・日本の教会のシノドスの今後の歩みについて、菊地・司教協議会会長メッセージ

(2022.12.2 カトリック・あい)

 教皇フランシスコが提唱され、2021年10月から始まった全世界の教会参加の”シノドスの道”はコロナ禍もあって、日本などでは取り組みが活発とは言えない状況だが、歩みが「大陸レベル」に入ったこと、教皇も当初、2023年10月の世界代表司教会議通常総会で当面の歩みを締めくくる予定であったのを、通常総会を2024年10月に”第二セッション”を開くことで、歩みを一年延長することをこのほど決定された。これを受けて、日本の司教協議会では、菊地会長名で以下のメッセージを発出し、改めて「さまざまな共同体の祈りと分かち合いを通して、教会の歩むべき道の識別を続ける」よう、全教会に呼びかけを行った。メッセージ全文と関連記事以下の通り。

シノドスの今後の歩みについて

日本のカトリック教会の皆様

 シノドスの歩みにご協力いただき、ともに歩んでくださる皆様に感謝いたします。
教皇様は10月16日の一般謁見で、世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会の今後の日程を発表されました。それによると、ローマにおける総会は、2023年と2024年の二つの会期にわたって開催されることになり、その第一会期は、2023年10月4日から29日まで、第二会期は2024年の10月となりました。

 教皇様は、この複数年にわたる歩みを、当初から強調されているように、司教たちだけのものとせず、全教会が歩みをともにしながら祈りと分かち合いのうちに識別を深め、聖霊に導かれて教会のあるべき姿を再認識し、具体化するよう呼びかけています。

 各教区からの回答の提出はすでに終わり、また各司教協議会からの回答の提出も終わりました。しかしシノドスの歩みはこれで終了したわけではありません。今後も、最初の準備文書に記された十の設問などを手がかりに、様々な共同体の祈りと分かち合いを通じて、教会の歩むべき道の識別を続けていただければと思います。

 なお8月に各司教協議会や個々人から聖座のシノドス事務局に提出された回答は、その後専門家の手によってまとめられ、このたび10月27日に大陸別シノドスのための作業文書として発表されました。「あなたの天幕に場所を広く取りなさい(イザヤ54・2)-大陸ステージのための作業文書-」と表題をつけられた文書は、暫定ですが日本語への翻訳が終わりましたので、中央協議会のホームページで公開します。

 アジアの大陸別シノドスは、アジア司教協議会連盟(FABC)が主催し、2023年2月23日から27日までタイのバンコクで開催され、アジアの各司教協議会から会長と、ほか司祭・修道者・信徒の中から2名が参加することが決まっています。司教協議会会長以外の日本からの2名の参加者は、現在調整中です。

 またFABC中央委員会は、各司教協議会から1月15日までに作業文書への回答を提出することを求めていますので、現在検討を進めています。なお同作業文書には、最後の項目に三つの設問*がされています。

 同文書を読んだあとに、この三つの設問についてそれぞれの場で分かち合いをすることは、道を識別するための大きな手がかりになり得るものですので、どうぞ教会全体でこの作業文書に目を通されて、それぞれの場での状況に応じて、小グループでの分かち合いなどを継続していただければ幸いです。

 なお、大陸別シノドスのために、同作業文書について、個別の回答の受付は予定されていませんが、それぞれの分かち合いの成果を各教区のシノドス担当者を通じて各教区司教に伝えることは、識別のための助けになろうかと思います。

 2025年の聖年に向けて、教会は進むべき道を求め、またあるべき姿を模索しながら、識別の道をともに歩んで参ります。今後も、シノドスの歩みにご注目くださり、全世界の教会と歩みをともにしてくださるようにお願いいたします。

 2022年11月15日 日本カトリック司教協議会会長 東京大司教 菊地 功

*「カトリック・あい」注:三つの設問は

① 「『⼤陸ステージ⽂書』を読み、祈った後、どの直観があなたの⼤陸の教会の⽣きた 経験と現実に最も強く共鳴しているでしょうか。どのような経験があなたにとって新しく、あるいは光り輝くものでしょうか」
② 「『⼤陸ステージ⽂書』を読み、祈った後、あなたの⼤陸の視点において、どのような実質的な緊張や相違がとくに重要である、と浮かび上がりましたか。その結果、プロセスの次のステップで取り組み、検討すべき問題や課題は何でしょうか」
③ 「前の⼆つの質問から現れたものを⾒て、世界中の他の地⽅教会と共有し、2023 年 10 ⽉のシノドス第 1 回総会で議論できる優先事項、繰り返されるテーマ、⾏動への呼びかけは何でしょうか」

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*日本カトリック中央協議会が、”シノドスの道”の歩みについて、次のような記事を発出した。

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大陸ステージ(2021年10月〜2022年8月)始まる

2022年8月までに世界中の教区から集められた「声」をまとめた、シノドスの次の歩みとなる「大陸ステージ」のための「作業文書」が2022年10月27日、教皇庁シノドス事務局より発表されました。

この中で、第1ステージで世界中から集められた、宣教する教会に向けての「声」がまとめられています。さらに、「次のステップ」(98-109項)で、今後の「大陸ステージ」で行うべきことがらについて説明されています。この「作業文書」をもとに、各国で、「共鳴する点」「相違点」「世界中で論ずるべき優先事項」を浮かび上がらせます(106項)。それが翌23年1月までにまとめられ、2月、タイ・バンコックで開かれる、アジアにおける大陸別シノドスで話し合われる予定です。

 

教皇 シノドス第16回通常総会を2会期に

教皇フランシスコは、2023年10月開催予定の世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会について、2023年と2024年の2会期に分けて行うことを、2022年10月16日、バチカンでのお告げの祈りの際に発表しました。これにより、2023年10月4〜29日の第1会期と、2024年10月の第2会期の2回にわたっての開催となり、世界各地で行われた、「耳を傾け識別する歩み」の実りが、より成熟したものとなることが期待されています。

シノドスとは?

