・中南米教会会議、各国で”シノダル(共に歩む)教会”の推進を確認、来年2月から各国レベルで

The first Ecclesial Assembly of Latin America and the CaribbeanThe first Ecclesial Assembly of Latin America and the Caribbean 

(2021.11.29 Vatican News  Lisa Zengarini)

 ラテンアメリカとカリブ海地域のカトリック教会の司教、司祭と一般信徒が参加する初の教会会議が11月21日から8日間にわたってメキシコシティを会場に、オンラインを主体に開かれ、28日、今回の成果をもとに、各国レベルの教会会議を開いていくこと、周辺地域に新たな福音宣教の道を拓くこと、すべての地域に出ていく教会に努めること、などを確認して、閉幕した。

 この教会会議にはラテンアメリカとカリブ海地域の司教200人、司祭・修道者0人、一般信徒など400人が参加。この地域での教会の福音宣教の使命を強く果たしていくために、今、直面している課題について話し合った。

*福音宣教における若者と女性の役割強化

 閉幕後に発表されたメッセージは、「私たちは皆、外に出かけていく宣教師」と題され、12の具体的な取り組みが示された。

 12の取り組みには、この地域の社会全般と教会における不公正をなくしていくための変革とその主体として若者の役割を重視し強化すること、教会の働き、識別、意思決定のプロセスへの女性が積極的な参加すを推進すること、などが盛り込まれた。

*”聖職者主義”の根絶、貧しい人々の叫びに耳を傾ける

 また、”聖職者主義”を根絶し、文化的、政治的、社会的、教会的変革をもたらすために一般信徒の参加を促進するため、”シノダリティ”(共に歩む)の徹底を強調。また、現在の新型コロナウイルスの大感染が、社会的不平等をさらに拡大させている、として、とくに貧しい人々や社会から疎外された人々の叫びに耳を傾けることを強く訴えている。

*生命を守るためのコミットメント

 さらに、受胎から自然死にいたる人間の命と尊厳を守ることへの決意を確認。そのためにも、神学校の聖職者養成カリキュラムを改革して、地球環境を守り育てる統合生態学、先住民たちが守って来た文化の受容、異文化、教会の社会的教えなどを、講座として取り入れることを提案している。

*先住民族の権利を擁護する

 先住民に関しては、教皇フランシスコがアマゾン地域シノドスを受けた使徒的勧告「愛するアマゾン」をもとに、先住民とアフリカ系アメリカ人の権利、彼らの生活、土地、文化を守り育てることの重要性を指摘した。

*シノダリティ(共に歩む)は教会の取るべき道

 最後にメッセージは、今日の教会が取るべき道は”シノダリティ”(共に歩む)にあることを強調。「それは一時的な流行や空虚なスローガンではありません。教会の本質であり、すべての神の民が共に歩むことを可能にするもの」と訴え、今回の教会会議の形を各国の教会の草の根レベルで実現することを約束した。

 以上の12の取り組みは、来年2月に開催が予定される各国レベルの教会会議から具体的に進められる予定だ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2021年12月1日

・シノドスの道ー日本の司教協議会、バチカン決定受け各教区からの報告期限を来年6月4日に延長

 「シノドスの道」の歩みについてバチカンのシノドス事務局は先月28日付けで、各国司教会議の取りまとめ期限を来年4月末から来年8月15日に延期することを決め、各国の司教協議会に通知したが、日本の司教協議会は8日、各教区から司教協議会への報告期限を来年2月末から来年6月4日まで延ばす、と発表した。

 小教区などからの教区への報告期限は、各教区が判断し、今週中にも小教区の主任司祭などに通知される見通しだが、これまで、極めて期間が限られ、対応が間に合わないとの声も出ていた、小教区での「歩み」に、余裕が生まれることになり、司祭、信徒のこの期間延長を活用した対応が期待される。

 

2021年11月9日

・”シノドスの道”の第一段階を4か月延長、来年8月15日までにーバチカン・シノドス事務局

(2021.10,30カトリック・あい)

 教皇フランシスコの10日のミサで始まった”シノドスの道”のスケジュールについて、バチカンのシノドス事務局が29日、”シノドスの道”の第一段階(小教区・司教区から各国司教協議会のまとめまで)を「来年4月まで」から「8月15日まで」に延長する、と発表した。第二段階(アジア、米大陸、欧州大陸など地域レベル)の来年9月から再来年2023年3月まで、そして第三段階のシノドス第16回通常総会の2023年10月開催の日程に変更はない。

 発表では、延長の理由を「神の民が本当に”聴くこと”と”対話すること”を経験できるように、より大きな機会を提供するため」としているが、同時に「これまでに、第一段階の期間を延ばすように、との多くの意見が寄せられた… 事務局は、常に教会にプラスとなることを求め、そうした要請を受け止めた。シノドスが『耳を傾ける教会』であること認識し、第一段階の期間について判断した。”シノドスの道”にとって不可欠なこと」とも述べている。

 事務局が準備書面を各国の司教協議会に通知したのが9月初めであり、その一か月後から第一段階、つまり小教区・教区から各国司教協議会レベルに至る”道”の第一段階の期限が約半年後、という性急さに、アジアの司教協議会連盟などから、期間の延長を求める声が相次いでいた。当初は予定通りの実施を貫こうとしたものの、教皇が願われている小教区を含めた、世界の全信徒の参加、という”道”の歩みに支障が出る可能性を認識し、”シノドスの道”開始早々のスケジュール変更に踏み切ったとみられる。

 

 

2021年10月30日

・【解説】再改”シノドスの道”とは何か、なぜ今「ともに歩む教会ー交わり、参加、そして宣教」なのか、どう歩むか(「カトリック・あい」))

(2021.10.29 カトリック・あい)

 ”シノドスの道”の歩み旅が「ともに歩む教会のため——交わり、参加、そして宣教」をテーマに10月10日にバチカンで、17日に日本を含む全世界の教区で、開始を告げるミサとともに始まった。

 2023年10月に予定する世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会に向けて、世界の全ての司祭、信徒が参加して、小教区・教区、国、そして世界と段階を追って歩みを進めていく前例のない、画期的な試みだが、世界はもちろん、日本の教会をみても総じて前向きであるようには見えない。

 そうした中で、東京教区など前向きな取り組みを進めようとする教区でさえも、司祭、信徒の間で、なぜ今、2年かけての”シノドスの道”なのか、これまでのシノドスとどう違うのか、小教区や教区でどのように交わり、参加、そして宣教を進めるのか、そもそも何を話し合おうというのか、数多くの「?」が解消されず、「カトリック・あい」にも、多くの問いが寄せられている。

 ”シノドスの道”への理解が少しでも進み、提唱者の教皇フランシスコの思いに応えて、ポスト・コロナの新しい、共に歩む教会に向けた取り組みに、多くの司祭、信徒が参加していただくために、少しでもお役に立つことができれば、との考えから、若干のご説明と資料をまとめてみた。

