・教皇ミサ、東京は25日午後4時から東京ドームで-菊地大司教コメント

教皇、38年ぶりの来日決定

2019年09月13日

 ローマ教皇庁は9月13日午後4時(ローマ時間・同日朝9時)、2019年11月23日(土)から26日まで、教皇フランシスコが来日すると公式に発表しました。ローマ教皇の来日は38年ぶりです。菊地功大司教をはじめとするカトリック東京大司教区の私たちも、心から歓迎したいと思います。
今回の教皇来日のテーマは「すべてのいのちを守るため〜PROTECTALLLIFE」。東京、長崎、広島を訪問されます。

 詳細については特設サイト(URL:https://popeinjapan2019.jp)をご覧ください。

【教会に関係する行事】

 教皇ミサは、長崎では11月24日(日)14:00から長崎県営野球場で、東京では25日16:00から東京ドームで行われます(ただし教皇到着・参列者による出迎えは、ミサ開始のそれぞれ30分前)。

【菊地功大司教のコメント】

「教皇様が来日され、また東京を訪問してくださることになりました。教区のみなさまのともに、心から喜びを持って歓迎いたします。教皇様の示される『出向いていく教会』の姿を、わたしたちが実現できるように、教皇様の言葉と行いによる証しにならいたいと思います」

◇   ◇
教皇来日全般にかかわるお問い合わせは、以下の窓口にお願いします。

報道関係者用:「POPE IN JAPAN 2019」プレス事務局
EMAIL:press@popeinjapan2019.jp
TEL: 090-3904-8120(平日10〜18時 日本語のみ)

教会関係者・一般用:カトリック中央協議会 教皇訪日準備室
EMAIL:info@popeinjapan2019.jp
TEL: 03-5632-4446(平日10〜16時)

2019年9月13日

・教皇訪日決定で、司教協議会が特設サイト開設-来日テーマは「すべてのいのちを守るため」

(2019.9.13 カトリック中央協議会ニュース)

 日本カトリック司教協議会は、このたびローマ教皇庁が、第266代教皇フランシスコの訪日を発表したことをご報告いたします。ローマ教皇の来日は、1981年の第264代教皇ヨハネ・パウロ二世以来、2度目となります。
今回の教皇来日のテーマは、「すべてのいのちを守るため〜PROTECT ALL LIFE」です。そのロゴマークも公開しています。
今後、行事日程やミサの詳細、関連情報などを随時、特設サイト等を通じて発表していく予定です。

来日テーマ「すべてのいのちを守るため 〜 PROTECT ALL LIFE 〜」

 教皇フランシスコ来日のテーマは、同教皇の回勅『ラウダート・シ』(2015年発表)巻末に収められている「被造物とともにささげるキリスト者の祈り」から取られています。
わたしたち一人ひとりは、神の似姿としていのちを与えられ、すべての人とともに永遠の祖国を目指すよう導かれています。そしてこの世界も、神によって「人の住む所として形づくられ」(イザヤ45・18)、保たれています。ですから、「すべてのいのちを守るため」には、人間一人ひとりの尊厳はもちろんのこと、環境も大切にされなければなりません。
しかし、「わたしたち皆がともに暮らす家」である地球は、人間の手によって蹂躙されて苦しみ、そのうめく声は、世界中のうち捨てられた人々の嘆きと重なっています。
今日の日本にも、いのちと平和に関する諸問題が山積しています。
経済、環境、近隣諸国との関係といった問題のほか、大規模な天災や原発事故からの復興も、持続的な課題として存在しています。わたしたち日本の教会は、あらゆるいのちを守り、人間の生の諸問題に真摯に取り組むべく努めています。
キリストが示されたいのちの福音を告げ知らせ、キリストによる平和のために祈り働くその決意を、教皇来日のテーマは表しています。

歓迎メッセージ

日本カトリック司教協議会会長の歓迎メッセージ    長崎大司教 ヨセフ 髙見 三明

 このたび、日本を訪問してくださるフランシスコ教皇様に、日本のカトリック教会を代表して心から感謝申し上げるとともに、日本の皆様とご一緒に歓迎し喜びたいと思います。
教皇フランシスコの就任は2013年3月13日でしたが、翌年7月に、当時の司教協議会会長岡田武夫大司教と副会長だったわたしが、招待状を携えてバチカンに参りました。その後、数回にわたって手紙などを通して訪日を要請して参りました。教皇ご自身も、一般謁見の講話の中で日本のキリシタン時代のことに言及されたり、「焼き場に立つ少年」の写真の頒布を指示されたりして、訪日に向けていわば伏線を敷いておられたように思います。
それにしても、教皇訪日は、実に多くの方々の理解と協力がなければ実現できない、大きな出来事であると感じております。数ある国々の中で、キリスト信者が極めて少ない日本に来てくださることを感謝しつつ、少しでも有意義な訪日になるよう、一層気を引き締めて準備に務めて参りたいと思います。皆様方のご支援をいただければ幸いでございます。

2019年9月13日

・香港の教育現場を管理、圧迫する”社会信用制度”が試行され始めた(BW)

*”人の行動や信頼性”の採点制度を香港の学校にも”試験導入”

 中国の悪名高い「社会信用制度」は、市民に残された権利と自由を徐々に奪い取る脅威だ。2014年、国務院が『社会信用制度構築の計画概要 (2014年~2020年)』を公布し、来年中の完全実施を目指し、国内のさまざまな地域で試行を始めている。14億人の国民を追跡、採点し、人々の社会的地位を判定するのが狙いだ。

