Participants at the Continental Assembly for Africa
(2023.3.3 Vatican New Andrew Kaufa, SMM – Addis Ababa)
エチオピアの首都アディスアベバで開かれていた”シノドスの道”のアフリカ大陸レベル会議で、参加者たちは2021年10月に”シノドスの道”の歩みが始まってから経験したことに喜びをもって感謝している。
会議ではアフリカ全土から集まった枢機卿、司教、司祭、修道者、若者を含む信徒が10 人づつの小グループに分かれて意見交換をし、過去 1 年半の”シノドスの道”の歩みで経験し、学んだことを分かち合った。
ある英語圏の国々のグループの参加者は「sinodality(共働性)は、アフリカでの私たちのやり方の一部になっており、アフリカの教会で進んで受け入れられています。将来の教会につながる歩みを促進しています」と評価。
他の英語圏グループの参加者は「歩みの中で、聖霊が、若者も女性も障害者も、アフリカの教会として共に歩むよう私たちを招いておられることを感じました 。 また、教会の所有権は私たち全員に属している、ということを確認し、一般信徒も教会の所有、運営に責任をもち、改善に率先して自由に行動することができるできるという認識を持ちました。これはまだ進行中ですが、それがアフリカの教会のあり方にならねばならない、と確信しました」と述べた。
*”ピラミッド構造”の教会は、参加型で”耳を傾ける”教会に変わる必要
フランス語圏のあるグループの代表者は、「現在の”ピラミッド構造”の教会は、参加型で”耳を傾ける”新しい教会に道を譲らねばならない、と認識しました」とし、「”シノドスの道”は、教会の新しい”ライフスタイル”として受け入れられる必要があり、そのために一般信徒の積極的な関与が欠かせません。”シノドスの道”の枠組みは、私たち全員が『宣教師』になることを求めており、私たちに与えられた使命について説明責任を負うことを求めています」と強調。
また別のグループは「教会の”ピラミッド”構造は、シノドスの精神によってのみ改善される。そして、聖体拝領などの秘跡を受けるのを妨げられているキリスト教徒に秘跡への道を開くことができるのです」と指摘した。
*教会における女性と若者の役割を高める必要
参加者たちはまた、”シノドスの道”の歩みが、将来の教会における女性と青少年の役割に関するいくつかの洞察を深めるのに役立った、と口をそろえた。そして、「女性は教会の主要なメンバーです。 多くの女性たちが取り残されている。教会や社会で賜物を分かち合うことが許されねばならない。また、青少年は教会の希望の源。 彼らは自己表現の機会が与えられることを希望しています。 彼ら自身の生活に影響を与える否定的な力を黙って受け入れてはならないのです」と強調した。
*新たな教理教育の必要
”シノドスの道”を歩む経験の中で、アフリカの教会の聖職者、一般信徒が重要視した他の側面には、聖体拝領の精神性を高める必要、”ピラミッド型”の教会構造の改革、教会に対する帰属意識と所有権の感覚を高め、聖職者主義のリスクに対処する取り組み、などがある。
ある参加者は「これらすべての課題に対応するために、新たな教理教育が必要です」と述べ、また「”シノドスの道”を共に歩むのは、重要なことですが、困難を伴うのも事実。”シノドスの道”は、改革をもたらすことを意味し、そのために忍耐も必要です」と語った。
また 別のグループは、「誰もが教会に提供するものを持っており、”シノドスの道”の歩みは、人と人との絶え間ないコミュニケーションを必要とし、互いに耳を傾け、教会で信徒は司祭と共同責任を果たしていくもの」と付け加えた。
(2023.2.28 バチカン放送)
教皇フランシスコがベルギーのカトリック系週刊誌「テルティオ」のインタビューに答えられた内容が28日発表された。。
それによると、同誌のヴァン・リエルデ編集長が、教皇と第二バチカン公会議の関係について質問。「あなたの在位期を理解する鍵は、第二バチカン公会議にあるのではないか。同公会議の内容の実践を推進しようとするのは、どうしてですか」と聞いた。
