・ロヒンギャ難民乗せたボートが転覆、死者・行方不明約50人

Rohingya people in Myanmar (Reuters) 

(2023.8.11 Vatican News  By Edoardo Garibaldis)

 ミャンマーからのロヒンギャ難民たちを輸送していたボートがベンガル湾で転覆し、17人が死亡、約30人が行方不明となっている。 民間の難民支援団体、Shwe Yaung Metta Foundationが10日明らかににしたもので、ボートは前週末、ミャンマー西部ラカイン州にあるブティダウンから約55人を乗せて出発し、同州の州都シットウェの沖で遭難したとみられるが、その日時や転覆の原因は不明。

 同団体によると、遭難が明らかになった7日から9日にかけてシットウェの海岸沿いで行方不明の捜索を行利、女性10人を含む17人の遺体が見つかった。生存者が8人いたが、ミャンマー治安部隊に連行されたという。

 もともとミャンマーに住んでいたイスラム教少数派のロヒンギャの人々は、ミャンマー軍が、反政府勢力の掃討作戦を開始した2017年8月以来、迫害され続け、70万人以上が故郷を追われている。国境を越えてバングラデシュの難民キャンプに収容されたり、他国に避難したりする人もいるが、国境のミャンマー側のキャンプにも約10万人が劣悪な環境の中で生活を強いられている。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が今年1月発表したところでは、2022年1年間で前年の5倍、3500人以上のロヒンギャの人々が39隻の船でがアンダマン海とベンガル湾を渡り、イスラム教徒が多数を占めるマレーシアやインドネシアへの向かおうとした。。

 教皇フランシスコは長年にわたり、ロヒンギャの人々の惨状に心を痛めておられる。 2017年にバングラデシュを訪問された際には難民と面談し、話に耳を傾け、彼らに関心を持たない世界の人々を代表して赦しを求められた。 2018年2月には、バングラデシュのハシナ首相と会見し、ミャンマー・ラカイン州からのロヒンギャ難民の受け入れに感謝し、さらなる協力を求められた。また今年5月28日のレジーナ・チェリの祈りの中で、ベンガル湾でサイクロン・モカの被害を受けた人々への援助の促進を、国連や各国の人道援助担当者に訴えられている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年8月12日