 新制度による”採点”は、国民一人一人の旅行、職場での昇進、車や住宅の購入、子供が入学する学校まで決定づける。中国政府は「一貫性ある文化」を創造し、「社会全体の信用レベル」を向上させる道具と説明しているが、実際は、政府・共産党が人々を四六時中、監視し、管理する新たな方策だ。

 そして今、中国共産党 は香港でも、この制度を導入しようとしている。

香港油塘地区の聖安当女書院。(Baycrest – Wikipedia user – CC-BY-SA-2.5)香港油塘地区の聖安当女書院。(Baycrest – Wikipedia user – CC-BY-SA-2.5

*採点制度の脅威にさらされようとした有名カトリック女子校生たち

 9月3日、あるインターネット利用者が香港の人気オンラインフォーラムに、「香港油塘地区の聖安当女書院(聖アントニオ女学院=カトリック香港教区が管理運営)が新学期から生徒の行動採点制度を導入する」との情報を投稿した。それによると、この制度は生徒全員を対象とし、各人の持ち点は100点、学校の「名誉を勝ち取った」生徒は加点され、「無謀な行いをする」生徒は減点される。学期末に「50点未満」とされた生徒は、それ以降の教育を受ける機会を失う可能性があった。

 この制度の導入が報じられた後、学校はウェブサイト上で採点制度の導入を取りやめる、と発表したが、多くの人はなお、「香港の教育界が中国共産党の影響を受け、牛耳られようとしているのではないか」と懸念している。

聖安当女書院の生徒の行動採点システムにおける減点規則(聖安当女書院に懸念を示す団体のFacebookファンページから)。

 聖安当女書院の生徒の行動採点システムにおける減点規則(聖安当女書院に懸念を示す団体のFacebookファンページから)。

 導入されようとしたこの制度は、中国の「社会信用制度」に酷似している。減点対象の違反行為として、「教員に対して不敬な態度をとる」「宿題をやってこない」「命令されても携帯電話を渡さない」「授業を欠席する」「私物を放置する」「1回の授業中に3回以上机に顔を近づける」などが列挙されており、違反1回ごとに、違反者の持ち点から1点から15点が差し引かれる。

 あるインターネット利用者は「学校当局が開発した採点基準のいくつかがあいまいだ」と指摘した。たとえば、「学校の政治的立場と異なる考え方を持つことが学校の名誉棄損とみなされるかどうか」の判断ははっきりしない。採点システムには、他にも「点数の減点または加点の条件に合致する」”柔軟なオプション”が設けられていた。一例を挙げると、「教員に尽くした」生徒は3点を獲得できる。

 この学校の規則を見たあるインターネット利用者は「公権力の濫用そのものだ」と言った。学校を 新疆ウイグル自治区 の 「教育による改心」のための強制収容所 に結び付け、画像を投稿する人もいた。

*香港の抗議参加者を”脅迫”する道具に

 学校の生徒たちは「採点システムの実態の不透明さに不安を抱き、教員による減点が公平なのか」懸念していた。「学校が生徒の発言と行動を学校内外で厳格に管理する道具になるのではないか」との不安も抱いていた。

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 聖安当女書院は制度の導入をとりやめたが、香港の他の学校ではすでに実質的な導入が始まっているところもある。

 9月2日、香港の孔教学院大成何郭佩珍中学で録音された音声がFacebook上で暴露された。それは、学校長と思われる女性が、生徒たちに「市内全域で行われる大学生、中学生のストライキに参加しない」こと、「授業のボイコットや反政府デモに加わらない」ことを要求する内容だった。

 女性の声で「自由を望むなら、もう生徒ではありません」という声や、「ストライキに参加した生徒の名前を教育局に提出するという発言が聞こえる。香港のメディア、立場新聞の報道によると、9月2日、約200人の生徒たちが自発的に授業をボイコットしたが、その中には「『甚大なデメリット』を被る」と脅迫された生徒もいたようだ。

 Bitter Winterは、ある香港の住民に話を聞いた。「もしも採点システムが学校で施行されれば、ストライキや反対運動に関わった学生が非常に心配だ」という。「学生は『校外で無謀にふるまった』『教員に不敬を働いた』とみなされるのでしょうか」。この男性は不安そうに尋ね、「学生が政治的不服従のために処罰されるのではないか」と憂慮した。

*「行動計画」には「”社会信用システム”を3年以内に香港、マカオに導入」と

 3月18日に北京で開かれた思想及び政治理論の教師のためのシンポジウムで、習近平 国家主席は、将来、中国共産党中国の社会主義システムを支える才能ある世代の育成の必要性を繰り返し強調した。そのためにはまず、学校と子どもたちから始めなければならない、と主席は語った。近年、中国共産党は頻繁に香港の教育界に介入し、香港社会の反発を招いている。

 逃亡犯条例改正案の反対運動が起こったのは、中国共産党がさまざまな手段を使って香港を管理し、侵入しようとしていることに住民が気付いたからである。中国本土における社会信用システムの施行と、香港への導入に反対する者が大勢いるのはそのためだ。

