・「破産申請の可能性が極めて高い」と米サンフランシスコ大司教が表明―聖職者の性的虐待訴訟の重圧で

Cathedral of St. Mary of the Assumption in San FranciscoCathedral of St. Mary of the Assumption in San Francisco. | Credit: Sundry Photography/Shutterstock

(2023.8.8 カトリック・あい)

 米国の有力カトリック・ニュースサイトCNAが5日付けで伝えたところによると、同国のサンフランシスコ教区長、サルバトーレ・コルディオーネ大司教が4日、教区に対して起こされている数百件の聖職者による性的虐待訴訟により、近い将来、破産申請する「可能性が非常に高い」ことを明らかにした。

 サンフランシスコ大司教区はサンフランシスコ市を中心に88の小教区に44万人の信徒をもち、初代大司教就任から200年近い歴史を持つ米国の拠点教区の一つ。

 米国では2002年に、聖職者による未成年などへの性的虐待がメディアによって明るみに出されたのをきっかけに、虐待被害者やその家族などから損害賠償訴訟が相次いで起こされ、敗訴したり、和解したりすることで重い賠償負担を抱えて、破産に追い込まれる教区が増えている。CNAによると、これまでに米国内で破産を申請したカトリック教区は20を超えているという。

 だが、米国で古い歴史を持つ基幹教区が性的虐待訴訟で破産に追い込まれる事態となったのは初めてと見られ、性的虐待がもたらしている事態の深刻さを改めて浮き彫りにしている。

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 コルディオーネ大司教は4日、教区のウエブサイトで、このことを明らかにしたが、その中で、「特定の性的虐待申し立ての時効が2019年カリフォルニア州法で撤廃されたのを受けて、被害申し立てが急増し、500件を上回る民事訴訟が起こされている」とし、「訴訟の対象となっている性的虐待の容疑の大部分は1960年代、1970年代、1980年代に起きたもので、関与したとされる司祭は既に死亡しているか、司牧活動を止めている。また、匿名の個人、あるいは大司教区が感知しない名前のある個人が関与したものもあるが、これらの申し立てを解決する最善の選択肢を模索している」と説明。

 そのうえで、「熟考と祈りの結果、破産法第11章に基づく教区財政の再建が行われる可能性が非常に高いことをお知らせしたい」と述べ、破産申し立てにより、「大司教区が一度に1件ずつではなく、数百件の事件をまとめて処理できるようになり、数百人の被害者にとってより速やかな解決がもたらされると考える。公正な補償が行われ、その結果として、平和と決着がもたらされるのを願っている」と教区民の理解を求めている。

 

 *コルデリオーネ・サンフランシスコ大司教の声明全文は次の通り

2023年8月8日

・性的虐待で訴訟中の元米司教が結婚を”宣言”、バチカン・ルールに構造的欠陥?(CRUX)

(2023.8.2 Crux By Crux Staff)

   米国のニューヨーク州で7件の性的虐待の訴えを受けて公判中のカトリックの元司教が、バチカンから訴訟が解決するまで待つよう指示されたのを無視して、女性と民法上の結婚をした。

 この振る舞いは、聖職者による性的虐待への対処という深刻な問題を抱えるバチカンを困難な立場に追い込み、高位聖職者による性的虐待と虐待や隠ぺいの申し立てに対処するためにバチカンが最近導入した制度の構造的欠陥と、バチカンの指示に従わず勝手な行動をとる聖職者への教皇の対応の困難さを浮き彫りにしている。

 問題の元司教は、1977年から2014年までニューヨーク州の首都オールバニーの教区長を務めていたハワード・ハバード、84歳。自らの性的虐待についての虐待疑惑は否定しているものの、教区長時代に、司祭による性的虐待について訴えを受けていたにもかかわらず、これを隠ぺいしていたことは認めている。

 ニューヨーク州では他の多くの州と同様に、未成年者に対する性的虐待についての民事,刑事いずれの申し立ても、時効を一時解除する措置をとっているが、2022年の裁判所による事情聴取で、ハバートは、司祭による性的虐待について訴えを受けたことを警察に報告しなかった理由について、「 法律でそうすることを義務付けられていないと思った。醜聞が表ざたになるのを避け、司祭職を尊重する考えによるものだ」と”釈明”していた。

 教皇フランシスコは、2019年に聖職者による未成年に対する性的虐待に対処する教会法上のルールを明示した使徒的書簡 『Vos estis lux mundi(あなたがたは世の光)」を出しており、これに基づいて、ハバートに制裁を課すことも可能だったはずだ。

 だが、バチカンはこれまで、このルールを積極的に活用することをせず、ニューヨーク州が未成年性的虐待の時効を一時解除した2022年に、ハバードは聖職者としての役務を停止するか否かを判断するよう指示するにとどまった。

 ハバードがバチカンに聖職離脱を申し出たのは、民事訴訟の棚上げ停止後の2022年秋だった。バチカンは彼に、民事訴訟がすべて決着するまで、離脱を待つように求めたのに対し、 ハバードは声明を出し、「私を助け、世話し、信じてくれるた素晴らしい女性と恋に落ちました」とし、その女性を「この旅の愛情深い支えとなる仲間」と呼び、「自分はそうすることができる」と述べた。

 訴訟が決着する前に、彼は91歳か92歳になる可能性がある。 アルバニーの現教区長、エドワード・シャーフェンバーガー司教は、ハバードが民法上結婚したというニュースを「想定外。まだ対応を始めたばかりだ」としたうえで、 「教会は(ハバードの)の結婚を有効なものとして認めていない」と言明している。

 オールバニー教区は、ニューヨーク州が未成年性的虐待の時効を一時停止したことに伴い、虐待被害者などから数百件の損賠賠償請求訴訟を出され、教区財政は賠償負担に耐えられないとして、今年初めに破産を申請している。

  ハバードの今回の「性的虐待訴訟中の婚姻」について、これまでのところバチカンからコメントは出ていないが、ハバードが懲戒処分の対象となる可能性がある。ちなみに、 この事件を担当することになるとみられるバチカン司教省の長官は、先に教皇から枢機卿に指名され、9月に叙任される、ハバートと同じ米国人のロバート・プレボスト大司教だ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

