・菊地・司教協議会会長が”シノドスの道”アジア大陸レベル会議報告

(2023.3.3 週刊大司教)

2023asiasynod02 教会は2021年から2024年に向かって、”シノドスの道”を歩んでいるのは、ご存じの通りです。

 全体としては、それぞれの教区での取り組みに始まって、大陸レベルの取り組み、そしてローマでの会議と続いていきますが、その行事とは別に、教会が交わりの共同体として「共に歩む」ことを基本的な姿勢として身につけることを、この取り組みは求めています。

 御聖体と御言葉の内に現存される主イエスに生かされる神の民は、互いに耳を傾け、支え合いながら、祈りをともにすることで、教会に対する聖霊の導きを識別し、この世界にあって主イエスの与えられた福音宣教の使命を果たしながら、御父に向かって正しい道を歩み続ける教会共同体であることを目指しています。

 したがって”シノドスの道”は、ローマでの会議へ向けた一連の出来事と、それぞれの教会での取り組みの継続という、二つの道を同時にたどる歩みです。

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 そのシノドスの道の、大陸別会議が、現在相次いで開催されており、アジアの会議も、先日2月23日から27日まで、タイのバンコク大司教区司牧センター「Baan Phu Waan」を会場に、80名近い参加者を得て開催されました。

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 今回の会議は、各国からの回答書をもとにバチカンのシノドス事務局によって昨年10月末に作成された文書、「あなたの天幕に場所を広く取りなさい」(イザヤ 54・2)に基づいて、アジアではこの1月15日までにFABC(アジア司教協議会連盟)に提出されたアジア各国の回答書をもとに分かち合いを行いました。

 2月24日と25日の小グループでの分かち合いに基づいて「識別と文書作成チーム」によってアジア大陸レベルの回答書が作成され、26日には全体会議でその枠組みを承認。さらに会議が終わり参加者が帰国を始めた27、28両日、同チームが作業を続け、出来上がった回答書は、3月3日の日本時間の午後にオンラインで開かれるFABCの中央委員会(各国の司教協議会会長がメンバー)で採択、バチカンに送付される予定です。

 バチカンのシノドス事務局は、これらに基づいて6月頃までに作業文書を作成し、それに基づいて10月の世界代表司教会議第一セッションがローマで行われます。

 様々な段階で作成されている文書の邦訳は、中央協議会のこちらをご覧ください

 今回のアジアの大陸別シノドスは、正式名称を「Asian Continental Assembly on Sunodality(シノドス性についてのアジア大陸会議)」と言い、全体では、6名の枢機卿、5名の大司教、18名の司教、28名の司祭、5名の女性奉献生活者、18名の信徒が参加しました。またバチカンからは、事務局長のグレック枢機卿、会議のRelatorであるオロリッシュ枢機卿、事務局秘書のシスター・ナタリーも参加し、さらにバチカンの広報からかなり大がかりなチームが参加して、発信をしていました。

 参加者については、事前にバチカンの事務局から、各国の司教協議会会長に加えて、あと二名と指定があり、しかもそのカテゴリーにも指定があったため、FABC事務局でその指定にあったカテゴリーを各国に振り分けました。

 日本には、会長の司教の他に、若い教区司祭と女性信徒の指定があり、英語での会議参加などの条件を勘案して、高松教区の高山徹神父とJLMM事務局の辻明美さんに、代表として参加していただきました。

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 また文書を作成するための「識別と文書作成チーム」は、中央・南・東南・東アジアからそれぞれ一人ずつ出すことになり、東アジアからは、これも英語で自由に文書作成の作業ができる人と言うことで人選に難儀しましたが、中央協議会で翻訳などのお手伝いもいただいているセルヴィ・エバンジェリー会員の西村桃子さんにお願いしました。

 このチームにはこれ以外に、司祭の神学者が2名、信徒の神学者が2名(男女一人ずつ)、そして事務局次長が加わりました。現場でチームの応援団として事務局長のわたしと会長のボ枢機卿で作業を見守りましたが、短時間に集中して文書を作成したチームには、感謝しかありません。

 今後、参加してくださった方々からの振り返りも含めて、カトリック新聞などで発信がある予定ですが、それを通じて、さらにシノドスの道程を深めていくことができればと思います。ともに歩む道程には、常に主ご自身が共にいてくださることを心に留めたいと思います。

(菊地功=きくち・いさお=カトリック日本司教協議会会長、東京大司教)

(編集「カトリック・あい」)

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2023年3月4日