・フランス司教協議会が臨時総会で”シノドスの道”の成果報告書と共にバチカンに送る添付文書を決定(LaCroix)

( 2022.6.17 La Croix  Malo Tresca | France)

 フランスの司教協議会(CEF)は14,15両日、リヨン・カトリック大学で、一般信徒や修道会代表も参加した臨時総会を開き、これまで各教区の”シノドスの道”の歩みで信徒たちから出された声をまとめた報告案について検討を加え、これをもとにしたCEFの見解を盛り込んだ添付文書とともに承認、バチカンのシノドス事務局に送付することを決めた。

 フランスの教会の”シノドスの道”の取り組みは、昨年10月から小教区レベルから始まり、教区レベルで信徒たちの声を集約するまでに、15万人以上の信徒が参加した。これらの人々の声をもとにした添付文書では、今後取り組むべき優先事項として、次の5つを挙げている。

 ①秘跡とともにある教会の人間的側面をもっと明確に語ること②教会における女性たちの苦しみと期待に関する叫びを聴き入れること⓷司祭と司祭たちが果たしている聖職の状況に対して表明された懸念に耳を傾ける④司祭たちに期待されていることと実際にしていることに明白な差があるのを理解すること⑤ミサ典礼がなぜ、繰り返し相矛盾する場に留まっているのか、その理由をより的確に特定すること。

 また、これまでの”シノドスの道”の反省として、「多様な神の子たちのすべてが共に歩むに至っていないこと」を挙げ、特に伝統的な考え方に固執する司祭、信徒や若者たちの参加が少ないことを指摘。

 その一方で、「シノダリティ(共働性)が教会活動のスタイルになり、教会共同体が”最も小さい人々、貧しい人々”の足跡をたどって歩く”ことを学び、教会の使命、カリスマ、そして賜物の多様性、相補性が”競争”でなく”喜び”の源になることへの、多くの希望が出てきている」という前向きの評価もしている。

 

 このほか添付文書が、信徒たちの声をまとめた報告書について指摘しているのは、教会の使命、主要な社会的な問題、環境と国際連帯の問題におけるキリスト教徒の証しなどの課題に言及していないことだ。「友愛について学ぶ場としての家庭については言及されていない… キリスト教徒の霊的豊かさー秘跡、奉献生活、司祭の独身制、助祭職などが、しばしば無視され、あるいは軽視されています」と添付文書では述べている。

 ともあれ、この添付文書は、臨時総会でいくつかの修正を経て、投票権を持つ司祭たちのほぼ満場一致で承認され、招待された信徒代表たちの賛成の意思表示を得た。だが、これにいたるまでには、舞台裏で大きな転換があった。ある関係筋によると、もともとの案では、添付文書ではなく、報告書そのものにすることが意図されていた。

 だが、それは、二日間の臨時総会の初日午後の、司教たちと信徒や修道会代表との非公式協議で、明確な拒否を受け、『”シノドスの道”出の信徒の声をまとめた報告書』と『司教たちがまとめる添付文書』の二本立てで、バチカンに送付することが事実上決められた。

 「このことは、報告書への強い支持を際立たせるのに役立ちました」と関係筋は指摘する。報告書は「神の御言葉の中に私たちの強さを見い出すことの重要さ」「社会に語り掛ける信頼できるしるしを提示することの緊急性」「兄弟姉妹的な対話の場の必要性」を主題とする形で、各教区から出された報告をもとにまとめられた。

 フランスの教会の現状を明確にしたうえで、社会の周辺部にいる人々に目を向けた「より兄弟的な」教会となるための、改革のあり方を提示しており、具体的に、教区レベルの統治における、”真の対抗力”をもった一般信徒の貢献の場の増強、教会組織における女性の役割の強化、非キリスト教徒との対話のための”第三の場”の設置などが要請されている。

 「このような報告書の内容に比べると、司教団がまとめようとしていた文書は、私たちにとって、とても不十分な内容でした。ですから、司教たちとの非公式協議で、私たちをそのように言い、彼らは聴き入れてくれました」と協議に参加したある女性信徒はLaCroixに語った。

 これまでの”シノドスの道”の歩みでは、「不都合な声は取り除かれてしまうのではないか」「”検閲”されるのではないか」との懸念が信徒たちなどから表明された。「実際、司教団が当初まとめた文書は、内容的に見劣りがし、あらゆるレベルにおいて、多くの不満が出されました」と取りまとめに当たったある司教は認め、「バチカンは、この不十分な文書しか読んで切れないのではないか、心配がありました」とフランス北西部の教区から参加したある信徒は述べた。

 14日午後行われた司教たちと一般信徒代表などの非公式協議では、そうした批判を背景に、深夜まで行われ、それを踏まえて司教団の常設委員会が、最終原案をまとめ、15日朝の司教団の話し合いで、手直しがなされ、全体会議に提案され、信徒たちの声をもとにした報告書と、それを踏まえた司教団の添付文書として承認にこぎつけた。

 「私たちは、極めて短時間に、自分自身に問い直し、協調する能力を示すことができました」とある司教は言い、また別の大司教は、「この報告書のとりまとめは、私たち”同僚性”を高めることになった。なぜなら、私たちが、現場の人たちの声を聴くことから始めたからです」と述べた。

 また、ある信徒は、こう語っている。「フランスの教会における性的虐待に関する報告との危機の文脈から見て、私たちは、この”シノドスの道”で示されたシノダリティ(共働性)は、聖職者主義の”解毒剤”だということを認識すべきです…そして、私たちの教会に挑戦する反対の証明と権力の乱用を避けることを、私たちに可能にします」。

 

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2022年6月17日

・スペインの司教団が”シノドスの道”で報告書ー「聖職者主義を終わらせ、一般信徒にもっと重要な役割を」と信徒たちの声(LaCroix)

(2022.6.13 La Croix  Xavier Le Normand | Spain)

 スペイン司教協議会(CEE)が11日までに、同国の教会の”シノドスの道”の報告書を発表した。全国の教区で”シノドスの道”に参加した信徒約22万人、1万4000のグループから出された声を集約する形で、「一般信徒が教会運営にもっと大きな役割を果たせるようにする」「”聖職者主義”を終わらせる」「教会における”共働性”を発展させる」の三つを緊急に取り組むべき課題として提示した。

 報告書は冒頭で、これまでのスペインにおける小教区や信徒のグループから教区、そして司教団への進む”シノドスの道”はうまくいっているとし、その理由は、「司祭たちよりもやる気のある一般信徒の積極的な参加にある」と強調。

 つづいて、”シノドスの道”に参加した多くの信徒たちは、「(聖職者の権威を最重要視する)聖職者主義は”過去から続く惰性”であり、時としてそれは”独裁(権威)主義”に変じて来た。聖職者たちは、そうした態度を改め、聖職者と一般信徒が”共同責任”を果たせるように『召命の”相互補完性』を認めることを求めている」とし、「目標とすべきは、教会の存立基盤、ないしは使命を改めるのではなく、人々の参加の方法を刷新すること」と述べている。