2023年8月3日

・米司教団が未成年性的虐待など2022年・年次報告ー年間の被害訴え1998人、2704件に“減少”だが

File photo of a US bishop praying during an annual meeting of the USCCBFile photo of a US bishop praying during an annual meeting of the USCCB 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2023年7月19日

☩「聖職者による性的虐待に対処するため、『償いの霊性』を深めて」教皇、Servants of the Paracleteの会員たちに

2023.06.23 Artisti partecipanti all'incontro promosso in occasione del 50° anniversario della inaugurazione della Collezione d'Arte Moderna dei Musei

(2023.6.24  Vatican News  Lisa Zengarini)

 教皇フランシスコは24日、 Servants of the Paraclete in the Vaticanの総会出席者と会見され、聖職者による虐待の悲劇を想起し、個人的な問題を抱える司祭に寄り添い、支援するこの会の会員たちに、「『償いの霊性』を深め、司祭たちが霊的生活の素晴らしさを取り戻せるように助けることで、(聖職者による性的虐待が引き起こしている)現在の危機に対処するように」と促された。

  は、個人的な問題を抱える司祭を支援するために 、米国ニューメキシコ州で1947 年に設立された修道者の会。具体的には、霊的指導、個人およびグループセラピー、監視付きの生活、継続的な指導と育成を通じて、聖職者として立ち直るように、霊的分野を含む総合的なプログラムを提供し、アルコール中毒や性的障害などの問題を抱える司祭や修道者を助けることを使命とする。現在、英国、フランス、イタリア、フィリピン、アフリカ、南米諸国を含む世界の多くの国で活動している。

  教皇フランシスコは、使徒宮殿の会議室で、同会の司祭、修道者約55人を前にした講話で、まず、会のモットーである “pro Christo Sacerdote”を取り上げ、「『同伴者である聖霊の導きのもとで司祭としてキリストに仕える』というあなたがたの特別な使命を、よく表現しています」と指摘された。

 そのうえで、「現在、このモットーは、性的虐待がもたらしている悲劇のゆえに教会が経験しているものを浄化する、特別に取るべき道をも意味しています」とされ、「罪は醜いものであり、私たち自身、あるは私たちの兄弟の司祭たち、司教たちの誰かが、悪徳、腐敗、あるいはさらに酷い、人生を台無しにする犯罪の底なしの穴に落ちる時、私たちは苦痛と屈辱を味わいます」と強調。

 そして、「このような状況であるからこそ、Servants of the Paracleteの役割は、今一層、重要になってきています。このような状況の中で、『Servants of the Paraclete』であるためには、問題を抱えた司祭や助祭などの兄弟に同行し、禁欲、回心、聖職者として再生するための道を歩むことが出来るように、専心する必要がある。善きサマリア人の心と行為をもって、彼らの傍らに立ち、彼らと日々の生活と祈りを分かち合ってください。そして、何よりも、彼らを共同体、祈りの共同体に参加させることが、聖職者としての使命の危機に対処する調和のとれた生活を取り戻すのに役立ちます」と勧められた。

 講話の最後に教皇は、会員たちに対して、「神の民の牧者としての聖性の奉仕において、『浄化の必要』から始まる『償いの霊性』を深める」ことを勧められた。そして、「聖霊が、叙階された聖職者たちの生活の支持者であるときに、司祭として成熟する、ということを認識するなかで、霊的生活の素晴らしさを再発見できるよう助けることの重要性」を強調。不誠実は容認されてはならない。聖霊の光によって明らかにされるべきです。 神だけが私たちを背信から救ってくださいます… イエスの目で、イエスの愛と優しさで、一人一人(の司祭)を見ることができるよう、聖霊が助けてくださいますように」とされ、Servants of the Paracleteの会員たちに「慈しみの福音の証人としての良い旅」が出来るように願われ、聖母マリアが、会員たちと共に歩み、守ってくださるよう祈られた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2023年6月25日

・バチカン未成年者保護委員会、世界の教会に向けた性的虐待防止の新指針策定開始

Pope Francis addresses a meeting with the members of Pontifical Commission for the Protection of MinorsPope Francis addresses a meeting with the members of Pontifical Commission for the Protection of Minors  (Vatican Media)

 委員会が同日発表した声明によると、新指針は、「教会全体で、子供たちや弱い立場にある人々にとって安全な環境を作り出す取り組みを強化」することを目的とし、「世界のすべてのカトリック教会で導入、実施される保護基準の規範」を目指す。

 そして、新指針の役割として、「安全確保についての良い慣行に従って教会における虐待からの保護を促進するのに役立つこと」を強調し、虐待によって衝撃を受けた人々の支援に焦点を絞ること、虐待に対して適切な対応をすることの重要性も指摘している。

 また、これまでの作業で、委員会は「過去10年の間に教会と市民社会が行った活動の分析に基づき、世界の現地の教会のそれぞれの安全保護指針と対策を支援するための新指針の基本原則をまとめているが、さらに、全世界の司祭、一般信徒を対象にウエブサイトを利用した4つの言語による”オンライン調査”を実施する。教皇フランシスコは2016年の使徒的書簡「As a Loving Mother」で、「(性的虐待からの)保護の義務は教会全体に委ねられている」とされており、寄せられた回答は、年末に向けて委員会で検討の上、新指針に反映される。そして新指針は、世界のすべての教会に通知され、現在、各教会がもっている保護指針を新指針に従って更新し、それを委員会に送り、審査を受けることになる、という。

 声明ではまた、新指針では、世界の各現地教会に対して「教皇フランシスコの使徒的書簡 『Vos estis lux mundi(あなたがたは世の光)』の指示に従って、虐待の訴えを受け付け、管理するための、また、特に虐待の影響を受けたすべての人、特に被害者を支援するための体制を確立することを求めることになる」としている。

 声明で述べられている、新指針の他のポイントは、「虐待によって影響を受けた人々、共同体への寄り添い」「教会全体に安全環境を確実にする文化面での配慮」「(被害訴えなどについて)利用しやすい手順の明記」「弱者保護と責任の取り方について、教会指導者の明確な誓約」「教会のすべての聖職者に対する、リスク防止のための継続的な指導、訓練、『保護の文化』への司牧の。 能力の構築 」などだ。