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*「シノドス」とは

 ギリシャ語(Σύνοδος)。 σύν(sún=with) と δός(hodós=path)を組み合わせた言葉。つまり「一緒の道=共に歩む」。それが「集まり、集会」を意味するようになり、カトリック教会で、「世界代表司教会議」を指すようになったのは1960年代の第二バチカン公会議の議論を踏まえて教皇パウロ6世が1965年に自発教令をもって、「世界代表司教会議」を定期的に開くようになってから。

 目的は、現代社会の中で教会が考えねばならない課題を話し合い、取るべき方策などについて教皇に提言すること。1967年にバチカンで初めて開催され2018年までに15回開かれた。

 

*今回の”シノドスの道”の特徴

シノドスの期間・広がり=公会議と違って、決定権がない。話し合われた意見をまとめて、教皇に提言し、教皇がそれを受けて、「使徒的勧告」を出すのが慣例。今回は、これまでの一回の会議ではなく、2年かけて、世界の小教区から教区、国、地域、そしてバチカンでの世界代表司教会議と段階を踏み、すべての司祭、信徒参加のもとに「出会い、聴き、識別する」を進めていく、という、前例のないものだ。

②テーマの広がり=「ともに歩む教会のため——交わり、参加、そして宣教」。これまでのシノドスのテーマ、「司祭養成」「家庭の召命と使命」「若者、信仰、そして召命」などに比べ、包括的、抽象的とも言える。テーマに示された過程そのものが目的の一つになっている。

 

*「シノドスの道」の歩みをどう進めるか

 教会ではロザリオの月、世界宣教月間、12月8日までのヨゼフ年があり、「兄弟の皆さん」と「ラウダートシ」の二つの回勅を学ぶ運動も続いているーコロナ禍で、どうしてまた新しい教会行事を?と思われるかも知れないが・・・

 ・教皇の強い思いは・・・ 教皇があえて、この時期に「シノドスの旅」を始めようとされたのは、かねてから訴えておられるように、「コロナ禍による『危機』を『機会』ととらえ、教会の刷新、新たな教会への旅立ちの機会とする」、世界のすべての司祭、信徒の参加でそれを進めたい、という強い思いから。教会のそれぞれの行事を“点”とすれば、”線“”面“。

 ・コロナ禍で、時間的にも制約があるが・・・教皇庁のシノドス事務局が示した日程では、2023年10月の世界の代表司教が集まるシノドス通常総会までに、世界の小教区・教区⇒各国⇒地域(アジア、オセアニア、欧州、南北アメリカなど)に段階的に歩みを進めていく、となっている。

 【各国レベルのまとめは来年4月、菊地大司教によると、教区のまとめは来年2月末とされていたが、バチカンの事務局が10月29日になって、第一段階(小教区・教区から各国司教協議会でのまとめまでの期間)を来年4月としていたのを、来年8月15日まで約4か月延長したことから、小教区の教区への報告の期限も延ばされることになる。】

 バチカン事務局の当初発表よりも少し期限が延びることから、”シノドスの道”の歩みの最初、小教区レベルの歩みにも余裕が生まれる。余裕を活用し、小教区として体制を整え、教皇の思いを積極的に受け止め、コロナで受けた様々な痛み、苦しみを希望に変え、生き生きと共に歩む教会を目指して、限られた時間の中で、出来る限り進めたい

何を具体的な意見交換のテーマに進めたらいいか。

 バチカンのシノドス事務局の準備書面と手引書には、小教区・教区・小グループの意見交換の進め方として⓵自分たちの体験を思い起こす②それを深く、具体的に述べる③そうした経験をもとに、何が求められているかーが基本的な問いかけ、として示され、さらに10のテーマに分けて問いかけの例が示されているが、「すべての問いかけを網羅する必要はなく、それぞれが置かれた状況に最も当てはまる、『共に歩む』ことの関わるテーマを選び、焦点を当てるべき。参加者は、自分の実生活での体験を正直かつ率直に話し、互いに話し合ったことを通じて、聖霊が何を示しているかを一緒に考えることが勧められる」とし、また「キリスト者として直面している課題や、新型コロナウイルスの大感染の中での教会のあり方、各々の教区、小教区などの状況に関連した事象など、共通の関連した経験を中心とした分かち合いに焦点を当てることができます」ともしている。

 以上から、まず、”シノドスの道“の狙い、意義などについて理解を共有する。そのうえで、例えば、現在最も多くの方が共通して関心と課題として持っている「コロナ」を主題として取り上げ、⓵現在のコロナ禍で教会生活で、家庭生活で、地域社会での生活で気づいたこと、辛いと思ったこと、助けが欲しいと思ったこと ②コロナ禍で得た教訓や気が付いたこと ③ 以上をもとに、「共に歩む教会」として、あるいは「共に歩む教会」となるために、信徒として何ができるか。特にコロナが終息した後で、”新生教会“はどうありたいか、信徒は司祭は教区はどうしたらいいと思うか・・を聖霊の導きの下に、思いを述べ合うこと。

 意見交換の場としては “第6波”への警戒も怠ることなく、感染再発に注意を払いつつ、⓵現在、定期的に活動しているグループ(運営委員会、主日の福音を味わう会など ②地区会の集まり ③ミサ後に小教区全信徒を対象に2‐30分程度の集まり ④そのうえで、補完的にアンケート形式で全信徒の声を聴く―というやり方が現実的と思われる。

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(問題意識として、例えば・・

・コロナ禍で公開ミサ中止あるいは、参加者制限などの中で、とくに高齢者など弱い人々がミサから、教会から離れているのではないか。行きたい、つながりたい、と思っていても。

・インターネットでの動画配信も、そうした手段を持たない、使うことが困難な高齢者を中心とした信徒には利用できない。また、コロナ禍で周囲を見ると、中高齢者の”インターネット離れ“が進む兆候が見られるのではないか。

・コロナ禍の約2年の間に、高齢化が進み、配偶者を無くし、自分自身も足腰が弱くなり、外出も困難になる信徒も増えている。高齢者に留まらず、若者や外国人労働者の教会離れが進んでいるのではないか。

・悲しみを癒やし、再開されたミサに参加できるようなサポートは個人的に出始めているが、個人的、には限界がある。それに対応できない教会の問題点、弱点が露呈しているのではないか。

・教会として、具体的にどのような体制、意識を作ることができるか、傷を抱えた人たちが教会に来たい、と思えるような教会を作り、コロナ禍で離れた信徒を呼び戻し、苦しみ、悲しみにある信徒、特に高齢者を「共に歩む」列に戻すこと、そのためにどのようなことが考えられるか。

・ポスト・コロナの”新しい教会”を、信徒の連携、運営制度の建て直しを含め、どのような形が望ましいか、どこから手を付けたらいいのか。

・その際の、教区との連携・注文は?他の小教区との連携・協力はどのように進めればいいのか?