今回のシノドスのテーマは、「ともに歩む[=シノドス的]教会のため——交わり、参加、そして宣教」です。教会にゆだねられた使命に従って福音をのべ伝える教会の刷新のため、それぞれの現場で、聖職者、修道者、そして信徒がどのような経験をし、困難に遭遇し、どのように霊に導かれているかという声を、世界中から集めていきます。

この「声を集める」ための基本的な質問は以下の通りです。

シノドス的教会は、福音を告げながら、「ともに旅をする」のです。この「ともに旅をする」ということは、今日、みなさんの教会の中で、どのような形で起こっているでしょうか。わたしたちが「ともに旅をする」中で成長するために、霊は、わたしたちがどのような段階を踏むよう招いているでしょうか「準備文書」26項)。

 

 

シノダリティ(シノドス性)とは?

シノドス的な教会とは、耳を傾ける教会、信徒、司祭・助祭、修道者、司教、そして教皇が、それぞれ相互に耳を傾け合い、また全員が真理の霊に耳を傾け、霊がわたしたちに告げていることを理解するもの(教皇フランシスコ「世界代表司教会議設立50周年記念式典における演説(2015年)」より)。

「シノダリティ」が表わす主な原則は「準備文書」2項に描かれています。

  • 霊の呼びかけを思い起こす。
  • すべての人の声を聞く、参加型の教会プロセスを生きる。
  • カリスマの多様性を認識する。
  • 福音宣教のための参加型の方法を見つける。
  • 反福音的な動きを見極める。
  • 社会の癒しや和解のために信頼できる教会となる。
  • キリスト教諸派、他の宗教、市民団体との連携を強める。
  • 教会内のシノドス的な動きを促進する。

シノドスのための祈り Adsumus Sancte Spiritus(聖霊よ、私たちはあなたの前に立っています)

 聖霊よ、私たちはあなたの前に立ち、あなたのみ名によって集います。
私たちのもとに来て、とどまり、一人ひとりの心にお住まいください。
私たちに進むべき道を教え、どのように歩めばよいか示してください。
弱く、罪深い私たちが、一致を乱さないよう支えてください。
無知によって誤った道に引き込まれず、偏見に惑わされないよう導いてください。
あなたのうちに一致を見いだすことができますように。
私たちが永遠の命への旅を続け、真理と正義の道を迷わずに歩むことができますように。
このすべてを、いつどこにおいても働いておられるあなたに願います。
御父と御子の交わりの中で、世々とこしえに。アーメン。

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*大陸ステージのための作業文書「あなたの天幕に場所を広く取りなさい」(イザヤ 54・2)は、202211シノドス大陸別 DeepL日本語暫定第2.1版 (catholic.jp)に。

2022年12月2日

・「分かち合いの声をお聞かせください」-菊地・東京大司教が”シノドスの道”の歩みで呼びかけ

(2022.12.2 カトリック・あい)

 菊地・東京大司教が11月30日付けの「司教の日記」で、”シノドスの道”の歩みについて、東京教区の司祭、信徒たちに、次のように呼びかけられた。

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分かち合いの声をお聞かせください@シノドスの歩み

 様々な機会に繰り返してきましたが、シノドスの歩みは続いています。教区・国フェーズは終わって現在は大陸フェーズに移りましたが、それぞれの教会単位での取り組みは、終わりがありません。なぜならば、聖霊の導きを識別してともに歩む教会を育てる作業は始まったばかりで、これからも続けられるからです。

 ご存じのように東京教区では、そのために、分かち合いの手引きを作成しました。ともに旅する_原本.indd (catholic.jp)からPDFをダウンロードして、ぜひ活用してください。実際の分かち合いのためのグループ活動は状況によっては難しいかも知れませんが、お一人でも一度、この手引きに目を通されることをお勧めします。

 もしグループでの分かち合いが可能でしたら、こちらの教区のページから、分かち合いの方法をご参照のうえ、ご活用ください。何か結論を出したり、議論をしたりするのではなく、互いに耳を傾けることの大切さを思い起こしてください。

 その上で、分かち合いの成果を教区全体で分かち合っていただければと思います。現在の状況の中で、多くの人に一度に集まっていただくのも難しいですし、オンラインでの集まりにも限界があります。そこで、手引きに従って行うグループの分かち合いの成果を報告していただくためのフォームを用意しました。こちらのリンクです。

 注意書きにご留意の上、活用ください。教区シノドスチームでまとめて、ホームページなどで公開するようにいたします。(なおこの「分かち合い」の分かち合いは、皆さんのグループでの気づきを書いていただくもので、シノドスへの提言やシノドスと関連のない事柄についての通知や連絡のためではありませんので、そこはご理解ください)

 さらに、アジア大陸シノドスへの準備も始まっています。中央協議会のホームページに、そのためのセクションが設けられています。

 大陸別シノドスのための文書も公開されていますので、こちらもご一読いただければと思います。

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(参考)「ともに旅する教会をめざして」分かち合いの気づき募集 2022年11月28日

 先日小教区にお配りした「ともに旅する教会をめざして 10の問いかけのためのハンドブック シノドスからの問いかけに答えてみませんか?」はお手にとっていただけたでしょうか。※ハンドブックのPDF版は ともに旅する_原本.indd (catholic.jp)からダウンロードできます。

 このパンフレットは、教皇庁シノドス事務局から提示された「シノドス準備文書」にある10 の設問をもとに作成された分かち合いのハンドブックです。設問に基づき、わたしたちの今日に適応できるように、いくつかの分かち合いのための問いかけを作りました。皆さんの集いの中で、このハンドブックを活用しながら、「聞く教会」、「ともに歩む教会」を体験してください。(ハンドブック巻頭 菊地大司教の挨拶より)