 7月5日、『粤港澳大湾区建設3ヵ年行動計画(2018年~2020年)』が発表され、中国南東部、広東 の政府が計画推進を主導することになった。行動計画には、現在、中国本土で利用されている社会信用システムを3年以内に香港とマカオに導入することが述べられている。このニュースは香港で激しい議論を巻き起こした。

 7月9日、香港政府は「香港では当面、社会信用システムを導入することはない」と明言した。しかし、8月24日にデモ隊は、解体した街灯の中にいくつもの中国製部品が据えられているのを発見した。部品のひとつは「BLEロケーター」と呼ばれるBluetoothの発信機で、人々のデータを中国本土の「天網プロジェクト」に送信している疑いがある。この出来事は再び市民に不安をもたらしている。

 中には、香港で社会信用制度が施行されれば、香港のすべての住民にとって、反対運動を引き起こした逃亡犯条例改正案による弊害に匹敵するか、それよりも悪い事態に陥るのではと懸念する人もいる。

 ある人々は「中国共産党は反対運動を見て、香港で無差別に社会信用システムを推進するのを思いとどまったのではないか、なぜなら強行すれば、すぐさま大規模な市民の反発が起こるだけでなく、香港問題に関する中英連合声明に反することになるからだ」と考えている。法的拘束力を持つ1984年12月19日調印のこの文書は、それを予見している。「香港特別行政区政府は、香港の既存の法律に定められている、人身、言論、出版、集会、結社、旅行、移転、通信、ストライキ、職業選択、学術研究、信教の自由 を含む権利と自由を保持する」。

 匿名希望の香港のインターネット利用者は「聖安当女書院の出来事を見て、中国共産党が中国本土で市民を管理するために利用している方策を複製し、香港社会のあらゆる領域に注入するのではないかと不安になった」とBitter Winterに語った。

(陳沢志による報告)

(編集「カトリック・あい」)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日8言語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

2019年9月12日

・”暫定合意”後、二人目の司教叙階ー中国政府・共産党の思惑は…(VaticanNews、Ucanews)

(2019.8.28 VaticanNews)

 バチカンは28日、昨秋の中国政府との”暫定合意”にもとずいて、二人目の司教が同日、教皇の権限の下で叙階された、ことを明らかにした。 叙階されたのは、山東省 漢中教区の Stefano Xu Hongwei補佐司教。

 マッテオ・ブルーニ報道官は同日の会見で、記者団の質問に答える形で、補佐司教の叙階について声明を出し、「山東省 漢中教区の Stefano Xu Hongwei補佐司教が本日28日、教皇の承認と、中国との暫定合意の枠組みの下で叙階された」と説明した。

 叙階式は、漢中市の聖ミカエル大聖堂で、中国司教協議会会長のMa Yinglin司教(雲南省昆明教区長)が司式し、5人の司教、80人の司祭、約1000人の信徒が参加して行われた。

 AsiaNewsによると、叙階されたXu Hongwei補佐司教は1975年1月生まれの44歳。1993年に福建省・閩南教区の小神学校に入り、1996年、西安教区の神学院入学、2002年7月に陝西省の漢中教区で司祭叙階、翌月、同教区の南鄭の教会に赴任、あわせて司教座聖堂である聖ミカエル大聖堂でも司牧の補助役に。さらに2004年から2008年までローマの教皇庁立ウルバノ大学に留学、さらに2010年までカナダのバンクーバー教区で司牧について勉学を重ねた後、帰国して漢中市の漢台の大聖堂の主任司祭となった。

 2015年に中国天主愛国協会・司教会議の地方委員会の会員、さらに2017年に中国人民政治協商会議中国共産党、各民主党派、各団体、各界の代表で構成される全国統一戦線組織)の連・漢台地区委員会の委員となった。漢中教区はミラノ外国宣教会が布教を始めた歴史的な教区で、約3万人の信徒がおり、司祭は30人、修道女11人がいる。

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(解説・「カトリック・あい」南條俊二)

Another Chinese bishop, two days after the last

Bishop Stephen Xu Hongwe (fourth right) at his ordination. (Photo supplied・ucanews)

   最近の三日間に、中国で二人の司教が相次いで叙階された。バチカンは「昨年九月の中国政府との司教任命に関する暫定合意にもとずくもの」と強調しているが、なぜ、合意後一年近く経ってから、教皇がすでに司教に選任していた二人が相次いで叙階されたのか。

 それは中国政府・共産党の”バチカンとの融和”を強調しつつ、中国国内のカトリック教会を実質的に支配下の置こうとする思惑によるもの、と判断できるようだ。

 その一つが、叙階式で司式した司教が中国政府・共産党に忠誠を誓った「中国天主愛国協会」の副会長と会長だったこと、叙階された二人が、いずれも海外で司祭としての教育を受けながら、そのままま宗教弾圧下の中国に帰国して、国内の教会に赴任を認められ、とくに二人目の司教は、VaticanNewsの指摘にあるように、帰国後まもなく、政府・共産党の下部機関とも言える中国天主愛国協会・司教会議の地方委員会の会員、さらに中国人民政治協商会議中国共産党、各民主党派、各団体、各界の代表で構成される全国統一戦線組織)の連・漢台地区委員会の委員となっていることだ。

 また、カトリック系の有力メディアucanews.comが28日に中国発で伝えるところによると、同日に漢中市の聖ミカエル大聖堂で行われた叙階式には、現地当局から多勢の警備員が派遣され、信教の自由を守るために政府・共産党の管理・統制下に入ることを拒み、教皇にのみ忠誠を誓う”地下教会”の信徒、司祭は排除された、という。

