・東京大司教区がコロナ再燃警戒期間の解除に伴う措置を発表・原則現行維持

(2022.5.23 カトリック・あい)

 東京都がコロナ感染の再燃を警戒する期間を解除したのを受け、カトリック東京大司教区は23日、「リバウンド警戒期間の解除に伴って」のお知らせを、全小教区に対して通知した。それによると、現在の「ステージ3」の感染対策を原則として継続するが、ミサの参加を、「所属教会のみで」としていたのを、「可能な限り、ご自分の所属教会に」とするなど、若干緩和している。お知らせの全文以下の通り。

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リバウンド警戒期間の解除に伴って」

カトリック東京大司教区の皆さんへ カトリック東京大司教区 大司教 菊地功

 東京都と千葉県では、3月21日にまん延防止等重点措置が解除になり、その後東京都では5月22日までリバウンド警戒期間とされてきました。同警戒期間も解除されたことに伴い、現在の感染状況や小教区における状況を勘案したうえで検討の結果、以下のように対応を変更することにいたしましたのでお知らせいたします。

 東京教区内の小教区などにおいて、感染症対策にご協力いただいている皆様に、心から感謝申し上げます。

 東京教区においては、5月23日以降、基本的には現在のステージ3の感染対策を継続して、感染予防対策に努めることとします。なお現状に鑑み、多少の緩和を講じますので、添付の一覧をご参照の上、小教区などにおける感染対策にあたってください。

 なお、それぞれの教会で事情が異なりますから、教区の感染対策は対応の指針として参考にされ、それぞれにふさわしい独自の対応をお取りください。

 この困難の中で、感染症への対策にご協力いただいている皆様に、心から感謝いたします。自分の身を守るだけではなく,教会内外の他の方々への十分な配慮をもって、お互いのいのちを守るための隣人愛の積極的な行動を取るように努めましょう。

 間もなく聖霊降臨を迎えようとしています。この困難な時を一日も早く乗り越えることが出来るように、聖霊の豊かなめぐみと導きがわたしたちにあるように、父である神に、ともに祈り求め続けましょう。祈りには力があります。   以上

<参照>

2022年5月23日以降におけるステージ3の対応指針 (下線部が変更点です)

1:  聖堂内で、互いに十分な距離を保つため、入堂人数の制限をします。生活をともにする家族は、一緒に着席して構いません。充分な換気が出来ない聖堂構造の場合は、十分な距離を取ることに特に留意します

 対策の具体的な方法について、主任司祭、または施設の責任者の指示に従ってください。また、可能な限り、ご自分の所属教会のミサに参加してください。なお小教区は、感染が発生した場合に保健所の要請に応えるため、ミサ参加者の情報を把握します。情報の取り扱いには注意し、後日破棄します。

2:  高齢の方・基礎疾患のある方は、できる限りご自宅でお祈りください。ただし、教会での年齢制限は行いません。ご家族から懸念が表明されたときも、ご自宅でお祈りください。なお、主日のミサにあずかる義務は、教区内のすべての方を対象に引き続いて免除します。

3:  2020131日以降の当初から行われてきた手指消毒など感染症対策を充分に行い、換気を保ち、しばらくの間、建物内ではマスクを着用してください。

4:  ミサや集会などでは、全員で一緒に唱える事を控えます。広い空間があり充分に換気が出来る場合、聖歌隊の歌唱や独唱は可能ですが、マスクを必ず着用してください。

5:  しばらくの間、ミサでの奉納も行いません。またしばらくの間、聖体拝領は、必ず拝領の直前に消毒をした手でお受けください。口での拝領を希望される方は、特に司祭の手指を介した他者への感染を防ぐため、事前に司祭にご相談ください。

6:  ミサ以外の、会議や会合、集い、勉強会などの対面の活動は、会場の収容人数(定員の半分程度)や換気、時間(最大でも1時間半程度)に慎重に配慮しながら、実施してください。なお食事を伴う行事は控えてください。

7:  ゆるしの秘跡については、部屋の換気にご留意ください。なお2020年3月26日付の、「一般赦免に関する使徒座裁判所内赦院からの通達に関して」の公示は、現在も有効です。

付記:聖体を授ける司祭や臨時の奉仕者は、必ず直前に手指を消毒し、マスクを着用してください。信徒の方に「聖体授与の臨時の奉仕者」をお願いすることも、主任司祭の判断にゆだねます。

 なお、マスクはワクチン接種の有無にかかわらず着用してください。フェイスシールドはマスクの代わりにはなりません。フェイスシールドを使う場合でも、マスクを併用ください。また、不織布マスクを使用されることをお勧めします。

2022年5月23日

・「ともに耳を傾け、ともに歩もう」をテーマに22日から「ラウダート・シ週間」ー菊地司教協議会会長が談話

(2022.5.17 カトリック・あい)世界のカトリック教会は環境回勅「ラウダート・シ」の公布から7年目となる今年、5月22日から29日を「ラウダート・シ」週間として各種の行事を行う。その週間に先立って、日本カトリック司教協議会の菊地功会長(東京大司教)が以下の会長談話を発表している。全文以下の通り。

ともに耳を傾け、ともに歩もう ~2022年ラウダート・シ週間にあたって~(2022年5月22日~29日)】

 教皇フランシスコは、2015年5月に回勅「ラウダート・シ ともに暮らす家を大切に」を発表され、全世界に向けて、「わたしたち皆がともに暮らす家」を大切に守るという視点から、エコロジーの様々な課題に総合的に取り組むことを呼びかけられました。すべての被造物は互いにすべてつながっているがために、互いの調和のうちに生きていく道を探ることの重要性を教皇様は強調され、教会全体としてこの課題に取り組むように求めておられます。