 そして、”シノドスの道”に参加した人たちの多くは「教会と一般の社会の間に”明確な乖離”があり、教会は、反動的で、今日の世界から遠く離れた存在、と見られている」との見解で一致しており、その問題を克服するために、「教会は、場を占有することによってではなく、聖霊に導かれた道をひらくことにもっと関心を持たねばならず、もっと外の人々を親切に歓迎する教会となることが求められている、と考えている。

 また、教会内部にあっては、「教会における女性の役割の向上」「一般信徒の役職の制度化、強化」「『教会における性的虐待、権力と道義心の乱用』の犠牲者に対する謝罪、支援、補償の必要」などに努める必要がある、との声が支配的だ。

 これまで、スペインの司教たちは、聖職者による性的虐待の実態調査に極めて消極的で、最近になってようやく、”中途半端”な調査委員会を作ったに過ぎないことを考えると、このような主張はとてもインパクトがあると言っていい。

 報告書は、「司祭たちは、特に、家庭問題を抱え、助けを必要としている信徒たちをもっと親切にいたわるなど、教会共同体に寄り添うよう努める必要がある」とも指摘している。

 さらに報告書は、離婚して再婚した信徒たち、性的志向の異なる人たちの問題についても取り上げ、「私たちは、教会として、あいまいにされた個々の独自性を放っておいている。それぞれの状況にある人それぞれに目をやり、進んで受け入れ、助けねばならない」と願っている。

 報告書は、司祭のみを問題にしているわけではない。一般信徒も時として、信徒としての育成の「重大な欠陥」から苦しむことがある、とも指摘。一般信徒は育成の過程をしっかりと経なけらばならず、そうしないと、”弱い信仰”、多くの格差と欠陥が生じ、自分の信仰を証しすることができなくなる、結果として、教会において、福音宣教の精神の欠如が見られる、と警告している。

 なお、この報告書の発表会には、一般信徒360人、司教85人、さらに男女修道会から修道者約100人が参加した。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2022年6月16日

【”シノドスの道”日本では】⓷「聖職者のあり方、若者や子供たちに信仰教育、教会運営…」西日本の有志の会

世界代表司教会議に向けて”シノドスの道”を歩む私たちの声         西日本の教区信徒有志の会「愛のメタノイア」 2022年6月15日

  今、私たちは、この地球上で、膨大な権力を持った者がその力を使って人々を恐怖に陥れているのを目の当たりにしている。権威や権力を持つ者が自欲の為にそれらを行使すれば、世界には悲しみと憎しみと恐れや不安ばかりが広がっていく。パパ様が「シノドス準備文書」を出されたのは、このような世界にならないため、カトリックがイエスに倣う教会であるためではないだろうか。

しかしながら、シノドスについて私たちが受けた説明は、何か違っていた。説明された方が最後に自分なりの解釈を語られたのだが、「だめな自分だが、今のままの自分でいいと言われていると感じた」と言ったのだ。今のままでいい?それなら集まって分かち合う必要があるのだろうか?このまま進めば、形だけの集まりをし、美辞麗句を並べた文を提出し、ただ“気持ちよく”終わるいつものパターンにしかならない。なんとかして、教皇から与えられたこの機会を、私たちなりに有効に生かし、”シノドスの道“を歩みたい・・・

そのような思いから、西日本の教区信徒有志の会「愛のメタノイア」に20人が十数回にわたって集まり、少人数ながら私たちなりの意見を持ち寄った。コロナ下ということで文章のみで参加の方もあったが、それらも含めて纏めていった。相反する考えが出た時は、各個人の意見を尊重するために、無理矢理一つの考えに纏めることをしなかった。 以下がその内容である。

 

1 聖職者の生き方こそが重要課題

○まず、ここは日本、「日本人の教会」であることを認識してもらいたい。

○聖職者が机上の空論で(愛などを)語っても、信徒の心を打つことはない。愛には、人生の長い道のりが必要だと思う。

○司教・司祭・助祭は、聖職者であって一般的な職業ではないことを自覚して生きてもらいたい。権威ある者として尊敬され目標とされる人物でいられるよう不断の努力を怠らず、良い牧者の姿を見せていて欲しい。

○自分以外の聖職者の犯罪を他人事としてしか捉えていない者が多い。それを見て見ぬ振りを放置しているなら犯罪者と同罪だと思う。小さきものや弱者を大切にと教えながら、そういうものたちを食い物にして痛みもしていない様子には怒りすら覚える。聖職者が行った犯罪を忘れないでずっと戒めに持ち続けてもらいたい。

○政治的に優位に立つことや経済的な安心にばかり心をさいて行っている活動を軽いと感じる。正義ぶってよく考えもせず、怪しい慈善活動に参加したり、署名活動をしたりすることは、かえって教会を貶めることに気付いて欲しい。

○聖職者の中には、自分を神と同一視している者がいる。周りの声に耳を傾けず、謙虚な心を持ない聖職者は、教会をカルト集団化してしまう。聖職者が神ではないということを忘れないで欲しい。

○教会の為に働いたとしても当たり前のことをしているに過ぎない。その為の報酬を貰っているのだから。聖職者になるには、それ以上の働きが必要だと思う。

○終身助祭は、必要なのだろうか。私たちの周りを見渡しても、自薦による終身助祭聖職者に尊敬できる方がいない。聖職者という肩書きがなくても教会のために尽くすことはできるのに老後の暇な1~2年勉強しただけで聖職者になろうとするその神経も疑問である。

〇カトリック教会の”慣例”となっている司祭の独身制も正式に見直す必要がある。ハンス・キュンク師(スイスのカトリック司祭・神学者、故人)の著書「キリスト教は女性をどう見てきたか -原始教会から現代まで-」(教文館刊)には次のように書かれている。

「司祭の公式の独身制は、実際にはしばしば、司祭と女性たちとのあいだに不自然な緊張関係をもたらす。女性たちは、しばしば、性的な存在、司祭にとって性的な誘惑としてだけ見なされるのである。それゆえ、叙階された男性たちに対する結婚の禁止と女性たちの叙階の禁止は関連する。女性の叙階、そして教会の意思決定と指導機関における合議制の協働が実行されるのは、聖職者の独身制が真に(非婚自体へも)召命された者たちの自由に選択された非婚と置き換わるまで待つことになる」(178-179頁)。

教皇フランシスコは、司祭の独身制について柔軟なお考えを持っておられるようだが、バチカンとして、独身制を司祭の事実上の必須条件とする今のあり方を、公式に、明確に改める必要があるのではないか。

 

2 若者に誇れない教会では未来がない

○今の若者に誤魔化しは効かない。多くの情報を集めることが出来るし、自分なりの考えを持っているからだ。彼らに納得してもらえるようになるには、自分自身が信仰に基づいた生き方をしていなければ無理だろう。何人の大人信徒がそのように生きているだろうか。

○若者の声に真剣に耳を傾けることが大事。自分の人生が長いからといって、若者より豊かに経験し知識を持っていると言えるだろうか。経験者の振りをしても、一人分でしかない。そのことを自覚しよう。

イエス・キリストも若かったが、多くの人の指導者となった。若者の中に神の代弁者がいるかもしれない。大人は、注意深く見極めよう。

 

