・”シノドスの道”の大陸レベル会合後の歩みについてシノドス事務局が会見

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*目覚ましい多様性が一致の道に

 会見に出席したオーストラリア司教協議会会長でパース教区長のジョン・コステロ大司教は、まず、それぞれの大陸レベルの会合が「スタイルと内容の面でかなり異なっていたが、そのことは、教会がグローバルで普遍的なものであることを示している」と述べたうえで、オセアニア地域の会合の経験を踏まえ、「私たちは教会ですでに現実となっている多様性の大きさを、改めて認識した。 これにより、均一でない中での深い一体感が可能になるが、実際には、厳格な均一性のあらゆる探求を放棄することが求められた。霊的な対話の実践が、会合出席者の間に互いを尊敬する空気を作り出す上で重要でした」と語った。

 ナタリー事務局次長は、7 つの大陸レベル会合のうち 4 つに参加したが、「霊的な対話が、広範な教会活動の代表者やさまざまな国の代表者の対話に役立つことに気付きました」とし、 「オセアニア地域の海洋汚染や中東危機などの問題に向き合う時、霊的対話が、共働と連帯を促進し、”シノドスの道”の歩みを続ける希望が生まれるのを経験しました」と語った。

 また、「この方法論が、教会の多様性の素晴らしさに貢献し、より大きな言論の自由をもたらすことが分かった。大陸レベルの会合で明確になったことの一つは、『多様性は一致への道でもある』ということ、それと、”シノドスの道”には障害もあるが、改善の余地があること、でした」と指摘した。

 

*大陸レベルの会合はあくまで”シノドスの道”の一過程

 

 コステロ大司教は、大陸レベル会合の最終報告書をもとに19日まで開かれた専門家会合に触れ、「世界の各教区、各国レベルの報告をもとにした作業文書の策定以降の”シノドスの道”の歩み、作業文書をもとにした大陸レベル会合の報告書内容を詳細に評価・分析した。霊的対話の手法も取られました」と語ったうえで、 「大陸レベル会合は、あくまで”シノドスの道”の歩みの一過程。歩みに参加された方々が、これまでの熟考と識別のすべての作業を、これで終わらせないように希望したい。また、これまでに策定された作業文書や、大陸レベルの報告書を深く読み返してほしい。これらの文書は、 10 月の世界代表司教会議に参加する人々を刺激し、準備に役立ち続けるでしょう」と強調した。

 

 

*”デジタル シノドス”も進展

 続いて、バチカン広報省のルシオ・アドリアン・ルイス次官が「Digital Synod initiative」について説明し、制度的教会に関わらない人々を”シノドスの道”の対話に招き入れる狙いで生まれたこの企画には、「発足時に250 人の”デジタル宣教師”が参加したが、現在は 1000 人を超えている。主に 18 歳から 40 歳の間の人々に手を差し伸べることができた。3割が未信者が、教会から離れた信者。アンケートに対しては、115 か国の人々から 7 つの言語で 15万件の回答があり、2000万人の潜在的な閲覧参加者が見込まれるます」と述べた。

 

*”シノドスの道”と教会一致運動が相互に貢献

 バチカンのキリスト教一致推進省のヒヤシンス・デスティベル神父は「カトリック教徒が他のキリスト教徒から受け取ることができる贈り物の1つは、まさに“共働性”の経験でしょう。当省は、昨年から今年にかけて 4 つの国際会議を企画、実施し、キリスト教他宗派の現実から共働性の経験を理解しました。会議には、 カトリックの神学者とシノドス事務局のメンバーも出席し、教会が彼らから何を学ぶことができるかを聞き、理解しました」とし、教皇も「キリスト教一致運動は、”シノドスの道”の歩みに貢献し、”シノドスの道”の歩みは教会一致運動に貢献している」と語られている、と述べた。

 

*”シノドスの道”のこれからの歩みは

 大陸レベル会合を終えた”シノドスの道”の次の段階は、10月の世界代表司教会議に向けた準備文書の策定だ。シノドス事務局のナタリー事務局次長は、5 月末までに文書の策定が終わり、公表されることを目指している、とするとともに、作業文書の重要なポイントの 1 つとして「現在の”シノドスの道”の歩みを通して、世界の多様な文化や状況の中で 『1 つの教会』になるための方法を識別し、さらに学び続けること」を挙げ、”シノドスの道”は、「何をどのレベルで決定すべきか、適応と柔軟性を備えた一致の原則をどのように明確にするかについての演習の機会になる」と語った。

 またコステロ大司教は、”シノドスの道”の歩みが「今も進行中のプロセスにあること」を改めて強調。「歩みのさまざまな段階で、結果がどうなるか、結論がどうなるかを知りたい、と言う誘惑にかられるでしょうが、結論を急ぐことは、結論に向かう旅の重要性を無視することになります」と述べ、必要なことは、「スキルと洞察力を使って共働性を展開できるようにすること」、「聖霊が私たちを主が望んでおられる方向に導いてくださること」だと語った。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年4月21日