・教皇も、8日正午の祈り、11日の一般謁見を「動画配信」に切り替えー新型ウイルス対策で

2020.01.26 AngelusPope Francis at the Angelus – file photo  (Vatican Media)

 声明は、以上の決定がイタリア当局の要請に基づいて行われ、「広場にセキュリティチェックを受けて集まる大勢の人々によるウイルス拡散を防ぐために必要な措置」と説明している。 さらに、「バチカン市国の保健衛生局の規定に従って、(注:教皇がお住まいになっている)サンタマルタ館でのミサへの信徒の参加は15日の日曜日まで停止される」としている。 教皇はミサを個人的に捧げる。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

2020年3月8日

・性的虐待隠ぺい疑惑で無罪となったが…教皇、仏枢機卿のリヨン大司教辞任認める

Cardinal Philippe BarbarinCardinal Philippe Barbarin  (AFP or licensors)
(2020.3.6 VaticanNews  Benedict Mayaki)

   聖職者による性的虐待を隠蔽したとして訴えられ、無罪判決を受けたフランスのフィリップ・バーバラン枢機卿(69)が6日、リヨン大司教の辞表を教皇フランシスコに受理された。

枢機卿は、聖職者のよる幼児性愛行為を隠蔽したとして、昨年3月にリヨン裁判所から6か月の執行猶予付きの有罪判決を受け、その時点で教皇にリヨン大司教を辞任することを申し出ていた。枢機卿は無罪を主張して控訴し、控訴審で1月30日に無罪判決を受けていた。

枢機卿のリヨン大司教辞任を受けてフランスの司教協議会は会長声明を発表し、リヨン大司教区のためにフランス全土の信徒の親愛の祈りを捧げることを誓い、「過去数ヶ月の裁判の後に、リヨン大教区は真理と和解に努め、純粋な心でその使命を追求する努力を新たにするでしょう」と述べた。また、枢機卿がこれまで教会のために行った全てのことに感謝する一方で、「これまで(注:聖職者による性的虐待に対して)とられた処置が、被害者を癒すこと」を希望するとともに、被害者たちの受けた苦しみに対する「深い悲しみ」を改めて表明した。

一方、リヨン大司教の後任が決まるまでの教区管理者に任命されたミシェル・デュボスト師は、教区のウエブサイトで、教区の司祭、信徒たちに、「大司教区の新たなページが開かれようとしています。それは非常に豊かな時に満たされ、私たちはそれらに感謝しなければなりません…数週間以内に、私たちは新しい大司教を迎えます。新大司教の就任は、一致における刷新の機会となるでしょう」と訴えた。

バーバラン枢機卿は1950年10月17日にモロッコのラバトで生まれ、1977年12月17日に司祭叙階。1998年11月22日に、ムーラン司教に就任し、2002年7月16日に教皇ヨハネ・パウロ二世からリヨンの大司教に任命され、翌年10月21日に枢機卿に昇格していた。

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 隠ぺい疑惑の対象となったのは、教区司祭だったベルナール・プレイナが1970年代から1980年代にかけて自身が指導者と務めていたボーイスカウトの隊員に対して性的虐待をした犯罪。プレイナ自身はその行為を認めたが、虐待の被害者たちはバーバラン元大司教と教区当局が、長期にわたったその行為を隠蔽した、として訴えていた。これに対して、バーバランは控訴審で「案件の処理は、バチカンの指示に従って行った」と主張していた。

 なお、AP通信が6日伝えたところによると、プレイナの裁判はリヨンで続けられており、今年初めの被告人尋問で彼は「性的虐待した少年たちの正確な人数は思い出せない」が、少なくとも75人に対して性的虐待を働いた、と述べ、「自分の上司だった司教たちは、自分の少年たちへの性的嗜好を知っていたが、誰も止めたり、忠告しなかった」とも語った。