3 子供たちへの信仰教育

○信仰教育の責任者は、司祭であるべきだ。

○司祭が教えたらいいと言う考えもあるが、児童虐待の問題があるので司祭と信徒の間に一定の距離を保つ必要があると思う。

○教会学校で学んだことが記憶としてあまり残っていない。教会学校は、無くてもいいのではないか

○教会学校の指導者は、「子供たちの成長に大きな影響を与えている」という自覚と責任感をもって取り組むべきだ。

○教会学校は、指導者の力量に左右されやすい。目標やカリキュラムを確立することで改善できるのではないか。

○一番大事なことは、一定の躾をしながらも、それぞれが神様や周りの人たちから大切にされ愛されて居ることを伝えることだ。

○原罪を子供たちに刷り込まないで欲しい。子供たちの自尊心を奪いかねない。

○「裁くな」とか「赦せ」とか、安易に教えるべきでない。我慢するだけになってしまうことがある。被害者にならないためにも、しっかり自分を主張できるように育てたい。

○幼い時期に政治的価値観を刷り込むべきでない。政治的価値観は、その時の社会の利益に過ぎないからだ。たまに子供たちを政治に利用している姿を見るが、痛々しい。

 

4 キリスト教他派や他宗教との関係

  ○多神教の日本では、他の宗教へも敬意を払うのが当たり前である。カトリックが一神教であっても、それぞれの国や地域の習慣・風習を尊重すべきだと思う。

○キリスト教の他派との一致は、難しい。礼拝の位置づけ・聖体拝領の位置づけ・マリア様との関係・人類と神様の取り次ぎの意味…等が一致していないからだ。

〇“多神教”の日本では、他の宗教への敬意を払うのが当然だ。カトリックも、その国や地域の習慣や風習を尊重する必要がある。

〇キリスト教の他派との一致は、当然ながら、困難を伴う。礼拝の位置づけ、聖体拝領、聖母マリア、人類と神の関係など重要な点で大きな相違がある。世界レベルで、相違を乗り越える努力がされねばならない。

 

5 教会の組織・運営・活動について

  〇司祭の転任時期について、司教は各小教区の状況を的確に把握して判断してもらいたい。

〇教会行事は、老若男女が喜びをもって参加できる準備と内容が必要である。

〇教会共同体の不一致はある程度、容認する必要がある。教会のミサを大切にするためにも、そうすることが求められると思う。

〇“硬直的な考えの年配者”だけが居心地の良いような教会運営がされるべきではない。年配者には本来、その経験、識見によってすべての教会員のための教会運営に貢献することが求められているはずであり、信徒の減少、信徒の教会離れなどの問題への対応を真剣に考えてもらいたい。

 

私たちの提案

○不適切な聖職者がいるという現実がある。資格の更新制度や再教育システムを確立してもらいたい。

○聖職者と一般信徒らが月一集まって「信仰の在り方やカトリックと向き合う姿勢を考える」討論会を実施してはどうか。

○希望する聖職者に結婚を認める制度を教会法に盛り込むのはどうか。結婚を認める事で、家庭的かつ普遍的な愛を知ることができると考える。

○上級聖職者(司教・大司教・総司教)選出に於いては、投票制度を導入する。今のままでは、一般信徒の心情が蔑ろにされる可能性が大きいからだ。例えば、司教が交代する際、担当教区の信徒による投票を行い、過半数獲得で叙階・満たない場合に別候補で問うというのはどうだろうか。

○上級聖職者推薦システムを導入する。恣意的・利己的な選出に陥りがちな現状を打開するため、担当教区の各教会から代表者が集まり、その代表者の全員一致をもって候補者を選出するのがよいと考える。

 

終わりに

今回、シノドスに向けての集まりで、日常の中に神の計らいを感じて行動する若者や目には見えない愛(イエス)を信じようとする若者に出会った。パワーを感じた。かつては自分もそうだったかもしれないと思う出来事だった。

私たちは、このような若い人たちや子供たち、更にこれから生まれてくる命のために教会が本来の姿を取り戻さなければならないと考える。希望ある未来を思い描いて、諦めずに進みたい。

神様が傍にいて、このような私たちを支えてくれますように。

2022年6月16日

・「女性の役割、典礼、教会の管理・運営…」フランス司教団が”シノドスの歩み”で信徒たちが出した声をまとめた(La Croix)

Synod: the place of women, the liturgy and Church governance

“It is not only a question of women exercising much more responsibility in leadership, which must be done. Their place is also expected at the heart of sacramental life,” the document notes. (Photo illustration: MARC CHAUMEIL/ DIVERGENCE)

(2022.6.10 La Croix  Malo Tresca | France)

 教会にとって何が最優先されるべきかー”シノドスの道”の歩みを進めるフランスの司教協議会(CEF)が、これまでの歩みの過程で信徒たちから出された声を初めてレポートにまとめた。

 レポートは Alexandre Joly司教(トロワ教区長)とナショナル・チームがまとめたもので、三つの章ー「神の御言葉にひらめきを得ることの重要性」「社会の中で価値のある、信頼できる提案することの緊急性」「友愛的対話の場の必要性」から成る。

 フランスでの”シノドスの道”の歩みは、過去数か月に国内の15万人以上の信徒が表明した教会に対する期待、夢、そして失望の大きさに比べれば、いささか”退屈”なものではあったが、ともかく、歩みで出された声を10ページのレポートにまとめられた。

 CEFは、 6月14日から15日まで一般信徒の代表も参加してリヨンで開かれる臨時総会で、このレポートをもとにさらに考えを深める予定だ。総会に初めて参加することになった一般信徒に議決権はないが、すべての作業部会に参加することができる。

 そして、CEFは8月15日までに、この10ページのレポートに沿った文書を、臨時総会での意見交換の結果をもとに、投票によって決定し、バチカンのシノドス事務局に送ることになる。

*「言論の自由」の確保

 信徒たちが”歩み”で出した声の扱いについて、信徒たちからLaCroixには、「自分たちの意見が”あっさりと片付け”られてしまう、あるいは”検閲”されてしまうのではないか」などの懸念が寄せられていたが、レポートを取りまとめたチームは「問い掛けに対する答えを、可能な限り正直にまとめることに努めた。前文で述べているように、この歩みで示された緊張と願望も含めて」と説明。

 「このレポートは神学的見地からの判断を経ていないが、歩みの中で浮上してきた問題をそのまま伝えることで、今後の教会における識別に役立てることを目指した」とし、「当初懸念されていたことが無いように、『表現の自由』を確保することに努めた」と、レポートの前文には書かれている。

*友愛に満ち、喜んで迎える教会に

 レポートでは、フランスの信徒たちが、「友愛に満ち、喜んで迎える姿勢を持ち、貧しい人、軽んじられている人に対して顔を向ける教会」となることを強く望んでいること、教区レベルで真に”抑制と均衡”を確約することをもって一般信徒に大きな活動の場を与える教会統治を希望を確認していること、などを明示。

*司祭のミサ説教への注文

 また、信徒たちが、「ミサの説教で、信徒たちが日々の生活で具体的に生かすことのできるような話」を司祭に期待していること、典礼が「緊張の場」となってしまうことを懸念していること、非キリスト教徒との対話のための「第三の場」を希望していること、なども書かれている。