 実際に小グループで分かち合いを行うと様々な気づきが得られると思います。その恵みをさらに多くの方々にご紹介いただきたく、分かち合いで得た気づきを募集することにいたしました。こちらのフォーム(「ともに旅する教会をめざして」 分かち合いの気づき募集フォーム (tayori.com)からご投稿ください。投稿していただいた気づきは、教区ウェブサイトにで紹介いたします(個人名、小教区名、グループ名は公開いたしません。気づきの内容のみの掲載となります)。なお、投稿の際は下記の点にご注意ください。

・個人の発言が特定できるような書き込みは避けてください。
・シノドスへの提言を記入していただく場ではありません。
・個人ではなく、必ずグループでの分かち合いで得た気づきを記入してください。
・シノドスチームが不適当と判断した内容は公開しない場合があります。

<参考資料>【小グループでの分かち合いの手引き】

人数:3人から5人程度。 多すぎない方がよいでしょう。
場所:静かなところであれば教会でなくてもかまいません。 直接集まるのが困難な場合はZOOM等を利用してもよいでしょう。
時間:1時間前後を目安としましょう。

*分かち合いの手順

1. はじめの祈り

「主の祈り」など、 短い祈りでかまいません。 祈りをもって気持ちを切り替えることが大切です。

2. 読む

 一つの設問を選びます。 黙読ではなく、 声に出してゆっくり読むことをお勧めします。 代表者が読んでも、 段落ごとに皆で回し読みをしてもかまいません。この時、自分が特に気になったことばを心に留めておきましょう。 線を引いたり印を付けた りしてもかまいません。

3. 黙想

 「教区としての問いかけ」を手がかりにしながら、 しばらく沈黙の内に、 自分が気になった箇所、 ことばを味わいましょう。 そのことばを通じて神が自分に何を語り かけているのかを考えてみたり、「問いかけ」と同じ場面を想像したりするとよいでしょう。 時間は15分から20分を目安としてください。 自分の席を立ってもかまいません。 教会であれば聖櫃の前でもよいですし、 歩きながらの方が考えがまとまる のであれば、 それでもかまいません。

4. 分かち合い

 分かち合いは 「言いっぱなしの聞きっぱなし」が大原則です。 他の人の話に意見を 言うこと、 特に 「それは違うと思う」と言うことは絶対にしないでください。 一人 2分程度を目安に、 黙想で感じたことを「問いかけ」に沿って自由に発表してくだ さい。 正解や間違いはありません。全員が同じ「問いかけ」に答えても、 違う「問いかけ」を用いてもかまいません。 順番を決めてもいいですし、 話せる人から話し てもかまいません。

 全員が発表し終わったら2周目に入ってもてもいいでしょう。その際、「他の人の意見を聞いて新たに気づいたこと」を言うのはかまいませんが、批判や反論にならないよう気をつけてください。

5. おわりの祈り

 皆で集い、 分かち合えたことに感謝しながら 「アヴェ ・ マリアの祈り」等を唱えて分かち合いを終えましょう。

 分かち合いで話したことを他の場所で他の人に口外することは絶対にしないでください。

2022年12月2日

・”シノドスの道”大陸レベルの歩みへシノドス事務局と各大陸代表者の会議開く

Meeting with the Presidents and Coordinators of the Continental Assemblies of the SynodMeeting with the Presidents and Coordinators of the Continental Assemblies of the Synod 

 28日の初日の会議は、教皇フランシスコの非公開謁見に始まった。来年10月に始まる第 16 回世界代表司教会議通常総会の総代理でルクセンブルグ大司教のジャン クロード・オロリッシュ枢機卿は、教皇に対して、「私たちのために時間を割いてくださり、”シノドスの道”の進め方について助言をくださったことに感謝します」を謝意を表したうえで、基調講演を行った。

 枢機卿はまず、「シノドスのこの段階で、最初の普遍的な次元を経験しています。この段階は、さまざまな教会がその旅と循環的な対話から、孤立してはならないことを示しています。大陸レベルの会議は、各大陸の教会に利益をもたらすでしょう」と述べた。

 そして、「カトリックであることを望む”synodality(共働性)は、ペトロのケアと助言が必要です」とし、教皇に対して、「私たちはあなたを必要としています。なぜなら、私たちは聖霊における自由を証しする”健全な公正さ”必要としており、一方で、この”シノドスの道”でいくつかの誘惑にも気づかされるからです」と語りかけた。

 講演に戻って、メディアで時々目にする「誘惑」を取り上げた枢機卿は、「それは、教会の”政治化”の誘惑です… そうしたメディアは、何をすべきかをよく知っており、その目的のためにシノドスを使いたいと考えています。それがシノドスの”道具化”であり、”政治化”なのです」とし、また、「過去だけに目を向ける人々は、真のカトリックの伝統が進化することを理解していません。”シノドスの道”の歩みにブレーキをかけてしまいます」と警告。

 この会議の参加者たちが「”synodal(共働的)な教会が、世界でその使命を果たすことができるように、真の識別、使徒的識別に入ることができる」よう、希望を表明した。

 最後に枢機卿は、「教皇、聖霊、イエスと共に歩むことが、私たちの教会を修復するために必要」と強調して、講演を締めくくり、この後、各大陸の参加者たちが、それぞれの大陸・地域での”シノドスの道”のこれまでの歩みについて報告した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2022年12月1日

*大陸レベルに入った”シノドスの道”のキーパーソンの女性二人に聞く(Vatican News )

Adjunct Prof. Susan Pascoe and Dr. Christina Kheng as they were participating in the General Conference of the 50th anniversary of the FABC, 28 October 2022Adjunct Prof. Susan Pascoe and Dr. Christina Kheng as they were participating in the General Conference of the 50th anniversary of the FABC, 28 October 2022 

 

 