これに対して、教皇はまず、「歴史家たちによれば、一つの公会議の決定が完全に効力を表し、それが実践されるまで一世紀かかると言われています。私たちがそこに至るまで、今からさらに40年が必要です」と前置きされたうえで、「第二バチカン公会議がもたらしたものは、教会の刷新だけではありません。『教会を常に生き生きしたものにする』という挑戦でした」と強調。
さらに「公会議は教会を新たにするのではなく、若返らせるのです。教会は常に前進する母です。第二バチカン公会議は、教会が時代のしるしと共にさらに成熟するための扉を開きました」とされ、「たとえば、『教会憲章』は、最も伝統的な公文書であると同時に、最も近代的なものでもあります。『教会』という仕組みの中で、伝統は常に新しい。なぜなら、『伝統』とは常に発展、成長していくものだからです」と語られた。
また「第二バチカン公会議の内容の適用と実践には、sinodality(共働性)の促進も含まれていると思いますが」の問いに、教皇は「パウロ6世は、公会議の終わりに、東方典礼カトリック教会がsinodal(共働的)側面を保つ一方で西方教会がそれをほとんど失ってしまったことに衝撃を受けられた。そして、シノドス事務局の設立を決め、教会に新しいsinodalityを推進しようとされました」と述べ、「第二バチカン公会議がsinodality(共働性)の重要さを再認識する契機」となったことを指摘された。
続いて、リエルデ編集長が「ベルギーの教会では、聖職者の数も、信徒の数も減少しています。教会の指導者たちは典礼と福音宣教に焦点をあてる傾向がありますが、今、教会が注目されるためには、社会的・預言的面に注力すべきではないでしょうか」と聞いたのに対して、教皇は「それらは互いに矛盾するものではありません。祈りと礼拝と信心業は、”香部屋に引きこもる”ことを意味しない。ミサを捧げない教会は、教会ではない。しかし、”香部屋に身を隠す教会”も、教会とは言えません」と解答。
さらに、「ミサには、その後にもたらされるものがあります。ミサでパンを裂きますが、それは『社会的義務を果たし、他者の世話をする』よう促します。祈りと仕事、神の礼拝と兄弟姉妹への奉仕は並行するもの。すべての兄弟姉妹の中に、私たちはイエス・キリストを見るからです」と語られた。
「新自由主義的経済モデルは、限界に達したように思われるが、それに代わるものはあるのか」という問いには、「経済は、”社会的な経済”でなくてはなりません。市場経済に『社会的』という言葉を加えたのは、ヨハネ・パウロ2世でした」とされたうえで、「現在の経済危機は深刻。世界の多くの人が、食べるためにも、生きるためにも事欠いている。豊かさは大企業を動かす一部の人々の手の中にあり、これらの企業は時として人々を搾取する傾向にある。経済は、常に社会に奉仕するもの、社会的なものであるべきです」と述べられた。
(編集「カトリック・あい」)
(2023.2.25 Vatican News Sr Bernadette M Reis, fsp – Bangkok)
バンコクで開かれている “シノドスの道”のアジア大陸レベル会議は24日、バチカン・シノドス事務局のシスター・ナタリー・ベカー次長が冒頭、講演し、synodality(共働性)は「神の呼びかけ」であることを強調した。
「第二バチカン公会議を受容する今、synodalityは第三・千年紀の教会に対する神のご意思として認識され、(2020年5月に開かれた)若者をテーマとしたシノドス(世界代表司教会議)でその意味が明確にされています」としたうえで、そのシノドスで行われた「若者の声に耳を傾け、識別する」から得られた成果の1つは「今、信仰を伝える唯一の方法は… 『synodal church(共働的教会)』になること」と皆が理解したことだった、と述べた。
*”シノドスの道”は”回心と変容の道”とシノドス事務局次長
