・教皇、バチカン未成年者・弱者保護委員会の保護取り組み強化へ新たな規約と任務を承認

A view of St. Peter's BasilicaA view of St. Peter’s Basilica 
(2026.6.13  Vatican News)

   教皇レオ14世は13日、未成年者および脆弱な立場にある人々を性的虐待などから保護に対する教会の取り組みを強化するため、バチカン未成年者・弱者保護委員会の新規約を公布された。

 新規約は、2015年に公布された現行規約を置き換えるもので、委員会の組織と任務を使徒憲章『Praedicate Evangelium』に整合させた。3年間のad experimentum(試験的)期間が設けられている。

 パロリン国務長官が署名した勅令によると、教皇は2026年5月20日の謁見で改訂案を承認し、直ちに発効するよう命じておられた。

*説明責任の促進における教皇庁委員会の役割

 

 規約の公布に伴うプレスリリースによると、未成年者。弱者保護委員会は、改訂された条文が全世界の教会における保護対策の実践を促進する委員会の役割を強化するものであり、「保護対策が、教会の活動と組織に完全に統合されることを確保する」という、さらに広範な取り組みの一環だ。

 ティボー・ヴェルニー委員長は「新規約は、最も弱い立場にある人々を保護し、ケアする』という私たちの共通の責任を深める上で重要な一歩となる… これらは、被害者・生存者、保護の専門家、そして現地教会の経験に耳を傾けたことを反映しており、保護が依然として中心的な優先事項であることを再確認するものだ」と新規約の意義を強調した。

*委員会の任務における新たな側面

 委員会によると、新規約は委員会の任務と実務上の有効性を強化し、被害者や生存者の声を反映したアプローチを引き続き重視している。また委員会のバチカン他省や機関との関係を明確にし、「説明責任、透明性、そして世界的な適切な保護実践」を促進する委員会の役割を強化している。

 委員会は教皇に直接報告を行い、未成年者や脆弱な人々を虐待から守るための助言を行う。プレスリリースは「同委員会は教理省と並立して設置されており、情報交換、保護手法の開発、年次報告書の作成、および養成プログラムにおいて、同省と緊密に協力している。委員長または事務局長は教理省の指名メンバーであり、教理省の長官は、委員会の総会へのオブザーバーとして、同省の職員1名以上を指名する」と説明。 同委員会は統治を行うものではないが、バチカンの各省、機関の世界の現地教会における責任と権限を促進することで、普遍教会に対する教皇庁の奉仕を導く一助となる、としている。

 委員会が強調した進展の一つとして、現地教会が保護の枠組みを構築し、安定的で利用しやすい通報システムや、「被害者/生存者を歓迎し、耳を傾け、寄り添う」相談センターを推進することを継続的に支援していることが挙げられる。その際、機密性と個人データの保護も徹底されている。

*年次報告書の作成責任

 

 委員会はまた、「保護に関する教会の政策と手続に関する年次報告書」を作成する責任についても言及。報告書は、各省・機関や現地の教会組織からの報告を基に、検証済みの政策、表明された実践、受け取った情報、制度的な課題、および提言を整理することで、「世界教会における保護の現状」を把握することを目指している。

 教皇は昨年5月の就任以来、「未成年者や脆弱な立場にある人々の保護は、教会の基本的な責任であること」を繰り返し確認してこられた。委員会は、新規約がこの取り組みを再確認するものであり、「世界中の各地の教会が保護活動を強化する過程で、それらに寄り添う」という委員会の使命を支えるもの、と述べている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2026年6月13日

・スペイン訪問中の教皇、マドリードで聖職者による性的虐待被害者と面談、善処を確約

(2026.6.8 VaticanNews   Deborah Castellano Lubov and Salvatore Cernuzio)

 スペイン訪問中の教皇レオ14世はマドリード滞在3日目の8日、同国内で聖職者による虐待を受けた被害者たちと非公開の面談をされた。今回の面談は、スペインの教会によって企画され、教皇がローマを発たれる前に確認されていた。面談の詳細な内容については、被害者のプライバシーを尊重しつつ、まもなく公表される予定という。

 バチカン報道局のマッテオ・ブルーニ局長が明らかにしたもので、教皇は、被害者の支援とケアに当たる教会関係者に付き添われた6人の虐待被害者と面談された。

 局長によると、1時間近く続いた面談で、出席者一人ひとりが、自らの痛ましい個人的体験に基づき、悲劇的な事例に対する教会の対応を効果的なものにするための数多くの対策を提案。教皇は、愛情と注意を払って耳を傾け、自身だけでなく教会共同体全体が彼らに寄り添っていることを伝え、受け取った提案がさらなる取り組みの礎となるよう努めることを確約された。

 局長は「そうすることで、教会が真に安全で霊的に健全な場所となり、傷ついた人々が慰めと癒やしを見出せるようにするためです」と説明。また、「被害者たちは、教皇が自分たちの苦しみを自らのものとして受け止めてくれたと感じました」と述べた。

 聖職者による信者たちへの性的虐待問題は、スペイン教会にとって依然として痛ましい課題であり続けている。教会は近年、予防と償いを目的とした様々な取り組みを行い、3月にはスペイン司教協議会、修道会協議会、大統領府が、この痛ましい現実を「真実と正義をもって対処」するための協定に合意した。

 今回の教皇による非公開の対話会合は、その形式において前任者たちのものと類似していた。ベネディクト16世教皇は、2008年の米国訪問時、また英国、オーストラリア、ドイツ訪問時に、虐待被害者と面談。フランシスコ教皇もまた、アイルランド、チリ、ポルトガル、ベルギーへの訪問中に同様の面談をされている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2026年6月9日

教皇スペイン訪問・訪問中に聖職者による性的虐待被害者と面談を予定

(2026.6.5  Vatican News   Salvatore Cernuzio)

  6月6日に始まる教皇レオ14世のスペイン訪問で、同国での聖職者による虐待の被害者たちとの面談も予定されている。

 バチカンのマッテオ・ブルー報道局長が5日、一部の報道機関の報道を確認したもので、局長は「面談はスペイン教会によって企画されたもの。面会後、被害者とその意向、プライバシーを尊重した上で、さらなる情報が提供される可能性がある」と述べた。

