・カトリック名古屋教区から能登半島地震被害についての報告と対応(2)

(2024.1.10 カトリック・あい)

 カトリック中央協議会は1月10日付けのホームページに、能登半島地震の被害地域を司牧区域に持つ名古屋教区の松浦悟郎司教名の同地震被害についての報告と対応(2)を掲載した。内容以下の通り。

 

教区の皆さま

能登半島地震被害についての報告と対応(2)

+主の平和

能登半島地震に関する毎日の報道で、死者、安否不明者、その他被害について、その深刻さが次第に明らかになってきています。皆さまが深い関心をもって見守り、祈ってくださっていることに心から感謝申し上げます。今回、その後の対応と今後について報告をします。

私は北陸地区担当の片岡神父と物資の支援と視察を兼ねて、成井司教、カリタスジャパン、ERST(中央協議会・緊急対応支援チーム)、カトリック新聞のメンバーらと 1 月 7 日(主の公現)に七尾教会を訪問し、隣接の幼稚園園長らの話を聞き、その後で信徒の皆さんと一緒にミサを捧げました。

ミサ後、3 台の車に支援物資を積んで輪島教会(幼稚園)に向かい、何とか無事に支援物資を届けることができました。このことについては、別紙の報告書をごらんください(下記ダウンロード参照)。

今後について

  1. 近いうちに、カトリック金沢教会に「のとサポートセンター」(センター長・片岡義博神父)を立ち上げ、今後の支援の窓口として活動することになります。このセンターから、皆さまへの情報提供、必要に応じた物資支援のお願いやボランティアの受付などが行われることになります。センター開設までもうしばらく時間がかかりますが、立ち上がったらすぐお知らせします。
    <お願い>
    サポートセンターを金沢教会に置く理由は、七尾教会と輪島教会には司祭が不在で、司牧チームは皆金沢の教会で生活しているからです。また、支援のことについて、七尾の聖母幼稚園と輪島の海の星幼稚園にはできるだけ連絡をしないようにお願いします。数日後にはサポートセンターが立ち上がり、幼稚園の状況についても把握しますので、問い合わせなどはこちらにお願いします。
  2. 募金関係は、今後も名古屋教区本部事務局が受け付けます。募金については、カリタスジャパンもはじめていますが、その関係について整理しておきます。
    名古屋教区への募金の目的は教会関連施設とその被災者支援のためです。
    カリタスジャパンは地域の被災者支援のために使われるものです。
    募金の目的は明確に分けていますが、名古屋教区は教会関係だけでなく、地域の被災者のために今後、場所を提供しボランティアを募り活動していきます。そのために、ERST(中央協議会・災害緊急対応チーム)がスタッフを派遣して下さるし、カリタスジャパンに送られた支援金もその活動のために使わせてもらうことになります。
  3. 支援の柱ですが、
    • 第一は教会関連施設の復旧と同被災者の支援です。、特に、輪島教会は使用不可能な状態にありますが、名古屋教区最北端に位置する教会としてどうしても再興する必要があります。輪島教会の日本人は少ないですが、タガログ語ミサにはフィリピン人が 20 名ほどが参加します。丘の上に建つ輪島教会と幼稚園はいずれ、地域への支援の拠点になると思いますが、その土手の擁壁がくずれているため、そこを直す必要があります。
    • 第二は、地域への支援活動です。その手始めとして、七尾教会も輪島教会もカトリック幼稚園が隣接していますので、その幼稚園の協力を得て園児やその家族の支援をおこなうことから始めます。7 日に届けた支援物資はその最初のものでした。
  4. 今後、具体的な支援拠点を被災地に作っていく予定ですが、金沢のサポートセンターを中心にして、まず金沢と七尾の中間にある羽咋(はくい)教会、そして七尾教会(幼稚園と協力)に拠点をつくり、その後、輪島教会(幼稚園と協力)に入りたいと考えています。
  5. 司牧の面ですが、北陸地域(福井県、石川県、富山県)は複数の司祭でチーム的に協力しあっていますが、人数も少なく高齢化しています。これに災害支援の中心にもなるということで、司祭が足りず、現在、教区内の修道会の司祭の派遣をお願いしているところです。

