどの発生は報告されていません。

 単純に結論づけることはできませんが、これは、現在東京教区で採用している感染症対策に一定の効果があることの証左であり、何よりも皆様が積極的にまた誠実に対策を実行してくださっているためであると思います。皆様お一人お一人の忍耐とご協力に、心から感謝申し上げます。

 ステージ3の対応をもって教会活動を再開してから、間もなく3か月となります。それぞれの小教区における感染症対策も、実情に応じてさまざまな修正が現場で行われてきました。これまでは基礎疾患をお持ちの方と、特に75歳以上の高齢者の方々には、ミサへの参加をご遠慮いただき自宅でお祈りするようにお願いしてまいりました。しかし、現状の教会の感染症対策を的確に行うのであれば、高齢の皆様にも安全にミサに参加していただくことは可能であると判断いたしました。

 今後もしばらくはステージ3の対応を継続しますが、75歳という年齢制限については、9月19日(土)以降、行いません。

 ただし、高齢の方や基礎疾患をお持ちの方に、感染した場合の重篤化の高リスクがあることは変わりません。したがって、健康に不安のある方、体調の優れない方、外出に不安のある方は、現在のまま自宅でお祈りください。なお東京教区のすべての方を対象に、主日のミサにあずかる義務を、引き続き当分の間、免除いたします。

 自宅に留まられる場合でも、教会共同体に霊的に一致していることを、心に留めてください。また司祭の訪問を希望される場合は、遠慮せずに主任司祭にご相談ください。

<参照>若干の変更があります。変更部分は下線部です。

2020年9月19日以降のステージ3の対応

1:  聖堂内で、互いに1.5から2メートルほどの距離を保つため、入堂人数の制限をします。それが不可能な場合は、聖堂を典礼に使うことはできません。

聖堂内で距離を確保するための具体的な方法について、主任司祭の指示に従ってください。人数制限をお守りください。また、ミサのある教会を求めて、移動することをお控えください。ご自分の所属教会、または共同体の一員となっている教会の指示に従ってください。

2:  高齢の方・基礎疾患のある方には、体調を見極めて、不安がある場合などは、命を守ることを優先して、自宅でお祈りください。教会での年齢制限は行いません。

   なお、主日ミサにあずかる義務は、教区内のすべての方を対象に免除します。

3:  1月31日以降の当初から行われてきた手指消毒など感染症対策を充分に行い、換気を保ち、しばらくの間は全員マスクを着用してください。

4:  しばらくの間、ミサや集会などで、聖歌を「全員で一緒に歌う」ことを控えてください。オルガン独奏や、距離をあけての独唱、聖歌隊などの少数者による歌唱(広い空間がある場合のみ)などは可能です。

5:  しばらくの間、ミサでの奉納も行いません。またしばらくの間、聖体拝領はできる限り、直前に消毒をした手でお受けください口での拝領を希望される方は、特に司祭の手指を介した感染を防ぐため、事前に司祭にご相談ください

6:  ミサ以外の会議などは、通常の室内定員の半分程度であれば、上記3のような対策をした上で、互いの距離をとり、時間をなるべく短くして行ってください。

付記:75歳以上の司祭にあっても、司式や聖体授与を行って構いません。聖体を授ける司祭や臨時の奉仕者は、必ず直前に手指を消毒し、マスクを着用してください。信徒の方に「聖体授与の臨時の奉仕者」をお願いすることも、主任司祭の判断にゆだねます。

2020年9月14日