 一説によると、11月に計画されている教皇フランシスコのタイ、日本訪問の際、中国にも訪問されるように画策する動きがあるという。教皇訪問を歓迎することで、バチカンを取り込み、国際社会での中国国民への信教の自由を含む人としての権利を侵害していることへの批判をかわし、カトリック、プロテスタントを含む国内の宗教活動の”中国化”を正当化しよう、とする思惑が働いている可能性もある。

 米中が政治的、社会的対立を深めるなど覇権争いの様相を強める中国をめぐる国際情勢の中で、仮に教皇が中国を訪問するようなことがあれば、中国支持の姿勢を明確するものと受け取られ、弾圧を受けて苦しんでいる”地下教会”をさらなる窮地に追い込まれることにもなりかねない。

 教皇フランシスコは常々、物事の判断に「識別」力を働かせる必要があることを強調されているが、このような状況に対してこそ、的確な識別力を働かしていただきたい、と強く願う。

2019年8月29日

・中国当局がキリスト教の聖堂を”寄付”させ、娯楽施設に改装(BW)

 会衆に教会堂を明け渡す「寄付の合意」への署名を強制することで、当局は強制的な乗っ取りを「合法」で行おうとしている。教会堂の数を大幅に減らし、信者から礼拝の場所を奪うのは、中国共産党 がキリスト教を弾圧し、排除を試みる際に最もよく使う手段である。

 暴力的な強制解体以外にも、当局は教会堂を無理に別の用途で使ってしまう場合もある。建物を娯楽施設に転用したり、寄付を強いて「合法的に」占拠し、宗教関連の集会所を政府事務所に変えたりしている。

*「娯楽」が「宗教」に取って代わる

 2018年11月、中国北西部、陝西 宝鶏 轄の岐山 の宗教局は、雒家荘 にあるカトリック教会の十字架を、建物が「違法建築」であると主張して強制的に取り外した。そして、この教会を解体予定リストに入れた。

雒家荘村のカトリック教会の改装前後の様子。雒家荘村のカトリック教会の改装前後の様子。(内部筋が提供)

 今年4月、地元政府は計画を変更し、教会堂を村民のための文化スポーツ活動センターに転用することを決めた。建物だけでも守りたかった教会の責任者は、合意をせざるを得なかった。

 ほどなくして、教会堂は原型をとどめないほど変わってしまった。ツヤのある赤い屋根瓦は灰色に塗りつぶされ、黄色の外壁は白色になった。八角形の窓は正方形に変わった。雒家荘村のカトリック教会内に置かれた遊具。

 「社会主義核心価値観」を列挙したポスターや政治的スローガンが教会の外壁に貼られ、表玄関の上には、「村民の文化スポーツ活動センター」と書かれた看板が掲げられた。

 教会内の祭壇は壊され、代わりに卓球台や将棋盤が運び込まれた。部屋の壁には、書道や絵画、中国発祥の楽器やゲームなどの中国の娯楽を宣伝するポスターが掲示された。

雒家荘村のカトリック教会内に置かれた遊具。(内部筋が提供)

*村の委員会事務所に転用された三自教会

 5月20日、陝西省渭南市轄の蒲城県にあるプロテスタントの南加錄 三自教会 の信者たちは、政府の圧力を受けて、教会の屋根の十字架とその下の「愛」を意味する漢字の撤去を余儀なくされた。ま蒲城県南加錄三自教会は村の委員会事務所に変わった。た、宗教的なシンボルをすべて取り除かなければならなかった。

 しかし、迫害はそれに留まらなかった。6月1日、地元政府当局は教会の責任者を脅し、建物を村の委員会に寄付しなければ取り壊すと言った。他になすすべもなく、責任者は「寄付の合意」に署名した。すぐに中国の国旗が教会の屋根に据えられ、その下には中国共産党の記章もついた。教会の壁の両側には、「組織犯罪を撲滅し、悪を根絶する」キャンペーンに関するスローガンが掲げられた。教会堂は公式に村の委員会事務所になったのだ。

蒲城県南加錄三自教会は村の委員会事務所に変わった。(内部筋が提供)

 6月13日、蒲城県の別の三自教会も強制的に村の委員会事務所に変えられた。屋根の十字架は国旗に、「キリスト教会」を意味する漢字はプロパガンダのスローガン「人々は信じる、地域は力を持つ、そして国家は希望を抱く」に差し替えられた。

蒲城県の別の三自教会も国に転用された。蒲城県の別の三自教会も国に転用された。(内部筋が提供)

 河南省各地の三自教会も多数、政府に乗っ取られている。5月、三門峡市の都市農村統合実験地区当局は、無認可の教会と宗教関連の集会所をすべて没収し、国の所有とすることを求めた。地元の信者によると、陽店  だけでも10か所以上の三自教会集会所が強制的に政府へ「寄付」されたという。

教会は「寄付の合意」への署名を強いられた上で、政府に乗っ取られた。教会は「寄付の合意」への署名を強いられた上で、政府に乗っ取られた。

 地区の三自教会の責任者は「寄付の合意」への署名を拒んだところ、村の党書記から脅迫を受けた。「共産党に文句をつけるな。署名しなければ、教会を取り壊すぞ」。

 6月、河南省の済源市克井鎮と信陽市平橋  にある2か所の三自教会集会所が建物を政府に寄付することを強いられた。

2019年8月28日

・昨秋のバチカン・中国”暫定合意”以後で初の司教叙階(ucanews)

