Cardinal Jean-Claude Hollerich, SJ (Archeveche de Luxembourg / SCP)
(2023.4.27 Vatican News Andrea Tornielli)
”シノドスの道”の当面の仕上げの場となる今年10月と来年10月の全世界代表司教会議(シノドス)の総括報告者、ジャン=クロード・オロリッシュ枢機卿(ルクセンブルク大司教、イエズス会士、元上智大学副学長)が27日、Vatican Newsのインタビューに応じた。
枢機卿は、今回のシノドスに、司祭、修道者、一般信徒など司教以外も投票権を持って参加することになった意味について説明。今の時代において、カトリック教会が多様性を備えた福音宣教の主体者となることが求められていることを強調した。
インタビューでのオロリッシュ枢機卿との一問一答は以下の通り。
*10月のシノドスで一般信徒など”司教以外”の参加者が議決権を持つ理由
問: 今年 10 月のシノドス(世界代表司教会議)の通常総会には、司祭、男女修道者、女性や若者を含む一般信徒など、かなりの数の議決権をもつ「非司教」が参加することになりました。この意義はどこにあるのですか?
答: 過去にも、議決権を持つ参加者がおり、特に新しいことではありません。 議決権を持つ女性はいませんでしたが、司教以外の人がいました。 変わるのは、”小さなグループ”が大きくなる、ことです。
司教は常に担当教会の司牧者であり、シノドスは司教の「シノドス」のままです。 人々から分離された機能を司教に見ることはできません。 私はルクセンブルグの大司教です。ローマにいるときはルクセンブルクの教会が恋しいです。大聖堂の 1 列目、2 列目、3 列目にいる人々のことを考えています。毎日会う人々のことを考え、恋しく思います。10月の総会には、一般信徒のごく一部が司牧者である司教と共に出席します。 彼らには特別な使命があり、教区レベル、司教協議会レベル、そして大陸レベルの”シノドスの道”の歩みで、素晴らしい経験を積んでいます。 参加するすべての司教たちがこのような経験をしたわけではありません。 したがって、今総会に参加する新しいメンバーの役割は、”シノドスの道”のこれまでの歩みで経験したことの証人となり、経験していない人に伝えることです。
問: それでも、シノドスは「司教たちの」会議のままなのですか?
答: はい。司教が「多数派」であり、新しい方式を導入した後も、それは変わりません。 さまざまなレベルで始まり、最終的に教皇に到達する識別を行うのは、司教たちの責任です。そして、 シノドスの新しいメンバーは、いわば、神の民の「非司教」部分を代表しています。
問: 神の民の代表と共にある司教会議だと言えるのでしょうか?
答: 司教も、神の民に属しているのです。少なくとも、私は神の民の一員になりたい…… そうでないと気分がすぐれません! 私たちは、新しいメンバーを、これまでの”シノドスの道”の歩みの証人であり記憶として、もっと理解する必要があります。
*10月のシノドス総会の狙いはどこにあるのか?
問: ‘Synod on synodality( シノドスについてのシノドス)”という10月の総会のタイトルは、かなり専門的な表現で、人々の生活とはかけ離れているように感じます。 このタイトルに込められた意図は何でしょうか。
答:総会の狙いは、「どのようにしたら、私たちは福音宣教する教会になることができるか」を共に考えること。タイトルにはその意図が込められています。このことを強調することは重要だと思います。これは”分析”や”瞑想”ではありません。 私たちは、神が今の時代に望んでおられるように教会を生き、世界に、同時代の人々に福音を宣べ伝えるために生きています。それは素晴らしいことです。
教会の歴史は、常に”シノドス(共働)”でした。 (初代教会最大の説教者と言われる)聖ヨハネ・クリソストムは、「シノドスと教会は同義語である」と言います… 私たちが歩んでいる道、神の民全体の関与は、聖霊が第二バチカン公会議が実行するような方法で私たちを導いていることを示しています 。特に公会議で出された Lumen gentium (教会憲章)がそのことを確認しています。
*総会で問われるのは、「個人主義」が氾濫する現代社会における教会の在り方
問: では、10月の総会の中心にあるのは、個々の話題ではなく、この教会の在り方と言えばいいのでしょうか?