日本の司教団は、2019年11月の教皇訪日を受けて、教皇フランシスコが日本から世界に向けて発信されたさまざまなメッセージを具体的に生きていくために、訪日のテーマである「すべてのいのちを守るため」を深め、黙想し、祈り、行動するために、特別な期間を設けることにしました。そこで毎年9月1日から10月4日を、「すべてのいのちを守るための月間」として、昨年からその取り組みを始めました。「ラウダート・シ」に記されたメッセージこそ、教皇が日本から世界に向けて語られた、賜物であるいのちへの強い思いを具体化するものだからです。

 同時に司教団は、環境問題へさらに真摯に取り組むため、取り組みの方向性と理解を包括的に示す文書を作成し、現在、書籍として出版する準備を進め、その具体的な活動についても検討を続けています。

世界の教会に目を向けると、2015年の回勅発表直後に、それまで環境問題に取り組んできたネットワークが発展して、「ラウダート・シ運動」が結成されました。同運動は、教皇庁人間開発のための部署と協働し、毎年、回勅の発表された5月24日前後の一週間を、「ラウダート・シ週間」として、全世界の教会に啓発活動への取り組みを呼びかけています。

今年の「ラウダート・シ週間」は5月22日から29日までとされ、そのテーマが、「ともに耳を傾け、ともに歩もう」とされています。「ともに」と言う呼びかけは、わたしたちが今シノドスの道程をともに歩んでいるからに他なりません。

教皇フランシスコは回勅に、「皆がともに暮らす家を保護するという切迫した課題は、人類家族全体を一つにし、持続可能で総合的な発展を追求するという関心を含んでいます」(13項)と記されました。残念ながら、この数ヶ月、わたしたちはこの共通の家を争いの場としてしまいました。人類家族全体の一致は実現せず、共通の家に対する配慮は後回しにされています。

世界各地の教会とともに、わたしたちもこの「ラウダート・シ週間」に、あらためて教皇様の回勅の呼びかけを学び、その中心的なテーマであるラウダート・シ目標への具体的な取り組みを強めて参りましょう。

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以下は7つの目標とその説明の公式英語文と「カトリック・あい」試訳

Laudato Si’ Goals – LSGs

Measuring Integral Ecology in the spirit of Laudato Si’ 

①The Response to the Cry of the Earth

The Response to the Cry of the Earth a call to protect our common home for the wellbeing of all, as we equitably address the climate crisis, biodiversity loss, and ecological sustainability. Actions could include the adoption of renewable energies and energy sufficiency measures, achieving carbon neutrality, protecting biodiversity, promoting sustainable agriculture, and guaranteeing access to clean water for all.

①地球の叫びに応える

 地球の叫びに応えることは、すべての人々の幸福のために私たちの共通の家を守ること、気候変動危機、生物多様性の喪失、生態系の持続可能性に公正に取り組むことです。具体策としては、再生可能エネルギーと高効率エネルギーの採用、温室効果ガス排出量の全体としてのゼロ達成、生物多様性の保護、持続可能な農業の促進、すべての人にきれいな水が確保などが含まれます。

 

②Response to the Cry of the Poor

The Response to the Cry of the Poor is a call to promote eco-justice, aware that we are called to defend human life from conception to death, and all forms of life on Earth. Actions could include projects to promote solidarity, with special attention given to vulnerable groups such as indigenous communities, refugees, migrants, and children at risk, analysis and improvement of social systems, and social service programmes.

②貧しい人々の叫びに応える

 貧しい人々の叫びへに応えることは、環境正義(肌の色や出身国、所得の多さにかかわらず、誰もが公正に扱われ、安全な環境で暮らせるようにすることの提唱)を推進すること、受胎から死に至る人間の生命を、そして地球上のあらゆる形の生命を守るよう求められていると認識することです。具体策としては、先住民コミュニティ、難民、移民、危険にさらされている子供などの脆弱なグループへの特別な配慮、社会システムの解析と改善、社会福祉の諸制度によって、連帯を促進する事業などが含まれます。

 

⓷Ecological Economics

Ecological Economics acknowledges that the economy is a sub-system of human society, which itself is embedded within the biosphere–our common home. Actions could include sustainable production and consumption, ethical investments, divestment from fossil fuels and any activity harmful to the planet and the people, supporting circular economies, and prioritizing care labour and protecting the dignity of workers.

⓷環境経済学

 環境経済学は、経済が人間社会の一部を構成するシステムであり、それ自体が、私たちの共通の家である生物圏に組み込まれていることを、認めています。 具体策には、持続可能な生産と消費、倫理的投資、化石燃料および地球と人々に有害な活動からの脱却、循環型経済の促進、介護労働の優先的扱い、労働者の尊厳の保護が含まれます。

 

④Adoption of Simple Lifestyles

The Adoption of Sustainable Lifestyles is grounded in the idea of sufficiency, and promoting sobriety in the use of resources and energy. Actions could include reducing waste and recycling, adopting sustainable dietary habits (opting for a more plant-based diet and reducing meat consumption), greater use of public transport, active mobility (walking, cycling), and avoiding single use items (e.g. plastic, etc.).