 さらに声明は、未成年者保護委員会は「教会全体の保護指針を更新するプロセスを主導することに加えて、新指針の実行を確実にするための財政的あるいは人的資源が不足している現地教会の支援を行う」と言明。それに沿って、「関係機関と連携して、現地教会の安全防護指針の策定と実施の確実にするための能力構築プログラムを作っている。プログラムは、『誰も、助けを得ないまま、取り残されることはない』という聖母への祈りにちなんで「Memorare」と呼ばれている、と説明している。

 また、「新指針の策定と教会全体の能力構築の進捗状況は、教皇が委員会に要請された『保護政策と手順に関する年次報告書』で明らかにする」とし、 年次報告書の概要は今年 10 月に、世界の現地教会からの報告も含めた完全版は来年 10 月に、それぞれ発表される予定だ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2023年6月25日

・カトリック中央協議会がホームページに「各教区のハラスメント対応窓口」を掲載

(2023.6.22 かとりっく・あい)

 今さら、というべきか。カトリック中央協議会のホームページに6月22日、日本の各教区に置かれている”ハラスメント等”対応窓口の一覧表が掲載された。肝心の担当者あるいは責任者の名前もなく、どのように対応するかの説明もない。先の長崎教区や仙台教区のような”加害者側に立った対応”を改めたのか、どこまで、公正に被害者の立場に立って対応しているのか、あるいはこれから対応しようとしているのか、も不明である。このような「カトリック・あい」の説明に不服があれば、正々堂々と弁明してもらいたい。

教区 窓口名 受付日
札幌 札幌教区 聖職者によるハラスメント被害ホットライン
080-2879-3168
火-金 12:00-16:00
(祝日、指定休業日を除く)
仙台 仙台教区 子どもと女性の権利を守る委員会相談窓口
090-5187-4959
月-金 10:00-16:00
(不在時は折り返し電話で対応)
新潟 新潟教区 セクシャル・ハラスメント相談窓口
080-8912-8758
火 13:00-14:00  (祝日を除く)
さいたま
さいたま教区 子どもと女性の人権を守るための対応委員会
070-4367-9876
火・木 10:00-17:00
東京
東京大司教区 こどもと女性の権利擁護委員会 受付窓口
080-9046-9200
月-金 9:00-12:00  13:30-16:00
横浜
横浜教区 子どもと女性の人権を守るデスク電話相談窓口
045-663-5359
火 10:00-13:00
金 13:00-16:00 (祝日,休暇日を除く)
名古屋
名古屋教区 セクシャル・ハラスメント対応委員会ホットライン
080-2625-4681
月-金 10:00-17:00
京都
京都教区 ハラスメント防止対策委員会 相談窓口
080-9750-6408
水・木・金
10:00 – 12:00  13:00 – 17:00
大阪
大阪大司教区 セクシュアル・ハラスメント 相談窓口
06-6941-9718
月・火・金 10:00-16:00
(祝日を除く)
広島
広島司教区 子どもと女性の人権擁護デスク
082-221-6613 or 080-9795-3676
月・火・木・金
9:30-12:00 13:00-17:00
高松
高松司教区 子どもと弱者の権利を守る会
087-831-7760 または 087-831-6659(教区本部事務局)
火-金 12:00-16:00
(祝日、指定休業日を除く)
福岡
福岡司教区 セクシャル・ハラスメント相談窓口
080-2694-4182
月-金 10:00-12:00 13:00-16:00(祝日を除く)
長崎
長崎大司教区 子どもと女性の人権相談室
095-865-7829
月-金 10:00-16:00
(不在時、留守番電話対応)
大分
大分教区 セクシャル・ハラスメント相談窓口
097-533-9831
水 09:00-17:00(祝日除く)
鹿児島
鹿児島司教区 子どもと女性の人権相談室
090-3418-2729
月-金 10:00-22:00(祝日除く)
那覇
那覇教区 子どもと女性の権利を擁護するデスク
098-863-2020
火・水・木 13:00-17:00
2023年6月22日

・イエズス会が、修道女など複数の女性虐待容疑の著名な芸術家の会士を除名

Father Marko Ivan Rupnik. (Credit: Screenshot/Vatican Media.)

Jesuits expel prominent artist accused of absuing women

(2023.6.15 Crux  Senior Correspondent   Erise Ann Allen

 

ローマ発 –教皇フランシスコも会員となっている世界最有力の男子修道会、イエズス会が15日、複数の女性に対する性的虐待などで訴えられている著名な芸術家のイエズス会士を、「自己の規律に関する誓願」を破ったとして除名することを決定した。

 同会でこの問題を担当するヨハン・フェルシューレン師は15日の声明で、「イエズス会総長は6月9日付けで、悲痛な思いを込め、マルコ・イワン・ルプニク神父をイエズス会から除名した。服従の誓いを守ることを彼がかたくなに拒否したことに対する、教会法上の措置である」と発表している。

 ルプニク神父は、ローマで活動する著名なカトリック芸術家、壁画家で、その作品はバチカンやフランスのルルドにある有名なマリア聖堂など世界中の礼拝堂や神社を飾っている。だが、昨年、修道女たちに対する性的虐待が発覚し、司法当局の取り調べを受けており、公的な活動を禁じられている。

 フェルシューレン師は声明で、ルプニクに対する訴えに関するイエズス会の担当チームの調査によって「あらゆる種類の数多くの苦情が、全く異なる情報源から寄せられ、過去30年以上にわたる期間の出来事が明らかにされた」とし、「会の上長たちは、報告や目撃された内容の信頼性は非常に高いと判断し、調査チームの勧告や提案に従うことを決めた… この判断に基づき、ルプニクに対し、現在居住しているイエズス会の施設から他の施設に移り、過去の過ちを認め、自身が傷つけた多くの人に、真実の道に戻る明確なしるしを示すための、イエズス会に残る最後の機会として新たな職務を受けるよう命じた」と説明。だが、ルプニクがこの命令に従うことを拒否したため、「残念ながら私たちに残された道はただ一つ、イエズス会からの除名だった」とし、ルプニクに6月14日付けで会から去ることを命じた、としている。

 イエズス会の調査チームの報告書は2月に出ていたが、今、除名措置に踏み切ったのは、会が彼に対して、ローマのあるラッツイオ州を離れたり、公的な活動をすることを禁じていたにもかかわらず、ボスニアとクロアチアを訪れ、美術修復プロジェクトに従事している、との最近のマスコミの報道が引き金になったとみられる 