答: そうです。「現代の病気への対応」と言ってもいいでしょう。 私たちが生きている超近代、あるいはデジタル時代を特徴付けるのは、日々ますます顕著になっている「個人主義」です。 そして、この個人主義では、人類は存続できません。生き残るためには「共同体」の要素が必要です。それと、社会やメディア、さらにはカトリック教会の現場においてさえも、二極化が進むという現象が見られます。「共に歩む神の民」(の実践)は、このような現代世界の傾向への対応です。
ここで注意していただきたいのは、私たちがこうした傾向に対応するために「synodality(共働性)」を”発明”したのではない、ということです。今のこの時期に、初代教会が経験していたsynodalityへの欲求に再び火を点けたのは、聖霊です。そうしなければ、人類が危険にさらされるからです。
*シノドスで必要なのは論争ではなく、耳を傾け、「霊的対話」をすること
問: 誰もが話し、誰もが論争に巻き込まれている今の時代にあって、教皇フランシスコは「互いに耳を傾けること」の重要性をしばしば強調されていますが、実際に「耳を傾ける人」はほとんどいないようです…
答: 私が教区司教として、話を聞いている時に気が変わることがありますが、それは私にとって良いことです。 私が担当するルクセンブルク教区は大きくありません。私の国、ルクセンブルクの人口は66 万人。多かれ少なかれ同じことを、時には同じ場所で、同じ教授の下で学んだ側近が、司教にはいます。 彼らは同じように考えます。
でも、神の民のすべてにとっては、明白でないこともある。 その意味で、開放性、他者の声を聞く方法を知っていることは良いことです。また、人々が司教たちの話を聞くのもよいことです。なぜなら、司教たちには耳を傾ける役割だけでなく、答えを提供し、人々の羊飼いになる役割もあるからです。
私たちには、多数による決定に全員が従う”シノドス議会主義”はありません。 「シノドス」は議会ではありません。 私たちは神の意志を識別し、聖霊に導かれることを望んでいます。
問: では、シノドスにおいて、決定に至るプロセスはどのようなものですか?
答: これは「霊的なプロセス」です。 それが、私たちがこの霊的な対話-聖霊においてなされる対話をする理由です。共通の結論に達するために、反対の姿勢を取るのでなく、耳を傾け、対話に入る方法です。 このプロセスで常に回心が必要なのは明らかです。回心せねばならないのは司教であり、一般の信徒です。
問: 教会においてさえも、特定の結果を得るために「数を数えたい」という政治的なメンタリティ―に直面することがあります。 それと「霊的プロセス」の違いはどこにあるのでしょう?
答:教会における”議会主義”は、プロテスタントの兄弟たちのsynodalityに属するものです。 私たちはカトリックのsynodalityを実践せねなりません。 私たちは、聖職、司教の共同性、教会に対する責任、ペテロの優位性を定めています。 これらすべては、synodalityによって根絶されることがありません。というよりも、synodalityは、司教たちの共同性と教皇の優位性が行使される中で、神の意志を共に求めることを視野に入れたものです。
ですから、「ここにこういう問題があります。それについて 2 つの立場があり、過半数の支持を受けた人が勝ち、それが行われます」と言うようなものではありません。 それでは教会は破壊されてしまいます。 私たちはそうなるのを望んでいません。私 たちは教会共同体として共に歩む必要があります。
*「共に歩む」とは具体的にどういうことか?
問: 「共に歩む」とは具体的にどういうことでしょうか?
答: 私たちが歩くとき、キリストが中心です。 右に人がいて、左に人がいて、もっと前を歩く人がいて、時間がかかって後ろにいる人がいて… そうやって、「共に歩く」のは普通のことです。 教会の中に緊張があるのは正常、ということを学ばねばなりません。すべての人が、すべての大陸で、すべての問題について同じように考えるわけではない。 ですから、異なる文化を持つ人に対しても、敬意を持って耳を傾け、神の意志を求め、共に進むべき道を決めることが重要です。
私を左側に「置く」人が何人かいるから、左側を歩いているとしましょう。 キリストを中心に歩いていて、左側から見ると、キリストだけではなく、人々が右側を歩いているのも見えます。 彼らを見ないでキリストを見ることはできません。つまり、右側を歩いている人たちも、私の共同体の一員です。 「共に歩まねばならない」ということです。 右側を歩く人も、前に進む人も、後ろを歩く人も、同じ経験をしてもらいたい…。キリストが真に中心であり、聖霊が道具であり、死んでよみがえられた主が中心におられるのを保証するものであるなら、私たちは皆、宣教する弟子です。
問: それでも、私たちは、組織や戦略など他のことに忙しかったり、気を取られたりしているように思われることもありますね。
答: 教会は、組織や戦略について話すのにいつも忙しくすることはできません。 試合をせず、ルールだけ話しているサッカークラブがあるとすれば、おかしいと思いませんか? そのようなクラブに入ったり、応援したりする人は多くないでしょう! 教会についても同じことが言えます。私たちの信仰は、教会の内外で奉仕することによって生きている。 神への奉仕と人々への奉仕の中で生きているのです。
*大陸レベル会合で気付いたことは、地域による「違い」
問: シノドスの大陸レベルの歩みに参加して気付いたことは?
答: とても素晴らしかったです。さまざまな国の司教協議会が、さまざまな大陸のレベルの会合に提案をしました。相違もありました。たとえば、ほとんどの大陸レベルの会合で、「テント」のイメージを気に入りましたが、アフリカではそうではありませんでした。なぜなら、彼らにとってテントのイメージは、「難民のテント」であり、「悲惨と貧困のテント」だったからです。彼らは、「神の家族」のイメージを好みます。「家族は広げられるが、テントは広げられない」というのです。
それを知って、私は、 1 つのイメージだけでなく、さまざまなイメージを示す必要があることに気付きました。 「テント」のイメージを愛する人は「神の家族」のイメージから何かを学ぶことができる、と確信しています。 大陸レベルの会合に出席するの重要なことでした。私が出席したのは、話すためではなく、影響を与えるためではなく、耳を傾け、多様性を理解するためです。10月のシノドス総会でも、そうする必要があるでしょう。
問: 7つの大陸レベル会合と”デジタル会合”の8 つの最終報告から何が明らかになるでしょうか?