First bishop ordained since Sino-Vatican deal

Bishop Yao Shun of Jining (second right) receives his episcopal ordination on Aug. 26. (Photo supplied)

(2019.8.28 カトリック・あい)

 バチカンと中国政府が中国国内の司教任命について昨年9月に暫定合意して以来、初めての司教叙階が26日行われた。

 アジアの有力カトリック系ニュース・メディアucanews.comが26日の香港発で伝えたところによると、司教に叙階されたのは、内モンゴル自治区の済寧教区の Anthony Yao Shun神父(52)。叙階式はフフホト教区長で政府系の中国天主愛国協会副会長のPaul Meng Qinglu司教ら4人の司教による共同司式で、26日、済寧市のロザリオの聖母マリア大聖堂で行われた。

 ucanews.comによると、叙階式では、中国カトリック司教協議会(BCCCC)の叙階同意書が読み上げられ、Yao司教は「カトリック教会の司教選出の伝統とBCCCの規則に従って」選ばれた、とし、「叙階と正当な選任の後、われわれはここに公式の同意を与える。彼は教皇の同意を得ている」と正当性を強調した。

 現地の関係者がucanews.comに語ったところでは、叙階式のミサには120人以上の司祭、50人の修道女、1000人以上の一般信徒が参加し、当局の警備は最小限にとどめられ、円滑に進められたという。済寧教区のある司祭は、「自分たちの教区は福音宣教に努め、信徒たちとのつながりを大切にしており、Yao司教は、自分の教区をどのように発展させたらいいかを知っている 」と期待を語った。

 済寧教区には、7万人の信徒、31人の司祭、12人の修道女がおり、Yao新司教はこれまで同教区の司教代理を務めていた。Yao司教は、中国の神学院で学び、1991年に教区司祭として叙階され、国内で活動した後、渡米してニューヨークのセント・ジョン大学で神学を学び、2010年に帰国。昨年9月の暫定合意以来、初めて叙階された司教となったが、実際は2010年にバチカンから内密に司教と認められていた。

 ucanews.comによると、現在、バチカンから承認され、中国政府の同意を待っている司教候補は20人いる、という。

2019年8月28日

・中国政府・共産党が宗教関係の子供キャンプなど夏休み行事参加を禁止(BW)

 中国共産党は未成年者が宗教に接触することを厳しく禁じており、教会は子どもたちの立入禁止区域になりつつある。学校が休みの間もその状況は変わらない。

 未成年者が宗教にふれる可能性を完全に取り除くため、中国共産党 は宗教に関わる活動、情報、シンボルを学校の敷地内で見せることを一切禁じた。国は学校外における児童の生活も管理している。中国の小中学校の生徒には6月から8月にかけて夏休みがあるが、子ども向けの宗教関連の夏季キャンプをはじめとする活動が次々と圧力を受けている。未成年者が宗教関連活動に関わることを禁じる横断幕があちこちに掲げられた。

(未成年者が宗教関連活動に関わることを禁じる横断幕があちこちに掲げられた)

 中国北部、河北  のある学校は、先日、生徒の宗教関連活動への参加を禁じ、その観点から生徒の出席に厳しい規制を設けた。声明には「無断欠席した生徒がいれば、教員はすぐに保護者に連絡をとり、理由を確かめなければならない」と書かれている。冬休み、夏休み期間中、学校は両親に書簡を送り、子どもたちの監視を強化して、宗教施設に聖書研究などの神学的教育を受けに行くことがないよう注意を促した。

【両親は、生徒に宗教関連活動への参加を禁じる通知に署名を強いられた)

*圧力を受ける宗教関連の夏季キャンプ活動

 7月15日、中国南部、広東省仏山  にある 三自教会 集会所が企画した夏季キャンプを警察が強制捜査した。情報提供者によれば、キャンプには80人以上が参加していた。子どもたちがゲームに興じていると、10人あまりの警察官が突然集会所を取り囲んだ。年少の子どもたちは怖がって泣き叫び始めた。警察は子ども全員の情報を登録し、通っている学校名を記録して牧師と6人のスタッフを逮捕した。彼らは後日釈放された。

【動画:仏山市の三自教会集会所で夏季キャンプに、警察が強制捜査)

 7月6日、中国南東部、江西省廬山市の教会が企画した宗教に関わる夏季キャンプの会場に政府職員4人が突入した。職員はキャンプに参加していた子ども37人全員の写真を撮り、解散を命じた。

当局が江西省廬山市の教会の夏季キャンプ活動を強制捜査した。【当局が江西省廬山市の教会の夏季キャンプ活動を強制捜査)

「君たちには中国人の血が流れている。君たちの食べ物を育てているのは中国人だ。西洋の宗教を拝んではいけない」。そう言って、警察官は生徒を怒鳴りつけた。

 教会のある信者は、当局が人々を無理やり追い出すのを見た子供たちは、長い間心に癒えない傷を負うだろう、と述べた。

 中国南東部、福建省福州市にある瑶峰堂では、当初、8月に夏季キャンプ活動が行われる予定だった。しかし、当局が3度訪ねて来て、「子どもたちは政府管理下にあるので教会が干渉してはならない」と警告した。