 被害者の親たちがリヨン大司教区事務局にプレイナの犯罪行為を訴えたのは今から40年前だったが、プレイナが聖職をはく奪されたのは昨年7月だった。

 枢機卿が無罪になったとはいえ、これほど長い間、犯罪を放置し、結果として続けさせていたことへの、歴代のリヨン大司教、今日事務局関係者の同義的な問題が消えることはないだろう。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2020年3月7日

・「人事総局」設置は「まだ提案の段階、今後、教皇が検討」とバチカン広報が異例の訂正

(2020.3.10 カトリック・あい)

 バチカン広報は7日、「教皇フランシスコが教皇庁の職員の効果的な管理を促進するため、国務省の総務部門に新しく『人事総局』を設立した」との前日6日の発表について声明を出し、「これは、現段階では、経済評議会議長のラインハルト・マルクス枢機卿と枢機卿団代表のオスカー・ドロリゲス・マラディアガ枢機卿が教皇に建議した提案だ」との異例の訂正を行った。

 声明では、この「提案」の今後の扱いについて、「教皇が検討し、適切と判断すれば、適当な時期に、自発教令をもって、そのような組織を作ることになろう」としている。

 6日に発表されていた「人事総局」は、同日の声明では「現在の国務省の人事部が担当する教皇庁の人事関係の業務を引き継ぐだけでなく、バチカン銀行や関連の諸機関、財団など教皇庁に関係する組織も業務の対象となる」「局長には調整、管理、監督の機能、企画立案、捜査、業務執行の権限が与えられ、様々要請に機動的に対応できるようにする」、さらに「教皇庁の経済事務局、労務部、年金基金、バチカン市国と緊密に連携し、教皇庁の一般職員採用の独立評価委員会とも協力体制をとる」と具体的に説明していた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

2020年3月7日

・バチカンでも新型ウイルス感染者、診療所の外来診療中止、教会は15日まで秘跡以外の活動は原則中止

 

 バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長が6日、記者団の質問に対し、声明の形で明らかにしたもの。声明では「3月6日朝より、バチカン市国保健衛生局の診療所の救急医療を除く外来患者に対する医療業務を一時的に中止した」とし、その理由として「3月5日、同診療所で新型コロナウィルス感染者が一名確認され、消毒を行うため」と説明した。

 ただし、救急医療の機能は維持する、とし、「バチカン市国保健衛生局は、イタリアの関係部門に情報提供をすると共に、安全衛生上の規定にしたがい対策を講じた」と述べている。

 また、ブルーニ広報局長によると、バチカンは新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、15日まで”秘跡に関係しないあらゆる活動”を停止する。これには、カテキズム、結婚準備講座、黙想会、巡礼と大部分の集団での活動が含まれる。

 さらに、イタリア政府当局の感染拡大阻止の方針と協調して去らなく措置の可能性を検討しており、教皇、教皇庁、バチカン市国の今後の活動予定についても見直している。

 ローマの諸教会でのミサは通常通り継続するが、ミサ参加者が「主の平和」を交わすことは控え、聖堂入り口の聖水も空にする。

 また、カリタス・ローマは、貧しい人々に対する慈善活動は停止しない、と述べている。各教会には、無料食料提供施設の運営やホームレスや難民に対する宿舎の提供は、イタリアの保健当局の公衆衛生指針を尊重しつつ、継続するように求められている。

 

2020年3月6日

・第二次大戦前後に教皇職を務めたピオ12世の関係資料公開始まる

Document from the Vatican archivesDocument from the Vatican archives 

 

 

2020年3月5日

・バチカンが「教育のためのグローバル・コンパクト」を今秋に延期

(2020.3.3 バチカン放送)