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 以上に「シノドスの道」をどう歩むかについて、簡単にまとめたが、共通理解を深める一助として、以下にⅠ教皇の”道“開始に当たっての9日の講話、Ⅱ菊地・東京大司教のメッセージとⅢ開始ミサの説教、それと、Ⅳ教皇庁のシノドス事務局の準備文書の要点の抜粋、Ⅴ「シノドスのための祈り」を以下にお示ししたい。「カトリック・あい」では、これからも、”シノドスの道”についてのバチカンや内外の動き、解説、論評などを取り上げ、掲載していく。

(「カトリック・あい」代表 南條俊二)

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Ⅰ ”シノドスの道”始まるー「聖霊に導かれ、すべての人の参加を」と教皇講話 (2021.10.9 Vatican News)

 

 10日の聖ペトロ大聖堂でのミサで始まる”Sinodal Path(シノドスの道)”を控え、教皇フランシスコが9日、世界の教会、組織の代表の全体集会に出席、”シノドスの道”を歩む「神の民」が聖霊に導かれ、共に進み、互いの声に耳を傾け、連帯することで、私たちの時のしるしを識別することができるよう祈られ、以下のように語られた。

 シノドス(世界代表司教会議)の第16回通常総会は2023年10月に「共に歩む教会のために―交わり、参加、そして宣教」をテーマに開かれるが、従来のシノドス総会と異なり、全世界の信徒、司祭など”総参加”で、今月から2年かけて、小教区から教区、各国、地域、そしてシノドス総会に至る”シノドスの道”を歩もうとするのが特徴。

 ”シノダリティ(共働性)”とは、互いの声、そして聖霊に耳を傾け、共に歩むこと、を意味する。本来、教会の本質的な特徴とされるべきものであり、それを、”シノドスの道”で深めるのが根本的な狙いだ。この過程で、特に一般信徒、中でも弱い立場にあって声を上げられない人に耳を傾けることが重視されている。

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*シノドスの道のキーワード「交わり、参加、宣教」

  教皇は、今回のシノドス定時総会のテーマである「交わり、参加、宣教」を取り上げ、「『交わり』と『宣教』は、『教会の神秘』を示している。第二バチカン公会議によると、『交わり』は教会の本質そのものを表わすもの、とされている。聖パウロ6世教皇によれば、『交わり』は、結束と内面の充満、恵み、真理と協力…そして宣教、つまり、今日の世界への使徒的献身であり、聖ヨハネパウロ2世教皇は、koinonia (神と人、人と人の交わり)はコイノニアが、人類家族の神との親密な一致のしるしとしての奉仕する教会の宣教の使命を果たすもとだ、としておられます」と指摘。

  このような理由から、教皇は「今回のシノドス定時総会には十分な準備が必要であり、特に、すべての信徒、司祭が参加する小教区、教区レベルの準備が重要です」と強調された。

*信徒全員の参加、小教区、教区レベルの取り組みが重要

  さらに教皇は、「交わり」と「宣教」は、シノドスの道の歩みのすべての段階で具体的に表現され、すべての人の参加が進められない限り、抽象的なものになるリスクがある、と注意され、 「洗礼を受けたすべての人は、教会の生活と宣教の使命に参加するように召されているのです」と訴えられた。

  

*避けるべき3つのリスクー「形式的、表面的イベント」「博学だが抽象的な処方箋」「自己満足」

  シノドスが冒しやすいリスクとして、本物の霊的識別を働かせるのではなく、”単なる形式的、表面的なイベント”にしてしまうこと」を挙げ、そうならないために、「私たちに、神の民の中、とくに司祭と信徒の間で、対話と交わりを活発にすることのできる中身、手段、仕組みを作ることが求められているのです」と指摘。

  もう一つのリスクとして、シノドスが「“知的”に走り、教会の諸問題と世界の諸悪に対して、”博学ではあるが抽象的”なー聖なる神の民が置かれた現実と世界中の共同体社会の具体的な暮らしからかけ離れたー処方箋を示す可能性」を指摘。

  そしてシノドスが避けねばならない三つ目のリスクとして、「”自己満足への誘惑”がある」とされ、「私たちはいつもこうして来ましたー『変えない方がいい』と。『complacency(注:自己満足から来る安心感)』という言葉は、教会の活動における毒です」と言明。

  シノドスの道の歩みは、「local Churches(注:小教区、教区など)を巻き込んだ歩み、様々な異なる段階でボトム

アップしていく歩み、宣教の使命に向けた交わりと参加のスタイルを作り上げていく歩みなのです」と強調された。

 

*シノドスが提供する3つの機会を生かす

  また教皇は、「出会い」「聴き」「じっくりと考える」のシノドスのプロセスは、神の民、教会が少なくとも3つの機会を見分けるのに役立つ、とされ、

一つ目は、すべての人がくつろいで参加できる『シノドス(共働)的な教会』を実現する機会

二つ目に、シノドスは私たちに、まず崇敬と祈りをもって聖霊に、そして私たちの兄弟姉妹、彼らの希望、世界中の信仰の危機、司牧活動の刷新の要請に『耳を傾ける教会』になるための、『お決まりの手順を破り捨て、立ち止まって耳を傾ける』機会

   さらに、シノドスは、教会の存在そのものによって社会、世界との友情のより大きな絆を編み上げる「親密さの教会」となる機会、でもある、と指摘され、「人々の暮らしと関わりを持ち、現代社会の問題と要請に密着し、人々の傷に包帯を巻き、壊れた心を”神の香油”で癒す教会」にならねばならない、と言明された。

(翻訳・編集「カトリック・あい」)

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Ⅱ 菊地大司教の「シノドスの歩み開始」メッセージ抜粋 2021年10月14日 

教皇フランシスコは2023年秋に世界代表司教会議(シノドス)の第十六回通常総会を開催することを決定され、そのテーマを「ともに歩む教会のため-交わり、参加、そして宣教-」と定められました。

教皇は、今回のシノドスが、その意味するところである「ともに歩む」プロセスを教会が具体的に生きる存在となることを望まれ、新たなシノドスのあり方を定められました。教皇は、今回のシノドスが、ローマで開催される2023年10月の代表司教たちによる会議だけに終わるのでなく、世界中のすべての教区が、ともに識別の時を過ごし、神の民を構成するすべての人が、その歩みに加わるようにと呼びかけられています。

今回のシノドスの歩みに取り組むために、東京教区の担当者として小西広志神父様を任命して準備を進めております。今回の歩みは、イベントや多数決で何かを議決する会議を開催することが主眼ではなく、神の民のすべての部分が、共通の信仰の理解を持ち、交わりを深め、福音を宣教する共同体へと変わる回心の歩みであります。それは東京教区の宣教司牧方針の具体化とともにある歩みでもあります。

来年の2月までの期間、教区の皆様と歩みを共にし、ともに識別することが出来るように、さまざまな材料を今後提供してまいります。その後も、2023年のローマでの会議が終了するまで、関連する情報を、教区ホームページや教区ニュースで随時提供してまいります。

どうか一緒になって、交わりと参加の歩みをともにしてくださいますようにお願いいたします。

 

Ⅲ「交わり、参加し、宣教する神の民となるように」10月17日、菊地大司教”シノドスの道”開始ミサ説教(抜粋) 

 

教皇様は、2023年秋に世界代表司教会議(シノドス)を開催することを決定され、そのテーマを、「ともに歩む教会のため-交わり、参加、そして宣教-」と定められました。