 司教協議会のメンバーで、サン・ヴァンサン教区の長であるエルヴェ・ジロー大司教は「このレポートをそのままバチカンに送るのであれば、喜んで同意の署名をする」と語った。

*教会における女性の役割の向上、聖職者”独身制”への疑問

 「このレポートは、誠実に、率直に、正直な態度でまとめられている」と、フランス西部のある教区長は述べ、その具体例として、「教会における女性の役割と地位の向上など、デリケートな問題も除外せずに盛り込まれている」ことを挙げた。

 実際、このレポートで真っ先に挙げられているのは、教会における女性の役割と地位を確固としたものにすることに関する信徒たちの期待だ。この問題について、レポートは、教会に関係を持つ女性の数と教会の政策決定に関わる女性の数の明確なアンバランスから、司祭と司教との関係における難しさから、もたらされる無数の傷とともに、その傷への対処の緊急性を指摘。

 「女性たちの声は無視されている。教会における女性の扱われ方は適切さを欠いている。そのようにして、教会は、数えきれないカリスマを、聖職者の”自己隔離”を壊す可能性を奪っている。それは、女性が教会において指導的役割を果たす問題だけに限らない」と述べている。

 「信徒たちの声は無視されているように思われる。ミサにおいて女性が説教することも含めて、女性は教会のすべての場に存在すべきです」と語るのは、「フランス語を話す洗礼を受けた人々の会」(CCBF)のPaule Zellitch会長だ。「シノダル(共働性)の立場から見て、”制度的な教会”には批判すべきことが多い」。

 ある”シノドスの道”の歩みのグループに参加した一般信徒のオリビエ氏は、「性の平等に関して私たちが経験している格差は酷いものです。今の現状を放置しておいてはなりません」とし、「教会における性的虐待に関する独立調査委員会」が昨年10月に衝撃的な内容の報告書を発表した後の、司教団の性的虐待の防止と対処に関する配慮の無さを嘆いた。

 「実際には、信徒の間では、司祭の独身制の問題、女性の助祭への任命や司祭叙階の問題など、フランスの教会がもつ特権を越える議論が進んでいる。一方で、女の子が祭壇奉仕をすることや、ミサの際に女性が聖域に立ち入ることへの、深刻な意見の違いがあり、それによって苦しみを味わっている信徒もいるのです」。

*教会の管理・運営のために一般信徒による評議会設置の提案

 こうした信徒たちの声を踏まえ、このレポートでは、教会の管理・運営に関して「選ばれた一般信徒による評議会の創設」など野心的な提案もされている。この提案は、フランス国内でのカトリックの活動を網羅した約50の組織のネットワークであるPromesses d’Égliseが出した意見の一つをもとにしたものだ。

 Promesses d’Égliseは 5月14日の意見表明で、司教、修道者、教会の諸組織、そして信徒の恒久的な対話と取り組みを可能にするための「全国レベルでの一般信徒のための新しい協力の形の創出」を提起。

*司祭養成へ新たな取り組みや聖職者の権威主義の問題も

 また、「叙階された聖職者たちと洗礼を受けた全ての信徒のための共通の信仰養成」や、「教会の管理・運営と意思疎通の能力を高めるような司祭養成」への取り組みへの強い希望も表明。叙階された聖職者たちの重い使命について実際に認識する一方で、広く語られているの中で、それは広く言及された”相関的な問題”ー聖職者の権威主義、女性との関係の難しさ、友愛的であるよりも高圧的な圧倒的な態度の問題などーにも触れている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2022年6月13日

・”シノドスの道”歩むイタリアの教会に多くの難題(Crux)

(2022.6.10 Crux  Senior Correspondent Elise Ann Allen)

ローマ–イタリアのカトリック教会指導者たちは現在、教皇フランシスコが世界の教会に参加を求める来秋の世界代表司教会議(シノドス)に向けた”シノドスの道”と同時並行の形で、イタリア独自の取り組みを進めている。

 イタリア版”シノドスの道”は、2025年に予定するイタリア・シノドスで新型コロナウイルス大感染で打撃を受けたイタリアが抱える課題を検討し、同時にこの国の教会の全体的状況について評価と対応をまとめるのが目的だ。

  教皇は、2015年にフィレンツェを訪問されて以来、イタリアの司教団に対して、国としての”シノドスの道”を始め、その歩みの中で「古くて反復的な」イタリアの教会構造を取り除き、「貧しい人々や恵まれない人々に近づく」よう、強く求めてこられた。

 イタリア版”シノドスの道”で司教団が取り組むべき数多くの課題の中には、国民の間で顕著になっている教会と宗教全般に対する無関心、教会運営やさまざまな慈善事業を支えるプロジェクトを支援する基金に関連する損失問題がある。

 教会の財務に関する問題も深刻だ。イタリアでは国が国民から徴収する所得税の収入から配分される資金が教会財政の重要な柱となっているが、その額が年々減っているのだ。国が徴収する所得税の収入は、政府と納税者が選択する教会を含む複数の正式承認を受けた慈善事業団体に配分される。どの団体にするかは、納税者が選ぶのだが、カトリック教会を配分先に選ぶ納税者が年々減少。

 イタリア国民の75%はカトリック信者であり、配分額の少なくとも7割は教会に配分され、配分先を選ばない納税者の税金は、選択した納税者の割合に応じて配分されるので、年間の教会の受取総額は約10億ユーロにのぼるのだが、その受取額が年を追って減っているのだ。

 その原因には、コロナ下での国民の所得減少がまず考えられるが、災害、飢餓、難民など世界的な危機の増大、学校教育の充実の必要などに国民の目が向き、それらに関連する慈善事業を税収の配分先として選択する人が増えていることもあるようだ。

 イタリア司教協議会は、納税者に、配分先をカトリック教会とするよう求める新聞広告を出すなど、収入減を食い止めようと努めているが、信徒の間に、聖職者による性的虐待問題への司教団の対処に不満を持つ声が高まる中で、どこまで説得力を持つのか、疑問をもつ声もある。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

2022年6月12日

・米ボストン・カレッジが”シノドスの歩み”で7月にオンライン公開講座

Pope Francis celebrates Mass to open the Synod of Bishops in October 2021 

 7月初めから3週間の予定で開かれる講座は、世界のカトリック信徒を対象に、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語の五か国語で行われ、料金は無料。10万人の参加を想定している。

 新聞発表によると、シノダリティ(共働性)をテーマとする世界代表司教会議は、「現在のキリスト教の第三・千年紀において、新たな教会建設のために回心と改革の歩みを生み出すよう、私たちを促す教会の生きた活動の新たな段階を象徴するもの」であり、その助けとなることを目指す今回のオンライン公開講座は、「世界中から講師として参加する人たちが、教会についてのグローバルで多様な文化を包含する展望を、私たちに提供してくれることを期待している」と説明している。

 聴講申し込方法みなど、講座について詳しく知りたい方は以下の動画を。

Register Home

 

 

 

 

2022年6月10日

・”シノドスの道”ーブラジルの信徒たちは”豊かな活力”を生み出す(LaCroix)