 クリスティーナ・ケン博士 「私が(世界の国・地域の司教協議会からもたらされた報告で)非常に感銘を受けたことの 1 つは、世界中の人々の多大な努力と創造性です。人々が、世界中の大陸の地からの直接的な引用と声が数多く並べられていることを称賛してくださるなら、この”シノドスの道”の真のヒーローはシノドス・チームた、ということを強調したい。チームの人々は遠隔の地を旅し、遠くに住む人の声をローマに届けるために、長く働いてきました。物理的に旅をしなくても、教会から信徒としての権利を奪われたと感じている人、教会を離れた友人や親戚に連絡を取るために、心理的、社会的な”旅”する人々もいました。皆、真のヒーローです。彼らのおかげで、私たちは、この豊かで貴重な声を世界中の現場から得ることができます。もちろん、新たにすべきこと、改善しなければならないことは、まだまだたくさんあります。耳を傾けられなかった方もまだ多いけれど、とてもいいスタートが切れたと思うし、この勢いが続くことを願っています。”シノドスの旅”は始まったばかりなのです」

 

 

 

*皆が語ることを認められ、求められている

 スーザン・パスコー教授「 クリスティーナが言ったように、私たちは実際に、教会のあり方の活性化を始めています。初期教会には多くの反省があり、それが完璧ではなかったこと、私たちの努力が完全でないことは分かっています。私たちが行う仕事に、教義と司牧の両面に焦点を当てることが必要です。歴史のこの瞬間に、この”シノドスの道”に、個人として”投資”してくださる教皇フランシスコがおられることは、本当に幸運なことだと思います。また、何人かの並外れた教会指導者もいます。現時点で何十人も挙げることができますが、今、教会に偉大な指導力を提供しています。リーダーシップがどこに必要か、私たちが思う、ちょうどその時にです」

 「私たちが、声を持つ神の民に向かって進むという考えについて、昨年10月9日のシノドスの開会式で、教皇フランシスコは、素晴らしく詩的な話し方をされていますー『洗礼はあなたの身分証明書。教会の生活に貢献したいのなら、それは洗礼を受けたすべての人のためです』と。また、それより前の2018年、性的虐待に関する訴えがたくさん集まってくる中で、教皇は、神の民あての手紙を書き、教会幹部を通してでなく、インターネットに直接投稿されました。『私たちは、あなたがたが教会の中で努力を重ね、働くことを必要としています。虐待問題の観点から、教会変革のために、神の民すべての力が求められています。私がとても重要だと考えるのは、多くの人たちが過去につい話すことを認められている、と感じていないからです。それは認められており、”シノドスの旅”は招待です。あなたがたは認められ、招かれています。私たち全員のための、誰でも関係する招待です』と」

(翻訳・編集「カトリック・あい」)南條俊二)

2022年11月30日

・「周辺部に向かうシノダル(共働)的な教会へ」ラ米司教協議会連盟が”シノドスの道”で中間まとめを発表

(202.11.1  Crux  Barbara Fraser|Catholic News Service)

 リマ(ペルー)発—「私たちは、貧しい人々、社会から疎外された人々の叫びに耳を傾ける福音宣教する教会、女性、若者、一般信徒が大きな役割を担う”シノドス(共働)的な教会にならねばならない」。

 ラテンアメリカ司教協議会連盟(CELAM)の代表団は10月31日、バチカンで記者会見し、昨年春以来の”シノドスの道”の歩みをもとに、司牧上の課題についてまとめた文書 “Toward a Synodal Church Going Forth into the Periphery(周辺部に向かうシノダル(共働)的な教会を目指して)”を発表した。

 文書は、昨年4月から8月にかけての小教区レベルに始まり教区レベルに至る、司祭、一般信徒など約7万人が参加した歩み、それを受けた昨年11月の一週間にわたる集まりをもとに、その後のCELAMでの意見交換を重ねて策定された。

 CELAMでは2019年に、アマゾン地域代表司教会議(地域シノドス)を開催しており、その成果をもとに、来年、再来年とバチカンで開く全世界司教会議のための”実習”と位置づけ、”シノドスの道”の歩みを進めてきた、とCELAM会長のミゲル・カブレホス大司教(ペルー)は説明。

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   “Toward a Synodal Church Going Forth into the Periphery(周辺部に向かうシノダル(共働)的な教会を目指して)”と題されたこの文書は、新型コロナウイルスの大感染を含むこの地域の「時代の兆候」を要約することから始まります。そして、現在この地域に拡大する社会的、経済的不平等から、政治の腐敗と民主主義の脆弱性、特にアマゾン地域での環境破壊の進行、人口流入による都市の拡大、世俗主義の拡大などが指摘されている。

 また教会内の問題についても、”聖職者主義”を克服する必要性、聖職者による虐待事件を処理する際の透明性の確保、司祭と修道者のためのより良い、より多くの養成、女性、若者、先住民、アフリカ系の人々を含む一般の人々の教会活動へのより参加拡大などが求められている。

 ラテンアメリカ・カリブ海の修道会協議会の会長で,われらの聖母女子修道会のシスター・リリアナ・フランコ・エチェヴェリは、記者会見にビデオメッセージの形で参加し、「この地域の男女修道者は、使徒職と宣教を使命とする者として、回心の必要を理解しています。皆、よい証し人となるよう人間形成するため、そして、非常に多様な形態の聖職者主義を克服するため、にです。教会会議で養成を優先する必要があります」とし、さらに次のように付け加えた。

 「私たちの世界と同じくらい複雑な状況の中で、私たちはしるしになり、生き方や価値観の表現になるよう求められていますが、それは間違いなく対抗文化的で雄弁であらねばなりません」。

 そして昨年、教区レベルの集まりの​​参加者たちは、「若者の役割」を拡大するよう求めた。ボリビアにおけるの若者司牧のリーダーであるパオラ・ バランザ氏も、記者会見にビデオ・ メッセージの形で「創造性と熱意を持つ若者は、教会に大きく貢献することが可能です。しかし、私たちは、意思決定が行われ、考慮され、自分たち声が聞かれる場所にいる必要があります」と言明。ラテン・アメリカ地域の司教たちに、「この文書を棚に置いたままにせず、提言の実現を目指して行動を起こしてもらいたい」と促した。

 この文書は、「時のしるし」の部で提起した課題に対処するための数十項目からなる「行動方針」で締めくくられている。記者会見でCELAM会長は、「行動指針はどのように実施されるのか」との問いに、「具体的な次の段階は、各国の司教協議会に任せられている」と答えた。