 その上で教皇様は、教会全体にとって、シノドスがまさしくその意味するところである「共に歩む」プロセスの具現化となることを望まれて、これまでとは異なるシノドスのあり方を定められました。それは、シノドスがローマで行われる2023年の司教たちによる会議だけに終わらず、世界中すべての教区のすべての人と歩みを共にするプロセスとなることであります。

 そこで今回は、2021年10月からシノドスの歩みを始めることになり、まず最初の半年ほどで各教区での振り返りと識別が行われ、そこからアジアやアフリカなどの地域別に繋がり、あらゆる声に耳を傾けた上でローマでの会議という、2年間にわたるプロセスが開始されることになりました。

 2015年にシノドス創設50周年の式典が行われた時、教皇様はこう述べておられます。 「まさに『シノドス性』の歩みとは、神が第三千年期の教会に期待しておられる歩みなのです。ある意味、主が私たちに求めておられることは、すべて『シノドス』(共に歩む)という言葉の中に既に含まれています。信徒と司牧者とローマの司教が共に歩むこと、それを言葉で言うのは簡単ですが、実行に移すことは、それほど容易ではありません」

  共に旅を続ける神の民にあって、私たち一人ひとりには固有の役割が与えられています。共同体の交わりの中で、一人ひとりがその役割を十全に果たすとき、神の民全体はこの世にあって、福音を証しする存在となり得ます。

 私たちの信仰は、神の民という共同体の信仰です。一つのキリストの体に結ばれた、共同体の信仰です。私たちの信仰は、その共同体における「交わり」のうちにある信仰です。

 「交わり」とは、「共有する」ことだったり、「分かち合う」ことだったり、「あずかる」ことを意味しています。私たちの信仰は、キリストの体である共同体を通じて、キリストの体にあずかり、命を分かち合い、愛を共有する交わりの中で、生きている信仰です。

 交わりは参加を生み出します。一人ひとりが共同体の交わりにあって、与えられた賜物にふさわしい働きを十全に果たしていくとき、神の民は福音を証しする宣教する共同体となっていきます。ここにシノドスのテーマである「共に歩む教会のため-交わり、参加、そして宣教-」の意味があります。

 今回のシノドスの歩みを通じて私たちは、共同体における信仰の感覚を通して、「神の民である」という自覚を深めるように招かれています。社会の現実、特に今般の新型コロナ大感染による痛みへの共感を持つように招かれています。社会にあって、今を一生懸命に生きている人たち、すなわち貧しい人々との対話や連帯へと招かれています。命を生きる道や文化の多様性を尊重するように招かれています。信仰において、互いに裁くものではなく、許し合うように、と招かれています。

 東京教区では、折しも宣教司牧方針を、今回と同様に多くの方の意見に耳を傾けながら定めたところです。発表直後から感染症の状況に翻弄されており、宣教司牧方針を公表したものの、深めることが一切、できずにおりました。

 今回のシノドスの歩みは、そういった状況にある東京教区にとっては、ふさわしい呼びかけとなりました。シノドスの歩みをともにすることで、私たちは「今の東京教区の現実の中で、神の民であるとは、どういう意味があるのか」を理解し、深めようとしています。

 そのプロセスの中で、交わりを深め、共に参加し、福音を告げる共同体へと豊かになる道を模索していきます。そのことはちょうど、東京教区の宣教司牧方針の三つの柱、すなわち、「宣教する共同体」「交わりの共同体」「すべての命を大切にする共同体」の実現と直接につながっています。

 本日からシノドスの道を共に歩み、共に振り返り、共に理解を深め、共に祈りながら、私たちが交わり、参加し、宣教する神の民となるように、教区の宣教司牧方針を深めながら、旅路へと招かれる主の声に耳を傾けてまいりましょう。

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Ⅳ 教皇庁シノドス事務局作成のシノドス準備文書から―冒頭の1,2、5項と結論部分、30、31項

 

1. 神の教会はシノドスに呼ばれている。「共に歩む教会のため:交わり、参加、宣教」と題された歩みで、全教会が自身の活動と宣教の使命にとって決定的な重要性をもつテーマを深く考えるように勧める。

 今回の旅は、第二バチカン公会議が提起した教会「刷新」を継承するものであり、賜物であり、なすべき課題でもあるー共に旅をし、これまでの旅を共に振り返ることで、教会は自己の経験を通して学ぶことができるだろう。そのような手順を踏むことが、教会が「交わり」を生きたものとし、「参加」を実践し、(宣教の)使命に積極的に取り組むのを助けることを可能にする。私たちが「共に旅する」ことは、まさに、巡礼者、宣教する神の民としての教会の性質を最も効果的な実践、証しである。

2.基本的な問いが、私たちを促し、導く。これからさまざまなレベル(小教区、司教区レベルから全世界レベルまで)で行われるこの「共にする旅」で、教会は託された使命に従って、どのように福音を宣べ伝えることができるのか?教会、そしてシノドスとして成長するために、聖霊は私たちに、どのような段階を踏むことを勧めるのか?

  この問いに共に取り組むには、思いのままに吹く風を好まれる聖霊の声を聴く必要がある。(略)そうすることで、シノドス的な回心のいくつかの果実を収穫し始める動きが起き、次第に充実したものとなる。 (略)

5.新型コロナウイルスの大感染の世界的な悲劇は、「私たちが地球的な共同体の一員であり、全員が同じボートに乗っている、そこでは一人の問題が全員の問題となる、という感覚を一瞬、復活させた。一人だけが救われるのでなく、皆が一緒に救われるのだ、ということに改めて気づかせた」(回勅「Fratelli tutti」32項)。

  同時に、この大感染は、既にある不平等と不公正を”爆発”させたー人類は(社会の)”大衆化”と”断片化”が進むことでますます動揺させられているように見える。世界のあらゆる地域で難民・移民が直面している悲劇的な状況は、一つであるはずの人間家族を引き裂く障壁が、未だにどれほど高く、強固であるか、を見せつけている。

30.”シノドスの道“で追求すべき10のポイント

経験を活かし、”相談”により豊かな方法で貢献するのを助けるために、「生きたシノダリティ」のさまざまな側面を明確に表現する、”旅”の核を以下に示す。 これらをもとに、さまざまな地域の状況に合わせて調整し、必要に応じて取りまとめ、説明し、簡素化、あるいは深化すること、また、参加と対応が困難な人に注意を払う必要がある。

The Journeying Companions(旅の仲間たち

Listening(耳を傾ける): 

Speaking Out(勇気を持って語る)

Celebrating(祝福する): 

Co-responsible in the Mission(使命を果たすことへの共同の責任)

Dialogue in Church and Society(教会の中、そして社会の中での対話)

With the Other Christian Denominations(キリスト教の他宗派との関係)

Authority and Participation権威と参加): 小教区、司教区で、権威はどのように行使されているのか、信徒の役割と責任はどのように強められているのか、など。

Discerning and Deciding識別し、決定する):私たちは(注:小教区、司教区で)どのような手順と方法で共に識別し、決定を下すのか、など。

Forming Ourselves in Synodalityシノダリティの中で私たち自身を形成する): 