答: ”デジタル シノドス”は素晴らしい体験でした… 8つの文書すべてから浮かびあかったのは、実際に体験されたたこと-人々の喜びです。 欧州やアジアの会合では、集まりが繰り返されるようにしたい、との希望が出されました。欧州の会合について、私は心配していました。(参加国の間に)大きな違いがあったからです。 しかし、ここでも人々は前に進むことを希望しています。違いを抱えながら前進し、共に歩まねばなりません。 8つの最終報告をもとに、聖体拝領について、教会行事への参加について、福音宣教について、何が重要かを考え、10 月のシノドス総会のための準備文書をまとめる必要があります。
問: さまざまな大陸の貢献を引き出すために、どのような工夫をしましたか?
答: グループで、シノドス(共働)的なやり方で。 一人でしたわけではありません。 さまざまな課題に取り組むいくつかのグループがありました-高位聖職者のグループ、叙階された聖職者のグループ、洗礼を受けている信徒のグループ、司教たちのグループなど。共に歩む道で明らかになったすべてを包含するために、教会の教導職、教皇たち、第二バチカン公会議が何を語っているかを熟慮し、これについて大陸レベルの諸会合が何を語らねばならないのかを自らに問い、まとめました。
*10月のシノドスに向けた討議要綱はどのような中身に?
問: Instrumentum Laboris(討議要綱)はどのようなものになりますか?
答: 短いテキストの形になります。 シノドス総会の参加者たちが分かち合い、参加し、それによって自分自身を表現できるように。参加者たちが自由に語ることができるのを望んでいます-「それは捨てましょう」「何か他のことをしましょう」という風に。シノドス総会は今年10月、さらに来年10月に予定されており、急ぐ必要はありません。無理な妥協をしてはなりません。 今日の世界で、神が教会に求めておられることを真に理解するための時間が、私たちにはあります。
問: 具体的に、今から 9 月までの間に何がありますか?
答: 討議要綱が世界のシノドス総会の参加者たちに示されます。要綱に盛り込むべき新しい要素が多いので、やるべきことがまだたくさんあると思います。 そして、まだ定かでないのは、すべてのことがシノドス評議会と教皇に従う必要があり、私たち―総会の報告者、シノドス事務局長、特別秘書役の判断もそれに従わねばならないだろう、ということについてです。
司教たちなしでも、司教たちに反対しても、synodality(共働性)はない。そして、教皇なしでも、教皇に反対しても、です。すべてのことは、教皇の承認、祝福を得るために低産される必要があります。そうしなければ、私たちは職務を続けることができない。 私たちはカトリック教徒であり、カトリック教徒であり続けたいと思っているのです!
*これまで”シノドスの道”に参加できなかった人たちに
問: あなたはさまざまな大陸レベル会合に参加しておられますが、 「生ぬるい」反応や抵抗にお遭いになったことはありましたか?
答: 参加していて、 2 つの誘惑に気付きました。 1つは、すべてを「古いパターンに同化する誘惑」です。 私が「右翼」と呼んでいる誘惑です。私たちには、これまでしてきた事に固執し、新しい事について考えたり、思い悩んだりしたくない、という傾向があります。
もう一つ、「左翼」の誘惑もあります。それは、「教会で重要とみなされる問題はすべてシノドスで話し合わなければ、という誘惑」です。 でも、これは不可能です。 シノドスには、synodaliry(共働性)というテーマが設定されています。それが私たちの課題―synodality、聖体祭儀、参加、宣教の使命、です。シノドス総会は、これらに焦点を当てます。 他の課題の重要性に異議を唱えるつもりはありません。教皇が選択した方法で、それらを熟考できるようにされます。それでも、シノドス総会のテーマがsynodalityであることに変わりはありません。
問:これまでの” シノドスの道”の歩みで、教区レベルで直接関わることがなく、そうする機会がなかった人にどのように対処することができるでしょう?