④簡素な生活様式の採用

 持続可能な生活様式の採用は、資源とエネルギーの利用において効率と節度を促進するという考えに基づいています。 具体策としては、廃棄物の削減と再資源化、持続可能な食生活の採用(植物系の食事を選び、肉の消費を削減するなど)、公共交通機関の利用拡大、徒歩や自転車などの活用、プラスチックなど使い捨て品の利用を避けること、などが考えられます。

 

⑤Ecological Education

Ecological Education is about re-thinking and re-designing curricular and institutional reform in the spirit of integral ecology in order to foster ecological awareness and transformative action. Actions could include ensuring equitable access to education for all and promoting human rights, fostering Laudato Si’ themes within the community, encouraging ecological leadership (students, teachers), and ecological restoration activities.

⑤環境教育

 環境教育とは、環境保護への意識と変革のための行動を促すために、「 integral ecology(統合的環境)」*の精神に基づいたカリキュラムと教育制度の改革について再考し、再設計することに関するものです。具体策としては、すべての人が教育を公平に受けられることを確実にし、人間としての権利を推進し、共同体社会の中で「ラウダート・シ」の課題への取り組みを育て、学生や教員が環境問題への取り組みで主体性を発揮するよう奨励し、環境回復の活動をする目ること、などが含まれます。

 *「 integral ecology」とは、「ラウダート・シ」における中心的な考えであり、「すべてのものはすべてのものと密接に関わっていて、無関心でいられるものなど何ひとつない」という教皇フランシスコとの考え方が軸となった概念(カトリック・あい注)

 

⑥Ecological Spirituality

Ecological Spirituality springs from a profound ecological conversion and helps us to “discover God in all things”, both in the beauty of creation and in the sighs of the sick and the groans of the afflicted, aware that the life of the spirit is not dissociated from worldly realities. Actions could include promoting creation-based liturgical celebrations, developing ecological catechesis, retreats and formation programmes, etc.

⑥環境的霊性

 環境的霊性とは、深遠な環境的回心から生まれ、私たちが、すべてのものの中に神を見い出すのを、創造物の素晴らしさ、そして病にある人のため息、苦しむ人のうめき声の中に、霊的生活がこの世の現実と切り離されていないことを認識するのを助けてくれます。具体的には、創造に基礎を置いたミサ聖祭の促進、環境的な教理教育、黙想、養成プログラムの策定などが含まれます。

 

⑦Community resilience and empowerment

Community resilience and empowerment envisage a synodal journey of community engagement and participatory action at various levels. Actions could include promoting advocacy and developing people’s campaigns, encouraging rootedness and a sense of belonging in local communities and neighbourhood ecosystems.

⑦共同体社会の回復力とエンパワーメント(empowerment)

 共同体社会の回復力とエンパワーメントは、さまざまなレベルの共同体社会の関与と参加型の活動の”共働の旅”を想定しています。 具体策には、社会的弱者などの権利主張代弁の推進する、人々の組織的運動を進展させる、地域社会と近隣の生態系の関係を根付かせ、帰属意識を促すことなどが含まれます。

*empowermentとは、よりよい社会を築くために人々協力し、自分のこと自分の意思決定しながら生きる力を身につけるようにすること(カトリック・あい注)

 

2022年5月17日

・空席続いた大分教区の新司教に森山信三師

(2022.4.5 バチカン放送)

 教皇フランシスコは5日、大分教区の新司教にスルピス森山信三師を任命された。司教叙階式の日程の詳細については後日発表の予定。

 森山被選司教は、1959年1月17日生まれの63歳。福岡市に生まれ、福岡大学卒後、福岡サン・スルピス神学院入学。1988年、司祭叙階。叙階後は、福岡教区内の小教区主任司祭、幼稚園園長、 カトリック長崎教会管区司祭志願院・福岡コレジオ 院長等を歴任し、2021年4月から、日本カトリック中央協議会事務局長を務めている。

 大分教区では浜口末男司教が2020年12月28日に亡くなって以来、2年余り司教ポストが空席となっていた。また、浜口司教が就任される前も3年間の空席の時期があった。

(編集「カトリック・あい」)

2022年4月6日

・ウクライナの平和を求めて、教皇様と一致して祈ろうー日本の教会も参加

(2022.3.25 カトリック・あい)

 教皇のロシアとウクライナの奉献への参加に呼びかけに対して、日本のカトリック教会もこれに参加することになり、司教協議会の菊地功・会長が23日付けで以下のメッセージを発表した。

 教区の動きは、大阪教区では25日正午から20分間、大阪カテドラル聖マリア大聖堂でロザリオ(ウクライナのため1連、ロシアのため1連)の祈り、聖母マリアへの祈りを行なう集いを開いた。

 東京教区では、教皇の聖ペトロ大聖堂での奉献が日本時間26日未明となるため、26日朝に各小教区、各信徒がそれぞれの判断で祈りを捧げるほか、26日に予定する教区宣教司牧評議会のの冒頭に参加者が共に祈ることにしている。

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ウクライナとロシアを聖母マリアの汚れなきみ心に奉献する 教皇フランシスコと心を合わせて 日本カトリック司教協議会会長呼びかけ

日本のカトリック信者の皆様

 ロシアによるウクライナへの武力侵攻は、2月24日に発生してからまもなく1か月になろうとしていますが、残念ながら戦争状態は継続しており、平和とはほど遠い現実が、毎日のように報道されています。

 命が危機に直面しているこの状況を憂慮され、平和を求めるために様々に努力を続けておられる教皇フランシスコは、聖母の取り次ぎによる平和を求めて、来る3月25日(金)神のお告げの祭日のローマ時間午後5時(日本時間3月26日午前1時)に、聖ペトロ大聖堂において、ロシアとウクライナを聖母マリアの汚れなきみ心に奉献されます。

