Bharatiya Janata Party (BJP) supporters dance to celebrate after their leader B. S. Yeddyurappa was sworn in as Chief Minister of Karnataka state in Bangalore, India, Thursday, May 17, 2018. (Credit: Aijaz Rahi/AP.)
(2023.1.21 Cux Contributor Nirmala Carvalho)
ムンバイ発 – 1 月中旬にわずか 2日間に2件続けて起きたキリスト教徒に対する脅迫事件は、この国で少数派ながら活気に満ちたキリスト教徒が直面している脅威を鮮明に印象づけた。ヒンズー教徒が多数を占めるインドで、キリスト教徒がますます強まる”ヒンズー・ナショナリズム”の波に脅かされている。
”ヒンズー・ナショナリスト”たちは、この国のトップであるナレンドラ・モディ首相の選挙基盤の一部とされており、首相が指導する政党、 BJP と同盟関係にある。そして最近の二つの事件で、カトリックの聖職者と一般信徒は、国内で物議を醸している「反改宗法」に違反したとして告発された。
専門家は、同法が少数派グループを脅迫し、インド社会から追い出す使われることが多い、と指摘しており、同国のカトリック教会の指導者、ムンバイ大司教のオズワルド・グラシアス枢機卿は、二つの事件が「改宗法の危険性を反映している」と批判している。
1月の事件の一つは18日、インド北東部のタンドラで起きた。小教区の共同司牧者であるジョセフ・アムスカニ神父が、ミサを捧げるために近くの小さな集落に出かけた際、現地の警察に拘束された。
現地の教会関係者によると、ヒンズー教原理主義者の集団から、アムニスカニ神父が反改宗法に違反する宣教活動を行っていると告発を受けた警察が、神父と、同行していた修道女、カテキスタ、運転手を署に連行した。神父以外は間もなく釈放されたが、神父はその後、数時間も拘留され、警察署の周辺では、即時釈放を求めるキリスト教徒と神父を起訴するよう要求するヒンズー教原理主義者が集まり、険悪な雰囲気になった。
アムスカニ神父は釈放後、Cruxのインタビューに答え、「私は約 7 時間拘束されました。何千人ものキリスト教徒が警察署の周りで私の釈放を求める一方、起訴を求める”右翼分子”も25人ほどいた。彼らが互いに争うことのないよう、私はずっと祈っていましたが、互いに非常に緊張し、人々は動揺していました」と語った。
この事件の 2 日前、イエズス会が運営するNGO、「Vishwa Mandal Sevashram(VMS)」のリーダーとスタッフ約 40 人が、インド南東部のサングリ駅に到着した電車の中で暴行を受けた。 襲ったのはヒンズー教徒の右翼集団で、数人に重軽傷を負わせた。
このヒンズー教徒右翼集団は、「VMSがインドの先住民の人々を改宗させるためにやってきた」と非難し暴力を振るったうえ、地元警察に取り調べを行うよう要求。抗争に発展するのを恐れた警察当局は、VMSのメンバーたちに、約 700 マイル離れたシルプール市の活動拠点に戻るよう命じた。
襲われたVMSのメンバーたちは、これまで50年以上にわたってこの地域の先住民の人々に奉仕してきた。その一人は、「列車が午後 9 時 30 分頃にサングリ駅に到着した際、約 15 人の男が列車に乗り込んできて、『お前たちは、改宗活動に参加している』と私たちを非難し、暴力を振るい始めました。私たちが『研修旅行に来たのだ』と言っても、無視して殴り続けました。金属製の指輪で頭を殴られ、出血した人もいた。暴行を20分以上続けた後、警察官が来たので逃げて行った」と語った。
2018年からこのNGOに関わってきたイエズス会のコンスティ・コンスタンシオ・ロドリゲス神父は、この事件を「よく計画された攻撃」と批判した。「私たちは、地元の人々の生活の向上と発展、自立促進のために奉仕してきました。今回の事件はとても残念ですが、これからも奉仕を続けます」と述べた。
神父は事件後、現地の警察署長あてに手紙を送り、「私たちは今、40 の集落で 子供たちの補習クラスを開いています。子供たちに質の高い教育を提供するためのスキルを高める定期的な教習 プログラムも毎月、実施しています。 この教育プロジェクトの一環として、私たちは他の教育 NGOを 訪問した」と,”改宗”活動とは何の関係もないことを説明。
また、事件当時のことについて、「 列車には、私たちの補習クラスの教師42 人が乗っていました。サングリ駅に到着した時、若者の集団が列車に乗り込み、まだ寝ていた教師を引き倒し、棒と金属のブレスレットで殴り始めました。 障害のある教師の杖が外に放り出され、無力な状態になりました。 何人かの教師が列車から降ろされ、そのまま駅に残された人もいました」と書いた。
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グラシアス枢機卿は、 18 日にアムトカニ神父が一時拘束された際、カトリックでないキリスト教徒たちが、早期釈放に協力してくれたことに感謝し、「あらゆる宗派のキリスト教徒が団結し、互いに助け合い、団結し、神父を支持してくださったことをとてもうれしく思います。これはキリスト教一致の表明、キリスト教一致の目に見える証しです。 イエスのすべての弟子たちが共に立つことが重要であることを示してくれました」と述べた。
また、16日の事件については、被害に遭ったVMSの活動を称賛し、「過去 53 年間、地域の 部族の教育と社会生活の向上のために、たゆまぬ努力を続けてきました。貧しく、社会から疎外された部族社会に奉仕してくれています」としたうえで、「鉄道駅で、誤った批判を浴び、身体的暴力を振るわれたことは非常に残念」と遺憾の意を表明。
カトリック教会がインドで不当な改宗に関与しているとの見方を強く否定し、「カトリック教会は強制改宗に完全に反対している。強制的な”改宗”は合法ではなく、改宗とは言えない。 私たちの考えと哲学は明確です。私たちはキリストを証ししようとしているが、いかなる形であれ、他者を強制したり、圧力をかけたりすることは決してしない」と言明した。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)
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