 教皇庁教育省は、来る5月に予定されていたイベント「教育のためのグローバル・コンパクト」を、今年10月に延期すると発表した。

教皇フランシスコは、人間と教育の関係を見直し、教育のための新しいグローバルな協定づくりに取り組む集い「教育のためのグローバル・コンパクト」の開催を希望。

この集いは、今年5月10日から17日までバチカンで開催が予定されていた。

 教育省は、新型コロナウィルスの影響による不透明な状況をふまえて、このイベントの開催期間を、今年10月11日から18日に変更した、と説明している。

2020年3月4日

・教皇は「新型コロナウイルス陰性」ローマの地元紙-バチカンは”透明性の確保”を

(2020.3.4 カトリック・あい)

 

2020年3月4日

・環境回勅「ラウダート・シ」5周年記念週間へ教皇がメッセージ

(2020.3.3 バチカン放送)

 ビデオの中で教皇は次のように述べている。

 「どのような世界を、私たちの次の世代に、今成長しつつある子どもたちに残したいと思いますかーこの問いに促されて、皆さんに5月16日から24日まで行われる『ラウダート・シ週間』への参加を呼びかけたいと思います。

 これは『共通の家』への配慮をめぐる回勅『ラウダート・シ』発表から5周年を記念して行われるグローバルなキャンペーンです。環境危機に応えるための緊急アピールを繰り返したいと思います。地球の叫びと貧しい人々の叫びはこれ以上待つことはできません。

 創造主なる善き神の贈り物である、被造物を大切にしましょう。『ラウダート・シ週間』を一緒に記念しましょう。神の祝福が皆さんにありますように。私のために忘れず祈ってください。ありがとうございます。」

(編集「カトリック・あい」)

 

2020年3月4日

・新型ウイルスで、アッシジの経済テーマの集いが今年11月に延期

イタリア中部アッシジ、聖フランシスコ聖堂イタリア中部アッシジ、聖フランシスコ聖堂 

 3月末にイタリア・アッシジで予定されていた「経済をテーマにした若者たちの集い」が、今年11月に延期されることになった。

 教皇フランシスコが招集したこの集いは「より正しく包括的な経済を考察する」ことを目的に、世界115カ国から、若い経済専門家や企業家など、およそ2000人が参加して、3月26日から28日にかけて行われることになっていた。

 だが、同イベント実行委員会は、新型コロナウィルスの影響などで、若者たちの参加や移動が困難になることを考慮し、開催を今年11月に変更することを決めた。教皇は11月21日にアッシジを訪問し、集いの参加者らとお会いになるという。

2020年3月3日

・教皇、難民危機を憂慮、祈りを呼びかけ-四旬節黙想会は「風邪のため欠席」

教皇フランシスコ、2020年3月1日、バチカンでの日曜正午の祈り教皇フランシスコ、2020年3月1日、バチカンでの日曜正午の祈り  (ANSA)

 教皇フランシスコは1日の日曜正午の祈りで、難民たちのために祈りを呼びかけられた。ここ数日伝えられている「戦争のために土地を追われ、助けを求める人々の急増」に深く心を痛めている、とされ、これらの難民のために祈るよう、信徒たちに求められた。

 呼びかけは、特にシリア北西部で激化する武力紛争とそれによる難民危機の深刻化を背景に行われたものだ。

 教皇の最近の体調には関係者の間に気遣う声が出ているが、1日午後からローマ近郊アリッチャで始まるバチカンの高位聖職者を対象とした恒例の四旬節黙想会に「風邪のために現地参加を見送る」ことを明らかにされ、「バチカンから黙想参加者たちと、精神的に一致したい」と語られた。

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 バチカンの高位聖職者を対象とした四旬節の黙想会が、アリッチャの聖パウロ修道会・黙想の家1日午後から始まった。今年は「『炎で燃え上がる柴』(参照:出エジプト記3章2節)- 出エジプト記、およびマタイ福音書、詩編の光に照らした、神と人間との出会い」をテーマに、教皇庁聖書委員会次長、イエズス会のピエトロ・ボヴァーティ神父が指導を務める。

 この黙想会は6日まで続けられるが、風邪の為に欠席された教皇フランシスコは、初日1日にボヴァーティ神父に書簡を送り、ご自分のお住まいであるバチカンのサンタ・マルタ館から「あなたの説教に耳を傾け、参加者らと一致したい」と希望され、関係者たちのために祈るととともに、祝福をおくられた。

(編集「カトリック・あい」)

2020年3月2日

(解説)”アンチ性的虐待タスクフォース”は「二都物語」か「失われた時を求めて」か?(CRUX)

(2020.2.29 Crux Editor  John L. Allen Jr.