 聖職者による信徒たちへの性的虐待問題への対応は、スペインの教会にとって依然として深刻な課題である続けている。近年、予防と救済を目的とした様々な取り組みを実施し、今年3月も、スペイン司教協議会、修道会協議会、大統領府が、この問題に対して「真実と正義」をもって対処するための協定で合意した。

 教皇の訪問に先立ち、複数の地元メディアがこの問題を報じており、一部の報道では、多くのスペイン人性的虐待被害者が教皇に謁見を求める手紙を送ったと伝えられていた。

 教皇の海外訪問の際の性的虐待被害者との面談は、ベネディクト16世が2008年の米国訪問をはじめ、英国、オーストラリア、ドイツへの訪問時に教皇ベネディクト16世がされ、フランシスコも、チリ、アイルランド、ポルトガル、ベルギーへの訪問時に実施されている。それに倣い、教皇レオ14世も、非公開の形で性的虐待被害者との面談をなさることになった。

 (翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2026年6月6日

・フランスの女性信徒、司祭の10年にわたる性的虐待を告発する回顧録を出版

(2026.5.28  Crux  Europe Correspondent   Fionn Shiner)

 フランスの女性カトリック信徒が28日、回顧録を出版、「エマニュエル共同体*の司祭から10年にわたって性的虐待を受けた」と告発した。
 この女性は、同共同体の奉献信徒、クロディーヌ・ブランシャール氏。ランスの大司教が序文を寄せた回顧録『赤いソファ:支配から自由へ』で、「B神父」と呼ばれる司祭から性的虐待を受けたことを明らかにし、「ある神父の影響下で、私は10年間、気づかぬうちに虐待を受けていた… 虐待は2003年に始まり、エマニュエル共同体が運営する拠点があるリール=ブシャールとパレ=ル=モニアルで起きた」と述べている。
 
 *注:1972年にフランスで設立された「属人区・แสวงหา (信徒共同体)」。独身者、既婚者、司祭が共に神の愛を分かち合う、国際的な信仰運動とされている。

 フランスのカトリック紙『ラ・クロワ』は、同書の内容を照合し、共同体のメンバーへの取材を行った結果、「B神父」は「ベルナール・ペイロ神父」と推定されると報じている。ペイロ神父はボルドー教区の司祭であり、同共同体の元メンバーでもある。現在、「成人女性に対する強姦および性的暴行」の容疑で正式な捜査を受けているが、本人は刑事上の不正行為を否定しており、推定無罪が適用される、としている。

 「ベルナール・ペイロ神父は、『司祭職と相容れない関係』を持っていたことは認めているが、刑法に違反する行為を行ったことは否定している」と、神父の弁護を担当するシャルル・デュフラン弁護士は『ラ・クロワ』紙に語った。弁護士は、この本は「エマニュエル共同体の評判と著者の個人的な利益を守るために出版された… 法的な訴因の内容とは乖離があり、その訴因は非常に脆弱だ」と述べた。

 ブランシャール氏の主張によれば、この虐待は、ラルシュ(L’Arche)の創設者ジャン・ヴァニエによる虐待と同様、「霊的指導や精神的な助言という関係」の中で行われた。2020年、ラルシュは内部報告書を公表し、ヴァニエが「1970年から2005年にかけて6人の女性に性的虐待を行っていたこと」を明らかにしている。

 回顧録によると、2005年、ブランシャール氏はペイロ神父に対し、自分にとって「神が彼に求めた『父』となってほしい」と求める手紙を書いた。その後、神父は、彼女を自分のオフィスに連れて行き、お腹を撫でたという。その瞬間から、この行為が「全裸にされること、完全な屈辱、さらにはレイプに至るまで」エスカレートした、と彼女は主張している。

 回顧録に序文を寄せたランス教区のエリック・ド・ムーラン=ボーフォール大司教(昨年までフランス司教協議会長)は、「才能豊かで寛大な人物が、いかにして自ら嫌悪する行為へと駆り立てられるのか、私たちは驚きと計り知れない悲しみをもって知ることになる」と語っている。

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 2017年、ボルドー教区とエマニュエル共同体は、ある女性が霊的指導のセッション後にペイロ神父から「マッサージを受け、トラウマを負った」と主張したのを受け、神父に対し制限措置を課した。ペイロは数か月の間、フォンゴンボー修道院へ送られ、その後の2年間はトゥールーズ教区で病人の付き添いと葬儀の司式のみを行うことが許された。

 『ラ・クロワ』紙によると、ボルドー教区は2019年に、同神父について教会法上の調査を開始し、その結果、神父に対してさらなる制限が課され、トゥール教区のル・イル・ブシャールへの帰還を3年間禁じる措置が取られた。

 2021年、ブランシャール氏はペイロ神父を刑事告訴し、神父は2024年に司法捜査の対象となった。神父の弁護士、デュフラン氏は「エマニュエル共同体が明確に巻き込まれたまさにその瞬間、その指導者たちはペイロの事件を刑事事件として扱おうと主導権を握り、彼との距離をさらに置こうとしていると、思わざるを得ない」と述べた。 ブランシャール氏が現在も所属するエマニュエル共同体は、使徒的査察の対象となっており、本件に関する独立した調査委員会の設置を求めている。

 ブランシャール氏の回顧録が刊行される2日前、エマニュエル共同体は支援者に向けたメッセージの中で、同氏への「支援に失敗した」ことを認め、「彼女の証言は、他の人々の証言と同様、真実の探求と、私たちに課せられた責任感の一部。私たちは、同じ決意を持って自らの歴史を再検討し続けなければならない」と反省の弁を述べている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2026年5月30日

・「性的暴行被害者の訴えにもかかわらず、司祭を説教壇に留めていた」米ニューオーリンズ大司教区が認める

(2026.5.16 Crux    Managing Editor   Christopher R. Altieri)

  米ニューオーリンズ大司教区の指導者たちは、複数の被害者に対する連続性的暴行の容疑で刑事裁判中のオディオン神父に対する訴えが出ていたにもかかわらず、その司祭が長年にわたり司牧活動を続けることを容認していたことを、大司教区がCrux Nowの取材に対して認めた。