31.シノドスの旅の第一段階の目的は、個々の地域の現状に対応する最も適切な仕方を通して、異なる全てのレベルで(小教区から司教区に至る)それぞれの教会の司牧者と信徒を巻き込む、様々な意見と様相の中で、生きたシノダリティ(共働性)の経験の豊かさを集合するために、幅広い”consultation(相談”)のプロセスを進めることにあるー”相談”は司教によってコーディネートされ、「それぞれの教会の司祭たち、助祭たち、そして一般信徒たちに対して、個別に、集まりで、神に身を捧げた男女が提供できる価値ある貢献を見落とすことなく、なされる」。(略)

(翻訳・編集「カトリック・あい」)

 

 

Ⅴ【シノドスのための祈り】


Adsumus Sancte Spiritus
(聖霊よ、私たちはあなたの前に立っています)

聖霊よ、私たちはあなたの前に立ち、あなたのみ名によって集います。
私たちのもとに来て、とどまり、一人ひとりの心にお住まいください。
私たちに進むべき道を教え、どのように歩めばよいか示してください
弱く、罪深い私たちが、一致を乱さないよう支えてください。
無知によって誤った道に引き込まれず、偏見に惑わされないよう導いてください
あなたのうちに一致を見いだすことができますように。
私たちが永遠の命への旅を続け、真理と正義の道を迷わずに歩むことができますように。
このすべてを、いつ、どこにおいても働いておられるあなたに願います。
御父と御子の交わりの中で、世々とこしえに。
アーメン。         

(カトリック中央協議会訳、「カトリック・あい」編集=表記は当用漢字表記に修正)

 

2021年10月29日

・”シノドスの歩み”東京教区のビデオ公開始

(2021.10.20 「菊地大司教の日記」より)

 2023年秋の世界代表司教会議(シノドス)第16回総会への歩みが、全教会で始まりました。最初の時期、今年の10月から来年3月頃までは、それぞれの地方教会での分かち合いと識別のときです。各教区には担当者が任命されていますが、東京教区の担当者である小西神父様が共通理解のためのビデオを作成してくださってます。順次公開されていきますが、その一回目と二回目が公開されました。

 以下に、その一回目と二回目をリンクします。元になる小西神父様が用意された原稿は、教区ホームページに掲載されていますので参照ください。

 シノドスに向けてバチカンから示された問いかけに、即座に答えを募集したら良いのではないかとお考えになるかもしれません。しかし今回は、回答を積み重ねることよりも、一緒になって理解し、一緒になって識別し、一緒になって歩むことを、教会全体が当たり前のこととして身につけること自体が重要視されています。

 つまり今回のプロセスは、2023年秋の会議で結論が出て終わるものではなくて、これからの教会のあり方そのものを決定づける「出来事」です。今回、これまでを振り返りつつ話し合うことは、これからも話し合い続ける内容ですし、2023年の会議が終わっても話し合い続ける内容です。また東京教区にとっては宣教司牧方針を具体化する上での大切な教会のあり方でもあります。教皇様は、教会共同体そのものを、聖霊の導きに素直に従う共同体へと変えようとされています。

 ご自分のスマホやパソコンで、用意されたビデオを見ることができる方は、それができない方にも分かち合ってください。感染対策で大勢が集まることはできませんが、数名で一緒に見たり、二人で見たり、このビデオの分かち合いからすべてを始めましょう。

 Youtubeでご覧になれますから、近頃はご家庭のテレビがインターネットにつながっていたりするので、そういった手段でもご覧ください。ご覧になっていろいろ思うことがあると思います。後で役に立つと思いますから、メモしておかれることをお勧めします。

2021年10月20日

・北アイルランド司教団”シノドスの道”を共に歩もう、と全信徒に呼びかけ(VN)

Irish Bishops invite faithful to walk together on Synodal journeyIrish Bishops invite faithful to walk together on Synodal journey 

(2021.10.18 Vatican News staff reporter)

 教皇フランシスコが10日、2023年の世界代表司教会議(シノドス)通常総会に向けた”シノドスの道”の開始を宣言したのを受けて、世界の司教区も17日から取り組みを始めているが、北アイルランドののアーマー教区では、イーモン・マーティン大司教、マイケル・ルーター補佐司教が17日、教区の信徒たちに司牧書簡を送り、「豊かで、活発な教会を作るために、共に歩もう」と呼びかけた。

*21世紀の現実の中で福音を広める方法は

 書簡では、「教皇フランシスコが、シノドスの旅に共に参加するように、世界の信徒たちを招いておられます」としたうえで、「シノドス」とは「共に歩むこと」を意味し、共に歩み、語り合う中で、21世紀のさまざまな問題の中で福音を広めるために最もよい方法を「識別するー見出す」ことをめざしている、と説明。

*共通の洗礼で結ばれていることを確認

 「私たちは、洗礼を受けたすべての人の考えと知恵をもらえるように、神の民の生きた信仰の感覚に耳を傾けることができるように、できるだけ多くの人々に参加してほしい」と呼びかけた。

 そして、教区にとっての”シノドスの道”の課題は、「歴史のこの重要な節目に、聖霊が私たちに何を語っておられるかを、共に見極めることです」と述べ、教皇が”シノドスの道”のテーマとして選ばれた「シノドス的な教会のためにー交わり、参加、そして宣教」のもとに、「シノドスの道の歩みが私たちを親密にし、キリストの体のメンバーとして、共通の洗礼によって結ばれていることを確認できるように」との希望を述べた。

*極めて困難な世俗的環境の中で神の呼びかけに応える

 また、アイルランドでは何世紀にもわたってカトリックの信仰が受け継がれてきたが、「今日、私たちは非常に困難な世俗的な環境の中で生活しています。悲しいことに、多くの人々は『イエス・キリストに出会い、信じ、従う』ことの喜びを知りません」としたうえで、「洗礼の恵みを受けたすべての信徒が、神の呼びかけに応え、すべての人に奉仕するためのさまざまな贈り物をもたらす方法を見つけることができれば、教会活動は、今よりもはるかに豊かで活発になる」と信徒たちを励ました。

*すべての信徒の参加を

 さらに、”シノドスの道”からは「誰も除外されず、すべての信徒が招かれ、参加を歓迎されます」とし、特に、一般信徒、女性が、重要な役割を担うことを強調。今後の進め方として、アーマー司教区では、今後数か月にわたって、いくつかの問いかけに、信徒たちが答えるよう求められる。最初の段階は、信徒たちがさらに教区レベル、国レベルの交わりに参加する機会に繋げる方針で、この歩みは、「司祭、信徒たちが聖霊に耳を傾け、アーマー教区、アイルランド、そして世界の教会に、神が今、何を望んでおられるかを識別する機会なのです」と改めて強調している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年10月19日

・ドイツ教会の”シノダル・パス”は世界の教会の模範になる、と外部関係者(LaCroix)

Germany's "Synodal Path" is a model for the global Church, says observerSynodal Path opens with Mass in Frankfurt Cathedral on January 30, 2020. (Photo by ANDREAS ARNOLD/DPA/PICTURE-ALLIANCE/MAXPPP)