ローマ発ー教皇フランシスコのもとでバチカンが「聖職者による性的虐待の危機」に取り組んでいるのを見ている誰もが、最良の時と最悪の時の振幅の中に置かれ、「二都物語」(チャールズ・ディケンズ長編小説ロンドンパリを舞台に2人の青年と少女の関係を軸に、フランス革命前後を描いている)にはめられている、と感じるのは、無理からぬことだろう。

 2月28日の金曜日、延々と続くドラマの新たな章がもたらされたー世界中の国と地域の司教協議会、修道会が児童保護と性的虐待への戦いの指針を作り、更新するのを助けるために、バチカンが新たなハイレベルのタスクフォースを発足させたのだ。

 楽観的な見方をすれば、これは、昨年2月の歴史的”サミット”-全世界の司教協議会会長が聖職者性的虐待への対処を議論した会議-から一年経った今、教皇が改革に真剣に取り組んでいることを示す、新たなサインだ。このタスクフォースは、教皇庁のすべての”資源”を利用するようにデザインされ、教皇フランシスコが世界の司教協議会と修道会がこの問題に本気で取り組むこを求めている、というシグナルである。

 タスクフォースには“重し”がつけられているーバチカン国務省の長官代理で事実上の”参謀長”であるエドガー・ペーニャ・パラ大司教、シカゴ大司教のブレーズ・キューピッチ枢機卿、高位聖職者の中で虐待問題への対処について最も尊敬されている”改革者”でチャールズ・シクルーナ大司教、そして、教皇庁立グレゴリオ大学の児童保護センターを率いるイエズス会のハンス・ゾルナー師も、”改革派”のチャンピオンと見られている。

 タスクフォースの顔ぶれには他に、バチカン法文評議会次官で教会法の専門家、フアン・イグナシオ・アリエタ司教、ベネディクト16世の治世下で(そしてフランシスコの下でも短期間)教皇スポークスマンを務め、昨年の”サミット”の司会をしたイエズス会のフェデリコ・ロンバルディ師、そして、マルタ大学の青少年・地域社会学科で教鞭をとり、マルタ教区の保護委員を務めるアンドリュー・アッツォパルディ教授がいる。

 事態はさらに急を要している。

 過去10年以上、世界中の司教協議会の大多数が虐待防止ガイドラインを採用し、そのうちのいくつかは今、法の執行、心理学、そして組織管理の分野でカトリック教会の境界線をはるかに超えた最先端にいると見なされている。

 だが、それ以外の司教協議会はおざなりで、教会法とその他の法的文書からの”抽出物の寄せ集め”、性的虐待を回避し、突き止め、対応するためのルール構築と実施にとって”無益な集合体”だ。その理由は一つには、司教協議会と他のカトリックの組織に、真剣に取り組むための経験、資源、人材が不足しているからであり、だからバチカンは、ただ命令を発するだけでなく、支援するために建設的なことをしようとしているのだ。

 しかし、悲観的な見方をすると、バチカンの教理省が2011年に、世界の司教協議会と修道会に対してガイドラインの策定を指示してから、9年が経過し、それらの代表がローマに集まってからでも、すでに一年がたっている(注:にもかかわらず、目覚ましい進展がない)ということだ。

 司教協議会と修道会の多くが助けを必要としていることが分かるのに、これほど長い時間がかかったのだろうか?もしも、性的虐待対処のための改革を必要とする理由が先にあったー言い換えれば、そのような何かがずっと以前に起きていたーとしたら?