 発表されたばかりのこの文書は、2007 年にブラジルのアパレシーダで開催されたCELAM第 5 回教総会で出された文書と同じ状況に置かれている。その文書は、教会から離れた信徒に手を差し伸べ、教会外にいる他の人々の参加を推進することを目的としていたが、個別地域では実現に向けた努力がされても、ラテン・アメリカ地域全体の実施計画は策定されなかった。そして、棚上げになってきた”アパレシーダ”文書の提言を実現する努力をするようにとの要請が、今回の”シノドスの道”の歩みにつながった。

 今回の文書には、課題ごとに行動すべき分野が挙げられており、CELAMの代表者たちは記者会見で、司教協議会の指針に沿って具体的な計画を策定、実施する必要があること、来年、再来年の世界代表司教会議への提言としても役立つ、と説明。

 ペドロ・シェレル副会長は、「インターネット・ワーキングを駆使するスキルをもつ若者たちは、”シノドスの道”を歩み続けるうえで、重要な役割を果たすことができる」とし、すでに、若者たちがSNSを利用して、20 か国の仲間たちと討論グループを作っている、と述べた。

 カブレホス会長によると、この文書は、「識別から始まり、会議を通じて続けられ、結果の公表で終わらない、”歩み”の一部」とし、 「開いたドアのようなもの。閉じることはない」と語り、”歩み”に、女性や若者を含む一般信徒が多く参加しており、文書は「神の民の対話の結果」と強調している。

 

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

2022年11月2日

・シノドス事務局が世界の司教協議会報告もとに”シノドスの道”中間まとめ発表ー課題は浮き彫りだが解決策はまだ(Crux)

(2022.10.27 Crux  Senior CorrespondentElise Ann Allen)

 ローマ – バチカンは27日、教皇フランシスコが主導する”シノドスの道”の歩みの第二段階ー大陸レベルーのまとめに向けた作業文書を発表した。

 「“Enlarge the Space of your Tent(あなたのテントのスペースを広げよう)」というタイトルのこの文書は、歩みの第一段階ー小教区・教区レベルーの成果について世界各国の司教協議会からバチカンのシノドス事務局に送られた報告をまとめたもの。大陸レベルの歩みのための作業文書の役割を持つ。

 今回の発表を受けて、先月から来年、2023年3月にかけて、世界の7 つの大陸すべての司教協議会がそれぞれの大陸ごとに集まりを持ち、この作業文書の内容を熟考し、意見を交わし、それをもとに報告書をまとめ、シノドス事務局に送る。そして、バチカンで来年、2023年の10月にバチカンで開かれる世界代表司教会議通常総会に第一セッション、2024年10月の第二セッションのための作業文書の起草に使用される予定だ。

 昨年10月から始まった”シノドスの道”の”synodos”は、これまで「世界代表司教会議」を指す言葉だった。だが、教皇フランシスコやシノドス事務局が頻繁に使うようになった”synodos”や”synodarity”の意味はもっと広く、難解で、世界の教会関係者を悩ますもととなってきたが、「聖職者と信徒のすべての教会員が教会の活動と使命についての決定に参加する、共働の協議的なスタイル」を指すと理解されているようだ。

 27日に発表された大陸レベルの歩みのための文書は、昨年以来の”シノドスの道”の歩みを世界的に見ると、必ずしも「聖職者と信徒のすべて」の参加が実現しておらず、特に西側諸国などでの参加率が低くなっているものの、「全ての期待を上回った」と肯定的な評価をしている。シノドス事務局にこれまでに報告が送られてきたのは、114の司教協議会でうち15は東方カトリック教会の全部の司教協議会。ほかに教皇庁の23の部署のうち17部署、修道会総長会議のいくつかの国際機関や一般信徒の活動体、となっている。

 これらから出された報告のまとめの要約版とも言える今回の文書では、「教会活動への女性の参加の欠如」「LGBTQコミュニティや、教会から正式に認められていない夫婦など、いわゆる”周辺”の人々の受け入れに消極的であること」など、これまで言われてきたにもかかわらず、未解決の問題が浮き彫りにされている。

 聖職者による未成年者や信徒などに対する性的虐待問題、旧ラテン典礼の是非、いまだに続く聖職者主義の問題、貧富の格差の深刻化、なども指摘され、「金持ちで高学歴の個人や家族の言うことが受け入れられ、教育のない、貧しい人は無視されている」と感じている信徒が少なくないことも、多くの司教協議会から出されている。

 また、「取り組みが始まった1年たった現在でも、『sinodos,sinodalityが何を意味するのか、理解が困難で、それが、(”シノドスの道”の)歩みに疑問を持つ一部の聖職者や信徒からの抵抗を生んでいる」との指摘もあった。

 さらに、「カトリック教徒が少数派の国や地域、あるいは様々に異なるキリスト教の儀式や教会がある地域においては、諸宗教との協力や、キリスト教の信仰一致の取り組みに、一層の努力が必要とされている」ことも書かれている。

 作業文書の主な内容は次のようなものだ。

 

 

*教会から排除され、”シノドスの道”の歩みに加われない人々がいる

  今回発表された文書には、以上のような課題は挙げられたものの、解決策はほとんど示されていない。

 だが、多くの司教協議会の報告では、教会が持つべきビジョンとして、が「包括的だが、均質ではなく、すべての人を守り、開かれていて、自由に出入りできるもの」とすべきだ、との方向は明確に主張されている。また、現在進められている”シノドスの道”の中心には「イエスの教えが示す徹底的な”包容”、帰属意識の共有、そして深い歓待があらねばならない」と主張している。