 なお3月25日は、1984年に教皇ヨハネパウロ2世がロシアを聖母マリアの汚れなきみ心に奉献した日でもあります。
教皇様は、全世界の司教たちに、また司教を通じてすべての信者に、この奉献に一致して祈るようにと呼びかけ、できれば同じ時間に祈りを捧げるようにと招いておられます。

 当日のために準備される祈りは、現時点ではまだ教皇庁から届いていませんが、届き次第、可能であれば翻訳を間に合わせ、ホームページなどでお知らせすることができればと思います。公式の祈りが間にあわない場合でも、教皇様の意向に心をあわせ、平和のためにロザリオの祈りなどをお捧げください。また教皇様の奉献との同時刻は日本では深夜ですので、祈りを捧げるのは翌朝でもかまいません。具体的には、それぞれの教区司教の定めるところに従ってお祈りください。

 聖母の取り次ぎによって、神の平和がこの地上にもたらされ、特にウクライナの地に平和が確立されますように、また賜物であるいのちがその尊厳を守られますように、教皇様と心をあわせてともに祈りをささげましょう。

2022年3月23日 日本カトリック司教協議会 会長 カトリック東京大司教 菊地功

(2022.3.23 東京教区ニュース)

菊池大司教より、東京教区の皆様へ

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 ウクライナにおける戦争状態を憂慮し、平和を求めて様々に努力を積み重ねておられる教皇フランシスコは、3月25日に聖母の汚れなきみこころに、ロシアとウクライナを奉献されることを決められ、世界中の司教に一致して祈るようにと通達を出されました。(写真はファティマにて)

 通達の文書と、それに伴う奉献の祈りの文書は、3月23日午前中に、教皇庁大使館から各司教に送付されてきました。祈りの文章はかなりの長文ですし、用語などに過去の公式の祈りとの整合性を持たせなくてはならないため、現在、中央協議会事務局で典礼委員会の協力の下、翻訳が進められています(カトリック中央協議会による公式訳はこちら)。

 聖母の汚れなきみこころにロシアを奉献すると言うことに関して、その原点は、ファティマで出現された聖母が、ルチアに伝えた第一、第二の秘密に記されています(「ファティマ第三の秘密」教皇庁教理省、カトリック中央協議会2001年4月20日発行)。是非この文書を一度ご参照ください。

 そこにはこう記されています。「けれども、最後には、わたしの汚れない心が勝利するでしょう。教皇は、ロシアを私に奉献し、ロシアは回心し、世界に平和が与えられるでしょう」(同書19頁)。

 また同書を発行した当時の教皇庁教理省の次官であったベルトーネ枢機卿は、「1984年3月25日、バチカンの聖ペトロ広場において、前もって呼びかけておいた世界中の司教たちと霊的に心を合わせ、(教皇ヨハネ・パウロ二世は)「すべての人々と諸民族」を「マリアの汚れないみ心」にゆだねました」と記し、それについて、「シスター・ルチアは、荘厳で普遍的なこの奉献の祈りが、彼女から見ても聖母マリアの望みにかなうものであることをことを認めました。『はい。1984年3月25日は、聖母が望まれたように行われました』。したがって、これ以外にどのような議論や要求にも根拠がありません」とも記しておられます。(同書12頁)

 教皇様はこの聖母の言葉に信頼し、聖母の汚れなきみ心に全人類と、特にロシアとウクライナを奉献されます。さらにファティマにも特使を派遣して、同様に奉献の祈りをささげられます。わたしたちも教皇様に心をあわせ、平和のために祈りをささげましょう。

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 東京教区にあっては、教皇様によるローマでの奉献の時刻が日本では深夜となりますから、同じ時間でなくとも、翌26日の朝などに祈りをささげるものといたします。また26日(土)には教区宣教司牧評議会が開催されますので、その冒頭に、参加者と一緒に祈りをささげます。

 聖母の取り次ぎによって、神の平和がこの地上に実現し、今、命の危機に見舞われているウクライナの地に平和が確立されるように、また賜物である命がその尊厳を守られるように、教皇様と心をあわせてともに祈りをささげましょう。

 

2022年3月25日

・祈るだけでなく、実際の支援に参加を!カリタス・ジャパンや多くの援助機関が募金開始

(2022.3.7 カトリック・あい)

 カトリックの人道支援組織、カリタス・ジャパン(https://www.caritas.jp/2022/03/04/4997/)がウクライナ支援の緊急募金の受け付けを開始した。

 日本ユニセフ協会(https://www.unicef.or.jp/kinkyu/ukraine/)

 国境なき医師団(https://www.msf.or.jp/news/ukraine.html)

 日本赤十字社(https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/)

 ピースウインズ・ジャパン(https://krs.bz/pwjpr/m/onlythistime?e_1107=44)

 OBジャパン(https://objapan.org/donation/donation-ob/)なども、現地や隣接国での支援活動のための募金を既に開始している。

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カリタス・ジャパンの発表文は以下の通り。

 カリタス・ジャパンが「ウクライナ危機人道支援」緊急募金の受付を開始しました。

 報道によると、2月24日から始まったロシアによるウクライナへの大規模軍事侵攻により、これまでに600人近い市民が犠牲となり、100万人に上る人々が隣国に避難していると言われています。

 ウクライナにおいてカリタスは2014年のロシアのウクライナへの攻撃以降、緩衝地帯に暮らす人々への緊急支援を続けていましたが、今回もいち早くウクライナ全土で長期・短期避難所の提供や、移動希望者の送迎、精神的ケア、離れ離れになってしまった家族の再統合、国境付近で待機する難民への食糧支援などを行っています。また、周辺国のカリタスと協働し、ヨーロッパからの食糧や衣料品の調達を開始しています。