 ほぼ10年が経った今も、まったくガイドラインを持たない司教協議会、修道会がなお存在することが、どうして可能だったのか、そして、資源がないという問題が本当に根拠のあることなのか、バチカンの指示に応える意思がなかったのか、特定の会議の招きを基にしか行動できないので、このタスクフォースは役割が定まらないのか?

 さらに、このタスクフォースと、教皇が2014年に発足させ、ボストンのショーン・オマリー枢機卿が主宰する「未成年保護委員会」-世界の教会が最良の慣行を形成するのを助ける役割を担い、委員会としてのタスクフォースを数年前に作っているーは、どう関係するのか、明確でない。

 言い換えれば、新たなタスクフォースは、(未成年保護委員会の)本質的な制度的欠陥に対応するものなのか、それとも実際には付加価値の無い官僚組織を重ねるものなのか?

 タスクフォースの主役3人-アリエタ、ロンバルディ、アッツォパルディの、木曜日のバチカンでの”待ち合わせ場所”は、”最良の時”と”最悪の時”の変遷を際立たせたーどちらを選ぶか十分な根拠も提供せずに。

 ロンバルディ師の言によれば、このタスクフォースの創設は、10年遅れて作られたものではない、なぜなら、2011年の教理省ではなく、昨年2月の”サミット”の結果を受けたものだから。司教協議会の会長の何人かが、有効なガイドラインを作るための助けを求めてきたのだ、という。

 「タスクフォースの設置は、”サミット”で始まった取り組みの一つ」。そして、”サミット”が終わった昨年2月以来の教皇フランシスコの具体的取り組みー世界の全教区に対して虐待の報告義務とそのための制度整備を求めた自発教令Vox Estis Lux Mundiの昨年5月の公布、昨年12月の性的虐待に関する「教皇機密」の撤廃などーを挙げ、「一連の取り組みの流れの中で、今回のタスクフォースの設置も見る必要があります」とロンバルディ師は説明する。

 もっとも、このような司教協議会に対する報告義務が実際に守られているかについて、アリエタ司教に尋ねると、期限は昨年6月ではない、とし、これまで何が起きたか実際には分からない、と白状した。「ガイドラインは作られるべきだったし、それが出来ていないなら、対処すべきバチカンの部署の問題です」。

 このタスクフォースがなぜ今始められたのかについて、アッツォパルディ教授は、教会が「聖職者による性的虐待の被害者に耳を傾け、彼らを最優先にすることの意味をまだ学んでいるところだからです」と説明。

 新しいタスクフォースと既存の児童保護委員会は、「明らかに関係しているが、(注:その役割分担については)作業中だ」とロンバルディ師は述べた。

 このようなことから、新設されたタスクフォースの暫定的な要点は、恐らくこういうことだー理論的には、実際の必要性に対応し、その地の文化に合った効果的な方法で、最良の慣行をつくるように”落ちこぼれ”を助ける、より均一な世界的取り組みを生かすことができる機能ーである。

 しかしながら、これまでのバチカンの多くの改革は理論的には有望だが、実行において期待外れだ。常にそうだが、大事なのは“有言”ではなく”実行”なのだ。その意味では、おそらく、適切な”参考文献”は「二都物語」ではない。適当なのはたぶん、「失われた時を求めて」(マルセル・プルーストの長編小説。眠りと覚醒の間の曖昧な夢想状態の感覚、幼少時代のあざやかな記憶、家族との思い出から繰り広げられる挿話社交界の人間模様、複雑な恋愛心理芸術をめぐる思索など、難解で重層的なテーマが一人称で語られる)だろう。なぜなら、私たちが前にここに来たように、少しばかり感じずにはいられないからだ。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2020年3月1日

・教皇が、聖職者性的虐待問題で世界の司教協議会など支援するタスクフォース設置

(2020.2.28 VaticanNews )

