ローマ発 –教皇のおひざ元の イタリアで、新たな性的虐待スキャンダルが発生した。同国最大のカトリック信徒団体の著名な幹部が少なくとも未成年者4人に性的虐待を働いた罪で司法当局に逮捕されたものだ。
この事件で、 容疑者が聖職者ではなく一般信徒だった場合の責任の所在、説明責任に新たな課題も浮上している。
逮捕されたのは、「Azione Cattolica (カトリック・アクション)の青少年部門の元責任者、ミルコ・カンポリ(46)。犯行当時10歳から14歳だった少なくとも4人の未成年者に性的虐待をした容疑で5月23日に逮捕された。現在、足首に電子監視ブレスレットを装着することを条件に自宅軟禁の状態に置かれている。
Azione Cattolica は、1867 年に設立された、伝統あるイタリアで最大のカトリック信徒団体。会員数は 1950 年代後半には 300 万人を超えていたが、 現在は 信徒の”教会離れ”を背景にして、27万人程度になっている。
カンポリは、2002 年から 2008 年までAzione Cattolica の青少年部門の責任者を務めた後、ローマ郊外のチボリ教区の大規模な高校の副理事長になるとともに、同教区のAzione Cattolicaのコーディネーターも務めた。最近では、ローマにある性的虐待の被害者を持つ家族のための施設で働いていた。また、若者向けの宗教教育に関する出版物を多数執筆し、新型コロナウイルス感染拡大で学校が閉鎖された若者たち向けに信仰教育のビデオを制作。イタリア司教協議会の運営するテレビ放送で教会が運営する青少年キャンプの宣伝にも一役買っていた。