 カリタス・ジャパンは、ウクライナの状況と、ウクライナにおけるカリタスの活動を考慮し、〈ウクライナ危機人道支援〉緊急募金の受付を決定しました。お寄せいただいた募金は、ウクライナとその周辺国で行われる人道支援活動のために活用させていただきます。

募金受付口座は次のとおりです:郵便振替:00170-5-95979 加入者名:宗教法人カトリック中央協議会カリタスジャパン(記入欄に「ウクライナ危機支援」と明記してください)

 

 

 

 

2022年3月7日

・日本の司教団、会長談話で3月2日、「ウクライナの平和への祈りと断食の日」参加呼びかけ

(2022.3.1 カトリック・あい)

 3月2日の灰の水曜日は教皇フランシスコが全世界の教会、信徒に参加を呼び掛けている「ウクライナの平和のための祈りと断食の日」だが、日本カトリック司教協議会は2月28日、菊地功・会長談話の形で、日本全国のカトリック教会、信徒に参加を呼び掛けた。会長談話の全文以下の通り。

日本カトリック司教協議会 会長談話「3月2日の灰の水曜日に、ウクライナにおける平和のために断食と祈りを捧げましょう」

「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ福音書5章9節)

 ウクライナとロシアの国境を挟んで高まっていた緊張は、国際社会の度重なる平和と対話の呼びかけにもかかわらず、2月24日、ロシアによる軍事侵攻の開始という残念な結果となりました。多くの命が、今、危機に直面しています。

 神からの賜物である、いのちを守ることは、神の子である、私たちの務めです。

 ロシアの指導者には、いますぐ、武力によるウクライナへの侵略を止め、対話による平和の確立の道を歩まれることを求めます。

 戦争は自然に発生するものではなく、人間が生み出すものです。第二次世界大戦前夜、ヨーロッパにおいて国家間の緊張が高まる中で、教皇ピオ12世は、「平和によっては何も損なわれないが、戦争によってはすべてが失われうる」(教皇ピオ12世1939年8月24日のラジオメッセージ)と、世界に平和を呼びかけました。
戦後、東西対立が深まり核戦争の危機が現実となった時に、教皇ヨハネ23世は『地上の平和』を著し、ピオ12世のその言葉を思い起こしながら、「武力に頼るのではなく、理性の光によってー換言すれば、真理、正義、および実践的な連帯によって(ヨハネ23世「地上の平和」62項こそ、国家間の諸課題は解決されるべきであり、その解決を、命を危機に直面させ、さらには人間の尊厳を奪う、武力行使に委ねることはできない、と主張しました。

 今日、「大国による他の独立国への軍事侵攻」という事態を目の当たりにして、その決断が命を今、危機に陥れるだけでなく、将来の世界秩序に多大な負の影響を与えるであろうことを憂慮します。

 私たちの「共通の家」が平穏に保たれ、真の神の秩序が確立されるように、政治の指導者たちが対話を持って解決の道を模索することを心から求めます。

 教皇フランシスコは、先日の一般謁見で、「神は平和の神であり、戦争の神ではありません。神は皆の父であり、誰かのものではありません。私たちが必要とするのは兄弟であり、敵ではありません」と呼びかけ、さらに「暴力の悪魔的な無分別さに対して、神の武器、すなわち、祈りと断食をもって応えることをイエスは教えました」と述べて、今年の灰の水曜日(3月2日)を、「平和のための特別な断食と祈りの日」と定めました。

 私たち教会は、3月2日の灰の水曜日に、ウクライナにおける平和のために断食を捧げ、祈ります。命の危機という恐怖の中にある多くの方と連帯し、平和の実現のために、共に祈りをささげます。そして、政治の指導者たちの上に、命の与え主である神の導きがあるように、祈ります。

2022年2月28日 日本カトリック司教協議会会長 カトリック東京大司教 菊地功

 (編集「カトリック・あい」)

2022年2月28日

・菊地大司教が27日、東京カテドラルで「ウクライナの平和のために祈るミサ」

022年2月27日 (日)年間第八主日(ウクライナの平和のために祈るミサ)@東京カテドラル

27feb22g   年間第八主日は、ウクライナへのロシアの軍事侵攻の事態を受け、教皇様から灰の水曜日には特別に平和のための断食と祈りをするように,との呼びかけもあり、この主日のミサをウクライナの平和のために祈るミサとして、関口教会10時のミサを捧げました。

27feb22c

   残念ながら、字幕を入れて配信する関係で、説教内容を直前に変更することができませんので、灰の水曜日にまたお話をさせていただくことにして、ミサの初めにいつもより少し長く時間を取って、ミサの意向の説明をさせていただき、さらに説教の初めに少し付け加えさせていただきました。

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   なおこの機会に是非、教皇ヨハネ23世の「地上の平和」を読み直していただければと思いますし、また第二バチカン公会議の現代世界憲章の第5章、77項以降に目を通していただければと思います。

以下、本日10時のミサ説教の原稿です。

年間第八主日C(配信ミサ)東京カテドラル聖マリア大聖堂
2022年2月27日

   63年前、1959年1月25日、聖パウロの回心の記念日に、ローマの城壁外にある聖パウロ大聖堂を訪れたのは、教皇ヨハネ23世でありました。そこに集まった数名の枢機卿たちを前に、教皇ヨハネ23世は、突然、公会議を開催することを宣言されました。第二バチカン公会議が始動した瞬間でした。

  それ以前に、ピオ11世やピオ12世のころに、途中で中断する形になっていた第一バチカン公会議を再開することが検討はされていましたが、相談すればするほど、それは無理だろうという意見が大勢を占めていましたから、この突然の教皇ヨハネ23世の宣言には、多くの人が驚いたことだろうと思います。