答: まず第一に、私は彼らに祈ってもらいます。神の意志を行うためには、たくさん祈らなければならないからです。 教会全体の祈りの支えが必要です。そして、彼らに、「自分の心の中でシノドスを生きようとするように」とお願いしたいと思います。仕事でも教会でも、彼らの祈りは抽象的なままではあってはなりません。
シノドスの祈りに参加することは重要です。 シノドス事務局長のマリオ・グレック枢機卿は、私が美しいと思うことを言いました- イエスのなさり方に倣いましょう、教会を見る時、イエスの存在を認めましょう-これは非常に重要なことです。そうしなければ、人々が私たちの中にイエスを認めなければ、どうして福音を宣べ伝えることができるでしょう? そして、そのためには、回心が必要です。 回心なくしてsynodalityはあり得ない。回心は、右派、左派、そして中道派、すべての人に求められます。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
Cardinals Hollerich (L) and Grech (R) present the changes to the Synod at the Holy See Press Office
(2023.4.26 Vatican News Salvatore Cernuzio)
”シノドスの道”の歩みを主導するオロリッシュ枢機卿とシノドス事務局長のグレック枢機卿が26日、共同で会見し、今年10 月の世界代表司教会議(シノドス)通常総会で、教皇に任命される 70 人の『司教以外の参加者(半数が女性)』が 議決に参加できるようになる、と発表。決定は同日、シノドス事務局から、アフリカ、アジア、中東、およびオセアニアで最近開催された”シノドスの道”の大陸レベル会合の責任者に、書簡の形で伝えられた。
*「非司教」が総会で議決権をもつ総数の2割強に
発表で、両枢機卿は「 10 月にバチカンで開かれる、シノダリティ―(共働性)をテーマとするシノドス総会は、『シノドス』自体の性格も名称も変わらないが、一般信徒なども参加するようにされる」とし、司教以外に教皇が直接任命するのは一般信徒を含む70人、半数が女性で、若干の若者も含まれる。その全員が総会での議決権を持ち、400人以上の総会参加者のうち議決権を持つ約370人の一員となる。
また書簡では「今回の決定は、シノドスに関する現行規定を廃止するものではない。2018年の使徒憲章、 Episcopalis Communio(司教の一致)で、シノドスへの『非司教』の参加が規定されている」としたうえで、70人の「非司教」は、事前に用意された140人の中から教皇がお選びになり、「司祭、修道者、修道女、助祭、一般信徒など神の民を代表する」とする。そして、この総会には「傍聴者」はいなくなる。
オロリッシュ枢機卿は、「世界代表司教会議総会の性格を維持しつつ、総会参加者の21パーセントを『非司教』が占めることになる。彼らの存在は、神の民の預言と司牧者の識別の間の対話を確かなものにします」と説明。70 人の「非司教」の半数が女性であり、また若者の参加が予定されることについて、両枢機卿は、「それが私たちの世界のあり方だからです」と述べた。
そして、140人の候補者の選択に当たっては、「それぞれの文化的背景、これまでの”シノドスの道”での忍耐、知識、そして参画が判断基準となる。そこから教皇が選ばれた70人は、総会での議決権を持つことになります」とし、グレック枢機卿は、「このことは重要ですが、いつの日か、投票なしで済ますことができるようになることを期待しています。なぜなら、シノドスは『識別』、そして『祈り』だからです」と付け加えた。
*「非司教」のうち、修道者は男女5人ずつが選ばれる
また、70人のうち男女修道会総長連合から選ばれる男女各5人の修道者にも、総会での投票権が与えられ、従来のシノドス会合に出席した「奉献生活の会」のメンバー 10 人に取って代わることになる。
総会の本会議で行われるすべての議決は、秘密投票によって行われ、教皇によって批准されなければならず、教皇が議決を確認するまで、その名前は公表されない、ものとされる。
*会議の進行を助ける専門家のポストも新設
また、10月のシノドス総会には、会議の進行を助ける専門家のポストが新設され、複数の人が選ばれる。グレック枢機卿によると、このポストは、シノドス研究グループの経験から生まれたもので、「専門家の存在が実りある力を生み出すことができる」と判断したといい、オロリッシュ枢機卿が「総会参加者の中には、これまでシノドスに一度も参加したことのない司教がいるので、特に霊的側面からの助けが必要となります」と補足。また、10月のシノドス総会には、司教協議会のない国から参加する司教も初めて参加する予定であり、エストニアとモルドバの両教区、そしてオロリッシュ枢機卿が教区長を務めるルクセンブルグ大司教区もそれに該当する、と述べた。
最後に両枢機卿は、このような新たな形で開かれるシノドス総会によって、「教会は、さらに完全なものとなり、ローマで全教会の代表を務めることが喜ばしいものでなるでしょう」と口をそろえた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
Group photos from each Continental Assembly
(2023.4.20 Vatican News Sr Bernadette M. Reis, fsp)