 またこの文書では、教会や一般社会で疎外感を抱いているのは「女性、再婚離婚、ひとり親、一夫多妻制の結婚生活を送っている人々、LGBTQ の人々、司祭職をやめた男性、貧しい人々、高齢者、先住民や移民、麻薬やアルコール中毒者、人身売買の被害者」「聖職者の性的虐待などによる被害者、受刑者、そして人種、民族、性、文化などで差別され、暴力に苦しむ人々」であり、世界の多くの教区で、これらの人々は”シノドスの道”の歩みの中にはおらず、「彼らのことを話し、そのことを嘆くのは、彼ら以外の人だ」と指摘。

 この文書は、「若者や障害者の声にもっと熱心に耳を傾けること」「独身の誓いを破った司祭の妻や子供、深刻な不正や差別の危険にさらされている人を温かく受け入れ、守ること」の必要性も強調している。

 

*”シノダリティ(共働性)”は「共に歩むように」との神の人類家族すべてへの呼びかけ

 さらに、”シノドスの道”で強調されている「シノダリティ(共働性)」は、信仰や文化的背景に関係なく「人類家族すべてと共に歩むように、との神からの呼びかけ」であると明言。

 現在の世界にはびこる部族主義、宗派主義、人種差別、貧困、ジェンダーの不平等に関連する問題を強調し、これらの問題の解決、平和構築の取り組みにおいて教会が果たすべき役割を強調している。

 関連して、多くの司教協議会から出された報告には、「キリスト教徒間の一致なしに完全なシノダリティは存在せず、一致は、異なる典礼を持つ教会の緊密な交わりの呼びかけから始まる」と述べられている、としている。

*非キリスト教文化への適応

 「非キリスト教文化への適応」も文書では、主要課題の一つとして取り上げられ、ラオスとカンボジアの司教協議会では、教会や聖職者の活動で「もっと有意義な異文化間アプローチをするように」あるいは「現地の文化ともっと大幅な統合が、特にミサ典礼においてなされるように」との要望が出された。

 

*聖職者主義に対する強い批判

 聖職者主義も主要課題とされ、多くの司教協議会が報告の中で「司祭を育成し、共に歩み、疎外された司祭を作らないこと」を強く希望し、聖職者主義を「霊的な貧困化、叙階された聖職者の真の善きものを奪う形」、「聖職者を阻害し、一般信徒を害する文化」と批判。

 文書は「聖職者主義的なメンタリティは、信徒たちを神から引き離し、洗礼を受けた人々の間の関係を損ない、硬直性を生み、法的な権力に執着し、”奉仕”ではなく”権力”として、聖職者の権威を行使するものだ」とし、「聖職者主義は、聖職者と同じように一般信徒にとって誘惑となるもの」であり、その解決には、本質的にもっと協力指向のリーダーシップをあらたに作ることを考える必要がある、と指摘している。

 

*女性を対等に扱う文化を作れ

 この文書で最も明確に言及されことの一つは、教会文化の改革、とくに女性の位置、役割に関する教会文化を改めることで、「この問題に向けた認識と意識の高まりが、全世界から示された」とし、すべての大陸の司教協議会連盟からの報告には、男女両方の修道会から「女性を”神の民の平等なメンバー”として評価すべき」との呼びかけがあったとしている。

 そして、文書は、「女性はミサ典礼への出席者、教会活動への参加者の大多数を占めているが、男性は”少数派”にもかかわらず、教会の意思決定と指導的役割の大半を担っている」と指摘。

 この矛盾を解消するために、「男性にもっと教会活動に積極的になるような工夫をすること、女性が教会活動のあらゆる責任ある立場に参画できるようにすること」だが、すべての司教協議会からの報告は「そのための決定的な方策で合意したものはない」とし、「どのようにすれば女性に教会の統治管理で積極的な役割を与えることができるか、の検討を続けることを希望し、小教区において説教のための十分な訓練を受けることや、女性の助祭叙階についても触れている。

 女性の司祭叙階については様々な意見が、世界の司教協議会連盟の報告には出されており、「ある報告書には支持する意見、他の報告書には”触れない問題”とする見解が示されている」とし、また、女性がすでに担っている教会での役割についても、もっと口に出して定着させるべきだ、との主張もされている。

 

*“シノドス的(共働的)”な教会の仕組みを作る

 またこの文書は、教会活動の特定の側面に関するいくつかの意見の相違で緊張があったことを認める一方、「緊張は恐れるものではなく、破壊的にならないように前向きのエネルギー源として活用する必要がある」とした。

 そして、特に教会の統治に関して、シノダルな形と機関の構築と構造に進む方法を与える必要があり、教会法がこの過程に付随すべきであり、「現在のルールに必要な変更を加えるような教会法の改正」も必要になる可能性を示唆した。

 また、「シノドス的な慣行、あるいは枠組み」がどのようなものかについて、文書は明確な定義をしていないが、各大陸のレベルでは「確立されたシノドス的な慣行」が不足しており、対処する必要がある、と述べている。

 さらに、各国・地域レベルでは、司牧評議会、経済と教区の評議会が、共働性と透明性を助長する良い歩みをしており、これらの組織は「不可欠」で、「包括、対話、透明性、識別、評価、権限を推進する制度的な場所として、一層、その役割を果たることが求められている。実現には、民主的な多数決でなく、共同体の識別を働かせることが重要」とし、具体的には、大学や学術関係の期間がシノダリティの原則に沿って教育プログラムを研究、策定することを提案している。

 関連して、司教協議会連盟の圧倒的多数の報告が「”シノドスの文化”を幅広く支援するための人材の継続的な養成」と求め、「シノドスを推進する専門家、チームと指導者の養成、特に、司祭のための養成コースを設ける」という案も浮かんでいる。

*旧ラテンミサ典礼をめぐる論争への対応は

 文書では、教皇フランシスコが旧ラテンミサ典礼を規制強化する方針を打ち出して以来、世界中で起きているこの問題をめぐる教会関係者の緊張関係にも触れ、特に米国司教協議会会議(USCCB)の報告は、問題について、「ミサ聖祭をどのような典礼で祝うかについての意見対立が、時には『敵意むき出し』のレベルにまで達することもある、と多くの教会関係者は、感じている」と深刻な事態を説明しいる。