*キリスト教徒運営の教育施設も対象に

 キリスト教徒が運営する教育施設にも弾圧は及んだ。「生命樹」は福建省廈門市で合法的に運営されている2016年設立の教育訓練施設である。100人以上の生徒を擁し、英語、芸術といったテーマのクラスを開講している。創立以来、キリスト教徒の教員による心のこもった教育で保護者からの高い評価を受け、絶賛されていた。

福建省廈門市の教育施設「生命樹」。(福建省廈門市の教育施設「生命樹」)

 しかし、4月に廈門市の教育局がいくつかの地元の学校の教員と生徒の保護者に対し、警告を公布した。「生命樹」には「不健全な講座」があり、火災予防対策にも問題があるとして、両親らに子どもたちを退会させるよう勧める内容だ。

 子どもたちをそのクラスに通わせないことを誓う文書への署名を求められた保護者もいた。何人かは、政府に従わなければ子どもたちの将来を危険にさらすかもしれないと懸念し、退会を選んだ。

 政府の内部関係者は、教育施設「生命樹」に捜査が入ったのは宗教が理由であることを明かした。

未成年者の宗教信仰を禁じるWeChat告知のスクリーンショット。

未成年者の宗教信仰を禁じるWeChat告知のスクリーンショット。(未成年者の宗教信仰を禁じるWeChat告知のスクリーンショット)

 政府の施策に納得していない保護者もいる。「あのような思いやりある人たちの団体を取り締まる政府のやり方は最低です」と、ある親は言った。

*子どもを外で遊ばせたために閉鎖されかけた三自教会

 6月9日、中国中央部、河南省商丘市の政府職員が市内の梁園  にある三自教会に突然、強制捜査に入った。教会玄関前にある石のブロックの横で子ども2人が遊ぶ姿が監視カメラに映っていたためだという。その結果、当局は教会の許可証を没収しようとした上、以後集会を開くことを禁じた。

 「とはいえ、石のブロックは教会入口から10メートル以上離れているのです。政府当局は、たまに子どもたちが横切るのは構わない、と言っていました。しかし、信者が子どもたちを連れて来れば、教会は封鎖される可能性があります。最後の決断を下すのは中国共産党です。あらゆる面で党の言うことに耳を傾けなければいけません」。会衆の1人は不満を漏らした。

 状況を確認した後、政府当局は、信者が子どもを教会に連れて来ているのが分かった場合は、教会の建物と全資産を没収する、と言った。

2019年8月27日

・10月の「福音宣教のための特別月間」に向けて-菊地東京大司教が指針

(2019.8.23 カトリック・あい)

 教皇フランシスコは今年10月を「福音宣教のための特別月間」と定められたが、菊地・東京大司教は21日、東京教区信徒に向けた特別月間のための以下の指針を発表した。他教区にとっても参考になるものと思われる。

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 「福音宣教のための特別月間について」

 祈りの内に今年の平和旬間を終えました。皆様の祈り、様々な企画への参加に感謝いたします。

 日本の教会においては、教皇フランシスコの来日の正式発表が待たれております。教皇フランシスコは、今年10月を「福音宣教のための特別月間」と定められ、福音宣教への新たな熱意を教会内に生み出すようにと、世界の教会に向けて呼びかけられています。

 教皇庁福音宣教省は、教皇の呼びかけを具体化するために、全世界の教会に対して特別月間の取り組みを企画実行するように指示をされ、日本の司教団も、3月17日付で、「ともに喜びをもって福音を伝える教会へ」と題した呼びかけ文を発表しております。

 もとより福音宣教への取り組みは、特別な人たちの特別な努めなのではなく、キリストに従うものすべてに対して与えられている根本的な使命です。私たちキリストに従って生きるものは、それぞれの置かれた場の状況に応じて、またそれぞれに与えられたタレントに応じて、福音をあかしすることが求められています。

 しかもそのあかしは、私たちの日々の生活における言葉と行いによって実行されなければなりません。さらに言えば、自らの心の内に何も蓄えを持っていなければ、当然それについて語ることも行動することもできないのですから、福音宣教を深め実行するためには信仰の体験と学びも欠かすことができません。心に豊かな蓄えがあってはじめて、わたしたちは何かを語り、行い、それによってあかしするつとめを果たすことができるのです。

 その意味で、この特別月間にあっては、霊的な側面と知的な側面の両方で、福音宣教についての心の蓄えを豊かにしていくことが求められます。またその特別な取り組みは、わたしたち一人一人だけに留まらず、教会共同体全体を豊かにしていくことでしょう。

 東京教区にあっては、司教団が整えた特別月間の祈り、「ともに喜びをもって福音を伝えるための祈り」を10月の間に日々唱えるとともに、各宣教協力体や小教区において、福音宣教に関連して何らかの学びの機会を設けてくださるようにお願いいたします。

 なおこの時期は、教皇様の来日準備に多方面で取り組んでいることが想像されますので、教区としての特別な行事は行いませんが、すでにある様々な取り組みの機会を十分に活用して、世界の教会と心を合わせていきたいと思います。ここにいくつかの提案を示します。ご参考にされますように。

 ①10月中の主日のミサの共同祈願に意向を加える ②教皇フランシスコの著作、メッセージなどを分かち合う ③「世界宣教の日」(10/20)のカテドラルでの晩の祈り(17:00)は、聖体礼拝を伴う晩の祈りとし、福音宣教のための意向で、私、菊地功が司式いたします ④東京教区にゆかりのある信仰の先輩と出会う巡礼の勧め ⑤アジアの教会同士で祈り合うプログラムへの参加の勧め