2021年から2024年に至る”シノドスの道”の大陸レベルの会合がすべて終了し、それぞれの最終報告書が3月末までにバチカンのシノドス事務局に送られた。その検討分析結果について、同事務局が20日、バチカンで記者会見して発表した。
分析検討会議は、22人の専門家が参加し、4月12日から一週間にわたって、10月の世界代表司教会議のための準備文書策定を視野に入れる形で行われた。
記者会見で、事務局次長のSr.ナタリー・ベカーは、大陸レベルの”シノドスの道”の歩みは、これまでの歩みの中で、最も革新的な側面を示すものとなったことを強調。多くの信徒が参加した現地教会レベルの歩みを受けて、大陸レベルでは、識別のプロセスが深化され、それぞれの地域の慣習、文化的・言語的、地理的な多様性を受け入れる形がとられた、と説明した。
*目覚ましい多様性が一致の道に
会見に出席したオーストラリア司教協議会会長でパース教区長のジョン・コステロ大司教は、まず、それぞれの大陸レベルの会合が「スタイルと内容の面でかなり異なっていたが、そのことは、教会がグローバルで普遍的なものであることを示している」と述べたうえで、オセアニア地域の会合の経験を踏まえ、「私たちは教会ですでに現実となっている多様性の大きさを、改めて認識した。 これにより、均一でない中での深い一体感が可能になるが、実際には、厳格な均一性のあらゆる探求を放棄することが求められた。霊的な対話の実践が、会合出席者の間に互いを尊敬する空気を作り出す上で重要でした」と語った。
ナタリー事務局次長は、7 つの大陸レベル会合のうち 4 つに参加したが、「霊的な対話が、広範な教会活動の代表者やさまざまな国の代表者の対話に役立つことに気付きました」とし、 「オセアニア地域の海洋汚染や中東危機などの問題に向き合う時、霊的対話が、共働と連帯を促進し、”シノドスの道”の歩みを続ける希望が生まれるのを経験しました」と語った。
また、「この方法論が、教会の多様性の素晴らしさに貢献し、より大きな言論の自由をもたらすことが分かった。大陸レベルの会合で明確になったことの一つは、『多様性は一致への道でもある』ということ、それと、”シノドスの道”には障害もあるが、改善の余地があること、でした」と指摘した。
*大陸レベルの会合はあくまで”シノドスの道”の一過程
コステロ大司教は、大陸レベル会合の最終報告書をもとに19日まで開かれた専門家会合に触れ、「世界の各教区、各国レベルの報告をもとにした作業文書の策定以降の”シノドスの道”の歩み、作業文書をもとにした大陸レベル会合の報告書内容を詳細に評価・分析した。霊的対話の手法も取られました」と語ったうえで、 「大陸レベル会合は、あくまで”シノドスの道”の歩みの一過程。歩みに参加された方々が、これまでの熟考と識別のすべての作業を、これで終わらせないように希望したい。また、これまでに策定された作業文書や、大陸レベルの報告書を深く読み返してほしい。これらの文書は、 10 月の世界代表司教会議に参加する人々を刺激し、準備に役立ち続けるでしょう」と強調した。
*”デジタル シノドス”も進展
続いて、バチカン広報省のルシオ・アドリアン・ルイス次官が「Digital Synod initiative」について説明し、制度的教会に関わらない人々を”シノドスの道”の対話に招き入れる狙いで生まれたこの企画には、「発足時に250 人の”デジタル宣教師”が参加したが、現在は 1000 人を超えている。主に 18 歳から 40 歳の間の人々に手を差し伸べることができた。3割が未信者が、教会から離れた信者。アンケートに対しては、115 か国の人々から 7 つの言語で 15万件の回答があり、2000万人の潜在的な閲覧参加者が見込まれるます」と述べた。
*”シノドスの道”と教会一致運動が相互に貢献
バチカンのキリスト教一致推進省のヒヤシンス・デスティベル神父は「カトリック教徒が他のキリスト教徒から受け取ることができる贈り物の1つは、まさに“共働性”の経験でしょう。当省は、昨年から今年にかけて 4 つの国際会議を企画、実施し、キリスト教他宗派の現実から共働性の経験を理解しました。会議には、 カトリックの神学者とシノドス事務局のメンバーも出席し、教会が彼らから何を学ぶことができるかを聞き、理解しました」とし、教皇も「キリスト教一致運動は、”シノドスの道”の歩みに貢献し、”シノドスの道”の歩みは教会一致運動に貢献している」と語られている、と述べた。
*”シノドスの道”のこれからの歩みは
大陸レベル会合を終えた”シノドスの道”の次の段階は、10月の世界代表司教会議に向けた準備文書の策定だ。シノドス事務局のナタリー事務局次長は、5 月末までに文書の策定が終わり、公表されることを目指している、とするとともに、作業文書の重要なポイントの 1 つとして「現在の”シノドスの道”の歩みを通して、世界の多様な文化や状況の中で 『1 つの教会』になるための方法を識別し、さらに学び続けること」を挙げ、”シノドスの道”は、「何をどのレベルで決定すべきか、適応と柔軟性を備えた一致の原則をどのように明確にするかについての演習の機会になる」と語った。
またコステロ大司教は、”シノドスの道”の歩みが「今も進行中のプロセスにあること」を改めて強調。「歩みのさまざまな段階で、結果がどうなるか、結論がどうなるかを知りたい、と言う誘惑にかられるでしょうが、結論を急ぐことは、結論に向かう旅の重要性を無視することになります」と述べ、必要なことは、「スキルと洞察力を使って共働性を展開できるようにすること」、「聖霊が私たちを主が望んでおられる方向に導いてくださること」だと語った。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
