・バチカンが聖職者に性的虐待された被害者の手紙を公開(VN)

Candles are lit during mass in a Church in FranceCandles are lit during mass in a Church in France  (AFP or licensors)

*「司祭たちが怖い、彼らに近づかれるのが怖い」

 聖職者から性的虐待を受けた被害者の手紙は、「同じような被害を受けて苦しんでいるすべての人に代わって、この手紙を書くことを決めました」と前置きして、「自分はここにいます。なぜなら、教会は私の母であり、教会が私を傷つけた時、教会も、けがを負っているからです」と述べ、「子供の時にこの偽善的な行為を経験した人は、成人した後の人生から、それを消すことは決してできないでしょう。一時は、それを忘れ、赦し、充実した人生を送ろうとするかもしれませんが、受けた傷は彼らの心にとどまり、消えることはありません」と訴えた。

 さらに、手紙の筆者は「性的虐待を受けた結果起こされた、心的外傷後ストレス障害、うつ病、不安神経症など、今も日々も続いている精神的な苦しみとの戦い」について説明した後、「私は司祭たちが怖い、彼らに近づかれるのが怖いのです」とも訴えた。

*「教会の傷がさらに深くならないように」「よい聖職者になって」

 そして、「傷や傷跡でいっぱいの教会を守って欲しい。教会の傷がさらに深くなり、新しい傷を負うのを放置しないでください」と求めた。

 また、神学生たちは「神に仕えるために、そして神を通して人々に仕えるために、神によって召された若くて強い人」であることを強調し、「カーペットの下にあるものを一掃しないでください。(注:ごみを)一掃して隠すとき、私たち自身が(注:性的虐待の加害者の)協力者になってしまう。真実を生きたいのなら、目を閉じることはできません!」と強調。「どうか、よい聖職者になってください」と強く願っている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年10月20日

・「”嘆き”だけでは済まされない、”行動”だ」バチカンの性的虐待問題担当次官、シクルナ大司教

Archbishop Charles Scicluna - archive photoArchbishop Charles Scicluna – archive photo 

 聖職者による性的虐待に関するフランスの独立委員会報告が世界に衝撃を与えているが、バチカン教理省次官でで虐待問題を担当するチャールズ・シクルナ大司教は7日、 Vatican Newsとの会見に応じ、「”嘆き”から、断固かつ積極的な”行動”に移らねばならない」と強調した。

 会見での質疑は以下の通り。

*さらなる行動の覚悟を新たにする機会だ

問:フランスの独立委員会の報告についての意見は?

答:性的虐待の被害に遭われた人たちに哀悼の意を示された教皇フランシスコと同じ気持ちです。まず最初に私たちが関心を向けねばならないのは、この大きな悲劇の無数の被害者たちだからです。

 しかし、それにとどまってはならない。教皇が思い起こされたように、報告書で明らかにされた悲劇は、私たちがこの問題に対処するために、近年、実施した対策に留まらず、さらに多くのことをする、という覚悟を新たにする機会にせねばなりません。

 私は先に、「聖職者による未成年者の性的虐待の蔓延」という極めて悲しむべき現象に関する著作をフランスで出版しましたが、その中で、私たちは”嘆きの精緻化”を図る必要がある、と書いたのです。

 嘆きには段階があります。フランスの教会の場合、最初の段階は、あまりの衝撃に神経が麻痺し、悲劇的な現実を消化することさえできない、という段階です。だが、そこに留まっていてはならない。次の段階ー嘆きから行動へ、新たな決意と信念をもって歩む段階ーに移らねばなりません。これは、教皇が2018年8月に、”神の民”へあてた書簡で、聖パウロの言葉を引用して「私たちの1人が苦しむとき、私たち全員が苦しむ」のだ、とされ、示された取るべき道に沿ったものです。ここには、「連帯」と「対応」の神学がある。虐待、屈辱、さらには組織的隠ぺいのトラウマに苦しんでいる被害者たちが、自分たちの一部であること、と私たちは理解し、より断固とした前向きな方法で行動しなければなりません。

 

*悲劇は、報告書の数字にとどまらない

問:フランスの報告書は、1950年から2020年の間に少なくとも21万6000人が聖職者から性的虐待を受け、小児性愛の犯罪に関与した司祭、修道者は約3,000人に上ることを明らかにしました。あなたの経験から、この数字は驚くべきものでしょうか?