 バチカンとイエズス会が、ルプニクにどう対処するかは、ここ数か月の間、カトリック関係者の間で注目の的になっていた。それは、彼が現代カトリック芸術家の一人として欧米で高く評価されている人物であり、教皇フランシスコを筆頭に多くのバチカン高官と同じイエズス会士だったからだ。

 ルプニクをめぐる問題が注目されるようになったのは昨年12月、イタリアのブログやウェブサイトが一斉に、彼の故郷であるスロベニアの修道女たちを何年にもわたって精神的に虐待し、性的違法行為を働いたとして告発された、と報じたことによる。スロベニアの女子修道会「スクプノスティ・ロヨラ」などに所属する修道女たちが被害に遭ったのは、彼が霊的指導の担当司祭だった1990年代にまで遡る。

 以前、ルプニクに関する報道が広まり始めた後、イエズス会は、ルプニクを「教会の最も重大な犯罪の一つを犯した」―性的関係を持った女性を赦免するために告解の場を利用した-として、2020年に短期間破門したことを認めた。破門は、ルプニクが”悔い改め”たとして、わずか1か月後に解かれたが、その1年後、9人の女性から、ルプニクが1990年代に自身が共同設立したロヨラ・コミュニティで性的、心理的、精神的虐待を行ったとの告発がなされた。

 当時、イエズス会はバチカンに教会法に基づく措置を取るよう求めたが、イエズス会士ルイス・ラダリア枢機卿が長官を務める教理省はそれを「時効」を理由に拒否、捜査もできないと通告。このため、 ルプニクの犯罪の解明も進まず、多くのバチカン関係者が、「教皇がイエズス会士で、聖職者の性的虐待問題を担当する教理省の長官もイエズス会士であることから、同じ会のルプニクをバチカンが守ろうとしているのではないか」との疑問を抱くことになった。

 このような中でイエズス会も、彼の公的活動やラッツイオ州を離れることを禁じる一方、彼の被害者は積極的に申告するよう広く呼びかけ、その結果、新たな被害の訴えが約15件出て来た。

 フェルシューレン師は声明で、ルプニクが司祭職そのものをはく奪される可能性などについて明らかにしなかったが、仮にルプニクが上訴を認められた今後30日の間にそれを断念するか、上訴して却下され、除名が確定した後に、その問題が出てくることを示唆している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

2023年6月17日

・「性的虐待による危機を脱するには、教会の”文化”を変えねばならない」仏司教協議会会長が言明(La Croix)

(2023.6.14  La Croix   France  Arnaud Bevilacqua and Christophe Henning)

   フランスの教会での性的虐待に関する独立委員会(CIASE)が、国内の多くの人々に衝撃を与えた報告書を発表して1年半以上が経過した。

 司祭や修道会の会員を含む多くのカトリック教徒が今でも衝撃から覚めず、加害者たちに怒りを感じ続ける中で、フランス司教協議会(CEF)とフランス男女宗教者会議(CORREF)は、CIASEの報告書をもとに、改めて調査、分析を行い、虐待や虐待への対処方法に関するCIASEの提案の多くを取り上げ、再発防止策を策定してきた。

  CEF会長のエリック・ド・ムーラン=ボーフォール大司教とCORREF会長のドミニコ会シスター・ヴェロニク・マルグロンは、虐待の危機が教会の文化的変革の必要性を示している、との見解で一致している。 LaCroixの独占会見に応じた二人は、CEFとCORREFが、そのためにどのような努力を重ねているかについて、以下のように語った。

*会見の一問一答など詳細はLaCroixのページでご覧になれます⇒ https://international.la-croix.com/news/religion/catholic-leaders-say-abuse-crisis-shows-church-must-change-its-culture/17967

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。 LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2023年6月15日

・一審無罪だが原告が控訴中の性的虐待容疑のインドの司教の辞表、教皇が受理(Crux)

(2023.6.3  Crux   Contributor  Nirmala Carvalho)

ムンバイ発 – 教皇フランシスコは1日付けで、インド北部のジャランダル教区長、フランコ・ムラッカル司教の教区長辞任の届け出を受理した。ムラッカル司教は、2014年から2年間に修道女に対して13回にわたって性的暴行を働いたとして被害者から訴えられ、逮捕され、2022年にケララ州の地方裁判所で無罪判決となったものの、原告側が不服として高等裁判所に控訴中だ。

 教区長としての職務を解いたことについて、駐印バチカン大使館は声明で、解任は懲戒処分ではなく、教区の”治癒”を進めることを目的としていることを示唆し、「ムラッカル師は引き続き司教の座にとどまり、活動に教会法上の制限は課されない」と説明している。

 ムラッカル司教は2013年からジャランダル教区長を務めているが、現在59歳で、司教定年とされている75歳よりもはるかに若い。本人は、友人や関係者に送ったビデオメッセージで、「教皇は、私が上司との話し合いと祈りをもって書いた辞表を受理された。喜びと感謝の気持ちを込めてこのことをお知らせする」とし、「この機会に、私は直接的、間接的に経験したすべての苦しみと、それが十字架につけられた主の足元に引き起こした困難を捧げます。 神のご加護がありますように」と述べている。

 ムラッカル司教はインド南部ケララ州出身。裁判で原告となった修道女は、2014年から2016年の間に司教が教会を訪問中に13回も性的暴行を働いた、と訴え、彼は、強姦罪で逮捕されたインド初のカトリック司教となった。

 同州の他の5人の修道女も原告を支持したが、これに対して司教は「原告の修道女は自分が不倫を働いた相手の男性の妻から訴えられた報復として、うその性的暴行被害を訴えたのだ」と反論。ケララ州地方裁判所で 2019年11月から2022年1月にかけて39人が証人として出廷して審理が行われた結果、「原告の証言には『誇張と粉飾』が含まれていた」として、無罪判決を出した。

 この判決に対して、ソーシャルメディア上で抗議が起こり、抗議した人の中には「裁判官が事実上、原告を裁判にかける結果になった」とする女性の権利擁護の運動家も含まれており、 検察側は判決を不服として、原告と原告を支援する人々と共にケララ州高等裁判所に控訴している。

 駐印バチカン大使館は声明で、バチカンは、インドの司法当局の判断に従う、としたうえで、教皇のムラッカル司教の教区長としての辞表受理は、「裁判によるものではなく、『司牧的措置』。ジャランダル教区の”健康”のため。ムラッカル司教をめぐって大きな論争が起き、分裂状況を生み出していることから、新しい教区長が必要となった」と説明している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。Crux is dedicated to smart, wired and independent reporting on the Vatican and worldwide Catholic Church. That kind of reporting doesn’t come cheap, and we need your support. You can help Crux by giving a small amount monthly, or with a onetime gift. Please remember, Crux is a for-profit organization, so contributions are not tax-deductible.