(2023.4.12 Vatican News staff reporter)
“シノドスの道”を主導するバチカンのシノドス事務局が12日、 5 大陸の専門家グループによる10 月の全世界代表司教会議(シノドス)総会の討議要綱策定の準備を始めると発表した。
一昨年10月に世界の小教区・教区レベルから始まった”シノドスの道”は昨年の各国レベルの歩みを経て、今年3月に北米・中南米、アジア、アフリカ、オセアニア、中東の各大陸レベルの会合がそれぞれ開かれ、これまでにその最終報告書が事務局に送られた。
専門家グループは、これら各大陸の最終報告書の内容を共有し、それをもとに今年と来年のそれぞれ10月に開くシノドス総会の討議要綱策定に向けた準備を行う。今回の会合は20日までを予定している。
会合出席者はオンライン出席も含めて22人で以下の通り。日本からはSr.弘田しずえ(ベリス・メルセス宣教修道女会)が出席する。
マリオ・グレック・シノドス事務局長・枢機卿、ジャン=クロード・オロリッシュ枢機卿、ルイス・マリン司教、Sr.ナタリー・ベカー、ティモシー・コステロ大司教、 ルシオ・アンドリス・ムアンデュラ司教。 ダニエル・フローレス司教。 ピエランジェロ ・セケリ師、 ピエロ・コーダ師、 トマシュ・トラフニー師、ジャコモ・コスタ神父、ダリオ・ヴィタリ神父、Sr. 広田しずえ、ジュゼッペ・ボンフラテ神父、 ミリアム・ワイレンズ教授、 アンナ・ローランズ教授、パスカーレ・ブア神父、 Sr. マリー=コルベ・ザモラ、 パオロ・フォグリッツォ氏、 ティエリー・ボナベントゥラ氏、スーザン・パスコ氏(オンライン出席)、モーリシオ・オロぺザ氏(同)。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
(2023.4.12 Vatican News Christopher Wells)
”シノドスの道”の米国とカナダの教会による北米大陸レベル会合の最終文書が12日に発表された。シノドスの基盤として「信徒に共通した洗礼」「キリストとの交わり」、そして「世界に良いたよりをもたらす」という私たちの使命に、焦点を当てている。
最終文書の表書きで、北米司教協議会連盟のダニエル・フローレス司教とレイモンド・ポアソン司教は、今回の会合が「米国とカナダの教会にとって重要な瞬間であり、現代世界における教会の進むべき道としてシノダリティ(共働性)を包含するために、教皇フランシスコへの応答を強化することに繋がった」と述べた。
文書は、北米大陸レベル会合の内容をもとに、北米大陸レベル執筆チームによって作成されたもので、大陸レベル会合で明らかになった 3 つの主要テーマ-「洗礼を通じての呼びかけと賜物」「キリストと我々相互の交わり」「宣教の使命への派遣」-について詳しく述べている。
*連動する3つのテーマ
主要テーマの第一は、シノダリティの基盤として、「私たち共通の洗礼の呼びかけと尊厳の中心的な役割」を強調し、「教会とその使命における共同責任の機会と共にある尊厳のより深い認識」を求めている。
第二の「キリストと我々相互の交わり」では、教会内部の深い分裂の存在を認識し、キリストの体を構成する信徒たちの一致を強める方策を探求している。
そして第三の「宣教の使命への派遣」では、洗礼を受けたすべての者が表に出て、福音を宣べ伝え、特に社会や教会の片隅に置かれている人々に宣教する義務があることを確認している。
*教会が直面している問題
文書は、これらの主要テーマの文脈の中で、信徒の間から提起された「教会における女性と若者の役割」を含む問題を指摘。また、「教会の信頼・信用の危機の原因となり続けている聖職者による性的虐待」や「特にLGBTQのコミュニティに対する教会の抱擁性」「 教会と現代世界との関係」、 そして「シノダリティ(共働性)と識別、宣教の使命、そしてカトリックの社会教説についての養成の必要性」も強調している。
また、司教たちは、教区レベルでの”シノドスの道”の歩みを振り返って、「生きたシノダリティの経験」ができたことを「大きな恵み」と表現し、「シノダリティの実践を継続し、深める方法を見つけたい」と述べた。
さらに、”シノドスの道”の世界レベルの歩み―10月のバチカンでの世界代表司教会議に向けた5つの優先課題として、「シノダリティの形成と識別の霊性を含む現地教会のシノダルな協議の調和」「『排除されている』と感じている人々の歓迎」「 教会における共同責任」「 さまざまな種類の二極化と分裂の中での教会における一致と交わり」、 そして「社会の周辺に出かけて行く教会の必要」-を挙げている。
北米司教協議会連盟のダニエル・フローレス司教とレイモンド・ポアソン司教は最終文書の表書きで、「北米の”神の民”は共に、この”シノドスの道”の歩みの最初の一歩を踏み出した。多くの人が、米国とカナダにおいて教会への喜び、切望、嘆き、夢を繰り返し聞くことを願っている」と今後への期待を表明している。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
General Assembly of the Federation of Catholic Bishops Conference of Oceania – FCBCO Continental Stage of the Synod on Synodality