 上記以外にも、各小教区、各修道院、各共同体などで工夫した取り組みもされるように願います。

 東京教区としては、10月までに「福音宣教のための特別月間」を過ごす参考資料として、小冊子を準備し、配布を予定しております。教皇様を日本に迎える準備としても、この10月の「福音宣教のための特別月間」を、豊かに過ごして参りましょう。

 2019年8月21日 カトリック東京大司教区 大司教 菊地功

2019年8月23日

・カトリック”地下教会”信徒に”愛国教会”参加強制強まる(BW)

 中国の政府・共産党当局は「不従順な」信者を国の管理下に押し込もうと、あらゆる障害を取り除いている。教会は閉鎖、会衆は脅迫され、監視されている。

 中国各地の  政府は、中国天主教愛国会 への加入を良心から拒む人々が信仰を実践し続けている地下集会所を閉鎖する取り組みを強化している。政府のこのような行為は、6月28日に出されたバチカン問題のガイドライン無視し、歪曲している。このガイドラインは、司教と神父の愛国会加入を許可するが、国営組織への加入は自らの原則に反すると信じる者の「良心に照らし合わせた反対」も認めるものだ。

 江西省 カトリック地下教会施設の弾圧を呼びかける機密文書

 政府関係者曰く、4月、中国東部、江西省撫州市轄のある  の 統戦部 が、余江教区の地下カトリック教活動に対抗する「宗教是正業務」強化のための機密文書を出した。

 大まかに江西省の区域を網羅する南昌大司教区の4司教区の1つ、天主教余江教区は撫州市轄下6県の信者たちを統括している。当局がたびたび国の管理下に入れようと試みているにもかかわらず、愛国会加入を拒み、地下で集会を続ける会衆もいる。そのため、布告は、カトリックの良心による拒否者の活動を突き止める視察の増強を呼びかけ、抵抗の余地を減らし、宗教活動を行えないようにし、主要な聖職者の管理を厳格化しようとしている。

 この文書が公布されて間もないうちに、教区内の複数のカトリック地下教会集会所が閉鎖された。5月中旬、そのうちの1か所に当局が強制捜査に入り、70代の施設所有者に対して社会保障給付金の取り消しをちらつかせ、施設の閉鎖を迫った。さらに、再び会衆を集めて礼拝を行うことがあれば、20万人民元(約300万円)の罰金を科し、逮捕すると言った。

 政府による迫害を避けるため、信者たちは早朝5時に集まるようになった。それでも、6月下旬に役人と警察官が礼拝中に強制捜査に入った。司教は何とか逮捕を免れて逃げたが、施設の所有者は警察署に連行され、IDカードと戸籍書類の凍結を示唆され集会所の閉鎖を強いられた。所有者は会衆への場所提供を中止せざるを得なかった。

 4月、教区内の別の集会所が閉鎖され、信者たちは小さなグループに分かれて集まらなければならなくなった。集会所は、2017年に、会衆が集めた100万人民元(約1,500万円)以上をかけて建てられたものだった。過去には、5つの郷のカトリック教徒がこの場所で礼拝を行っていた。

 「習近平 主席は、報道では中国には 信教の自由 があると宣言していました。それはフェイクニュースであり、ウソです。主席は外国人に聞かせるためにそう言っているだけです」と、ある信者は言った。「祈ったり礼拝に出たりするだけでもまるでゲリラ戦です。私たちは隠れながら、あちこち場所を変えなければなりません」。

 5月、余江教区のカトリック教会は、死去した家族を祭る中国伝統の祠堂を装っていたにもかかわらず、地元政府による閉鎖を避けられなくなった。

信者が戻らないよう、閉鎖した集会所に張り込み

 愛国会への加入を拒否したカトリック教徒は中国全土で迫害を受け続けている。6月初旬、中国南東部、福建省省都の福州市轄下にある平潭県で地下教会施設2か所が強制捜査を受け、閉鎖した。同じ頃、「無認可」を理由にさらに2か所が閉鎖されている。うち1か所は、消防法違反も指摘された。当局は、集会を止めなければ施設を解体し、信者を逮捕するとして脅迫した。

 信者が再び集会を始めるのを防ぐため、県政府は何人もの村委員会職員を施設の外に配備し、見張りをさせた。職員らは毎日交代で現地を監視し、集会が再開していないことを証明する写真を定期的に撮り、状況を上層部に報告した。会衆が夜に礼拝を開かないとも限らないので、午後9時まで見張りが続くこともあった。

 Bitter Winterは村の役人の1人から話を聞いた。彼らは県政府の上層部から次の指示がくるまでは監視を止められないのだという。「自治体の各レベルで上からの圧力がかかっています。我々にはどうしようもありません」。この男性は力なく言った。信者が施設に入るのを防ぐため、錠を糊付けにしたりもした。

 ある集会所の錠には糊が詰め込まれた。
ある集会所の錠には糊が詰め込まれた。

 中国北部、河北省保定市の統戦部は愛国会加入を拒んだ カトリック地下教会 を強制捜査した。信者は解散し、テーブルと椅子は教会から撤去された。会衆は脅迫を無視して空になった教会堂で集会を続けている。今のところ、常に誰かが外で見張りをし、当局が再び捜査に戻ってきた場合、信者に注意を促せるようにしている。

地下カトリック教会が一掃される前と後の様子。
地下カトリック教会が一掃される前と後の様子。

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日8言語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

2019年8月23日

・香港の暑い夏、そしてフィリピンでは大統領が-いつもと違うアジアの動き(Crux)

Amid protests and holidays, summer proves to be a busy season for Asia

Thousands of people take part in a candlelight vigil at Victoria Park in Hong Kong June 4, 2019, to mark the 30th anniversary of the crackdown on a pro-democracy movement at Beijing’s Tiananmen Square in 1989. (Credit: Tyrone Siu/Reuters via CNS.)

