☩「聖職者による性的虐待に対処するため、『償いの霊性』を深めて」教皇、Servants of the Paracleteの会員たちに

2023.06.23 Artisti partecipanti all'incontro promosso in occasione del 50° anniversario della inaugurazione della Collezione d'Arte Moderna dei Musei

(2023.6.24  Vatican News  Lisa Zengarini)

 教皇フランシスコは24日、 Servants of the Paraclete in the Vaticanの総会出席者と会見され、聖職者による虐待の悲劇を想起し、個人的な問題を抱える司祭に寄り添い、支援するこの会の会員たちに、「『償いの霊性』を深め、司祭たちが霊的生活の素晴らしさを取り戻せるように助けることで、(聖職者による性的虐待が引き起こしている)現在の危機に対処するように」と促された。

  は、個人的な問題を抱える司祭を支援するために 、米国ニューメキシコ州で1947 年に設立された修道者の会。具体的には、霊的指導、個人およびグループセラピー、監視付きの生活、継続的な指導と育成を通じて、聖職者として立ち直るように、霊的分野を含む総合的なプログラムを提供し、アルコール中毒や性的障害などの問題を抱える司祭や修道者を助けることを使命とする。現在、英国、フランス、イタリア、フィリピン、アフリカ、南米諸国を含む世界の多くの国で活動している。

  教皇フランシスコは、使徒宮殿の会議室で、同会の司祭、修道者約55人を前にした講話で、まず、会のモットーである “pro Christo Sacerdote”を取り上げ、「『同伴者である聖霊の導きのもとで司祭としてキリストに仕える』というあなたがたの特別な使命を、よく表現しています」と指摘された。

 そのうえで、「現在、このモットーは、性的虐待がもたらしている悲劇のゆえに教会が経験しているものを浄化する、特別に取るべき道をも意味しています」とされ、「罪は醜いものであり、私たち自身、あるは私たちの兄弟の司祭たち、司教たちの誰かが、悪徳、腐敗、あるいはさらに酷い、人生を台無しにする犯罪の底なしの穴に落ちる時、私たちは苦痛と屈辱を味わいます」と強調。

 そして、「このような状況であるからこそ、Servants of the Paracleteの役割は、今一層、重要になってきています。このような状況の中で、『Servants of the Paraclete』であるためには、問題を抱えた司祭や助祭などの兄弟に同行し、禁欲、回心、聖職者として再生するための道を歩むことが出来るように、専心する必要がある。善きサマリア人の心と行為をもって、彼らの傍らに立ち、彼らと日々の生活と祈りを分かち合ってください。そして、何よりも、彼らを共同体、祈りの共同体に参加させることが、聖職者としての使命の危機に対処する調和のとれた生活を取り戻すのに役立ちます」と勧められた。

 講話の最後に教皇は、会員たちに対して、「神の民の牧者としての聖性の奉仕において、『浄化の必要』から始まる『償いの霊性』を深める」ことを勧められた。そして、「聖霊が、叙階された聖職者たちの生活の支持者であるときに、司祭として成熟する、ということを認識するなかで、霊的生活の素晴らしさを再発見できるよう助けることの重要性」を強調。不誠実は容認されてはならない。聖霊の光によって明らかにされるべきです。 神だけが私たちを背信から救ってくださいます… イエスの目で、イエスの愛と優しさで、一人一人(の司祭)を見ることができるよう、聖霊が助けてくださいますように」とされ、Servants of the Paracleteの会員たちに「慈しみの福音の証人としての良い旅」が出来るように願われ、聖母マリアが、会員たちと共に歩み、守ってくださるよう祈られた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2023年6月25日