 

2023年6月4日

・ブラジルのカトリック教会でも聖職者108人による未成年者性的虐待発覚-氷山の一角?(Crux)

(2023.6.2 Crux  Contributor  Eduardo Campos Lima) 

 サンパウロ 発– ブラジルのカトリック教会でも聖職者による未成年者性的虐待が広範囲にわたっていることが明らかになった。同国のジャーナリスト2人が今週初めに出版した『Pedofilia na Igreja』(「教会における小児性愛」)によると、2000年からこれまでに108人の聖職者が、148人の子供と十代の若者に性的虐待をし、うち60人が有罪判決を受け、懲役刑を言い渡され、さらに数十人が公判中。それでも、これらは「氷山の一角」にすぎない、としている。

 共著者のファビオ・グスマン、ジャンパオロ・モルガド・ブラガ両氏はこの本をまとめるにあたって、同国の裁判所や警察署、公的資料保管所に保管されている数千件の司法関係の文書、未成年に対する性的虐待に関する国際データバンク、ニュース記事などを収集・分析、さらに、数十人の被害者と親族、司祭、検察官、警察職員にも聴取した。

 2人は「ブラジルは世界最大のカトリック国家であり、ここに教会は巨大な規模だが、 ポルトガルやフランスなどの教会が未成年者虐待を精査する第三者委員会を設立しているが、ブラジルではまだそうしたことが行われていない」と述べ、「最近数年間にブラジルの教会は未成年性的虐待に対して前向きな姿勢を強めてきたが、教会として責任を負い、虐待撲滅への姿勢を明確にするためには、まだやるべきことが多くある」と強調している。

 さらにグスマン氏は「性的虐待に関する民事訴訟で教区がとっている対応は、そのことを浮き彫りにしている… ほとんどの教区の法廷での戦略は、「犯罪行為は司祭職とは無関係」「虐待は教会の外で起こった」などを繰り返し主張し、加害者の司祭と被害者を引き離すことにあった。教会、加害者司祭の責任を回避するやり方だ」と批判。

 さらに、約1億2300万人の信徒を擁するブラジルのカトリック教会が、「20年以上にわたる聖職者による性的虐待に対して、被害者への賠償金の支払いを余儀なくされたのはわずか約20万ドルにとどまっている… 約7000万人のカトリック教徒がいる米国の教会が、被害者への損害賠償金など訴訟を解決するために40億ドルを超える金額を支払った、とされているのと、対照的です」とし、「ブラジルの教会が未成年性的虐待との闘いに本気で取り組んでいたら、被害者が訴訟を起こす前に、和解が成立していただろう」と指摘した。

 また著者たちは、ブラジルにおける聖職者による未成年性的虐待の深刻さを、被害を受けた当時、わずか3歳だった少女の例を上げる。「ブラジル南部、サンタ・カタリーナ州にいた彼女は、ウクライナ・カトリック教会の神父と学校の教師から虐待を受けたのです。司祭たちの犯罪を調べると、彼らがいかに巧みで、犯罪を実行するのにどのようにしたらいいかを、正確に知っていることが分かる。そして、彼らは、その結果が『自分たちに何の影響も及ぼさない』と考えているようだ」と言う。

 そして、犯罪実行の一種の”ガイドブック”を書いていたタルシシオ・タデウ・スプリシゴという元司祭の例を挙げた。「 警察に押収された彼の手帳には、シングルマザーに育てられ、音楽教室に惹かれる可能性のある7歳から10歳の貧しい少年たちが”理想的なターゲット”として特記されていた。そして、少年たちを誘惑するための”秘訣”として、『いつも自信を持ち、真面目で、立派で、父親のようであり、決して質問をしないが、常に理解してくれている、と相手が信頼するようにする」ことが書かれ、自身の犯罪行為の説明もされていた」という。

 この神父は、過去15年間に3つの州で性的虐待をし、5歳、8歳、13歳の少年を虐待した罪で有罪判決を受けた。「司祭としての資格はく奪後も、音楽教師として虐待を続けていたことが明らかになっており、このことは、性的虐待に対して司祭の上司や司教が、適切な行動を起こさなかったことを示しているケースもあること」を示している。

 フランシスコ会のパウロ・バック神父を、被害者が虐待の罪で告発することを決めた2012年に、神父の地元、サンタカタリーナ州のフォルキリヒンハ市では既にそのことがよく知られていた。告発されたのを受けて、他の都市からも非難の嵐が殺到。 数十年前に行われた性的虐待までも明らかになった。警察が押収した彼のパソコンを調べたところ、フランシスコ会の上長との間でやりとりされた電子メールが見つかり、彼の行動がすでに修道会の上長と司教の両方に知られていたことが明らかになった。「司教館での会議で、私たちはそこで起こったことすべてを秘密にすることで合意した…」と上長は電子メールメッセージで述べた、とされている。

 バックは逮捕され、懲役26年の判決を受けたが、拘置所にいたのはわずか1年5カ月で、その後自宅軟禁に移された。 グスマン、ブラガ両氏が彼の足取りをたどったところ、2018年現在もサンパウロ州ブラガンサ・パウリスタのフランシスコ会の修道院で司祭として生活していることを見つけた。

 「私たちは、各教区が自らを精査し、責任を問うことができることを望んでいる。 それが教会の信頼回復への唯一の方法だ」とグスマン氏は語り、「地域社会が子供たちを守ることができるよう、虐待した司祭のリストを教区がオンラインで公開すべきだ」と主張した。