さらに、「synodalityにはkenosisすなわちself-emptying( ケノーシス=本来は「キリスト が人間 と一体化する ために 自らの 意志 で行なった 神性 の放棄 」を意味するが、この場合は『自己を空にする』という意味で使っているようだ)が必要。それは、謙虚に語り、相手に耳を傾ける大いなる勇気が求められる”回心と変容の道”です」と強調。そして、「 内なる真理について聖霊の動きに注意を向ける必要があります」と述べた。
*”未知”への恐れを越え”核心”に導かれる
またナタリー次長は、「感謝の気持ちもsynodalityに大切な要素です」とし、 「私たちがすでに受け取っているsynodalityの賜物を識別することができればできるほど、未来のために過去をもっと語ることになるでしょう。なぜなら、synodalityは創造的な道だからです」と語った。
そして、現在の”シノドスの道”の自分たちを、マタイ福音書14章に書かれた、湖を渡らねばならなかった弟子たちになぞらえ、「そこには未知の世界があり、私たちも弟子たちのように恐れるかもしれません。しかし湖を渡ることは、私たちをsynodalityの核心に導き、時のしるしについての私たちの識別力を深めることになります」と強調した。
*”シノドスの道”を「神の呼びかけ」と確信すれば、歩み続ける恵みをいただける
ナタリー次長は24日の会合の前の作業について、「優先事項を選ぶことの重要性」を強調。各国の司教協議会などの代表者たちが用意している文書は、”シノドスの道”の次の段階とローマでの世界代表司教会議のための作業文書の起草のためにアジアの特定の貢献を言葉で表すものであることから、優先事項は、アジアの教会らしさを深めるものとなる必要がある。Synodality は私たちを”教会化”する、そのような道です」とし、「私」から「私たち」に移行し、交わりに導く「霊的対話の方法論」であることを明確にした。
最後に、”シノドスの道”で恐れが起きるのは自然なことであり、「”シノドスの道”が前提としている『霊的変容』は”冒険”。なぜなら、至る所で変化ー新たな生き方ーの呼びかけを受け、恐れをもった抵抗を経験するからです。しかしもし、それが本当の『神の呼びかけ』、そして『神のご意思』だと確信するなら、私たちは、その道の識別を続ける恵みをいただくでしょう」と語った。
*大陸レベルの報告草案に欠けている内容を話し合う
続いて演壇に立ったシノドス事務局方法論委員会のメンバー、クリスティーナ・ケン博士は、さまざまな”ギャップ”についての小グループによる検討作業について説明したー大陸レベルの文書から欠落している、十分に話し合われていない問題、”ギャップ”として包含できるアジアの諸現実、そして対話の中に含めることを希望する見解などだ。
この後、 祈りとグループ別話し合いがあり、全体会合でその結果が報告された。報告された”ギャップ”には、”シノドスの道”を歩み始めた個別の教会、家庭の問題、人身売買の問題、移民・難民問題、簡易宿泊所のケアの問題、 平和構築のための宣教活動、キリスト教徒が少数派である国での宗教間対話、synodal Church(共働的教会)としての。 シノドス教会としての通じ合い、などがあった。
*グループ別話し合いで報告草案の修正案検討
さらに、二度目のグループ別話し合いは、ケン博士によれば、会議の最重要事項―優先順位ーに焦点が絞られた。これらの優先事項は”一般的”な優先事項ではなく、”シノドスの道”の歩みに関して、大陸としてのアジアにとっての最緊急事項で、話し合いでは、家庭、すべてのカテゴリーの信仰形成、典礼、包括性と歓待、説明責任と透明性、被造物への配慮が、頻繁に言及された。
昼食休憩の前に、参加者全員で 30 分間の黙祷を行い、 昼食後、再びグループ別話し合いを進めた。まず、今回の会議で経験した内容について霊的対話をした後、大陸レベルの報告草案の修正案について議論し、結果は全体会議での検討に回された。
最後に、パキスタン・カラチの名誉大司教、ジョセフ・クーツ枢機卿が主宰する聖体祭儀が行われ、この日の会合を終えた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