(2023.4.13 Vatican News Christopher Wells)
“シノドスの道”のオセアニア地区の大陸レベル会合が13日、これまでの話し合いの結果をまとめた報告書を発表した。環境危機への対応、女性の役割、若者たちへの積極的な対応の必要を強調している。
報告書はまず、オセアニア地域の豊かな多様性とシノダリティ(共働性)に関するこれまでの前向きな経験を指摘。神の民が本当に自分たちの声を聞いてもらえるのか、シノダリティが結局、教会にとって害のあるものになるのではないか、などを心配しつつも、これまでの識別のプロセスの中で、多くの参加者が共働的な教会への世界的な呼び掛けに大きな感銘を受け、バチカンのシノドス事務局の大陸レベル会議に向けた世界各国レベルまでのこれまでの”シノドスの道”についての取りまとめた準備文書がシノダリティの全地球的な経験をとらえる内容になっている、と述べた。
*女性の役割、若者のケア、生涯養成、性的虐待…
報告書の中心部分では、識別プロセスの「成果」と出された共通の認識が示され、「教会内の分裂についての懸念」「様々な差異を包含することが必要だとの認識」「 教会の教えと教会における女性の役割に関する問いかけ」「 若い人たちに手を差し伸べることの重要性」と、「すべての信徒の生涯養成の重要性」などが具体的に挙げられた。
また、教会内部での緊張、さまざまな文脈で生じたさまざまな司牧上の問題の存在などを指摘し、 「性をめぐる多様性を持つ人々の経験と、この問題に対する教会共同体の対応」「教会の教えに関する問題」「性的虐待がもたらす教会の危機」「文化的な包括性の問題」なども真剣に取り組むべき問題として指摘している。
*10月の世界代表司教会議では環境や信教の自由の危機、信徒の役割などにもっと関心を
さらに、バチカンの準備文書に対しては、オセアニアの人々に強い関心のある環境危機にもっと注意を払う必要がある、としたほか、宗教生活、結婚の召命、一般信徒の役割、生命に関わる問題、信教の自由に対する規制の強まりなども、もっと注目すべき分野として挙げている。
10 月に開かれる世界代表司教会議に向けて、世界レベルでの”シノドスの道”の優先事項を特定し、使命に関して明確な方向性を打ち出す必要と、小教区から教区、国、大陸などあらゆるレベルでもっとシノダル(共働的)な教会となる必要性を強調。世界代表司教会議で扱うべき優先事項として、「私たちの”共通の家”のケアのあり方」「教会における女性と若者の役割」「あらゆるレベルでの信仰養成」を挙げた。
*「さらに多くの信徒が参加するように」
報告書は、最後に、これまでの”シノドスの道”に歩みに対する聖霊の働きを認め、「参加者はすでにシノドスの過程で変化を感じており、シノドスの次の段階を待ち望んでいる」とし、「神の民の名において、10月の世界代表司教会議で、『あなたのテントのスペースを広げる』という準備文書の呼びかけを取り上げるよう求めた。
また報告書の本文に続けて、オセアニア地区の司教たちの独自の「司牧的応答」を追加文書とし、 オセアニア司教協議会連盟の会長、アンソニー・ランダッツォ司教は「オセアニアの人々の羊飼いとして集められた私たちは、自分が聞いたことについて祈りと熟考を共有することを希望しました」と述べた。
司教たちは、神の民への信頼を表明すると同時に、これからも歩み続ける”シノドスの道”にさらに多くの人が参加することを希望するとし、「シノダリティー(共働性)を成長させていくためには時間が必要。教会の刷新は、個人の回心から始まり、すべての人が共に歩むことによって可能となる」と強調した。
そして、これまでの”シノドスの道”の歩みで生まれた喜びと希望を強調し、 「私たちはまた、預言者になるように召されていると感じている… イエスが使徒たちを遣わされたように、私たちも遣わされている」と述べている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
Participants at the Continental Assembly for Africa
(2023.3.3 Vatican New Andrew Kaufa, SMM – Addis Ababa)
エチオピアの首都アディスアベバで開かれていた”シノドスの道”のアフリカ大陸レベル会議で、参加者たちは2021年10月に”シノドスの道”の歩みが始まってから経験したことに喜びをもって感謝している。
会議ではアフリカ全土から集まった枢機卿、司教、司祭、修道者、若者を含む信徒が10 人づつの小グループに分かれて意見交換をし、過去 1 年半の”シノドスの道”の歩みで経験し、学んだことを分かち合った。
ある英語圏の国々のグループの参加者は「sinodality(共働性)は、アフリカでの私たちのやり方の一部になっており、アフリカの教会で進んで受け入れられています。将来の教会につながる歩みを促進しています」と評価。
他の英語圏グループの参加者は「歩みの中で、聖霊が、若者も女性も障害者も、アフリカの教会として共に歩むよう私たちを招いておられることを感じました 。 また、教会の所有権は私たち全員に属している、ということを確認し、一般信徒も教会の所有、運営に責任をもち、改善に率先して自由に行動することができるできるという認識を持ちました。これはまだ進行中ですが、それがアフリカの教会のあり方にならねばならない、と確信しました」と述べた。
*”ピラミッド構造”の教会は、参加型で”耳を傾ける”教会に変わる必要
