・”暫定合意”の重要性と対話継続を確認-バチカン外務局長と中国外相が会談

Archbishop Paul Richard Gallagher, Holy See’s Secretary for Relations with States meets His Excellency Mr. Wang Yi, Minister of Foreign Affairs of the PRCギャラガー・バチカン国務省外務局長と王毅・中国外相(VaticanNews )

 世界各国の首脳や閣僚などが安全保障問題について話し合う「ミュンヘン安全保障会議」が14日からドイツ・ミュンヘンで3日間の予定で始まった。会議にはフランスのマクロン大統領やアメリカのポンペイオ国務長官、中国の王毅外相など世界各国の首脳や閣僚ら100人以上が参加し、日本からは茂木外相と河野防衛相が出席している。

 初日14日の冒頭に演説したドイツのシュタインマイヤー大統領は、近隣国と衝突する中国の南シナ海進出やトランプ米政権の自国第一主義に言及し、「平和な世界を作るための国際協調という目標から年々遠ざかっている」と危機感を強調するとともに「国際協調や国家間の結び付きが平和を構築する」と各国の努力を訴えた。

 会議では、安全保障や経済政策上のリスクとなっている新型コロナウイルス感染対策や緊張が続くシリアなど中東情勢などが議論の中心となる模様だが、バチカンを代表して出席中のポール・ギャラガー国務省外務局長が14日、中国の王毅外相と会談した。。

 現地時間14日夕、バチカン広報が声明によると、会談は「友好的な雰囲気の中で」行われ、「長期にわたって、前向きに発展してきた両国の関係」について話し合った。具体的には、一昨年9月22日にバチカンと中国が署名した「中国国内での司教任命に関する暫定合意の重要性」を強く認識し、中国におけるカトリック教会の活動と中国人民の利益を促進するために、二国間の継続的な対話を進めることに前向きの意志」を改めて確認。「新型コロナウイルスの撲滅のために払われている努力、感染者への連帯に謝意が表明された」としている。

 また、両者は、世界の平和を促進するための「より大きな国際協力への熱意」と「異文化間の対話と人権に関する考察が交わされた」と表明した。

 なお、新型コロナウイルスの世界的な流行に関しては、教皇フランシスは12日の一般謁見で、これによって影響を受けているすべての人々のために祈り、感染源となり、特に大きな被害を受けている中国の兄弟姉妹のために祈ることを勧め、感染したすべての人が速やかに回復するよう希望を表明されている。

 

 

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2020年2月15日