 教皇フランシスコが28日、「未成年者保護のためのガイドラインの実施準備・更新で、世界各国の司教協議会を支援する」ためのタスクフォースを発足させた。同タスクフォースは、教皇が昨年2月の聖職者の未成年者性的虐待への対応を話し合う全世界司教協議会会長会議(”サミット”)で計画を表明していたが、対策の詳細が出来上がったのを踏まえて、実施に移したものだ。

 

*世界の司教協議会への支援の提供

 バチカン広報の発表によると、タスクフォースは、バチカン教理省が出したガイドラインと教会法規、特に「聖職者による性的虐待の通告義務とそのための制度整備」を促す教皇の自発教令Vos estis lux mundiに従って、未成年者保護のガイドラインの整備、刷新について、世界各国の司教協議会や修道会、使徒職団体を支援する。

 タスクフォースの任期は2月24日から2年間で、未成年者保護活動の支援者が設立した特別基金から支援を受ける。世界各国の司教協議会、修道会、使徒職団体はタスクフォースのEメールアドレスtaskforce@org.va.で支援を求めることができる。

 

*タスクフォースのメンバー

 タスクフォースは、アンドリュー・アッツォパルディ博士(マルタ司教団未成年保護委員長)をコーディネーターに、複数の国出身の教会法専門家で構成され、作業の進捗状況を四半期ごとに、バチカン国務省の総務局担当次官に報告することになっている。

 

*監督委員会

タスクフォースは、バチカン国務省の総務局担当長官代理のエドガー・ペニャ・パラ大司教と、”サミット”の組織委員会委員のオズワルド・グラシアス枢機卿(ボンベイ大司教)、ブラス・キューピッチ枢機卿(シカゴ大司教)、チャールズ・シクルナ教理省次官(マルタ大司教)およびハンス・ゾルナー教皇庁立グレゴリオ大学心理学研究所長(未成年者保護のための委員会委員)によって監督される。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

2020年3月1日

・教皇が「軽微の体調不良」で27日の恒例行事の一部をお休みに

Pope Francis falls ill in virus-stricken Italy

Pope Francis blows his nose as he leads the Ash Wednesday Mass which opened Lent at Santa Sabina Church in Rome on Feb. 26. (Photo: Albert Pizzoli/AFP)

(2020.2.28 カトリック・あい)

 灰の水曜日の翌日の27日、ローマのラテラノの聖ヨハネ大聖堂で、ローマ教区の主任司祭たちの集いが行われたが、恒例の教皇フランシスコによる講話と司祭たちへの赦しの秘跡は、中止された。準備されていた講話は、ローマ教区教皇代理司教アンジェロ・デ・ドナーティス枢機卿に託された。

 バチカン報道官は、教皇の講話などの中止の理由を、「軽微の体調不良のため」としているが、新型コロナウイルスについて検査を受けられたかどうかについては明らかにしなかった。イタリアではこれまでに655人の感染が確認され、17人が亡くなるなど、欧州各国の中で最多の感染者が出ていることから、大事をとられたものと見られる。

 なお、教皇は27日、バチカンの宿舎、サンタ・マルタ館の礼拝堂での朝のミサのほか、「世界カトリック環境運動」関係者との出会いなどは、予定通りこなされている。

 教皇はこれまで青年時代の20代前半に結核で肺の取り除かれたが、その後は健康でおられる。2013年に教皇就任以来、毎年平均4回の外国訪問をこなすなど、精力的に活動されているが、83歳のご高齢もあり、坐骨神経痛による脚の痛みで定期的な理学療法を受けておられる、という。

 

 

 

 

2020年2月28日

教皇、バチカン外交官の卵たちに一年間の宣教経験を義務付け

   教皇フランシスコが、教皇庁立教会アカデミー会長に宛てた書簡の中で、バチカン外交官の育成にあたって1年の宣教経験を義務づけを求めたことがあきらかになった。当然の判断と思われるが、司祭として当然の宣教司牧の現場での訓練がされてこなかったことに、強い違和感を感じる。