(2021.10.12 LaCroix  By Christa Pongratz-Lippitt | Austria)

    教会改革を議論するためにドイツのカトリック教徒が2年前に開始した”シノダル・パス”の手法は、世界の教会が始めた”シノドスの道”も模範になるだろう、と外部関係者はみているようだ。

 その一人がルクセンブルクのキリスト教会評議会の元会長でSIGNIS(世界カトリック情報通信協会)の元副会長、テオ・ペポルテ氏。9月20日から10月2日の現地ドイツでのシノドス関連の活動に参加した18人の国際オブザーバーの1人だが、見聞したことに大いに感銘を受けたという。ドイツ司教協議会の公式サイトに「ドイツの教会がとっている手法は、間違いなく、世界の教会が採用すべき模範になる」と語った。

*”シノダル・パス”のきっかけは「聖職者の性的虐待問題」

 ドイツの司教団と一般信徒によるドイツ・カトリック教徒中央委員会は2019年の終わりに”シノダル・パス”を開始した。聖職者による性的虐待が引き起こした危機によってもたらされた荒廃で、多くの信徒の教会離れが起きていることへの、対応を検討するのが狙いだった。以来、司祭と信徒代表合わせて約230人が参加し、「権力と抑制、均衡 」「性道徳」「司祭の生活様式」「教会における女性の役割」の4つの部会で教会改革について話し合いを進めている。

 「論争は全く当たり前のことです」。ペポルテ氏は、”シノダル・パス”を発足させ、勇気を持って前進させたドイツの教会の姿勢を評価した。 「”シノダル・パス”は、異なる意見をまとめることがいかに難しいかを示しています。しかし、議論されているテーマはとても複雑であり、意見の違いから論争が起きるのは、驚くに足りません」と述べた。

*論争が起きるのは当然のこと、恐れるな

 またぺポルテ氏は「ドイツ人が非常に思慮深く、慎重に歩みを進めているのは、良い兆候だと思う。教会の諸問題について開かれた議論が行われるのはとても良いことです。もちろん、論争につながる可能性もありますが、一部に限られます。すでに長い間、教会は多元主義の下に歩んできたし、論争は避けられない。”シノダル・パス”に参加している人の大多数は、ドイツ司教協議会の会長、副会長とドイツ・カトリック教徒中央委員会の会長、副会長で構成される幹部会が提案する教会改革の道筋を支持しているのは明確です」と強調した。

 それは、教会改革に反対する少数派の意見が抑圧されたことを意味するものではないが、ぺポルテ氏は「教会改革の必要性は切実な課題です。ドイツ教会のやり方が共通のよい目標につながる可能性は、とても高い、と確信しています」とし、 「私たちルクセンブルグの教会や他の欧州諸国の教会も、そこから多くのことを学ぶことができる。ドイツで行われていることが、世界の”シノドスの道”に流れ込むことを強く望んでいます」と語った。

*信徒の信頼喪失への処方箋は”シノドスの道”しかない

 さらに、「ドイツの”シノダル・パス”のきっかけとなった聖職者による性的虐待問題の衝撃はまだ続いている。この問題が明るみに出るかなり以前から、欧州諸国の教会に対する信徒たちの信頼は、失われ始めていたと思う。性的虐待問題は、信頼の喪失を加速させただけ、と言えます」「司教たちさえもこう言っています。『私たちは、今までの歩みを続けることはできない。教会のシステム全体を内部から刷新する必要がある』と。そして、シノダル・パスが、刷新のための唯一の方法であり、一般信徒の参加を求めるのが最も重要なことだったのです」とペポルテ氏は述べた。

 欧州諸国の教会は、これまで長い間、同様の問題について議論してきた。だが、「残念ながら、ルクセンブルグの教会では、信徒たちが教会改革への関心を失っており、メディアで教会のことを取り上げることは、ほとんどなくなっている。この”教訓”から、ドイツの信徒たちに、一般社会とのつながりを断ち切らないように期待します。一般社会と遊離した教会にとって、改革が切実に必要とされているもう一つの理由なのです」と訴えている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2021年10月17日

・小教区内の基礎共同体は”シノドスの道”を支えるーアフリカのトーゴで(LaCroix)

Mass in a church in Lomé, Togo (Photo: Pascal Deloche/Godong/Leemage)Are Basic Christian Communities the way to achieving synodality?

(2021.10.13 La Croix  By Charles Ayetan | Togo)

 世界のいくつかの地域のカトリック教区は、第二バチカン公会議以来、小教区内での小グループの形成を奨励してきた。これはトーゴの教会の物語だ。

 西アフリカのトーゴにカトリック教徒による最初のBasic Christian Communities(BCC=キリスト教基礎共同体)が出来たのは1995年。ロメ大司教区の「ウガンダの聖殉教者教会」主任司祭、故アントワーヌドグロ神父が、フィリップ・クポズロ大司教の支援を受けて作った。

 それから四半世紀、BCCは教区内に広がり、現在はイレネ・シレテ・トカノウ氏が大司教区のBCC担当となって、BCCの新設、活動支援を行っている。

BCCの設立のパイオニアであるドグロ氏と協力し、外国も訪問して他国の教会の経験を学んだ。「BCCが出来たおかげで、信徒たちは、孤立して生きてはならないことを理解しました。教会は家族、理想のために集まる人々のグループだ、ということも」とトカノウ氏は語る。

 BCCは共通の活動プログラムを持つ一方で、それぞれの特色をもって活動しているが、その内容は、霊的、経済的、社会的、そして文化的な活動と様々。小教区の中で連合を作り、情報交換や活動の調整などもされている。

 ロメから約35kmの町にある「使徒聖ヨハネ教会」のBCC連盟のアントワーヌ・アティグロ会長である「BCCでは、すべての人の声に耳を傾ける地域コミュニティを構築し、信徒たちが愛や連帯などの価値観を高めるように努めている」と言い、ロメの東隣、アネホ教区の「希望の聖母教会」のBBCで会計を担当しているフリーマン・ホオウソウノクぺ氏は「私たちは地域社会で信仰を生き、新生児の誕生、洗礼、結婚、葬儀に至る行事に参加し、夫婦間の対立など家庭の問題が解決できるように助けています」と説明する。

 また、ロメから北に400キロ離れたカラ教区のガブリエル・ホゾ神父は「キリスト教基礎共同体の展開は、教会内部における”中央集権”排除の一つのあり方であり、司牧者とその協力者が、自分たちの教区、信徒、そして自分たちが置かれている現実を深く知ることを可能にしており、司祭たちは自分の小教区について、世界的な視野で見ることができるようになり、進んで、司牧活動と福音宣教に励むようになっています」とBCCの効果を語った。

 ホゾ神父はさらに、教皇フランシスコが始められた”シノドスの道”の歩みとの関係で、「BCCは、信者の意見と貢献を考慮に入れたシノダリティ(共働的)な教会実現への手段として機能している」と指摘した。