 これについて文書は「キリストにおける一致と愛の秘跡としてのミサ聖祭をめぐるイデオロギー的な対立が、教会に亀裂や分裂を招く理由になってはならない」とする一方、多くの司教協議会連盟の報告では、「すべての違いを受け入れ、すべての奉仕を尊重し、すべてのカリスマを認め、すべての信者が積極的に参加できるようにする『シノドス的なミサ典礼』の実施が提唱されている」とし、さらにミサ典礼で改めるべき点として、「司式者に集中しすぎ、会衆が受け身になりがちな典礼の見直し」が挙げられ、「一般信徒の積極的な参加、女性も聖職者の役割を担でるようにする可能性」の検討も挙げられている。司祭による説教の「質」の向上は、各地の司教協議会連盟から”満場一致”で報告されている、という。

 また、教会のミサ典礼に関わる懸念事項として、離婚して再婚した夫婦や一夫多妻制の下で結婚している人が聖体拝領をできずにいる問題なども強く指摘されている。

 

*”シノドスの道”の歩みをこれからどう進めるかー大陸レベルと各国・地域別の司教協議会での対応は

  ”シノドスの道”の歩みのこれからについて、文書は、9月から始まった現在の各大陸レベルの歩みに焦点を絞って、次のような三つの問いかけをしている。

①この作業文書を共に読み、祈った後で、あなたの大陸の教会での生きた経験と現実に最も強く心に響き、残った箇所はどれか?あなたにとって新しい経験、またはあなたを照らす経験となるものはどれか?

②作業文書を読み、祈った後で、あなたの大陸の観点から、特に重要な緊張や相違となっているものは何か?”シノドスの道”の次の段階で対処し、検討すべき課題や問題は何か?」

③上記の二つの問いかけから、世界中の他の教会と共有でき、来年10月の世界代表司教会議(シノドス)通常総会の第一セッションで議論すべき優先事項、再浮上するテーマ、取り組みへの呼びかけは、どのようなものか?

 そして、このような問いかけへの答えを含めて、世界の7つの大陸でそれぞれ司教協議会の集まりが開かれ、バチカンのシノドス事務局に出す最終報告を策定する。これらの最終報告は、来年6月までに策定されるシノドス通常総会の公式作業文書の基礎に使われる。

 また今回の作業文書は、「あらゆるレベルで信徒たちが大陸レベルの集まりに参加する」こと、その集まりが「単なる司教の集まりではなく、教会としての集まりであり、参加者の構成が、神の民の多様性を適切に表したものとなること」を求めている。

 このため、大陸レベルの作業文書は、世界のすべての司教協議会と教区の司教に送付し、来年秋の世界代表司教会議(シノドス)までに、司教協議会は上記の3 つの問いかけをもとに「識別のプロセス」を実施、要約にまとめ、大陸レベルの集まりで共有し、最終的には20ページの報告にまとめて、来年3月末までにバチカンのシノドス事務局に送付すること、としている。

Follow Elise Ann Allen on Twitter: @eliseannallen

 

 

2022年10月28日

・”シノドスの道”の歩みの「大陸段階の文書は”神の民の声”になる必要」バチカンの草案策定チームのペスコ氏がFABC総会で講演

Susan Pescoe, presenting to the FABC General Conference, 26 October 2022Susan Pescoe, presenting to the FABC General Conference, 26 October 2022 

*”シノドスの道”が「人類史上前例のない取り組み」となるために

 またペスコ氏は、出席者たちからの質問に答えて、これからの歩みの段階において、”シノドスの道”の歩みの初めの段階で、声を聴かれなかった人々を大陸段階の識別のプロセスに参加するようすることの重要性を改めて強調。

 これを受ける形で、シンガポールの東アジア司牧研究所のクリスティン・ケン博士は「それこそ、”シノドスの道”の歩みが、教会だけでなく社会においても前例のないものとされる理由。人類の歴史の中で、識別プロセスにこれほど多くの声を集める努力が払われたことはありません」と述べた。

 そして、”シノドスの道”の今後の歩みについて、「大陸段階の文書について人々がコメントしたり、質問をしたり、検証したりできるようにする”循環的な方法”が重要。これはSensus fideliumを理解しようとするプロセスです。特に必要なのは、歩みの最初の段階から取り残されている可能性のある人々から意見を聞くことです」と念を押し、この場が、「来秋の世界代表司教会議第一セッションに出される大陸段階の文書について、司教と一般信徒が共に意見することできる初めての機会になったこと」を出席者たちに確認して、発言を締めくくった。

 

2022年10月27日

・シノドス事務総局次官が、”シノドスの道”の一年延長の決定について語る(VN)

Sister Nathalie Becquart XMCJSister Nathalie Becquart XMCJ  (Catholic News Service)

(2022.10.21 Vatican News  Joseph Tulloch and Adelaide Patrignani)

 教皇フランシスコは先日、来年10月予定の世界代表司教会議(シノドス)通常総会をさらに再来年の2024年10月にも開くという“二セッション制”にすることを決定されたが、バチカンのシノドス事務総局のシスター・ナタリー・ベカール次官が21日、Vatican News  会見し、この決定によって、「シノドスは、さらに大きな”成熟の時”をもち、”識別”を深める”成熟”の期間が与えられました」と語った。.