答:このような情報を提供し、調査をしているのは私たちなど、限られています。私たちはうまくやっていると思いますが、この問題に関連する教育的環境の現実や文化的環境に関する他の研究や報告も必要だと考えています。

 報告書が明らかにした数字は確かに、私たちを驚かせました、なぜなら、教皇が言われるように、性的虐待は一件だけでも私たちの手に余るからです。

 ですが、フランスの教会のこの称賛に値する取り組みを実際に報告書にまとめた専門家は、この数字が過去数十年にわたるフランスでの性的虐待の総数の3%に過ぎない、と言っています。つまり、まだ精査されず、公にされない虐待が97%もあることを意味しているのです。

 報告書の内容は、それだけでも間違いなく悲劇的なことではありますが、(注:”氷山の一角”であり)性的虐待が横行するのを止めねばならない、ということを社会全体が認識するプロセスの始まりとなることを期待します。

 

*法制度も、文書も、説教もすでにある、足りないのは理解と実行だ

問:教会として、これまでしてきたこと以上に、何ができると思いますか?

答:新しい法律を作る必要があるか、と尋ねられたら、私は「いいえ」と答えます。文書や説教も十分あります。私たちは行動に移らねばなりません。

 まず、私たちは教会共同体の再構成ー家族、若者だけでなく、神学生や司祭の育成も含めてーに向けた新たな取り組みが必要です。危険な状況を特定したり、誰かを虐待する可能性のある人々を特定したりするには、すべての情報が入手できなければなりません。繰り返しますが、この分野では「養成」が不可欠です。

 次に、虐待の報告を受けた時に、明確な対応をする決意が必要です。まず、誠意を持って行われた被害の訴えを、決して隠蔽しない、と私たちは肝に銘じねばなりません。そして、確実にその訴えを、すでに整えられている法制度に従って、フォローアップ(調査し、その結果を基にした措置を取る)する必要があります。教会の司牧者たちの果たすべき責任について、教皇が希望された新しい教会法の定めがあります。2016年に教皇が出された自発教令「Come una madre amorevole」もあります。

 さらに、2019年に教皇が出された自発教令「Vos estis lux mundi」。被害者の立場で考え、支援を提供する必要性について説いておられるだけでなく、虐待を隠蔽しようとする試みーomertà(注:マフィアの世界で使われる”血の掟”)の試みー非難しておられます。私には、教会法があり、優れた内容であり、問題は、それが十分に理解され、実行されていないことだけだ、と思われます。法制度の実践が求められているのです。

 

*被害者の訴えに公正な対応、対話が必要

問:フランスの独立調査委員会の委員長は、今後、性的虐待の訴えがされた場合、公正な裁判が行われることが慣行となり、被害者に裁判の進展状況が知らされるよう期待する、と述べています。

答:私は、グレゴリアン大学の機関誌「Periodica deReCanonica」に掲載した記事で、同様のことを提案しています。また、教皇庁の未成年者保護委員会主催のセミナーへの招待状をいただきましたが、教会法上の被害者の権利、民法上の対応と教会法上の有益な慣行を提案する比較研究などを目的としています。

 教皇の自発教令「Vosestis lux mundi」は、被害者から性的虐待で訴えられた聖職者に対する捜査が開始された場合、捜査責任者はそれを行う者は被害者の代理者対して、捜査の終結と捜査結果を通知せねばならない、としています。ですから、さらなる制度的、さらなる構造的な、被害者との対話に向けた道を開く小さなしるしが、すでに見えているのです。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年10月9日

☩「教会が聖職者性的虐待への対応を誤ったことを恥じる」教皇がフランスの”虐待報告”に

Pope Francis at Wednesday's General AudiencePope Francis at Wednesday’s General Audience  (Vatican Media)

(2021.10.6 Vatican News staff reporter)

 フランスの「聖職者による性的虐待に関する独立調査委員会(CIASE)」が5日、過去70年間に3000人前後に上る聖職者が性的虐待を犯し、聖職者以外の教会関係者によるものも含め被害者は推定33万人に上る、とする報告書を発表した。

 教皇フランシスコは6日の水曜恒例の一般謁見で、この衝撃的な発表を受け、「これは恥ずべきこと」と強く批判するとともに、被害者たちが受けた心身の傷に深い悲しみを表明。被害者たちのために祈られた。

 一般謁見で、教皇はフランス語を話す巡礼者たちに、「被害者の方々が受けた心身の傷を深く悲しみます」と語りかけ、「被害者を中心に置いた対応をすることができなかった『教会のあまりにも長期にわたる過ち』を深く恥じます」と、教会を代表して被害者たちに謝罪された。