Lis Marques (pictured here on November 12, 2021) organized online meetings with the faithful in different neighborhoods of Sao Paulo. (Photo by AVENER PRADO for La Croix)

(2022.6.1 LaCroix  Marie Naudascher | Brazil)Synod update: Brazilian Catholics create a "fertile dynamic"

 世界最大のカトリック信徒を擁するブラジルの教会にとって、シノドスの歩みは、真にこれまでのあり方を振り返る機会になっている。

 エドソン・シルバは、オンラインによる毎週木曜夜のバーチャル集会の中心メンバーとして、8月にバチカンに送る提案書の作成作業に取り組んでいる。約10ページの提案書の取りまとめには、さらに数週間の共同作業が必要だ。

 「私たちのシノドスの歩みは、教皇フランシスコの素晴らしい意図を受け、(司祭や信徒たちの間の)従来の縦ではなく”横”の意思疎通を図ることの難しさを感じながらスタートし、いまでは豊かで活力に満ちたものになっています」とシルバは語る。50歳の彼は、サンパウロ州の社会活動プロジェクトの企画調整を担当する公務員だ。

 ノートルダム大学に勤めるリズ・マルケスは、シノドスの歩みを、教会刷新のアイデアを議論するユニークな機会ととらえている。何か月にもわたる、オンラインでの議論は、彼女が所属するサンパウロ西部のサン・マテウス教会基礎共同体以外の信徒たちも幅広く参加することができている、とその長所を指摘。

 また、こうした機会での重要な出会いの経験として、これまでに会ったこともなかったテレジーニャとの出会いを挙げた。彼女の方法論、知性、そして存在感が、オンラインを通じての間接的なものだったにもかかわらず、自分の心の琴線に触れた。コロナ禍の中で、デジタルによる集いを「やむを得ないこと」として始めたが、今では、それが、物理的な”隣人”を越えた声のやり取りを求める信徒たちにとって重要な選択になっている、という。

 一方で、シルバは、シノドスの歩みに積極的な行動で関わっている人々は、意見の交換がとても豊かなものになっているのを感じてはいるものの、「それによって、教会が一夜にして変わることはない」ことも分かっている、と言う。そして、「硬直的なベネディクト16世に代わって教皇に就任したフランシスコは変化を指向されているが、カトリック教会は依然として、貧困との戦う姿勢を明確にせず、一時しのぎの姿勢を続けている」と嘆く。

 彼の、社会的不平等で特徴づけられる都市におけるソーシャルワーカーたちとの日々の仕事は、教会が“不安定さ”との戦いでほとんど失敗していることを確信させる、という。

 Dom Evaristo Arns枢機卿(2016年没、フランシスコ会士、作家、1970年代の貧しく弱い人々の側に立つ『解放の神学』の主導者だった)がサンパウロ大司教の時に、少年時代を過ごした彼は、「教会は貧しい人たちと対話することができるし、そうせねばならないのです。福音主義プロテスタントの人たちはそれをしている。貧しい人たちの利益を守るために政治的立場を鮮明にすることをためらわない。ブラジルの社会の中で、カトリック教会の影響力が低下し、福音主義プロテスタントの影響力が上部構造にまで高まっている。旧来の形にはまったカトリックのやり方とは全く違う、様々なジャンルが混在し、確信に満ちている」としている。

 このような意見に対して、マルケスは、シノドスの道の意義について、全面的に評価する。「私たちは、先住民の人たちと一千年の伝統を持つ霊性を守り、LGBTQIA+(多様な性的少数派の人々)とアフリカ系ブラジル人の地位を高めるために努めねばならない。そのための道は既に開かれています。シノドスの歩みのおかげで、南米とカリブ海地域の一般信徒の新たなネットワークも作られつつあります」と、”シノドスの道”の歩みの効果への自信を語った。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2022年6月5日

【”シノドスの道”日本では】広島教区は”教区シノドス”と合わせて二度のZOOM全体会議も

(2022.6.3 カトリックあい)

 ”シノドスの道”の歩みに前向きに小教区レベルから教区レベルへと取り組んでいる教区がある。広島教区は、もともと”教区シノドス”を2020年に開くことで3年前から準備を進めており、各小教区やカトリック団体、カトリック校からの代議員も決まっていた。”教区シノドス”は、新型コロナウイルスの大感染の直撃を受けて、2021年に延期、Zoomによる開催を余儀なくされたものの、昨年11月そして今年3月の二回にわたり、それぞれ約150名が参加。教皇フランシスコが提唱される、2023年10月の世界代表司教会議に向けた”シノドスの道”の歩みと重ねる形で、分かち合いを行ない、その成果を以下のようにまとめた。同教区で中心となって活動されている一般信徒から提供していただいた資料をもとに、広島教区長、白浜司教のメッセージと合わせて全文を紹介する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

+主の平和

 世界代表司教会議の第16回通常総会(2023年10月予定)の準備のために、昨年9月に、教皇庁の世界代表司教会議の事務局から、各地方教会(教区)に要請があった質問に対する、広島教区としての回答のまとめができました。

 添付の報告書をご覧ください。2021年11月~2022年3月までの間に、質問へのご協力をいただいた、小教区・修道院・カトリック学校等の皆さんに、心より感謝を申し上げます。

 皆さんから寄せられた回答をもとに、教区の「世界シノドス準備チーム」でまとめを行い、①最終的に添付の資料のような回答となりましたこと、②日本司教協議会への提出期限(2022年6月4日)までに、広島教区として回答のまとめの提出が完了したことを、ご報告申し上げます。容量の制限(A4で5枚)もあったために、皆さんのご意見が十分に反映できていないかもしれませんが、ご理解を賜わりたいと思います。

 今後、教区シノドス後の司教教書「ともに歩むあたたかさのある教会をめざそう」(2022年復活祭)といっしょに、各共同体での会議や分かち合いなどを通して、今回の世界シノドス準備のための質問への回答を、小教区、地区、教区における宣教司牧のために活用して行ければと願っています。皆さん、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

            5月22日 広島教区 司教 アレキシオ 白浜 満

・・・・・・・・・・・・

世界代表司教会議第 16 回通常総会に向けて 質問への回答のまとめ 2022 年 5 月 8 日 カトリック広島司教区

 はじめに

 「ともに歩む教会のため―交わり、参加、そして宣教」というテーマで、2023 年 10 月に行われる第16 回世界代表司教会議(以下、「世界シノドス」と略す)に向けた準備のための『手引書』(Vademecum)が、2021 年9月に教皇庁シノドス事務局から公表された。広島司教区においては『手引書』に基づき、2021 年 10 月 17 日に世界シノドスの準備の説明会(教区内に Zoom 発信)と、世界シノドスの準備開始ミサを行った。

 これに並行して、広島司教区では、2019 年 10 月(福音宣教特別月間)から準備を開始していた第 3 回教区代表者会議(以下「教区シノドス」と略す)の第 1 会期が 2021 年 11 月 23 日に、代議員を対象に Zoom で開催された。その際に、教皇庁シノドス事務局から要請された世界シノドスの準備のためのアンケートに対する回答の方法についての周知を図った。