  このヨハネ23世の英断がなければ、教会の今の姿はなかったことでしょう。そしてその英断は、個人の判断ではなくて、聖霊の導きであると教皇様は確信しておられました。

   もちろん聖なる教会は、連綿と連続して存在しているのであって、第二バチカン公会議前と公会議後の教会が、全く異なる教会であることはあり得ません。そうではなくて、教会の土台である信仰の真理は全く変わることなく、それを時代の現実の中で具体的に生きる道を真摯に追求し、見いだそうとしたのが、第二バチカン公会議であったと思います。教会共同体が、今私たちのただ中で生きておられる神の御言葉と歩みを共にするために、重要な役割を果たした公会議であったと思います。

  この発表直後から、公会議に向けた準備が始まりました。3年の時間をかけて、様々な準備委員会が設けられ、検討が続けられて、最終的に1961年12月25日に発布された「フマーネ・サルティス」において、正式な改めて耳にするとき、公会議を開催するようにと教皇ヨハネ23世に決断を促した聖霊の導きが、心に響きわたります。

 「現在、教会は人類社会が危機に直面していること、大きく変動していることを知っている。人類が新時代への転機に立っている現在、これまでの転換期にそうであったように、教会の任務は重い。教会は現代世界の血管に、福音の永遠の力、世界を生かす神の力を送りこまなければならない」と記されていました。

 私たちは、現代世界の血管に、福音の永遠の力を送り込むのであります。福音の永遠の力は生きている神の言葉そのものであり、その神の言葉には、世界を生かす神の力がみなぎっています。私たちの信仰は、生きている神の言葉を心に刻み、それに生き、それを告げしらせる信仰です。神の言葉に生かされ、導かれる信仰です

 先ほど朗読されたシラ書は、箴言や知恵の書と並んで、人生の現実を冷徹に見据えた辛辣な言葉に満ちあふれています。その言葉は辛辣であると同時に、人生を豊かに生きる上での奥深い示唆にも満ちあふれた含蓄に富む言葉でもあります。

 先ほどの箇所を耳にすると、「まさしくその通り」としか言い様がありません。「ふるいを揺さぶると滓が残るように、人間も話をすると欠点が現れてくるものだ」と記されていました。また「樹木の手入れは、実を見れば明らかなように、心の思いは話を聞けば分かる」とも記されています。

 私たちが語る言葉は、わたしたちの心の反映です。口から出る言葉は、私たちの心の鏡です。今こうして言葉を語っている自分自身への自戒も込めてでありますが、自分を大きく見せよう、より良い者として見せよう、などと不遜なことを考えて心にもないことを語ったとしても、語る言葉そのものがその野望を打ち砕きます。

 私たちは結局、自分が心に持っていないものを、言葉を通じて語ることはできません。私たちが語る言葉は、機械が語るデジタルな音の羅列ではなくて、私たちの心の反映です。

 ルカ福音はそのことを、イエスの言葉として、「人の口は,心からあふれ出ることを語るのである」と記しています。それはすなわち「木は、それぞれ、その結ぶ実によって分かる」という言葉に集約されます。そうであるならば、私たちはどのような実を結んでいるのでしょうか。私たちが結んでいる実で、私たちの中味は明らかにされてしまいます。

 同時にルカ福音は、「兄弟の目にあるおがくずは見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか」と語るイエスの言葉を記します。どれほど私たちは、自らの身を振り返ることなく,他者を裁いていることでしょうか。他者を裁き断罪するとき、私たちは時に大きな思い違いをしてはいないでしょうか。自分も同じように、過ちを犯す人間である。弱さを抱えた人間であるということを、忘れてはいないでしょうか。他人を裁くときに、私たちの口から語られる言葉は、やはり私たちの心の反映です。裁く心に、果たして愛は宿っているでしょうか。

 コリントの教会への手紙でパウロは、「死よお前の勝利はどこにあるのか」と記しています。死は人間の命を奪い、すべてを無に帰することによって、あたかも私たちを完全に支配しているかのようであり、それによって私たちの上に勝利する存在であるかのように思われます。私たちは死によって、すべてを失うからであります。

 しかしパウロは、死はすべての終わりではなく、死に打ち勝って復活した主イエスによって、私たちは死による見せかけの勝利を打ち砕き、新しい命に生きる、という本当の勝利に与るのだと指摘します。人間の存在を無に帰する死という究極の出来事を、主の復活が打ち砕いてしまったのですから、それにあずかる者には恐れるものがありません。

 パウロは「主に結ばれているならば自分たちの苦労が決して無駄にならないことを」私たち知っているはずだ、と記します。主に結ばれているという確信を持っていな時に、困難に直面する私たちは他者を裁きます。主に結ばれているという確信を持っていないときに、困難を自分で乗り越えようとして私たちは空しく虚栄に満ちた言葉を語ります。私たちは、主に結ばれて福音に生き、その福音を忠実に語り、その福音が現実化するように努めなくてはなりません。福音は心に秘めておくものではなく、私たちの日々の生活を通じて、つまり、私たちの語る言葉と行いを通じて証しするものです。

 改めて、第二バチカン公会議を招集された教皇ヨハネ23世の言葉を思い起こします。私たち「教会は現代世界の血管に、福音の永遠の力、世界を生かす神の力を送込まねば」なりません。(ヨハネ23世「フマーネ・サルティス」)