 ニューオーリンズ大司教区を含む様々な教会指導者や管轄区域によるオディオン事件の対応について、『Crux Now』は、包括的な調査をもとに回答を求めたのに対し、ニューオーリンズ大司教区は「アンソニー・オディオンに関するニューオーリンズ大司教区の記録を精査した結果、オースティンから報告された不祥事は成人を対象としたものであったことが判明した」とし、「当時、大司教区当局は、その報告についてオディオン本人と直接話し合うことを選択した… 最終的に2023年にオディオンを聖職から解任した」と説明。

 さらに、「当時、追加情報が明らかになるにつれ大司教区は、すでにその申し立てを調査していた法執行機関に通報した」と釈明したが、大司教区は2019年にオディオンに関してオースティン教区から報告を受けていたにもかかわらず、大司教区もオースティン教区も、信徒へのその旨の注意勧告を行わず、オディオンの教区での活動を事実上放置していた。

 ナイジェリア出身のアンソニー・オディオン神父(57)は、2006年から2012年までテキサス州オースティンで、2015年から2023年までルイジアナ州ニューオーリンズで奉仕していたが、同神父の虐待的な行動のパターンを明らかにした調査報道を受けて、ニューオーリンズ大司教区が2023年に彼を停職処分とした旨の声明を発表した。

 停職処分から実に4年も前の2019年、オースティン教区はオディオン神父に対する被害者からの訴えについてニューオーリンズ大司教区に伝えていた。しかし、声明によると、ニューオーリンズ大司教区はオースティン教区と同様に、信徒への通知を見送った。その理由は、申し立てが「成人を巻き込んだもの」であったことから、代わりに神父と直接問題に対処することを選んだため、としていた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。
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2026年5月20日

・米国のテキサス州の司祭に対する性犯罪裁判が迫り、教区の対応へ疑問が噴出(Crux)

*事件の概要

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2026年5月14日

☩「教会共同体は、スキャンダルを恐れ自らを閉ざさず、真実、正義、癒やしの厳しい道を歩むとき、福音的回心を体現する」教皇、イタリアの未成年・弱者保護の全国会議へメッセージ

(2026.4.18 カトリック・あい)

 教皇レオ14世は、18日までの3日間、ローマで開かれたイタリア司教協議会事務局主催の「未成年者および社会的弱者である成人の保護に関する地域代表者」の第2回全国会議にメッセージを送られ、

バチカン報道局が発表したイタリア司教協議会のマッテオ・ズッピ会長あてのメッセージの全文によると、教皇は、「一人ひとりの尊厳が認められ、その自由が守られるとき、教区や団体、運動は信頼に値する存在となり、人々を伴走し、教育し、保護することができるようになる」が、「『尊重』が欠けているところでは、関係は貧しく歪んだものとなり、深刻な害をもたらす恐れがある」と警告。

そして、 「キリスト教の視点からすれば、『尊重』とは単なる礼儀の問題ではありません。それは、他者を自分のものにすることなく守り、支配することなく寄り添い、屈辱を与えることなく仕えるという形で表れる、厳しい愛の形なのです。この根源から、明確で成熟し、安心できる関係の可能性が生まれます」と述べられている。

 そのうえで、「『保護』とは、単に適用すべき規則や従うべき手順として理解されるものではありません。それは、共同体の在り方、権威の行使の仕方、教育者の養成、状況への注意深さ、そして行動の透明性といったあらゆる側面に浸透する知恵を必要とするもの」と言明。

 虐待を受けた人々への対応について、「特別な配慮を払わなければなりません。彼らの傷は、誠実な寄り添い、謙虚な傾聴、そして償いを行うために何が正しく可能であるかを模索し続ける粘り強さを求めています。キリスト教共同体は、苦しむ人々の痛みから自らを防御することなく、むしろそれに挑まれることを受け入れるとき、悪を軽視することなく、それを認める時、スキャンダルを恐れて自らを閉ざすことなく、真実、正義、そして癒やしの厳しい道を歩むことを受け入れるとき、福音的な回心を体現するのです」と強調されている。

 

 

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教皇レオ14世のメッセージ(ピエトロ・パロリン国務長官枢機卿署名)のメッセージ全文は以下の通り。

 私は、イタリア司教協議会の全国事務局が主催する「未成年者および脆弱な成人の保護に関する地域代表者第2回全国会議」の参加者各位ならびに枢機卿殿に対し、教皇レオ14世からの心温まるご挨拶をお伝えいたします。

 「真の関係を築く」というテーマは、キリスト教共同体の本質的な使命を指し示しています。実際、一人ひとりの尊厳が認められ、その自由が守られるとき、教区や団体、運動は信頼に値する存在となり、人々を伴走し、教育し、保護することができるようになります。一方、尊重が欠けているところでは、関係は貧しく歪んだものとなり、深刻な害をもたらす恐れがあります。

 キリスト教の視点からすれば、尊重とは単なる礼儀の問題ではありません。それは、他者を自分のものにすることなく守り、支配することなく寄り添い、屈辱を与えることなく仕えるという形で表れる、厳しい愛の形なのです。この根源から、明確で成熟し、安心できる関係の可能性が生まれます。このため、保護とは、単に適用すべき規則や従うべき手順として理解されるものではありません。それは、共同体の在り方、権威の行使の仕方、教育者の養成、状況への注意深さ、そして行動の透明性といったあらゆる側面に浸透する知恵を必要とするものです。

 最も幼く、最も弱い立場にある人々の存在は、教会の良心に訴えかけ、真の配慮、すなわち、守り、耳を傾け、予防し、誰一人として置き去りにしないという姿勢を表現する能力を試すものです。この理由からも、養成、識別、調整、そして良き実践を推進する人々の働きは、より受け入れの姿勢があり、自覚的な共同体の発展に向けた貴重な貢献となります。

 虐待を受けた人々には、特別な配慮を払わなければなりません。彼らの傷は、誠実な寄り添い、謙虚な傾聴、そして償いを行うために何が正しく可能であるかを模索し続ける粘り強さを求めています。キリスト教共同体は、苦しむ人々の痛みから自らを防御することなく、むしろそれに挑まれることを許すとき、悪を軽視することなく、それを認める時、スキャンダルを恐れて自らを閉ざすことなく、真実、正義、そして癒やしの厳しい道を歩むことを受け入れるとき、福音的な回心を体現するのです。