 そして、2022 年 2 月 23 日に Zoomで開催された教区シノドスの第 2 会期においても、それまでに寄せられた世界シノドスの準備のための質問への回答の中間報告を実施した。

 2021 年 12 月 8 日から 2022 年 3 月 20 日までの期間に、新型コロナウイルス感染症の影響で教会活動が制限される中での分かち合いとなったが、教区内の全 40 小教区中36 小教区、8団体(修道会や諸活動団体)から質問への回答が寄せられた。回答した小教区・団体が行った分かち合いに参加した人数は延べ 413 名、1 回の分かち合いでの参加者の平均は約 9 名であった。

 各質問に対する回答のまとめは、広島司教区の世界シノドス準備チームのメンバー(司教を含む)が行った。以下は、『手引書』にあった 2 つの基本的な質問と 10 の具体的な質問についてのまとめであるが、先に、10 の具体的な質問に対する回答の要約を行ない、それを踏まえて、基本的な 2 つの質問に対する回答を結びとして提示した。また、広島司教区では、2 会期におよぶ Zoom による教区シノドスの実施が、世界シノドスの準備と重なり、教区として「ともに歩む」体験ができたので、霊的な識別の実例として、今回の教区シノドスの成果について報告したい。

質問 1(旅の同伴者)に答えて

 「ともに歩む」旅の同伴者とは、広義では教会全体の仲間(信者)と言えるが、実際には、共同体のミサに参加している人に限られている。しかし、日本において増加している外国籍の信者とのコミュニケーションは十分に進んでおらず、「わたしたちの教会」となりきれていない。

 「ともに歩む」同伴者とは、もっと現実的には、自分自身に関わってくださっている方々のことである。ただし、教会に行けなくても、互いのことを想ったり、連絡したりして、祈り支え合う経験された方々もいる。

 取り残されているのは、教会に来れない人々、とくに独居の高齢者、病者、貧困者、外国籍の人々、障碍者、ホームレス、LGBTQ の人々。その他、仕事が多忙で来れない就業世代も、これに含まれる。また、教会の外部にいる弱い立場の人を知らなかったり、知ってはいても(精神的、物質的に)手を差しのべようとしなかったりする人々がいる。

質問 2(聴くこと)に答えて

 神に招かれている家族として、教会の内部・外部にかかわらず、神を求めている人、神を知らない人、苦しんでいる人、悲しむ人、孤独な人、海外からのカトリック者、外国籍の方々、その仲間たちの声に耳を傾けることが必要である。教会内でさえ話しを聴く場がない現状(コロナ禍の影響も一因)があるため、司祭・信徒同士、もっと互いに話しを聴く必要がある。

 聴くことにおいて妨げとなるのは、自分自身、自分の勝手な思い込み、自身が正しいと思っていること、自己中心的・傲慢な態度である。無関心、性急さ、一面的な評価、善意の押し付け、言葉の壁や教会の組織の壁、信者および教会に通う求道者たちだけの内向きの話し合い、聞き合いに終始している面がある。カトリックの殻から出ようとしない閉鎖性・消極性、キリスト教へのこだわりもある。

質問 3(声に出すこと)に答えて

 おもに基本的な人権、福祉、宗教などの分野において、声に出す手段としては、教会の諸活動、例えばミサ、結婚式、葬儀、講演、コンサートなど、そして、教会の受付、事務所、ホームページ、屋外の掲示板などが挙げられる。カトリックの教育機関、社会福祉施設、病院、書店などの存在とその働きも大きな役割を占めている。

 地域との関わりとしては、信者が働いている職場、清掃活動・集まり、自治会との共同作業、子ども食堂、クリスマス・イースターの近隣住人への案内などがある。声に出すことの助けとしては、ミサの聖書朗読、司祭の説教、分かち合い、教会内での協働、信仰における仲間があげられる。反対にその妨げとしては、自分自身(知識・体験不足)、無関心、自己満足、皆と違う考え方の排除、深いところで人との繫がりがないこと、効率性・生産性を重視する社会などが挙げられる。

 社会への発信の代表としては、司教、司祭、シスター、教会委員、信徒の代表、信徒一人ひとりが挙げられる。

質問 4(祝うこと・典礼)に答えて

 典礼(とくにミサ)における神の家族としての祝いが、わたしたちの生活や宣教活動の源泉であることを意識するために、典礼を学ぶことが大切である。その学びを通して、喜びが深まり、それぞれの家庭や地域社会へ派遣されて支え合い、助け合う力となる。日本においては、邦人信徒が高齢化し減少しているが、外国籍の若い信徒が増加し、積極的に典礼(とくにミサ)に参加している現状がある。

 また典礼における信徒の奉仕を呼びかけて募り、会衆は意識的に参加することを大切にする必要がある。朗読や祭壇の奉仕者の養成の在り方について、学びの場を提供することも重要である。しかし、司祭の減少や信徒の社会生活の多忙さなどの複合的な要因によって、信徒の養成が以前よりは希薄になってきている。

質問 5(宣教における共同責任)に答えて

 信徒は、家庭・職場・社会など愛(優しさ)を実践することによって宣教へと招かれている。しかし、そのことを説明し励ます人が必要である。信徒が能動的に宣教活動する上で、物理上の妨げは見られないが、宣教の使命を帯びているという自覚を促す養成が少ないのではないか。受洗後も聖書、宣教、祈り、典礼などの分野における一人ひとりの生涯養成が必要である。

 受洗しながら教会から離れている人々への宣教が十分でないかもしれないが、それ以前に、どのような宣教の分野(対象)があるのかを意識している者も少ないのではないか。司祭、修道者、カテキスタが霊的にも、実際の活動においても支援してくれているが、これらの支援が少ない場合でも、信徒の宣教者が活躍している事例もある。教区や小教区の宣教司牧評議会、主任司祭や他の司祭などが、時宜のニーズに応じて、宣教のあり方を識別している。

質問 6(教会と社会における対話)に答えて

 教会内であれば、会議、分かち合い、ミサ前後の交わりなどを通して、対話が行われている。また教会から、修道会や信徒団体ならびに教育施設などへの協力・協働・共催の依頼があって、多様な連携も進められている。しかし、以前よりその連携が弱体化している。

 宣教のビジョンや方針は、教区や小教区の宣教司牧評議会などで決定している。教会や社会において、今日では、移動移住者(とくに外国籍の方)や社会から小さくされている人に、特別な注意を払う必要がある。また、地域社会の一員である教会は、地域に対して、施設などを開放していたが、それも以前より少なくなって来ている。

質問 7(エキュメニズム・他のキリスト教諸派とともに)に答えて

 他のキリスト教諸派との関係について、祈りの集い、社会奉仕活動(夜回りや炊き出しなど)、社会問題(平和行事、部落差別、ハンセン病、在日外国人など)に関連する活動や親睦・交流会などの協働がある。しかし、何か霊的なことを共有しながら、ともに旅をしているという実感は乏しいが、キリスト教諸派との行事などを共同して実施する中で、異なる信仰告白があることや、自分の信仰告白について改めて問い直すなどの、信仰上の実りを得ることができている。