その他

* 募金ですが、お知らせした口座に「のと地震」と明記するように」お願いしましたが、外国人の方からの問い合わせで、漢字が難しいという指摘がありました。そこで、こちらで受け付けるとき、「NOTO」あるいは「のと」だけでも結構です。

引き続き、皆さまのお祈りとご支援をよろしくお願いします。
日々の祈りの中に、下記の「災害被災者のための祈り」を加えていただけたら幸いです。

【災害被災者のための祈り】

父である神よ、
すべての人に限りないいつくしみを注いでくださるあなたに、
希望と信頼をこめて祈ります。
災害によって、苦しい生活を送り、
不安な日々を過ごす人々の心を照らし、
希望を失うことがないよう支えてください。
また、亡くなられた人々には、永遠の安らぎをお与えください。
すべての人の苦しみを担われたキリストが
いつもともにいてくださることを、
祈りと行動によってあかしできますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
(2021 年 2 月 16 日 日本カトリック司教協議会認可)

【能登半島地震 石川地区の状況について(2024年1月9日)(報告:石川地区 片岡)】

1月4日以降の能登半島地震の被災地状況、支援状況についてご報告します。

1月5日(金)
七尾幼稚園より断水により片づけが進まないとのことで、水タンク20個(計300L)を運搬。ほか必要な支援物資の確認をしてきました。

1月6日(土)
七尾教会信徒、金沢教会信徒数名、司祭チームメンバーの計10名の協力によって、七尾教会の片付けを実施。聖堂、香部屋、司祭館兼信徒の交流の場としてつかっている台所、居間などを、2時間ほどで概ね片付けを完了することができ、翌日からのミサ等で集える状況を整えました。

1月7日(日)
早朝からERST 緊急対応支援チームのメンバーをはじめ、カリタスジャパンの担当司教である成井司教様、そして松浦司教も同行でき、七尾と輪島の各幼稚園からの要望された水をはじめ、園を再開するために必要な救援物資を届けると同時に、現地視察を実施しました。
午前中は七尾幼稚園の園長、主任先生と情報共有をおこない、七尾教会で主日ミサをささげ輪島へ。道路状況が心配されましたが、なんとか七尾から2時間半ほどで輪島に到着。クルマ3台にめいっぱい積んだ救援物資を届けることができました。
先日の第一報で輪島の園長先生から送られてきた写真で想定していた以上に、実際に教会建物、司祭館は壊滅的な状態を感じました。幼稚園の園舎は今のところ大きな被害は確認されていませんが、水道はもちろんのこと、電気もまだ幼稚園までは復旧していない状態です。そのため、もうしばらく休園せざるを得ない状況にはなっていますが、避難生活を余儀なくされている子どもたちの居場所を確保するためにも、いつでも迎えられる準備を頑張っておられます。孤立する被災地にあって、園長先生も大変心細さを感じておられたと思います。今回の物資とともに、司教様方やERSTのメンバーの訪問は、私たちがいる安心感を届けられたのではないかと思います。
本当はもう少し被災地の様子や、信者さんの顔も見に行けたら良かったのですが、雪の降り方が強くなり、道路路面の隆起や亀裂による凸凹状況が見えなくなると困るので、今回は早々に撤収の決断をせざるを得ませんでした。まずは、輪島まで無事に物資を届けることができ安堵しています。

1月8日(月)
午前中に前日の現地視察を終えて、ERST 緊急対応支援チーム、カリタスジャパン成井司教、松浦司教、石川地区司祭チーム、カルメル会今泉神父を交えて、今後の対応について協議(松浦司教報告)午後、七尾幼稚園へ追加の支援物資の運搬、またサポートセンター開設にむけての現地調整を実施。

 

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2024年1月10日