 したがって、皆様の会議は、実務的なレベルを超えた意義を持ち、教会に対し、何よりもまず福音的なケアの文化である予防の文化の中で成長するよう呼びかけています。会議で初演される舞台作品『Ed io avrò cura di te』(「そして私はあなたをケアします」)も、これに貢献することでしょう。

 枢機卿様、親愛なる友人の皆様、教皇レオ14世は、皆様が自信を持って活動を続け、最も弱い立場にある人々が受け入れられ、守られ、愛されるイタリアの各教区において、共同体が繁栄するよう励ましています。教皇は、皆様一人ひとりとその奉仕を、教会の母である聖母マリアの取り次ぎに委ね、心から使徒的祝福を授けています。

 私もまた、この取り組みの成功と、教会および社会への奉仕に対するあらゆる祝福を、皆様にお祈り申し上げます。 この場をお借りして、最大限の敬意を込めて。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2026年4月18日

・バチカンの未成年・弱者保護委員会が総会で「性的虐待からの弱者保護を教会の使命の中心課題とすること」を確認

File photo of tMons Thibault Verny with Pope Leo XIV(File photo of tMons Thibault Verny with Pope Leo XIV )
(2026.3.20 Vatican News)

 バチカンの未成年者・弱者保護委員会が20日、5日にわたる春季総会の幕を閉じた。総会には、世界中から委員やスタッフが集まり、「被害者との関わりを深め、世界的な保護基準を推進し、教会生活のあらゆるレベルでの協力を強化するこト」を確認した。

 また、教会の世話に委ねられたすべての子供、青少年、そして弱い立場にある人々の尊厳を守る、という中心的な使命を再確認する上で、教皇レオ14世が示した指導力に対し、深い感謝を表明した。

*困難な時代における責任を共有

 今総会は、世界中で紛争が続き、最も脆弱な人々に影響を及ぼしている状況下で、未成年者・弱者保護へ新たな決意と協力の必要性について考察。ティボー・ヴェルニー委員長は、保護の文化と体制を強化する現地教会に寄り添うよう促された教皇の言葉に呼応し、「注意深く耳を傾けること、謙虚さ、そして共有された責任の必要性」を強調。

 専門家や関係団体代表たちからは、保護に関する課題の複雑さと、教会と市民社会の主体との協働の重要性が指摘され、こうした現実に効果的に対応できる「開かれた共働性の精神」を育むことの緊急性が確認された。

*被害者や生存者の声に耳を傾けているか

 総会で話し合われた主たる課題にひとつは、教会の保護活動を進めるうえでの被害者たちの役割で、出席者たちからは、性的虐待被害者のトラウマに配慮した手続きを検討し、彼らの証言が政策、研修、報告にどのように一貫して反映されるかを検証。被害者との関わりが「保護活動の一つの側面にとどまらず、あらゆる行動の中心的な指針である」ことを改めて確認した。

 最近の性的虐待に関する報告は、「被害者が被った甚大な被害、そして教会内でその被害を引き起こした重大な過失を痛切に思い起こさせるもの」と受け止め、委員会として、「耳を傾け、寄り添い、被害を受けた人々への保護、説明責任、透明性、そしてケアが教会の生活の中心であり続けるよう支援する」決意を再確認するとともに、「なすべきことは、まだ多く残されている」ことも認めた。

*普遍的ガイドラインの策定と推進

 

 また、世界的な保護活動を支援するための重要な手段である『普遍的ガイドライン・フレームワーク』の策定にも大きな注目が集まった。

 委員たちは現在の進展状況を検証し、ガイドラインを「どのようにすれば、利用しやすく、文化的に適応可能で、霊的に根ざしたものにできるか」について検討。様々に異なる状況下にある現地の教会にとって具体的に役立つツールとなり得るよう、明確さと実用性を確保することが必要との認識で一致した。

 委員会は、今年後半に教皇にガイドラインの最終案を提出するのに先立ち、「福音の価値観に忠実でありつつ、専門的な基準にも沿った指針を提供する」決意を新たにした。

*世界的な取り組みを広げる

 

 総会ではまた、現在、世界の複数地域の18の現地教会を支援している「Memorare Initiative」の進捗状況についても検討した。同イニシアティブは、「評価、実施、検証」という体系的なモデルを通じて、報告体制、研修、および保護能力の強化を継続するもので、カトリック教会が性的虐待の被害者にとって安全な避難所となれるように支援する2023年にルワンダで開始され、各教区の文脈に合わせた支援を提供し、リソースの有無にかかわらず、すべての人を保護するという教会の神聖な義務を果たすことを目指している。

 このイニシアティブの推進には、これまでのところ、説明責任の仕組みが限られていることや資源の制約といった課題は残るものの、特にアフリカやラテンアメリカにおける前向きな進展があると評価した。

*説明責任を果たし、被害者と伴走する

 

 委員会が毎秋発表している年次報告書については、「世界的な説明責任のツール」であると同時に「伴走の仕組み」としてもその役割を拡大している点が、委員会から強調された。

 地域グループから共有された知見は、各国、各地域の性的虐待問題に対応する人的・物的資源の格差、データ収集体制の不備、そして変化し続ける法的状況が指摘される一方で、被害者からの貢献が、報告書の分析と提言に直接反映されていることが確認された。

 新たなパートナーシップや広範なデータ収集によって強化される継続的な取り組みは、教会生活の様々な分野における懸念に対処するとともに、委員会が「各地方教会および奉献生活におけるケアの文化への道のりの定着」と表現したものを支援することを目指すことが確認された。

*”オンライン虐待”など新たな形の虐待に対応を急ぐ

 

 最後に、総会は、個別課題の研究グループの報告をもとに、多面的な脆弱性やオンライン虐待の脅威の高まりなど、新たに浮上している課題に目を向けた。

 「脆弱性に関する研究グループ」が提示した学際的な枠組みは、関係性、文化、制度的な文脈においてこの問題を考察し、教会法上の実践と司牧の実践の両方に向けた示唆を提供。「オンライン虐待に関する研究グループ」は、デジタル上のリスクの特定や、予防・対応のための実践的なツールの開発において進展があったと報告した。