 ただ小教区によっては、キリスト教諸派とのエキュメニズムに対する無関心や拒絶する態度さえ見られることもある。とくに無関心な地域では、司祭の協力、相互理解、対話を促すことによって、次の段階に進めるのではないか。

質問 8(権威と参加)に答えて

 信徒の中には、目標や方法、踏むべき段階はどのように決定しているのかなどについて、無関心であったり、知らなかったり、理解できない方も多く、伝達方法にも工夫が必要である。通常、教区や小教区の宣教司牧評議会や委員会での話し合いによって目標や方法を特定し、議事録やお知らせなどで信徒に報告している。

 協力体制はあるが、実践する人はだいたい同じメンバーに偏りがちである。皆が納得できるように時間をかけることも大切であるが、限られた時間の中では上意下達になってしまっており、一部の人で決められている感がある。とくに司牧者はいろいろな立場の人々、とくに若い人や外国人などの様々な意見を吸い上げる必要がある。

質問 9(識別することと決断すること)に答えて

 物事を判断し決定していく手順として、個人の意見に耳を傾け、共同で祈り、聖霊の助けを願いながら識別し歩むことが大切である。互いに理解を深め、丁寧に関わり、神に喜ばれることは何かを意識し、信徒全員に伝達することで、透明性と説明責任が果たせると思われる。ときどき、組織化された教会のあり方(聖職者中心)や少子高齢化の現状などの課題も妨げになるが、個人と共同の識別に違があっても、できる限り協議や分かち合いを基準として決定している。

 聖霊の助けによって識別する力を養うには、ミサ、黙想会(霊操)や研修会などに参加して、福音の精神を浸透させていくという認識を深め、共同体の中に浸透させていく必要がある。近年、多国籍の方が増えて、多くの課題も見えてきているので、どのように関わり、協働することができるのかについての話し合いは重要である。

質問 10(シノダリティの中で自己形成すること)に答えて

 「ともに旅する」ことができるように、他者を知ること、分かち合い、対話のスキルアップなどが必要であり、そのために福音を黙想し、共同で祈り識別していく研修の機会を、もっと提供すべきである。個人の意識改革も求められるが、多くの人々への声かけ、とくに外国籍の方々への働きかけを大切にして、一部の人だけではなく、皆が心を一つにしていくことが重要である。

 互いに距離があってもネット上での参加を可能にする、リモートというツールは有益である。ただし、高齢者や弱者を置いてきぼりにする危険性があるので、デジタル環境への適応において、特段の配慮が必要である。

まとめ

1)福音を告げながら「ともに旅をする(ともに歩む)」ために(基本的な質問1に答えて)

 具体的な教会活動(ミサ、宣教司牧評議会などの会議、種々の行事、バザーなど)の中で、協力し合うことで「ともに旅をする」体験ができているが、教会から離れて行った兄弟姉妹のことを思うと、行き詰まりも感じられる。

 またカトリックの幼稚園や学校、福祉施設、キリスト教の諸派や諸宗教と協働する活動、とくにボランティア活動においても同様の体験をしている。高齢化、少子化、新型コロナウイルスの影響などで、活動が制限されたりするケースが見受けられる。

 このような困難の中でも、神への信仰、祈り、種々の活動における語らいによって、「ともに旅をする」ことの実現に向かっている実感がある。このような経験から、わたしたちに求められることは、聖書や祈りなどの霊的な恵みに支えられて「ともに旅をする」ことを皆で考えていくこと、喜びを感じること、それを分かち合うこと、対話を重ねること、多くの方々とのつながりを持つことである。個人と個人、個人と教会、小教区同士が気軽に交流できるSNS やインターネットを使った情報交流を進めることも大切なことである。

 今後、関わりを求めている人たちとの連携をどのように豊かにできるかを考え実行することが求められる。

2)「ともに旅をする」中で成長するための聖霊の招き(基本的な質問2に答えて)

 一人一人を尊重し、国籍や信仰の有無によって差別せず、皆が神に愛されている尊い存在であることを認識することが大切である。まず神の名のもとに集まった人たちを家族として受け入れ、ともに過ごすひとときが必要であると感じる。

 そして、集まった家族の中に主イエスがともにおられること(マタイ18・20 参照)を信じることが大切である。同時に、聖霊の息吹を感じ、無関心から脱却できるように祈ることも必要である。

 こうした経験からわたしたちに求められるのは、何気ない日常の生活を送れることを神に感謝すること、他の方々も同様に神から愛されている存在であることを感じること、そして「互
いに愛し合いなさい」という主イエスの愛の掟を実践すること、互いにコミュニケーションを取り、理解を深め、連帯することが大切である。

 自分の願望よりも、主イエスを中心に置き、聖霊が示そうとしていることを識別し、決断すること、分かち合いや祈りを大切にしながら、社会へと視点を向けていく必要もある。回勅「ラウダート・シ」にもあるように「わたしたちの共通の家」である地球環境についても意識を向け、徐々に外向きに視点を変えてゆくことは、これからの教会が「ともに旅をする」助けとなる。

3)「ともに旅をする」体験を実感した第 3 回「教区シノドス」

 教皇フランシスコは、現代の様々な困難の中にあっても、教会がたゆまず福音宣教に励むよう鼓舞するために 2019 年 10 月を「福音宣教特別月間」として制定された。この月間の「世界宣教の日」(2019 年10 月 20 日)に、白浜司教は 1 年後の 2020 年 11 月 23 日に「ともに喜びをもって福音を伝える教会へ」というテーマで、第 3 回目の教区シノドスを開催することを宣言し、その準備を開始した。その後、教皇フランシスコの訪日、被爆地・広島の訪問という歴史的な出来事を身近に体験したわたしたちは、これからの福音宣教のために、大きな感動と勇気を与えていただいた。

 ところが、教皇フランシスコの訪日後、間もなくして新型コロナウイルス感染症の世界的大流行に遭遇し、2020 年に予定していた教区シノドスを延期せざるを得なくなった。2021 年になっても新型コロナウイルスの猛威は収まらず、

 その開催が再び危ぶまれる中、教区民の互いの協力のもとに初めての試みとしてオンライン形式で、11 年ぶり第 3 回目となる教区シノドスの第一会期(参加者 137 名)を 2021 年11 月 23 日に、第二会期(参加者 130 名)を 2022 年 2 月 23 日に、それぞれ無事に実施することができた。未曽有の困難の中でも、先へ進んで行こうとする互いの熱意に触れ、深い感動と強い絆を感じ、神の計らいと聖霊の招きを体験することができた。

①教区シノドスの成果

 教区シノドスの開催に向けた準備として、まず教区民に実施したアンケート結果をもとに 5 つのテーマ(平和・福音宣教・多文化共生・協働・養成)の分科会を設定して協議し、最終的に具体的な提言として「30 のチャレンジ」が提示された。これは今回の教区シノドスの大きな特徴のひとつである。これらの提言を活かして、教会の使命をよりよく遂行していくため、白浜司教は 2022 年 4 月 17 日(復活の主日)に公布した司教教書において、今後の新たな方向性(ビジョン)を示した。