(2023.2.24 Vatican News Sr Bernadette M. Reis, fsp – Bangkok)
Logo of the Continental Assembly for Asia
(2023.2.23 Vatican News Sr. Bernadette M Reis, fsp – Bangkok)
“シノドスの道”の大陸レベル会議が24日、アジアでもタイの首都バンコクを会場に始まる。会議には日本を含む23の国から枢機卿6人、大司教・司教23人など80人が参加。会議は主催者のアジア司教協議会連盟(FABC)事務局長、菊地功・東京大司教が司式するミサで始まり、26日のFABC会長でヤンゴン大司教のチャールズ・ボ―枢機卿によるミサで終了する予定だ。
*参加者は
参加者は、枢機卿6名、司教23名、 司祭28名、女性の宗家4名、一般信徒男女19名。FABC の指導者、事務局、17 の司教協議会の会長、2 つの東方正教会のシノドスを代表している。また FABC準会員3団体からの司教と代議員。 司教協議会とシノドスのそれぞれから 2 名の代議員。 アジアのシノドス評議会および委員会メンバー。 およびFABCタスクフォースのメンバーとなっている。
また、アジアの FABC 加盟 29 カ国のうち 代表が参加したのは23 カ国で、内訳はカンボジア、ラオス、インドネシア、フィリピン、モンゴル、バングラデシュ、マレーシア、ブルネイ、ミャンマー、日本、香港、台湾、インド、東ティモール、パキスタン、 韓国、スリランカ、タイ、ベトナム、ネパール、カザフスタン、マカオ、キルギス。
*議題は
毎日提供されるオリエンテーション セッションに加えて、参加者は、シノドスの大陸段階のワーキング ドキュメント(DCS)に対する書面による回答を熟考し、識別します。 この草案は金曜日と土曜日に修正され、最終草案が議論され、最終日の26日に承認される。
*総会までの流れ
FABC シノドス・ タスク フォースは、2022 年 10 月 12 日から 30 日までバンコクで開催される FABC 50 総会を、「総会前の集まり」であり、「大陸会議で行われるより深い対話のための重要な出発点」と見なしています。 11 月の第 1 週に、DCS の一部が印刷され、すべての総会参加者に配布され、デジタル コピーがすべての FABC メンバーに電子メールで送信された。
FABC に属する 17 の司教会議と 2 つのイースタン ライト シノドスのそれぞれが、DCS について考察し、パラグラフ 106 で概説されている 3 つの質問、「直観」、「質問または問題」、および「 優先事項、繰り返されるテーマ、行動を促すフレーズです。」 1 月 30 日から 2 月 4 日まで、FABC シノダル タスク フォース、および参加するよう招待された他の人々は、報告書を検討し、DCS に応じてそれらから暫定草案を作成した。
*出てきたテーマ
23日に配布されたプレスリリースでは、暫定草案で浮上したテーマについて、貧困、宗教的対立、聖職者主義を挙げている。
*ライブストリーミングイベント
シノダリティに関するアジア大陸会議では、3 つのイベントがライブ配信されます。
• 開会ミサ:2月24日。 午前 8 時 30 分~午前 9 時 30 分 (中央ヨーロッパ標準時 2 時 30 分~3 時 30 分、東部標準時午後 8 時 30 分~午後 9 時 30 分)
• 最終セッション: 2 月 26 日。 午後 4 時~午後 5 時 30 分 (中央ヨーロッパ標準時午前 10 時~午前 11 時 30 分、東部標準時午前 4 時~午前 5 時 30 分)
• 閉会ミサ:2月26日。 午後 5 時 30 分~午後 6 時 30 分 (中央ヨーロッパ標準時午後 1 時 30 分~午後 2 時 30 分、東部標準時午前 5 時 30 分~午前 6 時 30 分)
これらのイベントは、次のチャンネルでライブ ストリーミングされます。