 さらに、フランスの司教団と修道会の責任者たちに対して、「このような悲劇が二度と繰り返されないために、あらゆる努力を続けるように」と求めた。また、フランスの全カトリック信徒に「教会がすべての人にとって”安全な家”とする責任があること」を強調しつつ、困難な試練の時を迎えているフランスの聖職者たちを親身になって支えることも約束した。

 (翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2021年10月6日

・フランスの性的虐待報告で教会が受けた衝撃をどう受け止めるか(La Croix)

カトリックの司祭や他の教会の従業員による性的虐待に関する壊滅的な報告が国を揺るがしたフランスの主要なイエズス会の神学者との独占インタビュー
(写真:CENTERSÈVRES)

(2021.10.5 La Croix Gilles Donada |フランス)

 フランスの独立委員会(CIASE)が5日発表した、カトリック聖職者や教会関係者による未成年の性的虐待に関する報告書は、これまで考えられていた以上に事態が深刻であることを示し、フランスに留まらず、世界のカトリック教会に衝撃を与えている。中でも最も恐ろしいのは、フランスの聖職者が過去70年間に20万人以上の子供たちを性的な虐待していた、ということだ。

 報告書が突き付けた内容は、フランスのカトリック教徒たちに、改めて苦痛を与え、「教会指導者たちを、これでも信頼できるのか」と疑問を抱かせている。

 イエズス会の司祭であり、フランスを代表する神学者のエティエンヌ・グリュー神父がLa Croixに次のように語っている。

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*現実から目を背けず、直視する勇気を

問:5日に発表された報告書が、フランスの信徒たちに動揺を与えています。信徒たちにおっしゃりたいことは?

答:たしかに、報告書の内容は、教会共同体に大きな感情を呼び起こしています。心理的抵抗、怒り、悲しみ、嫌悪、惨めさ、など、あらゆる感情を、私たちは受け止めねばなりません。最も重要なのは、たとえ私たちが嘆き悲しみに逃げ込みたいと思っても、こうした感情すべてを一緒に受け入れることです。私たちは、こうした感情を共有し、司祭、教会などとの関係で、こうした驚きの事実が私たちの中に引き起こすものに、耳を傾ける必要があります。答えを見つける前に、時間をかけることが欠かせません。

問:現実を直視することは容易でしょうか?

答:もちろん、容易ではありません。こういう事態の直面すると、私たちは、「教会はいつも攻撃されている。もう、うんざりだ」「なぜ泥沼をかき立てるようなことをするのか。教会を傷つけたいのか」「教会は他の組織より悪くない。スポーツ界や教育界と比べたらどうか」「自責の念を持つのは止めよう」など、自分を守る誘惑に陥りがちです。たしかに、ショックですが、背を向けず、現実を直視し、「これが私たちの現実だ」と認める必要がある。残念なことですが、そうしなければ、前進はありません。

*信徒を守らない教会、情報が伝わらない教会の”沈黙の掟”

問:報告書の指摘は、教会の機能について何を明らかにしていますか?

答:まず、この「悪」の体系的な側面です。私たちは信者を保護する措置を講じていません。こうした犯罪行為に気付いたとき、私たちはそれらを阻止する手段を講じなかっただけでなく、被害者を守り、話を聞くことをしばしば拒否しました。二つ目に、「情報」が教会内でどのように伝達されているのか、疑問を投げかけています。密かに目撃したことに、どうして声が上がらなかったのですか。訴え、警告する勇気を奮った人たちを、どうした信用しなかったのですか。

第二に、それは情報が教会でどのように流通しているかに疑問を投げかけます。秘密裏に目撃したことをあえて大声で言わなかったのはどうしてですか。そして、私たちに警告する勇気を持っていた人々に私たちが信用を与えなかったのはどうしてですか?一種の”沈黙の掟”があったのです。

真実を話す人はとても貴重です。彼らの言葉が邪魔だと感じられても、教会は彼らを必要としているのです。この醜悪な事件は、私たちが持っている司祭についてのイメージに影響を与えます…これは明らかです。教会では、信頼の絆は非常に重要ですが、今、叙階され​​た司祭、司教に対する信頼が、揺らいでいます。

問:こうした行為に対する警戒を強めることはできます。

答:では、何について警戒するのですか。その有効性を過大評価しないでください。加害者はしばしば強い性格の持ち主で、自分を押し付け、矛盾すると思われることはしません。虐待は、第三者を介入させない状況の中で起きます。ほとんどの場合、司祭が他の人を排除し、自分自身を唯一の相手とする。一人だけに頼ることは、健全とは言えません。他の男性、女性の信徒、司祭、修道者、教会幹部などとの関係も持つことが必要です。

*司祭は”手の届かない存在”である前に、欠陥だらけの”兄弟”だ

問:私たちは、司祭にどのような態度をとるべきですか?