②教区創立 100 周年(2023 年)後の宣教司牧の目標や課題

 教区シノドスの成果から、白浜司教は司教教書の中で、教会の普遍的な「三重の使命」(預言職・祭司職・牧職)を遂行していくため、「ともに歩むあたたかさのある教会をめざそう」という 10 年間の教区全体の宣教司牧の目標を打ち出し、次に 5 つの強調点(平和・福音宣教・多文化共生・協働・養成)に基づいて、今後の優先課題を具体化していくための理念や基本方針を示した。

 「ともに歩むあたたかさのある教会をめざそう」という長期の目標の「あたたかさ(優しさ)」とは、キリストがその生涯と死をもってあかしされ、わたしたちにも注がれ続けている神の愛といつくしみ(Ⅰヨハネ 4・7~21)を示す。教区創立 100 周年を機会に、この神の「あたたかさ」を身に帯びることの大切さを再認識することは有意義である。

 そのために、信仰に基づく「あたたかさ」の源泉に立ち返り、「あたたかさ」のある共同体を育み、「あたたかさ」を隣人、家庭、社会、自然界へと広げていくことを目指すという 3 年ごとの中期的なビジョンも示されている。この目標は、今回の世界シノドスのテーマである「ともに歩む教会」、また、教皇フランシスコが回勅『兄弟の皆さん』(2020 年 10 月 3 日公布)において呼び覚ますように強調された兄弟姉妹への愛と社会的な友愛、回勅『ラウダート・シ』(2015 年 5 月24 日公布)で取り扱われた環境問題と関連する社会問題への取り組み、そして「すべてのいのちを守るため」というテーマで訪日(2020 年 11 月)された教皇フランシスコのメッセージに呼応するものでもある。

③「30 のチャレンジ」に基づく優先課題の推進

§「シノドス対応調整チーム」の設置

 「30 のチャレンジ」を推進していくためには、提言を整理し具体化して、教区の宣教司牧評議会に提案するという手順を踏む。この「30 のチャレンジ」を整理し立案化するために、「シノドス対応調整チーム」を設置する。この「シノドス対応調整チーム」は、具体的な立案化を担当する役割を持つものであって、実行チームではない。実行するのは既存の種々の関係組織(委員会、活動団体など)である。「シノドス対応調整チーム」は、立案化していく準備段階からこれらの関係組織と連携していく、いわゆる調整役である。

§「シノドス対応調整チーム」と連携する自主的なグループの立ち上げ

「30 のチャレンジ」を整理し、具体的な立案化を担当する「シノドス対応調整チーム」の作業をサポートしていくため、有志を募り、オンラインを駆使して関わる自主的なグループも立ち上げる。

④第 4 回目の教区シノドス(予定)と中間の振り返り

 教区創立 110 周年(2033 年度)を迎える前に、第 4 回目の教区シノドスを開催し、2034 年度以降の広島教区の歩みを、ともに考える計画である。その中間で、第 3 回目の教区シノドスで提示された方向性の振り返りや、「30 のチャレンジ」の推進状況を評価することを検討している。

4)「ともに歩む教会」をめざす

 「ともに歩む教会のため―交わり、参加、そして宣教」というテーマで開催される第 16 回世界シノドスのための準備期間と、「ともに喜びをもって福音を伝える教会へ」というテーマで開催された第 3 回教区シノドスの実施が重なったことは、広島司教区が、創立 100 周年後の歩みを考えていく上で、有意義な出来事となった。宣教という目標に向かっていくために、教区民一人ひとりが互いに交わり、積極的に参加して、「ともに歩む教会」をめざすという世界シノドスの理念が、教区シノドスの福音宣教・平和・協働・多文化共生・養成という 5 つの強調点と「30 のチャレンジ」という提言によって具体化されたように思われる。

 世界シノドスの準備の中でわたしたちは、教皇フランシスコが強調されている「ともに歩む」という教会のシノドス性についての理解を深めながら、これからの福音宣教ために活かして行きたいと切に願っている。

2022年6月3日

・英国のカトリック教会、イングランド・ウエールズ地域で”シノドスの道”全体会議開催(VN)

(2022.6.2 Vatican News staff writer)

 英国のイングランド・ウェールズ司教協議会が1日、ロンドンのサザーク大聖堂で、”シノドスの道”の歩みに関する司教、司祭、一般信徒による全体会議を開き、これまで各教区のレベルで歩みを中心となって進めてきた約90人が参加した。イングランド・ウエールズ司教協議会のキャノン・クリストファー・トーマス事務局長は、「祈りの中で、これまでの各教区の歩みの結果をまとめる重要な機会になった」と説明している。

  全体会議は、バチカンのシノドス事務局が準備書面で提案した”シノドス(共働)的教会”となることを願う祈りとミサで始められた。そして、参加者全員で昼食をとった後、各教区の歩みについての報告をもとに司教協議会事務局がまとめた草案の検討に入った。草案は、イングランド・ウエールズ司教協議会の教区、修道会、大学、カトリック団体、そして個人から提出された、700ページに上るレポートをもとに、9人の作業チームによってまとめられたもの。

 会議は、バチカンの広報のための部署のシスター・ベルナデット・ルイスの司会で進められ、参加者全員で、草案が、各教区などから出されたレポートを的確に反映しているが、欠けているものはないか、感動した内容あるいは失望した内容は何か、さらなる分析と検討が必要なものは何か、などについて、意見を交換した。

 そうした中で、共通して示されたのは、”シノドスの道”の歩みを通じて、教会としての成長を続けて行きたい、という願い。出席者の中からは、「イングランド・ウエールズ地域としてシノドスの道の歩みを経験したことを踏まえての課題は、それをどのように具体化し、先に進めることができるかに移っている」との声が聞かれた。

 教区レベルと全国レベルの両方で教会会議の過程で成長し続けたいという願望は、浮かび上がった1つのポイントでした。あるグループは、イングランドとウェールズの教会が教会会議の過程を経た今、「それがどのように埋め込まれ、どのように前進するかを示し、明らかにする」必要があると述べました。

 全体会議の締めくくりに、イングランド・ウエールズ司教協議会の会長でウェストミンスター大司教のビンセント・ニコルズ枢機卿は、「私たちは、この高見の部屋で、聖霊の導きを求めつつ、教会活動を俯瞰する類まれな窓を得ました。そこからは、不完全で、はっきりとはしないが、貴重な俯瞰図を共に見ることができたのです。 私たちは、『耳を傾けるこつ』『耳を傾ける規範』を学んでいます。それは自然には得られるものではなく、自制心と謙虚さが求められます。 私たちはそれを学んでいます。 これは、教会活動にとって、極めて重要な資質でなければなりません」と強調した。

 作業チームは、今回の全体会議で交わされた意見をもとに、草案を練り直し、最終草案を作成。司教協議会のウエブサイトに掲載、6月29日に、ロンドンのウエストミンスター大聖堂で開く会議で報告書をして決定する。一方で、司教たちは、シノドスの道を、英国レベル、さらに欧州地域レベルに進ませるための準備を進める予定だ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2022年6月3日

・”シノドスの道”をテーマにイタリア司教協議会総会、教皇が開会を宣言

Pope Francis opens the audience with a moment of prayerPope Francis opens the audience with a moment of prayer  (Vatican Media)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2022年5月24日