(2019.8.16 Crux Elise Harris

 世界中の多くの人が暑い夏の数か月、生活のテンポを落として過ごしているが、アジアでは、別の意味で過熱状態になっているようだ。

*”中国支配”に反対する香港は”危機的状況”に

  香港教区長で香港キリスト教協議会会長の湯漢・枢機卿は先週末、カトリック信者たちあての書簡で、不穏な状態が続いている香港の”幸せ”のために祈るよう、強く求めた。

 中国政府に旅行者や外国籍の人も含む香港在住者の引き渡し権を認める香港行政府の動きに反対する香港市民の大規模な抗議活動は、林鄭月娥・香港行政長官がそのための法案を議会に提出したのをきっかけ、6月に始まり、今も広がりを見せている。

 激しい反発を受けた行政長官-彼女もカトリック信者だが-法案を保留したものの、法案取り下げと行政長官辞任の要求にはに応じようとはせず、数百万の市民の抗議活動を拡大させた。緊張が高まる中で、抗議に参加した人々と警官隊との衝突が繰り返され、逮捕者も出ている。

  抗議活動はさらに12,13日には香港国際空港占拠へと発展し、旅客機の発着は止まり、多くの旅行者が身動きできなくなった。14日現在、旅客機の運航は徐々に回復しているが、九龍北西部、深水埗の住宅地域で、抗議への参加者と警官隊の衝突が起きている。

 イタリア司教協議会の公式ニュースサイト「SIR」によると、湯枢機卿は、前に行政長官に問題の法案を撤回するように強く要請していたが、週末に小教区と男女の信仰共同体に書簡を送り、「事態は危機的状況に達しつつある」と警告した。そして、信徒たちに、現在の状況がこれ以上エスカレートしないように、毎金曜日の祈りの励行、断食、ミサ、聖体崇拝、そして、十字架の道行きを通して、主に願うように強く促した。また、貧しい人たち、助けを求めている人たちへの慈しみの行為を求めた。

  また湯枢機卿は23日の金曜日に、九龍の石夾尾にあるアッシジの聖フランシスコ教会で、香港の全司祭参加の特別ミサを行うことを決めている。

 *フィリピンでは

 フィリピンでは、今週、ドトゥルテ大統領が、カトリック教会が乙女マリアの生誕を祝う9月8日を「国の特別のワーキング・ホリディ」とする法律に署名した。彼が聖マリアの祝いの日を国の祝日と宣言したのは、2017年に12月8日を無原罪の聖マリアの祝日を「国の特別のワーキング・ホリディ」としたのに続いて二度目だ。

 フィリピンの人々と聖母マリアには、1942年に当時の教皇ピオ12世が聖母マリアを同国の守護者と定めて以来、特別の関係がある。現地の新聞Manila Timesのよれば、大統領は、署名に当たって、聖母マリアを「イエスの母となるようにとの招きを受け入れた”無私”の方であり、それによって救いの計画が実現したのだ」と語った。大統領は、1950年代の少年時代にある司祭から性的虐待を受けた経験があるとしており、フィリピンの司教たちにしばしば激しい言葉を浴びせてきたが、聖母マリアは多くの信者の、特に困難な時の「信仰の模範、霊感の源」と讃えている。

 2016年に大統領に就任して以来、彼は、自身の麻薬撲滅についての何千人もの裁判前処刑を含む強硬な政策や死刑制度導入の方針を非難するフィリピンの教会指導者たちに、批判的な姿勢をとってきている。実際、この国のカトリックは彼の激烈な言葉の標的にしばしばなっており、司教たちを「愚か者たち」「役立たず」と決めつけ、ある時は、性的虐待をした司祭たちを“sons of bitches(くそ野郎)”と呼び、殺してやる、と脅した。

 乙女マリアの生誕を祝う9月8日をワーキング・ホリディとする法案は5月20日に上院を通過し、大統領は8月8日に署名したが、14日まで公表されなかった。司教団と緊張関係にある中で、この法案をめぐる動きは国内のメディアで幅広く伝えられていたが、司教団の反応は驚くほど低調。カトリックのニュースサイトもこれについて、わずかしか伝えず、フィリピン司教協議会も会長のロムロ・バレス大司教も声明を出さなかった。

 だが、アジアの有力インターネット・メディア、Ucanewsによれば、タルラック教区事務局長のメルビン・カストロ神父は、大統領の決断について「新しいマリアの祝日は”喜びの源”になる」と評価し、国民の祝日として言明することは「宗教的、霊的な祝祭の重要性を確認したこと」だと語り、9月8日の祝いがフィリピンの人々が「聖母マリアの徳に倣う」ように励ますことになる、と希望をのべている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

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2019年8月17日