 神父が監督しているBCCは、小教区の司牧評議会にBCC代表として参加し、小教区の企画・管理・運営などの決定に加わっており、「BCCは、先にバチカンが発表したシノドス準備文書に基づいて小教区が果たす役割の一端を担っている」と語る一方、 「小教区内にはまだまだBCCを新設する余地が残っています。BCCの新設は続けねばなりません。また、BCCが本来の主旨から外れないように、信徒たちを監督、訓練することも必要です」と語っている。

Read more at: https://international.la-croix.com/news/religion/are-basic-christian-communities-the-way-to-achieving-synodality/15040

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

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2021年10月17日

・「交わり、参加し、宣教する神の民となるように」菊地大司教が”シノドスの道”の歩み開始のミサ


(2021.10.17 菊地大司教の「司教の日記」より)

 10月17日、教皇様は世界中のすべての教区で、2023年秋のシノドスに向けた歩みを始めるように、と指示をされました。東京教区では、カテドラルである関口教会の午前10時のミサを、大司教司式ミサとして、シノドス開始のミサとしました。

Synodsoct17c 神の民としてともに歩みこの道程は、教会のあり方を見つめ直し、新たなあり方を模索する道ですから、教会にとっての回心の道でもあります。

 関口教会のミサでは、本来は聖堂の外でシノドスの祈りを唱え、回心を象徴して灌水した後に、皆で入堂する予定でしたが、あいにくの雨模様となり、皆さんには席に着いたままで、侍者と司祭団が大扉から入道しながら灌水して始めることといたしました。

 シノドス事務局が準備した文書には、今回のシノドスの目的がこう記されています。

 「次の基本となる質問が私たちを促し、導いてくれます。今日、さまざまなレベル(地方レベルから全世界レベルまで)で行われているこの「共に旅をする」ことは、教会がゆだねられた使命に従って福音を宣べ伝えることを可能にするでしょうか。また、シノドス的な教会として成長するために、聖霊はどのような段階を踏むようにわたしたちを招いているでしょうか」

 この準備文書に記されている10の「探求すべきテーマ」については、今後順に説明してまいりますし、教区のホームページの特設コーナーでは、今週以降、順次、共通理解のためのビデオを公開します。一緒に歩みましょう。

 以下、本日のミサの説教の原稿です。

【年間第29主日B 東京カテドラル聖マリア大聖堂 2021年10月17日】

 教皇様は、2023年秋に世界代表司教会議(シノドス)を開催することを決定され、そのテーマを、「ともに歩む教会のため-交わり、参加、そして宣教-」と定められました。

 その上で教皇様は、教会全体にとって、シノドスがまさしくその意味するところである「共に歩む」プロセスの具現化となることを望まれて、これまでとは異なるシノドスのあり方を定められました。それは、シノドスがローマで行われる2023年の司教たちによる会議だけに終わらず、世界中すべての教区のすべての人と歩みを共にするプロセスとなることであります。

 これまでは、テーマに基づいた準備文書がバチカンの事務局で作成され、それに対して各国の司教団が回答を送り、さらにその回答に基づいて具体的な討議資料が作成されて本番の会議に臨むというプロセスでした。これでは確かに、司教たちの考えは集約されますが、教会全体の識別を反映しているとは言い難い。

 そこで今回は、2021年10月からシノドスの歩みを始めることになり、まず最初の半年ほどで各教区での振り返りと識別が行われ、そこからアジアやアフリカなどの地域別に繋がり、あらゆる声に耳を傾けた上でのローマでの会議という、2年間にわたるプロセスが開始されることになりました。

 すでに先週、教皇様は、今回のシノドスのプロセスの開始を、ローマから告知されていますが、世界中の教区は10月17日の主日を持って、それぞれの教区におSynodsoct17dけるシノドスの歩みを始めるようにと指示をされています。東京教区では本日のこのミサを持って、また各小教区で同様の意向で捧げられているミサを持って、シノドスの歩みを開始いたします。

 9月の初めにローマ教区の信徒代表たちとお会いになった教皇様は、その席で、「教会が『リーダーたちとその配下の者たち』とか、『教える者と教わる者とから成り立っている』という凝り固まった分断のイメージから離れることには、なかなか手強い抵抗があるが、そういう時、神が立場を全くひっくり返すのを好まれることを、忘れている」と指摘されています。

 これまでのやり方に固執することなく、勇気を持って新しいあり方を模索することは、教皇フランシスコが教会にしばしば求められる道です。

 2015年にシノドス創設50周年の式典が行われた時、教皇様はこう述べておられます。

 「まさに『シノドス性』の歩みとは、神が第三千年期の教会に期待しておられる歩みなのです。ある意味、主がわたしたちに求めておられることは、すべて『シノドス』(共に歩む)という言葉の中に既に含まれています。信徒と司牧者とローマの司教が共に歩むこと、それを言葉で言うのは簡単ですが、実行に移すことは、それほど容易ではありません」

 第二バチカン公会議の教会憲章は、教会が個人の信心の積み重ねと言うよりも、全体として一つの神の民であることを強調しました。教会憲章には、「しかし神は、人々を個別的に、まったく相互の関わりなしに聖化し救うのではなく、彼らを、真理に基づいて神を認め忠実に神に仕える一つの民として確立することを望んだ」(「教会憲章」9項)と記されています。

 さらに教会憲章は、洗礼によって一つの民に結び合わされた私たちは、「ある人々はキリストの御心によって他の人々のための教師、神秘の分配者、牧者として立てられているが、キリストのからだの建設に関する、すべての信者に共通の尊厳と働きについては、真実に平等」(「教会憲章」32項)であると記しています。

 共に旅を続ける神の民にあって、私たち一人ひとりには固有の役割が与えられています。共同体の交わりの中で、一人ひとりがその役割を十全に果たすとき、神の民全体はこの世にあって、福音を証しする存在となり得ます。

 私たちの信仰は、神の民という共同体の信仰です。一つのキリストの体に結ばれた、共同体の信仰です。私たちの信仰は、その共同体における「交わり」のうちにある信仰です。

 「交わり」とは、「共有する」ことだったり、「分かち合う」ことだったり、「あずかる」ことを意味しています。パウロのコリントの教会への手紙に、「私たちが神を賛美する賛美の杯は、キリストの血にあずかることではないか。私たちが裂くパンは、キリストの体にあずかることではないか」と記されていました。その「あずかる」が、すなわち「交わり」のことです。私たちの信仰は、キリストの体である共同体を通じて、キリストの体にあずかり、命を分かち合い、愛を共有する交わりの中で、生きている信仰です。

 信仰の共同体の中に生じる「交わり」は、父と子と聖霊の交わりの神の姿を反映しています。「交わり」は、私たちの共同体で行われる典礼や祈りによって生み出され、豊かにされていきます。

 交わりによって深められた私たちの信仰は、私たち一人ひとりを共同体のうちにあって、ふさわしい役割を果たすように、と招きます。交わりは参加を生み出します。一人ひとりが共同体の交わりにあって、与えられた賜物にふさわしい働きを十全に果たしていくとき、神の民は福音を証しする宣教する共同体となっていきます。ここにシノドスのテーマである「共に歩む教会のため-交わり、参加、そして宣教-」の意味があります。