答:司祭が”手の届かない存在”ではないことを覚えておくのがいいでしょう。すべての人間と同じように、堕落しています。欠陥、心の傷、弱さを持っています。叙階された司祭は、第一に”兄弟”です。ある種の聖職者の神学はこれを忘れがちです。

問:どのような神学ですか?

答:司祭を「もう一人のキリスト((alter Christus)」とするものです。この概念は、17世紀にフランスの霊性に関する学校(Pierre de Bérulle, Saint Vincent de Paul, Jean-Jacques Olier, Saint Jean Eudes, Saint Louis-Marie Grignion de Montfort, Bossuet)で主張されました。これはトレント公会議(1545-1563)に決定に沿ったものでしたが、これは司祭を通常の状況とは別扱いされる時に、誤った神学となりえます。司祭は、キリストの存在と召し出しのしるしだったとしても、まず第一に「兄弟」なのです。私たちは”教会文化”について問わねばなりません。文化が問われることはめったにない。私たちが、それに浸っているからです。

*「教会の神聖さ」は、「完璧」を意味しない、「いつも神に顔を向けている」こと

問:使徒信経では、信者は「使徒継承の唯一の聖なるカトリック教会」への信仰を確認しています。教会の”神聖さ”も問われているのではありませんか?

答:神聖とは「完璧」という意味ではありません。私たちが「聖なる教会」と言うとき、教会が「神に向けられている」ことを意味します。カトリック教徒が「教会が、こうした悪から完全に守られているのだろうか」と疑問を持つのは、正常です。残念ながら、教会の歴史を見ると、忌まわしきものに囚われたのは、今回だけではない。魔女狩りによる何千人もの女性の虐殺、米国の先住民に対する残虐行為、異端審問や、十字軍など、数多くあります。

問:どこに目を向けるべきでしょうか?

答:福音書です。教会について完璧なものは何もないことを、私たちに思い起こさせてくれます。特にマルコの福音書で、”スーパーヒーロー”にはほど遠い弟子たちを発見します。彼らは足を引きずり、注意を払われることもない… イエスは教会を一人の男、ペトロの委ねますーイエスを裏切り、公衆の面前で否定した男にです。

 聖パウロが私たちに思い起こさせるように、私たちは、「この宝を土の器に納めています」(コリントの信徒への手紙2・4章7節)。本質的なことは、教会という大きな体が、人間の苦悩と完全に連帯し、それを神に届けるために、神に顔を向け続けている、ということ。そこに「神聖」があるのです。

*聖霊は教会を見捨てない、必要なのは「回心」「刷新」

問:今回の報告書による衝撃の先に、私たちに開かれている道は何でしょうか?

答:私たちは、危機を経験する時、基盤としているものが揺さぶられる時、それでも、聖霊が教会を捨てないことに気づきます。私たちは、回心、深遠な刷新を求められています。この大変動のまっただ中に、私たちは何か新しいことが現れる可能性がある、と信じています。

続きを読む:https://international.la-croix.com/news/religion/trusting-the-church-in-light-of-a-shocking-sex-abuse-report/14996

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2021年10月6日

・仏で報告書ー性的虐待聖職者は3000人前後、教会関係の被害者は推定33万人にー教皇が悲しみと祈り(VN)

Mr. Jean-Mark Sauvé, president of CIASEMr. Jean-Mark Sauvé, president of CIASE  (AFP or licensors)

(2021.10.5 Vatican News  By Lisa Zengarini)

 フランスの司教団、修道会の委託を受けた「聖職者による性的虐待に関する独立調査委員会(CIASE)」が5日、2500ページに上る最終報告書をまとめ、過去70年間にフランス国内で2900人から3200人の司祭、修道者が性的虐待を犯し、教会関係に一般信徒によるものも含めると犯行当時未成年だった被害者は推定33万人に上ることを明らかにした。

 