 「他の国ではそれがすでに現実となっているが、ブラジルでは遠い話のように思われる。教会だけでなく、ブラジルの機関や組織も慣行を見直す必要がある。 例えば、マスコミは通常、虐待に関する記事をエピソード的に取り上げ、しばらくすると事件を追わなくなるため、教会も一般社会も忘れてしまうのだ」と不満を述べた。

 また、「ブラジルの司法制度では、被害者を保護するために、事件を秘密にしている。そのことが、加害者も”保護”されるという結果になり、被害者が被害を名乗り出ることを難しくしている」とも指摘し、「コミュニティも変わらなければならない。被害者が司祭を告発したところ、教会の信徒たちが、加害者の司祭の側に立つケースもあった。小さな都市や貧しい地域社会ほど、司祭の影響力は非常に大きい可能性があるが、 教区が信者に虐待の状況を適切に知らせれば、性的虐待の再発を防げるようになるだろう」とも語っている。

 著者たちは、「ブラジルでは、ほとんどの性的虐待被害者が、地域社会や教会から放っておかれている。 当然のことながら、被害者やこのような実態を見た信徒たちの多くは、カトリック教会から離れてしまっている」とも述べ、「多くの虐待被害者がこの報告書を読んで、加害者を勇気をもって告発した信徒がいることを知り、ある種の慰めを感じるだろう。 これが教会の変革の始まりになることを期待したい。フラジル社会が教会と司法制度を動員して圧力をかければ、状況は変わる可能性がある」と期待を述べている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年6月2日

・イタリア最大のカトリック信徒団体幹部が未成年性的虐待で逮捕(Crux)

Mirko Campoli. (Credit: Youtube screen capture.)

Abuse scandal in Italy raises issues of lay supervision, disclosure

(2023.5.26  Crux Staff)

 ローマ発 –教皇のおひざ元の イタリアで、新たな性的虐待スキャンダルが発生した。同国最大のカトリック信徒団体の著名な幹部が少なくとも未成年者4人に性的虐待を働いた罪で司法当局に逮捕されたものだ。

 この事件で、 容疑者が聖職者ではなく一般信徒だった場合の責任の所在、説明責任に新たな課題も浮上している。

 逮捕されたのは、「Azione Cattolica (カトリック・アクション)の青少年部門の元責任者、ミルコ・カンポリ(46)。犯行当時10歳から14歳だった少なくとも4人の未成年者に性的虐待をした容疑で5月23日に逮捕された。現在、足首に電子監視ブレスレットを装着することを条件に自宅軟禁の状態に置かれている。

  Azione Cattolica は、1867 年に設立された、伝統あるイタリアで最大のカトリック信徒団体。会員数は 1950 年代後半には 300 万人を超えていたが、 現在は 信徒の”教会離れ”を背景にして、27万人程度になっている。

 カンポリは、2002 年から 2008 年までAzione Cattolica の青少年部門の責任者を務めた後、ローマ郊外のチボリ教区の大規模な高校の副理事長になるとともに、同教区のAzione Cattolicaのコーディネーターも務めた。最近では、ローマにある性的虐待の被害者を持つ家族のための施設で働いていた。また、若者向けの宗教教育に関する出版物を多数執筆し、新型コロナウイルス感染拡大で学校が閉鎖された若者たち向けに信仰教育のビデオを制作。イタリア司教協議会の運営するテレビ放送で教会が運営する青少年キャンプの宣伝にも一役買っていた。

 カンポリ容疑者について、ある検察官は「憎むことのできない人物、第二の父親とも言われる、誰もが知っていて好かれる人物」である反面、「被害者に高価な贈り物をして、訴えを封じるだけでなく、思春期独特の悩みに耳を傾け、なだめ、怒りや不安を無くすことのできる人物」としている。

 イタリアのメディアによると、カンポリを訴えた被害者は4人で、2016年から、学校や協会主催の旅行中に繰り返し性的虐待を受けたという。カンポリに対する性的虐待疑惑は2020年に表面化し、学校副理事長の職を説かれ、教区司教によって宗教教師としての免許も取り消されている。だが、関係者によると、その後、ローマにもどったカンポリは新たな職を得、そこでも性的虐待を繰り返してきた、という。

 チボリのフランチェスコ・メンディット検察官は5月23日の記者会見で、「教会当局が司法当局への報告を十分にしなかった。それがされていれば、この男の犯行をもっと早く止めることができた」と教会の隠ぺい体質を批判した。

 これに対して、チボリ教区は声明を出し、「教区の家族相談センターが、カンポリに性的虐待の疑いがあることを知った時点で、速やかに司法当局に通知している。被害者の両親から告発を受け、それが信頼できると判断した時点で、宗教教師としての免許も取り消した」と反論。イタリア司教協議会のマッテオ・ズッピ枢機卿も25日の記者会見で「チボリ教区の司教は責任を果たしている。隠ぺいの批判を受け入れられない」と述べた。また、イタリア司教協議会は今秋、11月13日から16日まで、未成年者の保護をテーマにした臨時総会をアッシジで開催する予定にしている。

 こうした教会当局に、現地メディアはチボリ教区の評議会が自己のフェイスブックに、カンポリの「ここ数年の働きに心から感謝する」旨のメモを載せ、また同教区のソーシャルメディアチャンネルへのカンポリの投稿は、逮捕時点まで閲覧可能だった、と指摘。

 メンディット検察官は、「教会当局者の対応は、”マフィア”に似ている。親(である教会当局者)は自分の子ども(である信徒たち)が受けたかもしれない暴力が事実であるこを受け入れたくないので、それを隠蔽しようとし、まして未成年者のことを信じようとしない」と重ねて批判し、さらに「多くの場合、被害者やその親たちは教会当局者としか話しませんが、教会当局は内部で状況を管理しようとする傾向があります」と語っている。

 また、ある関係者は、「カンポリ事件」の問題のひとつは、「責任の境界線」が曖昧であることだ、と指摘する。Azione Cattolica、チボリ教区、カンポリが副理事長を務めていた学校、地元の検察と警察、あるいはカンポリの監督や告発に主な責任を負うべき機関が明確になっていないのだという。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年5月27日

・バチカンの未成年保護委員会、性的虐待対処の新戦略を発表

Members of the Pontifical Commission for the Protection of MinorsMembers of the Pontifical Commission for the Protection of Minors  (Vatican Media)