 そして、総会では、「世界的に見て、子どもや脆弱な立場にある人々に対するオンライン虐待の規模を考慮すれば、デジタル上の安全確保は緊急の優先事項とする必要がある」という見解で一致した。

 (翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2026年3月23日

・『神言会裁判』15回目は7月9日に。前回裁判で裁判長は「できる限り年内に結審、遅くとも来年3月に判決」とと明言

(2026.6.3 カトリック・あい)

  聖職者による性的虐待で深い傷を負った女性信者が加害司祭(当時)が所属していた神言会に損害賠償を求める裁判は、6月3日午後3時から東京地方裁判所第615法廷で15回目が予定されていたが、台風6号の接近で同日午前、東京都の品川区などレベル4大雨危険警報が発令されたことなどから、7月9日午前11時に開かれることになった。3日午後3時半からの弁護士会館507号室で原告信者と原告弁護人による説明会と支援者集会は予定通り開かれた。

 前回3月の14回裁判には、原告支援者など約30人が傍聴。原告、被告双方の代理人弁護士から事前提出された準備書面について、双方と裁判長から特に目立った意見は出されずなかったが、注目されたのは、裁判長から裁判の今後のスケジュールが明らかにされたこと。それによると、「判決を遅くとも来年3月に出すことを前提に、証人訊問は10月ないし11月に行い、できる限り今年12月に結審したい」というものだ。

 これによって、被告の神言会が所属司祭による女性信徒への繰り返し性的虐待を加えたことの責任を言を左右にして認めようとせず、2023年1月に始まった審理を際限なく引き伸ばそうとしてきたこの裁判の道筋が、ようやく見えてきたことになる。

 裁判後に弁護士会館で開かれた支援集会には一般信徒、司祭、修道女など30人以上が参加し、これまで3年以上も、裁判での神言会の不誠実な対応に苦しんできた原告被害者の努力を称えるとともに、最後まで被害者に寄り添うことを誓い合った。

 原告側は、「性的虐待を犯した司祭も問題だが、これは個人の犯罪でなく、所属修道会である神言会の”犯罪”。それがこれまでの神言会側の不誠実な対応で明確になった。この問題を個人でなく、組織による犯罪として告発していく」と述べている。

 

2026年3月11日

・米国のカトリック・エルパソ教区、性的虐待・損害賠償請求訴訟に「教区の支払い能力を超えている」と破産申請、テキサス州の教区で初

(2026.3.8  カトリック・あい)

 米国の有力カトリック・ニュース-スサイトEWTN News ewtnnews@ewtn.comエルパソ教区が聖職者による性的虐待で18件の訴訟を受け、破産を申請することになった。教区長のマーク・サイツ司教が発表した。テキサス州には2つの大司教区と13の教区があるが、性的虐待への補償を理由に破産申請したのは、エルパソ教区が初めてだ。

 3月6日に同教区の信者に送ったメッセージで、サイツ司教は「1956年から1982年にかけて発生したとされる性的虐待に関する18件に上る訴訟に直面している」と述べた。そして、「申し立てを受けている虐待は、自らの組織内で児童虐待が行われている事実とその規模を認識するはるか以前に発生し、教区がこうした犯罪を防ぐために強力な児童保護方針と実践を導入するはるか以前に起きたもの」としつつ、「司祭や教区職員との協議、祈りを込めた熟考を経て、教区が連邦破産法第11章の適用を申請することを決断した」と説明。

 これを「最も賢明な行動方針」とし、その理由として「現在、教区に対して求められている損害賠償の請求額が、教区の支払能力を超えている」ことを挙げ、「教区として、被害を受けた人々への公平な補償に努めるとともに、教区内の教会の本質的な奉仕活動を継続し、教会に頼る全ての人々のニーズに応え続けるための教区の保有資産は非常に限られている… 破産申請により虐待補償計画を破産裁判所の監督下で単一のプロセスに統合することで、教区が安定した財政基盤の上で前進することが可能になる」と説明した。

 教区関係者による被害者に対する性的虐待について謝罪したサイツ司教は、このプロセスが「困難な道のり」となることを認めつつも、「どんな試練が訪れようとも、心を尽くして主に仕え続ける」と誓っている。

2026年3月8日

・米ロードアイランド州のカトリック司祭たちによる数十年にわたる性的虐待を、州司法長官の報告書が明らかに

 

(2026.3.5   Kimberlee Kruesi,  Crux Staff |Associated Press)

2026年3月5日

改・「告解」を利用した性的虐待で訴えられたスペインの司教について、教会裁判所が教会法上の刑事手続き開始を勧告

(2026.2.20  Crux  Fionn Shiner)

 スペインの司教による「告解」を利用した性的虐待を当時未成年者の神学生だった被害者が訴えている問題で、現地の教会裁判所は事前審理の結果をもとに、正式な教会法上の刑事手続きを開始するよう勧告した。

 現地新聞El País が20日伝えたところによると、控訴院がスペインのカディス・セウタ教区のラファエル・ソルノサ名誉司教に対する疑惑について行った調査で、複数の証人を尋問し、信憑性のある証拠を発見した。証人の一人は、「司教が元神学生とベッドにいるのを目撃した」と証言した。この元神学生は、「14歳から21歳の間にソルノサ司教から性的虐待を受けた」と主張している。

 事前審理は先週終了し、現在は刑事手続きが開始されるかどうかの判断を待っている状態。ソルノサ司教が告発されている犯罪は公訴時効が成立しているため、民事裁判所では起訴できないが、教会法の下では裁判が可能だ。

 バチカン教理省は昨夏に最初に申し立てを受けた際、その内容を信憑性があると判断し、セビリア大司教区(カディス・セウタは同大司教区の属教区)に調査開始を指示。セビリアのホセ・アンヘル・メネセス大司教はその後、教会の手続きをマドリードの教会裁判所に付託した。これは特に複雑な事件において教区が取ることができる措置だ。控訴院は報告書をセビリア大司教区に送付し、同区が教理省に審査を依頼する手配を進めている。