[2020.2.17バチカン放送]

  教皇フランシスコは、教皇庁立教会アカデミー会長ジョセフ・マリーノ大司教に宛てた書簡で、同アカデミーで学ぶ司祭のため、12カ月の宣教経験をカリキュラムに求める旨を明らかにされた。 教皇庁立教会アカデミーは、教皇庁の外交官等を養成する歴史ある機関。教皇は、アマゾン地域をテーマにしたシノドス閉会前の講話でも、その必要性に触れていた。

   教皇フランシスコは、2月11日付の書簡で、「教皇庁の外交に携わる準備をしている司祭たちが、1つの教区において、1年間の宣教に従事することを希望する」とされ、「このような宣教体験が司祭職の準備・開始の段階にあるすべての若い人々、特に将来、教皇庁の外交部門で働くよう期待され、諸国や地方教会に派遣される人々に役立つことを確信している」と言明された。

  そして、拡大する教会と世界の課題に前向きに対応するために、教皇庁の未来の外交官たちが、堅固な司祭的・司牧的養成と、アカデミーにおける専門的な育成に加え、「自分の教区外における個人的な宣教体験」を通し、「現地の日常的な宣教活動に参加しながら、宣教地の教会と歩みを共にする」ことが必要と強調された。

   この宣教体験の義務付けは、同アカデミーの2020年-2021年度新入生より実施される。

2020年2月19日

・”暫定合意”の重要性と対話継続を確認-バチカン外務局長と中国外相が会談

Archbishop Paul Richard Gallagher, Holy See’s Secretary for Relations with States meets His Excellency Mr. Wang Yi, Minister of Foreign Affairs of the PRCギャラガー・バチカン国務省外務局長と王毅・中国外相(VaticanNews )

 世界各国の首脳や閣僚などが安全保障問題について話し合う「ミュンヘン安全保障会議」が14日からドイツ・ミュンヘンで3日間の予定で始まった。会議にはフランスのマクロン大統領やアメリカのポンペイオ国務長官、中国の王毅外相など世界各国の首脳や閣僚ら100人以上が参加し、日本からは茂木外相と河野防衛相が出席している。

 初日14日の冒頭に演説したドイツのシュタインマイヤー大統領は、近隣国と衝突する中国の南シナ海進出やトランプ米政権の自国第一主義に言及し、「平和な世界を作るための国際協調という目標から年々遠ざかっている」と危機感を強調するとともに「国際協調や国家間の結び付きが平和を構築する」と各国の努力を訴えた。

 会議では、安全保障や経済政策上のリスクとなっている新型コロナウイルス感染対策や緊張が続くシリアなど中東情勢などが議論の中心となる模様だが、バチカンを代表して出席中のポール・ギャラガー国務省外務局長が14日、中国の王毅外相と会談した。。

 現地時間14日夕、バチカン広報が声明によると、会談は「友好的な雰囲気の中で」行われ、「長期にわたって、前向きに発展してきた両国の関係」について話し合った。具体的には、一昨年9月22日にバチカンと中国が署名した「中国国内での司教任命に関する暫定合意の重要性」を強く認識し、中国におけるカトリック教会の活動と中国人民の利益を促進するために、二国間の継続的な対話を進めることに前向きの意志」を改めて確認。「新型コロナウイルスの撲滅のために払われている努力、感染者への連帯に謝意が表明された」としている。

 また、両者は、世界の平和を促進するための「より大きな国際協力への熱意」と「異文化間の対話と人権に関する考察が交わされた」と表明した。

 なお、新型コロナウイルスの世界的な流行に関しては、教皇フランシスは12日の一般謁見で、これによって影響を受けているすべての人々のために祈り、感染源となり、特に大きな被害を受けている中国の兄弟姉妹のために祈ることを勧め、感染したすべての人が速やかに回復するよう希望を表明されている。

 

 

2020年2月15日