 私たち教会は、自分の言葉ではなくて、神の言葉を語らなくてはなりません。

 私たち教会は、その始まりの日から常に導いてくださる聖霊の働きに信頼し、その導きに身を委ね、私たちと共におられる主に常に結ばれて、命の言葉を語り続けるものでありましょう。

 

2022年2月28日

・ウクライナ危機で東京教区、3月2日灰の水曜日、2月27日、3月2日のいずれかの主日ミサで平和を祈る

(2022.2.27 カトリック・あい)

 教皇フランシスコは、現在のウクライナ情勢に強く心を痛められ、ロシアの武力侵攻の速やかな停止、平和実現のため、ロシアなどへの働きかけを続けられる一方、3月2日の灰の水曜日を、「平和のための祈りと断食の日」とされ、世界の教会、信徒に参加を呼び掛けておられる。東京教区では菊地大司教がこれを受けて25日付けで、以下のメッセージを発出。教区の全小教区、信徒に参加を呼び掛けた。

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  国際社会からの度重なる対話への呼びかけにもかかわらず、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が現実となってしまいました。第二次世界大戦後、その悲劇的な体験から多くを学んだはずの人類は、例えば国連憲章などを通じて、国家が武力によって現状変更することを否定してきたはずでした。

 国連憲章第2条4項:「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない」

 バチカンニュース日本語版でも、教皇様の一般謁見での祈りの呼びかけや、国務長官パロリン枢機卿の声明などが報道されています。

 教皇様は、灰の水曜日に平和を求めて断食と祈りをささげるように呼びかけておられます。これに関して、25日付で、東京教区で私からの呼びかけ文を発表しましたので、以下に記載します。

平和を求めての祈りの日(2022年灰の水曜日)

 「平和によってはなにも損なわれないが、戦争によってはすべてが失われうる」(教皇ピオ12世1939年8月24日のラジオメッセージ)

 ウクライナとロシアの国境を挟んで高まっていた緊張は、国際社会の度重なる平和と対話の呼びかけにもかかわらず、ロシアによる軍事侵攻の開始決定という残念な道をたどり、すでに多数の人が命の危機に直面しています。

 第二次世界大戦前夜のピオ12世の言葉をかみしめながら、改めて教会は、「武力に頼るのではなく、理性の光によって-換言すれば、真理、正義、および実践的な連帯によって(ヨハネ23世「地上の平和」62)」、国家間の諸課題は解決されるべきであり、その解決を、神からの賜物であるいのちを危機に直面させ、人間の尊厳を奪う武力に委ねることはできない、と主張します。私たちの共通の家が平穏に保たれ、真の神の秩序が確立されるように、政治の指導者たちが対話を持って解決の道を模索することを心から願っています。

 教皇様は、ロシアによる侵攻の危険が高まっていた2月23日水曜日の一般謁見で、ウクライナの平和のために、3月2日の灰の水曜日を、特別な断食と祈りの日とするように呼びかけられました。

 「神は平和の神であり、戦争の神ではありません。神は皆の父であり、誰かのものではありません。私たちが必要とするのは兄弟であり、敵ではありません」と呼びかけられた教皇様は、「暴力の悪魔的な無分別さに対して、神の武器、すなわち、祈りと断食をもって答えることをイエスは教えました」と述べ、今年の灰の水曜日を、平和の祈りのための特別な日とすることを定められました。

 教皇様のこの呼びかけに応え、3月2日の灰の水曜日に典礼の規定に従って「大斎・小斎」をまもるにあたり、特にウクライナにおける平和のために祈るようにお願いいたします。

 また東京教区にあっては、2月27日、または3月6日のいずれかの主日ミサにおいて、教皇様の意向に従って、ウクライナの状況を心に留めながら、平和のためにミサを捧げてくださるようにお願いいたします。

 

2022年2月27日

・「愛の証し・元和の大殉教400年」を今年から来年にかけ、長崎と東京で実施

(2022.2.19 カトリック・あい)

日本の司教協議会は17日まで開いた定例総会で、「愛の証し・元和の大殉教400年」を今年から来年にかけて、長崎と東京で行うことを決めた。

詳細は以下の通り。

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愛のあかし・元和の大殉教400年(2022→23)について

 今年2022年の9月10日 の「日本205福者殉教者」の記念日となる「長崎の元和大殉教」と、来年2023年12月4日の「江戸の元和大殉教」は、ともに400年の節目を迎えます。列聖推進委員会は、この15ヵ月間を「愛のあかし・元和の大殉教400年」として記念し、日本の教会にとって共通の遺産である殉教者の霊性を学び、ともに祈り、殉教者の生き方に倣う機運を高め、福音宣教の力にしたいと思います。

2022年から2023年は、日本の福音宣教にかかわる、いくつかの節目に当たります。
① 聖フランシスコ・ザビエルの列聖400周年(2022年3月12日)
② 日本二十六聖人の列聖160周年(2022年6月8日)
③ 福音宣教省の創設400周年(2022年6月22日)
④ 長崎の元和の大殉教400周年(2022年9月10日)
⑤ キリシタン禁制の高札撤廃 150周年(2023年2月24日) 
⑥ 江戸の大殉教 400周年(2023年12月4日)

 1981年に来日された教皇聖ヨハネ・パウロ二世は、2月26日に長崎でなさったミサの説教で、日本の教会の土台が、殉教者の血の上に据えられた、と語られました。

 また2019年に来日された教皇フランシスコは、日本司教団へのメッセージの中で、次のように述べておられます。

 「死に至るまで信仰を証しした聖パウロ三木などの殉教者、何世代にもわたって信仰を守り続けた長崎の潜伏キリシタンを、私は思い浮かべています、日本の共同体のDNAには、殉教者のあかしが刻まれています。それは、どんな絶望にも効く特効薬であって、私たちに歩むべき道を示してくれます。希望に燃えた種蒔き、殉教者のあかし、時が来れば神が与えてくださる実りを待つ忍耐が、日本の宣教の特徴であり、それは日本の文化と共存しています」