 被害者の申し立てによれば、虐待は1990年代にヘタフェで発生した。当時ゾルノサは現地神学校の校長を務めていた。被害者は最終的に神学校を退学した。これに対して、事件関係者によると、ゾルノサは自身の無実を主張し、「教会に裏切られた」と感じていると言い、「教会は私を見捨て、裏切り、孤独にさせた。取り調べは試練だった」と語っている。

 昨年11月、El País紙が初めてこの疑惑を報じた際、ゾルノサは「不当で虚偽の告発」と反論したものの、直ちにカディス・セウタ教区司教を辞任した。教皇レオ14世も本件を認識しており、司教の辞任を受理したことを確認し、「司教自身が説明責任を負い、無実を主張している。調査が開始された以上、その進行を待つ必要がある。結果次第では対応が取られるだろう」と述べている。

 昨年夏に被害者からの手紙を含め教理省に通知された内容によると、「夜中に彼が部屋に来て、私は虐待を受けた。私のベッドに入り、撫で回し、キスをした。朝も同様に目を覚ました。当時は彼に何も言えず、恐怖で身動きが取れなかった… 彼は『君の傷』(そう言って私の同性愛を指した)が物事を見えなくさせているから、自分を信じろと言った」と訴えている。

 被害者によると、性的虐待は1994年(当時14歳)に始まり、21歳まで続いた。18歳で神学校に入り、ゾルノサは1994年当時45歳だった。

 被害者はバチカンに最初に送った告発状で、ゾルノサが「告解を、自分を操作し支配する手段として利用した」と主張、「告解で彼に、同性愛行為を告白した後、私はベッドに入った。数分も経たないうちに彼が私のベッドに入り、愛撫してきた」と述べた。また、神学校を退学してから10年後、被害者はゾルノサ司教にメールを送り、「自分があなたに虐待され、操作されていた、と感じている」と訴えたが、司教からは返答が無かった。その後、ゾルノサ司教と直接会った際、司教が「操作と虐待を認めた」と述べている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。
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Full canonical penal process may be opened against Spanish bishop accused of sexual abuse

By
A preliminary investigation by the Roman Rota into the allegations against a Spanish bishop accused of sexual abuse of a minor has recommended that the Vatican open a full canonical penal process.

According to reports in the investigation carried out by the Roman Rota tribunal in Madrid into the allegations against Bishop Emeritus Rafael Zornoza of Cádiz and Ceuta interviewed a number of witnesses and found credible evidence.

Reportedly, one of the witnesses testified that they saw the bishop in bed with the former seminarian who alleged that Zornoza sexually abused him while he was between 14 and 21 years old.

 

The tribunal finished last week and is now waiting to hear whether the penal process will be opened.

The crime Zornoza is accused of is time-barred, so civil courts cannot prosecute him, but under canon law he can be tried.

When the Dicastery for the Doctrine of the Faith initially received the allegations last summer they deemed them credible and ordered the Archdiocese of Seville, of which Cádiz and Ceuta is a suffragan, to open an investigation.

 

Archbishop José Ángel Meneses of Seville then referred the canonical proceedings to the tribunal of the Roman Rota in Madrid, a step dioceses can take for particularly complex cases.

The Rota has sent its report to the Archdiocese of Seville so that it can send it to the Dicastery for the Doctrine of the Faith for review.

The allegations say the abuse took place in the 1990s in Getafe, when Zornoza was the rector of the seminary there. The complainant eventually left the seminary.

According to sources close to the case who spoke to Religion Digital, Zornoza maintains his innocence and has said that he feels betrayed by the Church.

 

“The Church has abandoned me, betrayed me, left me alone and the interrogation has been an ordeal,” he has been saying, according to sources close to the case.

In November, when the allegations were first published in El País, Zornoza referred to them as “unjust and false.”

However, Zornoza immediately stepped down from his role as bishop of Cádiz and Ceuta. Pope Leo XIV also confirmed that he was aware of the case and accepted the bishop’s resignation.

“The bishop himself has had to respond and maintains his innocence. An investigation has been opened, and we must allow it to proceed; depending on the results, there will be consequences,” the pontiff said.

RELATED: Pope Leo is aware of investigation into Spanish Bishop of Cádiz

The allegations were first sent to the Dicastery for the Doctrine of the Faith last summer which included a letter from the complainant.

“It was at night when he came to the room and I suffered the abuse. He got into my bed, caressed me and kissed me. In the mornings I also woke up the same way. At that time, I never said anything to him, paralysis controlled me,” he said.

“He told me that ‘my wound’ (that’s how he referred to my homosexuality) did not let me see things and to trust him,” he added.

The complainant alleges that these abuses began in 1994 when he was 14 and continued until he was 21 – he entered the seminary aged 18. Zornoza was 45 in 1994.

In the information initially sent to the Dicastery, the complainant alleges that Zornoza used confession as a means to “manipulate and control” him.

“After confessing my homosexual acts I would go to bed, and within minutes he would get into my bed and caress me,” he said.

Ten years after leaving the seminary, the complainant says he sent an email to Zornoza telling the bishop that after some time coming to terms with it, he felt that he’d been abused and manipulated. He said the bishop didn’t respond.

He later met in person with Zornoza and the complainant says that the bishop “acknowledged the manipulation and abuse.”