*「教皇が求められた事柄を全力で達成する」とオマリー枢機卿

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2023年5月9日

☩「 性的虐待への不適切な対応が、神の愛に対する証しを台無しにしている」教皇、未成年保護委員会総会参加者に

Pope Francis addressing the Vatican Commission for the Protection of Minors Pope Francis addressing the Vatican Commission for the Protection of Minors   (Vatican Media)

(2023.5.5 Vatican News   Lisa Zengarini)

    教皇フランシスコは5日開かれたバチカンの未成年者保護委員会総会で、出席した委員たちに対して、委員会の活動が困難で「あまり良い方向への変化が見られない」との印象を与えていることにひるむことなく、粘り強く、前に進むよう求められた。

 そして、「教会の置ける性的虐待を防ぐために、聖職者、修道者の行動に関する規範と基準を改善する努力を続けねばなりません」と語られた。

 委員会はフランシスコが教皇に就任された翌年の2014年に設置されたが、総会は昨年6月に出された使徒憲章「Praedicate Evangelium」で教理省に位置付けられて以来、二度目となる。

 総会の議題は、世界各国の司教協議会がまとめる未成年保護に関する報告書の年次監査を行うとされている委員会の職務の見直し、 5 年間の活動計画の見直しのほか、委員会の作業方法、役割、責任をいかに明確にするかについての率直な意見の交換などが予定されている。

 

*危機に直面して、教会は沈黙したり、活動を止めたりしない

その一方で教皇は、「教会が沈黙したり、活動を止めたりしているわけではありません」とされ、虐待の告発を受け止め、被害者のケアの体制を進めることを世界の教会に求める自発教令「Vos Estis Lux Mundi」を最近、再確認したことを指摘。

「 被害を訴えた人達に対して、司教や修道会の上長に、自身が犯した虐待や隠蔽の責任を負わせること、この自発協定の定めは、恒久的に実施される」ことを確認されたうえで、「今日、『教会における性的虐待の現実に影響を受けていない』と正直に言い切れる人は誰もいない」と強い言葉で念を押された。

*虐待被害者、家族、友人たちの人生の修復を助けよ

 さらに委員たちに対して、教皇は、性的虐待によって破壊された「多くの被害者の家族や友人などの人生」を修復するのを助けるよう求められ、次のような最近の体験を語られた。

 「私は虐待被害者のグループと面談し、率直な意見を聞きました。彼らは、約 50 年前に通っていた学校を運営する宗教施設の指導者との面会を希望していました。全員が高齢で、『余生を平和に過ごしたい』と願われた方がいましたが、 彼らにとっての『平和』とは、自分を傷つけた教会との関係を修復することを意味するのです」。

*教会のための償いの瞬間

 また、委員たちに、行動において、優しくあり、互いに重荷を負い、不平をもらすことなく、「教会のための償いのこの瞬間が、救いの歴史のさらなる瞬間に取って代わられること」を念頭に置くように勧められ、「今こそ、前の世代と苦しみ続けている人々に与えられたダメージを修復する時です」と訴えられた。

 そして、教皇としての過去 10 年間に、さまざまな教会が性的虐待に対処するための専門知識を提供してくれたことを思い起こされ、「未成年者や脆弱な人々を保護することの重要性は、すべての人に共通のルール…  すべての人の尊厳を文化や経済的、社会的状況とは関係なく守るための、正しい行動と健全な生活様式が普遍的なルールにならねばならない」と強調。

 さらに「教会のすべての司牧者は、信者に奉仕する方法においてこのルールを守らねばならず、すべての信者は、教会共同体を率いる人々から敬意と尊厳を持って扱われなければなりません」と説かれた。

*問題対処への専門知識を教皇庁と共有するように

 講話の最後に教皇は、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの虐待被害者への教習プログラムと支援の拡大を通して、教会内の不平等に対処する委員会の計画を承認するとともに、福音宣教のための世界各国の教区との最近の協力協定を評価され、教皇庁と、この複雑な問題に対処する専門知識を共有するよう求められた。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2023年5月5日

・性的虐待対策の著名専門家が、バチカンの未成年保護委員会の委員を辞任ー「機能に懸念、これ以上続けられない」と

(2023.4.18  Crux  Senior Correspondent Elise Ann Allen

 さらに2021年、委員会のボブ・オリバー事務局長が突然交代し、彼の名前のない委員会メンバーの再任がバチカンのニュース速報で発表されるまでそれが知らされなかったことで、多くの関係者が後味の悪い経験をしている。

 そして、昨年、バチカンの機構改革の一環として、教皇が、この委員会を教理省の一部門に位置付けたことで、その有効性にさらなる疑問が投げかけられた― 委員会の独立性が保たれるだろうか、伝統的に変化に抵抗するバチカンの官僚機構にうまく対応しながら、効果的な業務が続けられるだろうか、と。

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 3月にゾルナー神父が委員を辞任した際、委員会は、彼のこれまでの奉仕に感謝を述べ、今後は、グレゴリアン大学の人類学研究所の所長職とともに未成年支援の新たな任務に就くために辞任したことを示唆した。

 だが、ゾルナー神父はその直後に声明を出し、委員会には説明責任や透明性に欠点があり、「これ以上、委員を続けられなくなった」と述べ、委員長のオマリー枢機卿と委員の関係悪化を止める努力が実らなかったことをほのめかした。また新委員の選出、その役割と責任についての明確さが欠けており、重要な決定過程に関する透明性、委員の意思疎通、委員会と教理省の協力関係についての管理ルールなどが欠けている、と指摘した。

 声明で、ゾルナー神父は「未成年者や脆弱な人々を保護することは、カトリック教会の使命の中心でなければならない」と述べ、そうした見地から、「ここ数年、私は、委員会が目的を果たすために果たすべき機能について懸念を深めて来た。だが、辞任を決めたのは、誰に対する個人攻撃でもない。もしも誰かが気分を害されたのなら、非常に申し訳なく、今ここで許しを求めたい」と述べた.

(以下、英語原文のまま)

Zollner said he has received lots of encouragement since his resignation from the commission was announced, and that some have also cautioned him against making any further public statement.

“For me this is not an alternative because it would mean confusing teamwork with complicity, discretion with coverup, and loyalty with servility,” he said, and reiterated the concerns he voiced in his original statement on the importance of transparency, compliance, and accountability.