 今回のシノドスの歩みを通じて私たちは、共同体における信仰の感覚を通して、「神の民である」という自覚を深めるように招かれています。社会の現実、特に今般のパンデミックによる痛みへの共感を持つように招かれています。社会にあって、今を一生懸命に生きている人たち、すなわち貧しい人々との対話や連帯へと招かれています。命を生きる道や文化の多様性を尊重するように招かれています。信仰において、互いに裁くものではなく、許し合うように、と招かれています。

 シノドスの準備文書の冒頭にこう記されています。

 「共に旅をし、これまでの旅をともに振り返ることで、教会はその経験を通して、どのようなプロセスが、交わりを生き、参加を実現し、宣教に自らを開くのに役立つかを学ぶことができるのです」

 東京教区では、折しも宣教司牧方針を、今回と同様に多くの方の意見に耳を傾けながら定めたところです。残念ながら、発表した直後から感染症の状況に翻弄されており、宣教司牧方針を公表したものの、深めることが一切、できずにおりました。

 今回のシノドスの歩みは、そういった状況にある東京教区にとっては、ふさわしい呼びかけとなりました。シノドスの歩みをともにすることで、私たちは「今の東京教区の現実の中で、神の民であるとは、どういう意味があるのか」を理解し、深めようとしています。

 そのプロセスの中で、交わりを深め、共に参加し、福音を告げる共同体へと豊かになる道を模索していきます。そのことはちょうど、東京教区の宣教司牧方針の三つの柱、すなわち、「宣教する共同体」「交わりの共同体」「すべての命を大切にする共同体」の実現と直接につながっています。

 本日からシノドスの道を共に歩み、共に振り返り、共に理解を深め、共に祈りながら、私たちが交わり、参加し、宣教する神の民となるように、教区の宣教司牧方針を深めながら、旅路へと招かれる主の声に耳を傾けてまいりましょう。

(編集「カトリック・あい」=漢字の表記は原則として当用漢字表記に準じています)

2021年10月17日

・”シノドスの道”の歩み開始ー米国の中小教区は「もっと”時間”が欲しい」と(Crux)

(2021.10.16 Crux  National Correspondent  John Lavenburg) 

 ニューヨーク発—教皇フランシスコの10日の開始ミサ司式で2年にわたる”シノドスの道”の歩みが始まったが、テキサス州ラレド教区のジェームズ・タマヨ司教は11日になっても、教区でこの歩みを進める担当者を決められずにいた。

 教区として、歩みへの意欲は十分あるが、担当者を”自発的に”決めるのが難しいのだという。タマヨ司教は「私たちの教区のような中小の教区では、自発的な担当者を見つけるのは難しい。その理由は、資金、それと時間を割くことのできる人の確保の問題です。無償で教会での活動や地域社会での活動にすでに参加している人に、さらに無償で”シノドスの道”の推進に時間を割け、と言えるでしょうか」と語った。

 Cruxは今週、米国のラレド教区のような中小規模の教区の責任者と接触し、”シノドスの道”への取り組みを聞いた。教区で担当者を選べなかったのはラレド教区だけだったが、他の中小教区も取り組みに難渋している。信徒数のわりに担当地域が広く、点在した司祭、信徒との意思疎通を図るのは容易でない、特に”非カトリック地域”に居る信徒とは難しい、などの問題を抱えているのだ。

 全米司教協議会(USCCB)の正義と平和・人間開発委員会のリチャード・コル委員長は、”シノドスの道”を歩む上で、物理的、財政的な問題が中小教区で起きる可能性を認めたうえで、そうした問題を克服するために、教区が援助を受けられるようにすることを検討している、と述べ、「時間が問題です。バチカンのシノドス事務局から準備文書が出されたのが先月。私たちの取り組みはまだ初期段階にあります。具体的な支援策を立てようとしているのですが、バチカンの事務局からも、こうした問題に対処するための追加情報が示されることを期待しています」と語った。

 また、すでに実施している対策として、教区レベルの”シノドスの道”の歩みを円滑にするための指針をまとめ、18日までにWebのサイトを開設し、歩みを進めるための資料の提供や、質問への対応を始める、という。教区レベルの対応は、当然、それぞれに地域の事情などによって異なって来るが、一般的には、司祭、信徒の声を聴く場を設け、教区の事務局やソーシャルメディアを活用して、小教区や様々な教会共同体の声をまとめ、それをもとに、教区としての考えをまとめる、ということになる。

 だが、「時間」は全米の各教区にとっても課題だ。教区レベルの”シノドスの道”の歩みを始めるのは17日の主日のミサから、あと一日しかない。まだ、歩みをどのように進めるか具体的な計画はまとまっていない。ラレド教区のタマヨ司教は「USCCBを通じて教皇に私たちの声を送りたい。だから、シノドスへの取り組みは諦めないが、他の教区ほど早くは始められないかも知れません」と述べた。

 ジャクソン区教区のコパックス司教は、2人の担当者を決めて「チームを結成する途中」と言う。

 ケンタッキー州レキシントン教区のジョン・ストウ司教は「出発点として17日の日曜日を位置付けているが、信徒の大半は「シノダリティ、を良く知らないので、この歩みをどうしていくか皆に知れ渡るために時間がかかる」と語る。全米の各教区と共に、17日に”シノドスの道”の歩みを開始するミサを捧げ、バーベキューの食事会と、「シノダリティ」の意味などについて、簡単な意見の交換をし、歩みの進め方について信徒たちから質問や提案を受けられるようにするという。

 USCCBのコル委員長は、「(注:来年の3月までに教区としての意見をまとめる、というバチカンの事務局から示された)現在のスケジュールを守るために、可能な限り速やかに、しっかりと対応する必要があります」と語る。「教区は事前に計画を立て、予算を割り当て、担当者など人材をそろえる必要があるので、私たちも急がねばなりません」としつつ、 「確かに定められたスケジュールを尊重しますが、時間に余裕がもらえればありがたい」とバチカンのシノドス事務局に、教区レベルの意見取りまとめ期間の延長を希望していることを示唆した。

 このような「時間」の問題と共に、司教たちが”シノドスの道”を歩む上で懸念しているのは、「米国社会の二極化現象が与える影響」だ。

 コパックス司教は「キリストの精神と心から答えを得る方法として、対話と、聖書をもとに問いを投げかけることを計画している」と言う。「癒しを必要としている、祝福を必要としている、力を必要としている、と人々が大っぴらに語る場を考えているのです。”二極化”の観点から見て、出来る限り”論争”を起こさないようにすることを望んでいます」。

 すべきことは残っており、予期しない課題が待ち受けている。

 それでも、司教たちは、これまで経験したことのない新しい道を先導することについて楽観している。「この歩みが、私たちが教会にもっと積極的に関わっているのだ、と感じさせてくれることを願っています」とタマヨ司教は期待を述べた。「私の意見、心配、夢、そして展望を聞いた、と人々が言うところから、人々が教会から必要としていると言うことについて必ずしも同意しない人たちの声を聴くところから、私たちは歩み始める。そして、私たちは共に、隣人としてお互いを見始めるのです」。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

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2021年10月16日