2026年2月21日

・米国の聖職者による性的虐待被害者への賠償支払いは11教区・1修道会だけで4500人以上に円換算約5700億円に

(2026.2.19 Crux  By Associated Press)

  米国 ニュージャージー州のフィラデルフィア郊外のカムデン教区が19日までに、聖職者による性的虐待被害者との和解金として1億8000万ドル(約200億円)の支払いに合意した。これは20年以上前に発覚した教会スキャンダルの最新事例だ。和解案は現在、破産裁判所の承認待ちとなっているが、教区は州の大陪審調査に対して長年抵抗した後、昨年ようやく受け入れたもの。

 カムデン教区は、全米で見られるように、時効が緩和された後の被害者訴訟の急増を受けて、破産を申請した。以下は、米国のカトリック教会の教区が合意した、その他の大規模な聖職者虐待和解金のリストだ。これらを合計するだけで、米国の聖職者による性的虐待賠償支払いは11教区・1修道会で4500人以上の被害者に総額37憶ドル(5700億円)に上ることになる。

【フィラデルフィア大司教区】

 フィラデルフィア大司教区は、2022年時点で聖職者による性的虐待被害438件の和解金として7800万ドル以上を支払った。2023年には追加の性的虐待事件の和解金として350万ドルの支払いに合意している。

【ロサンゼルス大司教区】

 

2024年、ロサンゼルス大司教区は、数十年に遡る聖職者による性的虐待の被害者1000人以上に8億8000万ドルを支払うことで合意した。サンタバーバラ郡、ベンチュラ郡、ロサンゼルス郡を管轄する同大司教区は、これまでに被害者へ7億4000万ドル以上を支払っており、総支払額は15億ドルを超えている。

【ニューオリンズ大司教区】

 

ニューオリンズ大司教区は、昨年12月に連邦判事が承認した和解案に基づき、聖職者による性的虐待の生存者数百人に対し、少なくとも2億3000万ドルを支払うことで合意した。この和解は数年にわたる交渉の末に成立し、将来の虐待防止策も含まれている。同大司教区は500件以上の虐待申し立てを個別に処理するのを避けるため、2020年に破産を申請した。

【サンディエゴ教区】

 

カリフォルニアのサンディエゴ教区は2007年、140件以上の聖職者による性的虐待申し立てを解決するため1億9800万ドルの支払いに合意した。同教区は2024年、数十年前における司祭らによる児童性的虐待を主張する追加訴訟約400件に対応するため破産申請を行った。これらの訴訟は、カリフォルニア州が2019年に児童性的虐待申し立ての時効を撤廃した後に提起されたものである。

【米国北西部のイエズス会】

 

イエズス会オレゴン管区は2011年、米国北西部で同会が運営する学校で虐待を受けた450人以上の先住民およびアラスカ先住民に対し、1億6600万ドルの支払いに合意した。また2007年、アラスカ州フェアバンクスにおける別の110件の性的虐待申し立てを解決するため、5000万ドルの支払いに合意している。

【オレンジ教区】

 

カリフォルニア州のオレンジ教区は2004年、約90人の性的虐待被害者と1億ドルの和解に達した。3年後、同教区はさらに4件の性的虐待訴訟を解決するため、700万ドルを追加支払うことに合意した。

【ポートランド教区】

オレゴン州のポートランド大司教区は2004年、100件以上の訴訟を解決した後、性的虐待疑惑をめぐりカトリック教区として初めて破産申請を行った。破産手続きが完了した3年後までに、同大司教区は300件以上の請求を和解し、請求額と弁護士費用として約9000万ドルを支払った。2019年には、聖職者による性的虐待の追加8件の請求を和解するため、約400万ドルの支払いに合意した。

【ボストン大司教区】

 

ボストン大司教区は2003年、500件以上の聖職者による性的虐待訴訟を和解するため8500万ドルの支払いに合意した。ボストンにおける性的虐待問題の規模は、米国および世界中で、司祭による広範な虐待と教会による隠蔽工作を明るみに出した。

【コビントン教区】

 

2006年、ケンタッキー州のコビントン教区は200人以上の性的虐待被害者に対し、法廷和解で8100万ドル以上を支払った。2020年に教区が発表した報告書によれば、1950年代以降、59人のカトリック司祭と教会関係者31人が児童への性的虐待を行っていた。

【ウィルミントン教区】

 デラウェア州およびメリーランド州東海岸を管轄するウィルミントン教区は、2011年に約150人の聖職者による性的虐待被害者に対し7700万ドルの支払いに合意した。

【オークランド教区】

 カリフォルニア州のオークランド教区は2005年、性的虐待被害者56名との間で5600万ドルの和解金を支払うことで合意した。その後、児童性的虐待訴訟の時効を一時的に延長する州法が施行され、300件以上の児童性的虐待訴訟が提起されたため、同教区は2023年に破産を申請した。

2026年2月19日

・聖職者の性的虐待の『神言会裁判』3年目に入るー「被告側の不誠実な対応の繰り返しは『信義則』に反する」と原告弁護人

(2026.2.9 カトリック・あい)

 聖職者による性的虐待で深い傷を負った女性信者が、所属(当時)修道会・神言会に損害賠償を求める裁判が3年目に入り、第13回が2月9日、東京地方裁判所で、原告支援者など約40人が傍聴する中で開かれた。

 この日の裁判では、まず裁判長から、先に述べていた「4月異動」がなくなり、次の異動まで自身が審理を続ける旨の説明があった。また原告弁護人から、「訊問を聞いた裁判長に判決文を書いてもらいたい」と要望があったのに対して裁判長は、「訊問を行い、それが終結すれば、その後裁判長が異動になっても、訊問した裁判長が(判決文を)書くと思う」と述べた。

 これまで裁判長から4月異動の可能性が示唆され、2年間の審理でカトリック教会や修道会である神言会の事情などに理解を深めた裁判長が異動した場合、次期裁判長の下での裁判指揮に不安を持つ関係者もいたが、当面、そのような懸念はなくなり、6月以降に想定される被告の神言会の責任者の証人訊問も現裁判長が取り仕切る方向で進むことになった。

 続いて、原告、被告双方が事前に提出した準備書面をもとに審理がされた。原告側から「当方の質問に対し、これまで、はっきりしない回答が続いている」とし、例として、原告被害者は最初に、加害司祭(当時)が所属していた教会を管轄す長崎教区の性的被害者のための)人権相談窓口に訴えているが、それに対する加害司祭が属していた神言会の対応を挙げ、「被告弁護人は『神言会は何も知らない』『対応はちゃんとやった。教区の相談窓口は組織として会と関係が無い』など、答えになっていない」とし、このような不誠実な対応の繰り返しは「最高裁の判決で決まっている『信義則』に反するものだ」と批判が述べられた。

 被告・神言会の代理人弁護士は、「人権相談窓口は長崎教区にある。司祭は、神言会から長崎教区に派遣されたもの。長崎教区は神言会とは別法人で、形式的には関係が無い」などと反論。