These points “are essential in the fight against abuse,” he said, saying transparency is “the basis of a synodal church that allows the participation of many,” while compliance is “the basis of justice whereby the rules apply to all and in the same way and not in an arbitrary way,” and responsibility is “the basis of a mutual and fraternal respect.”

“When there is a lack of transparency, compliance, and responsibility, it opens the door to abuse and coverup. The Pontifical Commission has set out to combat these terrible realities. If it wants to do it in a credible way, it cannot help but focus on these same principles,” he said.

Zollner said there were no abuses inside of the commission, but in terms of the commission accomplishing its goal, he said “it doesn’t help” if transparency, compliance, and responsibility are not lived.

To this end, he said there is a problem with “how rules, norms are inserted in the distinction of the various roles inside the commission,” and that given this lack of clarity, the lines were blurred and there was an overlap among various members and experts, causing confusion.

“If one doesn’t know what they are responsible for, if one doesn’t have their limits clear, their precise tasks – what they are responsible for and what they must do – and who they report to, and on what criteria, it leaves confusion, and this creates difficulty,” Zollner said.

 

This leads to problems with compliance in terms of how rules are followed as well as transparency, as there is a lack of clarity about who members report to and who they should expect answers from, complicating the commission’s work as members also seek to work through cultural and linguistic barriers, he said.

While stressing that he was not “placing doubt on the quality of members,” Zollner said the “reasons and criteria” for how new members are appointed must be clear.

He also raised concern about a lack of clarity regarding the commission’s relationship with the DDF.

Around four or five years ago, he said O’Malley had asked him to talk to the cardinal prefect of a different Vatican dicastery to see if they were willing to accept the commission. Though he did not disclose which dicastery this was, Zollner said the cardinal was willing to take the commission, but in the end nothing came of it, and the commission was placed within the DDF.

Zollner said he had written several emails to his superiors citing his concerns prior to submitting his resignation, and that in these emails, he made “quite critical” remarks about the DDF and the fact that the commission was placed in the body responsible for handling the judicial aspect of the cases.

“It’s like putting it in any civil tribunal,” where there is no space for the “defense of the victim and to work in the protection for minors,” he said, and lamented that nearly a year after the commission was placed within the DDF, “we don’t know how this belonging to the dicastery works or can work, or in what way we can seek to work together.”

“There could be collaboration, could be requests for reciprocal information, but for the moment I am not aware of any protocol for collaboration. It needs to be clarified if this collaboration is merely symbolic…or if it has an effective value,” he said.

He denied that the case of Jesuit Father Marko Ivan Rupnik, a fellow Jesuit and famed Catholic artist accused of abusing multiple adult women, influenced his decision to step down, saying he had already begun to question his role in the commission when the Rupnik scandals broke last year.

In response to criticisms that he received a letter from one of Rupnik’s victims that he did not respond to, Zollner apologized, saying he didn’t respond because the letter was addressed to 17 people, including the prefect of the DDF, Cardinal Luis Ladaria, other members of the dicastery, and church officials in Slovenia.

Giving a summary of his attempts to engage his superiors about his concerns, Zollner said he sent emails to institutional accounts in May, August, September, and October of 2022, voicing his concerns, but never got a response.

Zollner said he finally requested a meeting with Pope Francis and met the pope on Jan. 12 of this year to explain his concerns and to offer his resignation from the commission.

“The Holy Father listened to my concerns, he showed understanding, and he accepted my request to resign,” he said, saying that in March got a letter of confirmation signed by Vatican Secretary of State Cardinal Pietro Parolin.

After this, Zollner said he was contacted by O’Malley on March 27, two days before his resignation was formally announced, proposing that they release a joint statement. Zollner said he agreed, as long as his concerns were included as a reason for his decision to step down.

The next day, Zollner said he received a draft statement thanking him for his work, with a second page containing his concerns, but it was written with “roses and flowers,” downplaying the problems he cited.

Zollner said he wanted to modify the draft and was told they had another week or so to finalize the statement. However, the next day, March 29, the commission published only the first part of the statement, which did not say anything about his concerns.

“I didn’t refuse to do a joint statement, but we needed to define how. Then, seeing that the first news publishing this statement said I was too busy, that this was the main reason for leaving the commission, I couldn’t let it stay like this, because that’s not what it was,” he said.

 

Zollner reiterated that he supports the commission, and that his intention was never to impact or impede the commission’s work.

“How could I? I have been on it for nine years and we have gone through a lot together,” he said, but insisted that responsibility, transparency, and compliance “are signposts that the church has given itself. We need to strive more and more to really live up to that, and if there is one body in the church that needs to be exemplary in this, I think it needs to be the commission.”

He praised Pope Francis’s commitment to the issue of safeguarding and said the pope is “an absolute example of how the church should be” when it comes to listening and welcoming victim-survivors.

“Beyond the rules, beyond the institutions, beyond the guidelines, the Church must deal with people and must listen and not run away and defend itself as a first reaction,” he said, saying many people, himself included, “don’t understand why it is so difficult to sit at the table and listen, without answering, but being with people and their wounds.”

“When they tell me, you are the first person that has listened to me, it causes me great pain,” he said, saying it is everyone’s task to listen to victims, including laypeople, not just bishops and clergy.

“Many victims inside the church no longer expect anything, they’ve closed off to the church…but there are others, less visible, less public, who want to meet, just once, a human face in the church. For me this is the greatest pain, they often don’t find it,” he said.

Follow Elise Ann Allen on Twitter: @eliseannallen

 

 

2023年4月19日

・米国のマカリック前枢機卿、ウィスコンシン州で別の性的虐待で起訴(Crux)

(2023.4.18  Crux  National Correspondent   John Lavenburg)

 マカリックは、バチカンの調査で、神学校生を含む未成年者や成人に対する性的虐待の罪を犯したと判断され、2019年に教皇フランシスコによって枢機卿の地位をはく奪されている。米国では、2021 年 7 月に、マチューセッツ州デダム地方裁判所で 14 歳以上の人物に対する 3 件のわいせつ行為と暴行の罪で起訴され、米国出身の枢機卿経験者として初めて未成年者に対する性犯罪での起訴となった。被告のマカリックは、無罪を主張し、判決はまだ出ていない。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年4月19日