 今こそ、日本の教会は殉教者に耳を傾け、神が日本の教会に与えてくださった特別な救いの恵みを現代の教会で生きようではありませんか。

 神に信頼を置くかぎり、どのような災禍も恐れるには足りません。それどころか危機の時こそ、神のめぐみに出会う好機です。迫害時代のキリシタンは、大迫害に苦しめられていた時でさえ、信者たちは地下に籠もって息を潜めてはいませんでした。役人の目が光る中で、病人を世話し、未亡人や孤児たちを助け、貧しい人々に手を差し伸べていました。

 「神は、あらゆる苦難に際して私たちを慰めてくださるので、私たちも神からいただくこの慰めによって、あらゆる苦難の中にある人びとを慰めることができます」(コリントの教会への手紙2・ 1章4節)。

 今、教会に求められているのは、信頼あふれる祈りに裏打ちされた「一致と連帯」です。それこそ、「分断と不寛容」に打ち勝つきわめて有効な手段でありましょう。日本の教会が、一つの心、連帯する心で真剣に祈り合うことです。心を一つにした祈りをもって連帯し、コロナ禍を乗り越える私たちの姿を希望のしるしに変えて行きましょう。そして、苦難の中で愛を証しした殉教者たちに目を注ぎ、次の50年を見据えた新たな希望の光を見い出しましょう。

列聖推進委員会 委員長  大塚喜直・ 京都司教

(編集「カトリック・あい」=読みやすさ、意味の取りやすさに配慮し、”ひらがな”にしてある部分を当用漢字表記に統一し、また教皇に関しては敬語表記にしました)

2022年2月19日

・国内難民この一年で2倍、80万人にーUNHCRミャンマー報告(VN)

Myanmar refugess is a shelter on the Thai border. Myanmar refugess is a shelter on the Thai border.   (AFP or licensors)

(2022.2.12  Vatican News staff reporter

 UNHCR(国連高等弁務官事務所)の報告によると、ミャンマーの国内避難民(IDP)の数は、昨年2月の軍事クーデターによって引き起こされた危機の中で2倍、80万人を超えている。

*治安が急速に悪化している

 UNHCRの広報担当者によると、ミャンマー国内の国軍の民衆弾圧や反政府武装勢力との戦いが激しさを加えており、 「国内の抗争に鎮静の世敗はなく、治安が国中で急速に悪化している」という。

 同国では昨年2月1日の国軍による民主政府転覆を狙ったクーデターが起きる前に、すでに約37万人の国内避難民がいたが、その後も続く、国軍などによる民衆の武力弾圧によって、新たに約44万人が国内難民となっている。

 国軍の武力弾圧に対して、従来の反政府武装勢力に加えて、市民の自衛グループも新たに生まれており、せん滅を図ろうとする国軍によって1500人以上が殺害されている。こうした状況から、UNHCRは、「故郷を捨てざるを得ない人々は増え続けており、その動きは今後、数週間から数か月にわたって加速する」と懸念している。

 

*少数民族が多い地域に大きな被害

 UNHCRによると、カレン、カヤ、モン、シャン(南)の各州、およびバゴー(東)とタニンダーリの各地域で新たに国内難民となった44万人の住民の半数以上を占めている。さまざまな武装グループ間の敵対行為の高まりが大規模な国内難民の発生を引き起こし、カイン州とカヤ州の住民が最も影響を受けている。同国北西部のチン州、マグウェ州、サガイン州で約19万人が故郷を捨てるのを余儀なくされている。

 UNHCRの広報担当者は、「治安の悪化、交通・通信障害、通行証の交付の問題などから、国内難民に対する人道支援活動に大きな支障が生じており、改善が見られない。このため、現地の支援グループに大きく依存し、彼らの可能な範囲で連携を取っての支援に努めている」と説明している。

*多くの緊急人道支援が必要とされている

 UNHCRの人道支援は、他の国連機関や地元の支援団体などと協力して行われている。昨年は、9つの州と地域で約17万人に対して、防水シート、ロープ、毛布、食事セット、蚊帳、バケツ、就寝用マット、衛生キット、感染防護具、ソーラーランプ、防寒キットなどの救援物資を配布した。

 シャン州には、住民が激しい襲撃にさらされているカヤ州から多くの難民が流入を続けており、支援物資の配布調整のための拠点を現地にもうけている。同州の州都タウンジーとその周辺地域への救援物資の供給は1月中旬に始まり、近隣の町に拡大しており、これまで1か月に、シャン州で約1万人、カヤーで2000人の国内難民に物資供給をした。

 だが、ラカイン州の難民キャンプなどにいるロヒンギャ難民は約60万人にのぼり、なお多くの人道的支援を必要としている。

*政治的、社会経済的、保健衛生危機

 ミャンマーでは、治安上の問題の深刻化に加え、商品価格の上昇、雇用と所得の損失、基本的な生活サービスの中断などが続いている。国際労働機関(ILO)による最近の報告によると、2021年に約160万人の失業者が発生した。軍事クーデターは、新型コロナウイルスの大感染の影響ですでに弱体化していたミャンマーの雇用市場に打撃を与え、女性が最も深刻な影響を受けている。そうした中で、国内難民の大半は、人道支援で命を繋いでいる状況だ。

(編集「カトリック・あい」)

2022年2月13日