 これに対して原告側は、カトリック教会は、一つで、修道会もその中にある、というのが一般の見方であり、法人が別だから‥ 修道会と教区の関係をあたかも”派遣会社”と”受け入れ先”の関係だから(無関係)、というのは理解できない、とし、「神言会もバチカンからOKを取って活動しているのではないか」と疑問を呈したのには、明確な説明はなく、ただ、「(バチカンと神言会?は)まったく無関係ではない」とだけ述べた。「使用者責任は否定しないのか」と裁判長から尋ねられたことには、否定しないことを認めた。

 裁判長から、こうしたやり取りを引き取る形で、「原告は、分からないとし、分かるような答えを検討するよう求めている。被告側は、改めて書面にして回答するように」と指示された。

 裁判後、青山外苑弁護士事務所で開かれた支援者集会には、原告被害者の田中時枝さんが所属する東京教区をはじめ横浜教区、さいたま教区などの一般信徒、司祭、シスターなど30人以上が参加。田中さんへの激励の声の一方で、「なぜ、神言会は、被害者の訴えを認めず、組織を守ろうとし続けるのか、理解できない」「被告弁護人の対応は、余りにも不誠実で、お粗末」「司祭を信じる気持ちを使っての性的虐待は最悪」「カトリックの雑誌を編集している私のところにも、他の被害者からの訴えが寄せられているが、修道会などの対応は皆同じだ。日本の教会、特に高位聖職者には問題意識が感じられない」と修道会や日本の教会の聖職者の性的虐待への対応に批判が続出。「知人のシスターから、修道会司祭から虐待を受けたが、声を上げられずにいる、という苦しみを訴えられた。”事なかれ主義がいまだに横行している」と訴える声も出された。

 次回は3月11日午後2時半から同裁判所615法廷、次々回は6月3日午後3時から開く予定だ。

2026年2月9日

☩「性的虐待事件への対応で、真実、正義、慈愛を守るように」ー教皇、バチカンの教理省総会参加者に指示

(2026.1.30 Crux   Nicole Winfield, Associated Press)

 ローマ 発— 教皇レオ14世は1月29日、バチカン教理省の総会での挨拶で、「聖職者による性的虐待事件を裁決する際には、真実、正義、慈愛を堅持するように」と求められた。これは、世界中でカトリック教会の信頼性を傷つけたスキャンダルに対処するための慎重なアプローチを確認するものだ。

 教皇は挨拶で、虐待問題についてごく一部にしか触れなかったが、言わなかったことは、彼が言ったことよりも重要だった。被害者に全く言及せず、教理省は”司牧事務所”ではなく、”教会裁判所”として機能すべきだと考えていることを示唆した。

 バチカンの未成年者・弱者保護委員会は、性的虐待被害者の主な相談窓口となっている。前任のフランシスコ教皇はこの委員会を教理省の一部としたが、レオ14世は両者を機能的に分離させる意向のようだ。29日の教皇と教理省幹部・職員の会見には、同委員会の関係者は誰も参加しなかった。

 教皇は29日の挨拶で、若年者に性的虐待・暴行をした司祭に対して教会法に基づく調査・処罰責任を負う宗教上の上長を歓迎し、支援すべきだ、とし、「これは非常に繊細な司牧領域であり、正義・真実・慈愛の要件が常に尊重されることが不可欠です」と言明した。

 教会法専門家のレオ14世が今週初め、ローマ法廷(ローマ・ロタ)と呼ばれるバチカン裁判所と会談した際にも、同様の点を指摘し、「真実の探求において正義と慈善のバランスを取る必要性」を訴えた。

 教皇の母国米国で聖職者による虐待スキャンダルがマスコミに暴かれてから20年が経った今、教皇は虐待事件への対応で概して慎重な姿勢を示しているように見える。「教会指導者は被害者の声にもっと耳を傾けるべきだ」と主張する一方、「司祭の権利がより適切に保護されること」にも関心を示している。

 だが、世界各国の枢機卿を招集しての1月7,8日の臨時枢機卿会議で、教皇は「虐待危機は決して終わっていない」と述べ、「教会指導者は被害者に真に積極的に耳を傾け、寄り添う努力を強化すべきだ… 私たちは、目も心も閉ざしてはならない」と語った。「被害者の苦痛は、受け入れられず、声を聞いてもらえないと感じたために、しばしばより大きなものとなっている」とも。

 

*性的虐待と隠蔽で問題を起こした修道会の関連信徒団体と会見した教皇は…

 偶然かもしれないが、教皇は29日のバチカン教理省の総会参加者への挨拶の後、修道会Legion of Christ religious orderの関連の信徒団体、Regnum Christiの総会参加者たちとの会見に臨んだ。

 メキシコを拠点とするこの修道会は、20世紀のカトリック教会における聖職者による性的虐待と隠蔽の最も悪質な事例となった。バチカンは2006年、創設者マルシャル・マシエル神父に終身の悔い改めと祈りを命じたが、その決定は、マシエルが小児性愛者、詐欺師、薬物依存者、宗教的詐欺師であるという50年にわたる信頼できる報告を無視した後のことだった。

 教皇は総会参加者たちへの挨拶で、Legion of Christ religious orderには触れず、創設者で2008年に死去したマシエルについても言及しなかったが、マシエルの犯罪が発覚した2010年にバチカンが命じた改革が、依然として進行中であることを示唆した。「Regnum Christiは、その存在を正当化する独自の霊的霊感(教会用語でカリスマと呼ばれるもの)をより明確に定義し、新たな統治様式を見出す必要がある」と指摘した。

 バチカンによるLegion of Christ religious orderとRegnum Christiの調査では、権威の乱用や上層部による権力行使の方法など、カルト的組織に根深い問題が確認され、「浄化」のプロセスが必要だ、とされている。

 教皇は「真に福音的な統治は、常に奉仕に向けられている。それは各メンバーを支え、伴走し、救い主に日々近づくよう助けるものだ」と述べ、「新たな統治モデルを試みることを恐れるべきではない。むしろ、権力行使の独自の様式を共同で模索することは、社会と個人を豊かにし、共通の使命への帰属意識と参加意識を強める道を開くのだと心に留めておくのが良い」と強調している。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2026年1月31日