 

*延長された理由、さらなる1年をどう使うのか

 シノドス通常総会について2024年10月に第二セッションを開くという教皇の決定は、2021年に始まった”シノドスの道”の当面の終着点が、当初予定の2023年10月ではなく、2024年10月に延長されたことを意味する。

 べカール次官は「つまり、2 回のセッションで 1 つのシノドスとなるわけです… そして、この二つのセッションの間、彼ら(シノドス参加者)はそれぞれの教区に戻り、プロセス(”シノドスの道”の歩みを続け、識別し、シノダリティ(共働性=共に歩むこと)を体験する時間をもつことになるでしょう」と述べ、「教皇が説明されたように、(シノドス通常総会を2セッションにし、”シノドスの道”を2024年まで延ばしたのは)識別を深めたい、という心底からの思いによるものです。なぜなら、シノダリティは、共に識別し、互いに耳を傾け合い、聖霊の声を聴くことだから。それは実践によって学び取るものであり、時間がかかります」と説明。

 ただし、新たに設けられた一年の期間をどのように使うかについては、「すべてが決まったわけではありません。二つのセッションの間をどうするかについて、最終決定はしていません。2023 年 10 月から 24 年 10 月の間に何が起こるかを正確に言うのは、まだ時期尚早です」とし、 ”シノドスの道”の歩みは「これまで、さまざまな経験とさまざまなレベルを通じて展開されている。2 つのセッションの間も、その歩みを継続するための良い方法を、これまでの経験から見極める必要があります」と語った。

 

*”シノドスの道”の歩みは、国、地域で異なるが、大半の教区が参加

 また、次官は、これまでの”シノドスの道”の世界各国の歩みについて言及し、「例えば、フランスでは、第二バチカン公会議以来、ほとんどすべての教区が単独、あるいは複数の隣接教区が協力して”シノドスの道”の歩みを続けており、シノドスとシノダリティについてかなりの経験を積んでいます。しかし、他のいくつかの国では教区シノドスの経験がない。それぞれの文化、歴史の中で、教区評議会などの集まりによって教会会議を経験してきましたが、国や地域ごとに状況は大きく異なっています」と、国や地域によって取り組みに大きな差が出ていることを認めた。

 それでも、「すべての司教協議会、ほとんどすべての教区が、実際の歩みに参加しています」と述べ、「シノドスの歩みが、世界各国、地域の大きく異なる状況の中で、どのように行われているかを知るのは、とても素晴らしい。さまざまな言語、多くの創造性を備えたさまざまな文化… そしてさまざまな現実をみれば、歩みを続けることの難しさは、どこも同じではないことが分かります。だが、いくつかの共通の傾向もあります。私たち全員が 1 つの教会として共にいるだけでなく、多様性を持っているのは、非常に興味深いことです」と語った。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2022年10月22日

・「ドイツの教会”シノドスの道”が抱える大きな課題」女性リーダーが語る(Crux)

(2022.10.5 Crux  Cindy Wooden  Catholic News Service) 

 

 ドイツの教会の”シノドスの道”でこれまで開かれた全国会議では、これまでに、これまでの歩みの成果の原案をまとめ、修正を経て、9月の4回目の会議で承認された内容には、独カトリック通信社KNAによると、「女性とトランスジェンダーの人々の教会における立場」「同性愛者の司祭」「ドイツのカトリック教会の指導体制」などがテーマとされている。ただし、教会の教義の変更に関わるものは、教皇に対する提案として策定されたものであり、ドイツの教会が独自に協議を変更することは意図していない、と説明されている。

*性倫理への新たな対応の提案、司教たちの3分の2の賛成得られず

 教会としての正式文書となるには、全司教の3分の2の同意が必要だが、教会による性的倫理への新しいアプローチを求める文書案の箇所は、司教、司祭、修道者、そして一般信徒代表が参加する全国会議の前の投票で、全司教の 3 分の 2 の同意を得られなかった。

 司教たちの3分の2の賛成票が得られず、正式文書からこの箇所が削除されることになったことについて、クロイター・キルヒホフ教授は、「”シノドスの道”そのものが失敗寸前となりました。それは、司教たちの 61% が賛成するにとどまったからではなく、反対票を投じた司教たちのほとんどが、事前の議論の過程も含めて、その理由を明らかにしなかったからです」と指摘。

 そして、このような結果から、「司教たちが”神の民”に背を向けたり、”神の民”が司教たちと共にいなかったりすれば、教会が苦しむことになるのを学びました」と述べた教授は、「シノドス的な教会は、共通の信仰の場、互いに耳を傾け、共に識別し、共通の決定を下す場です… カトリック教会は階層的な組織であり、司教は正当に認められた特別な責任を負っていますが、孤立して活動することはできません」と強調。

 だが、司教たちの賛否投票が議論を呼んだあとの、9月の全国会議で、「司教たちが声を上げるようになると、”共働性”はこれまでよりも、うまく機能しました」とも語った。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

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(「カトリック・あい」)

 ドイツのカトリック教徒の数は約2200万人で全人口の4分の1を占めているが、教会離れが急速に進んでおり、2006年の離脱者8万人強から2008年に12万人、2021年には36万人と大幅に増加。教会に在籍する信徒も日曜のミサに出る割合は1割と切っていると言われる。教会離れの理由は「聖職者による性的虐待」のほか、「司教の態度が威圧的」「教会が民主的でない」「女性が差別されている」などが指摘されている。

 こうした教会離れの加速に対する危機感の高まり、真剣な取り組みが、ドイツの少なくない教会指導者たちにこれまで見られなかった背景に、国が教会に代わって徴収してくれる「教会税」制度がもたらす潤沢な教会財政がある、との見方もある。

 住民票の記載事項に宗教があり、「キリスト教」と申告すれば、自動的に所得税の約1割相当の教会税が課税され、国の”代行徴収”によって、教会は労せずに収入を得られる、というわけだ。日本のように信徒の”少子高齢化”で教会維持費の確保に苦労することもない。ドイツのカトリック教会に入る教会税収入は日本円にして年間約7000億円にものぼり、世界のカトリック教会の中で最も財政的に豊かな教会とされている。

 教会が信頼を失い、多くの離脱者が毎年出ている理由の一つに「このような教会のために税金を払いたくない」という意識の高まりがある、との指摘もあるが、信徒の絶対数の多さから、財政基盤が揺らぐ事態には至っていない。資金が潤沢で、”経営者”の危機感も高まらない、そこのドイツの教会の根本的な問題がある、とも言えるようだ。

2022年10月7日

・「”シノドスの道”は、第二バチカン公会議の”成熟した果実”だ」ーシノドス事務局長が講演

(2022.10.5 Vatican News)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2022年10月6日