フランス語圏のあるグループの代表者は、「現在の”ピラミッド構造”の教会は、参加型で”耳を傾ける”新しい教会に道を譲らねばならない、と認識しました」とし、「”シノドスの道”は、教会の新しい”ライフスタイル”として受け入れられる必要があり、そのために一般信徒の積極的な関与が欠かせません。”シノドスの道”の枠組みは、私たち全員が『宣教師』になることを求めており、私たちに与えられた使命について説明責任を負うことを求めています」と強調。
また別のグループは「教会の”ピラミッド”構造は、シノドスの精神によってのみ改善される。そして、聖体拝領などの秘跡を受けるのを妨げられているキリスト教徒に秘跡への道を開くことができるのです」と指摘した。
*教会における女性と若者の役割を高める必要
参加者たちはまた、”シノドスの道”の歩みが、将来の教会における女性と青少年の役割に関するいくつかの洞察を深めるのに役立った、と口をそろえた。そして、「女性は教会の主要なメンバーです。 多くの女性たちが取り残されている。教会や社会で賜物を分かち合うことが許されねばならない。また、青少年は教会の希望の源。 彼らは自己表現の機会が与えられることを希望しています。 彼ら自身の生活に影響を与える否定的な力を黙って受け入れてはならないのです」と強調した。
*新たな教理教育の必要
”シノドスの道”を歩む経験の中で、アフリカの教会の聖職者、一般信徒が重要視した他の側面には、聖体拝領の精神性を高める必要、”ピラミッド型”の教会構造の改革、教会に対する帰属意識と所有権の感覚を高め、聖職者主義のリスクに対処する取り組み、などがある。
ある参加者は「これらすべての課題に対応するために、新たな教理教育が必要です」と述べ、また「”シノドスの道”を共に歩むのは、重要なことですが、困難を伴うのも事実。”シノドスの道”は、改革をもたらすことを意味し、そのために忍耐も必要です」と語った。
また 別のグループは、「誰もが教会に提供するものを持っており、”シノドスの道”の歩みは、人と人との絶え間ないコミュニケーションを必要とし、互いに耳を傾け、教会で信徒は司祭と共同責任を果たしていくもの」と付け加えた。
(2023.2.28 バチカン放送)
教皇フランシスコがベルギーのカトリック系週刊誌「テルティオ」のインタビューに答えられた内容が28日発表された。。
それによると、同誌のヴァン・リエルデ編集長が、教皇と第二バチカン公会議の関係について質問。「あなたの在位期を理解する鍵は、第二バチカン公会議にあるのではないか。同公会議の内容の実践を推進しようとするのは、どうしてですか」と聞いた。
これに対して、教皇はまず、「歴史家たちによれば、一つの公会議の決定が完全に効力を表し、それが実践されるまで一世紀かかると言われています。私たちがそこに至るまで、今からさらに40年が必要です」と前置きされたうえで、「第二バチカン公会議がもたらしたものは、教会の刷新だけではありません。『教会を常に生き生きしたものにする』という挑戦でした」と強調。
さらに「公会議は教会を新たにするのではなく、若返らせるのです。教会は常に前進する母です。第二バチカン公会議は、教会が時代のしるしと共にさらに成熟するための扉を開きました」とされ、「たとえば、『教会憲章』は、最も伝統的な公文書であると同時に、最も近代的なものでもあります。『教会』という仕組みの中で、伝統は常に新しい。なぜなら、『伝統』とは常に発展、成長していくものだからです」と語られた。
また「第二バチカン公会議の内容の適用と実践には、sinodality(共働性)の促進も含まれていると思いますが」の問いに、教皇は「パウロ6世は、公会議の終わりに、東方典礼カトリック教会がsinodal(共働的)側面を保つ一方で西方教会がそれをほとんど失ってしまったことに衝撃を受けられた。そして、シノドス事務局の設立を決め、教会に新しいsinodalityを推進しようとされました」と述べ、「第二バチカン公会議がsinodality(共働性)の重要さを再認識する契機」となったことを指摘された。
続いて、リエルデ編集長が「ベルギーの教会では、聖職者の数も、信徒の数も減少しています。教会の指導者たちは典礼と福音宣教に焦点をあてる傾向がありますが、今、教会が注目されるためには、社会的・預言的面に注力すべきではないでしょうか」と聞いたのに対して、教皇は「それらは互いに矛盾するものではありません。祈りと礼拝と信心業は、”香部屋に引きこもる”ことを意味しない。ミサを捧げない教会は、教会ではない。しかし、”香部屋に身を隠す教会”も、教会とは言えません」と解答。
さらに、「ミサには、その後にもたらされるものがあります。ミサでパンを裂きますが、それは『社会的義務を果たし、他者の世話をする』よう促します。祈りと仕事、神の礼拝と兄弟姉妹への奉仕は並行するもの。すべての兄弟姉妹の中に、私たちはイエス・キリストを見るからです」と語られた。
「新自由主義的経済モデルは、限界に達したように思われるが、それに代わるものはあるのか」という問いには、「経済は、”社会的な経済”でなくてはなりません。市場経済に『社会的』という言葉を加えたのは、ヨハネ・パウロ2世でした」とされたうえで、「現在の経済危機は深刻。世界の多くの人が、食べるためにも、生きるためにも事欠いている。豊かさは大企業を動かす一部の人々の手の中にあり、これらの企業は時として人々を搾取する傾向にある。経済は、常に社会に奉仕するもの、社会的なものであるべきです」と述べられた。
(編集「カトリック・あい」)