*聖職者による虐待は21万6000人、3割がレイプ

 報告書は、1950年から2020年の間にカトリック司祭と修道者から性的虐待を受けたフランスに住む被害者は21万6000人(許容誤差は5万人)で、うち3分の1はレイプされている。これに、とくに教会や修道会経営の学校などで一般信徒から性的に虐待された被害者を含めると33万に達する、としている。

 これに対し、バチカンのブルーニ広報局長が同日記者会見し、教皇フランシスコは先日、フランスの司教団とバチカンで謁見した際、報告書の概要について説明を受けていたことを明らかにした。

 そして「教皇は、この説明を苦しみと悲しみを持って受け止め、まず、思いと祈りを性的虐待の犠牲者にお向けになった」と強調。被害者たちに対して、「勇気をもって声を上げ、フランスの教会にこの恐ろしい現実を気付かせ、最も傷つきやすい子供たちへの主の苦しみに結ばれ、償いの道を歩めるようにしてくれたこと」に感謝されている、と説明した。

 さらに広報局長は、教皇が「フランスの神の民、とくに(聖職者による性的虐待の)被害者たちを主に委ね、主が彼らに、慰めと癒しの奇跡を正義をもって起こしてくださるように」と祈られている、と語った。

 

*「教会の”沈黙の文化”と”組織的機能不全”に”裏切られた”と感じた」

 CIASEは、フランスで聖職者から性的虐待を受けたとの被害申し立てがここ数年、増加していることに対応して、2018年、同国の司教協議会(CEF)と男女修道会協議会(CORREF)が委託する形で、児童保護専門家など21人の委員で発足。その目的は、1950年から2020年の間におけるカトリック教会での未成年性的虐待に関して、事実の確認、どうして虐待がなされたのか、加害者が所属する教区、教会や修道会の対応は適正であったのか、などを厳正に調査し、今後の対策などについて勧告することだった。

 最終報告書が5日朝、ジャン・マルク・ソーヴェ委員長から、エリック・ド・ムーランCEF会長(レンヌ大司教)とシスター・ベロニク・マーロン CORREF会長に提出された後、ソーヴェ委員長や被害者代表による共同記者会見が行われ、委員長は「報告書の策定作業は、時として、深刻な落胆に見舞われることもあったが、”新たなスタート”への希望につながるものでもあった」と述べ、メンバーの一人児童保護問題の専門家であるアリス・カサグランデ氏は、「私たちは”専門家”でなく、“聞き役”に徹した」と語った。

 被害者代表として発言した「ラ・パロール・リベレ」(「解放された言葉」)の共同創設者であるフランソワ・デヴォ氏は、過去20年間にわたって少年たちに性的虐待を繰り返した罪でリヨンの裁判所で昨年、懲役5年の実刑判決を受けた ベルナール・プレイナ元神父から性的虐待された一人だが、「私が苦悶している時に、(教会の)”沈黙の文化”そして”組織的な機能不全”を見せつけられ、『裏切られた』と強く感じた」と述べ、CIASEの貴重な働きに感謝するとともに、抜本的な改革に踏み切るよう、教会指導者たちに強く求めた。

*「”沈黙の法則”、司祭を“神聖化”する風土を改めよ」

 ソーヴェ委員長は、最終報告書が被害の実態を完全に網羅できていなことを認めつつ、「神学、医学、社会学、人類学、精神医学、民法および教会法を含むさまざまな分野にわたって収集し、正確なデータを提供することに努めた」としたうえ、「最も重要なことは、調査が何千人もの被害者との関係を確立するのに役立ったことだ」と指摘した。

 また委員長は、「フランスでは、教会外も含めて550万人(女性の14.5%、男性の6.4%)が18歳までに性的暴行を受けている、とし、「加害者は、家族や友人の割合が最も高いが、それに次ぐのが司祭や一般信徒などカトリック教会関係者で、被害者の8割が少年に集中している」と述べ、教会に対し、「”沈黙の法則”を含む過去の欠陥を認め、聖職者の育成と識別の仕方を改めるなど、前向きな対応に全力を挙げる」よう求め、司祭を過度に”神聖化”する”風土”が残っていると警告した。

 最終報告書は、具体的な勧告として、教会に強力な内部統制メカニズムを導入すること、公平な調査を確実にする司教の役割を明確に定めること、教会の統治への一般信徒の関与を強化すること、など45項目を挙げている。

 委員長は、教会に「真実、赦し、和解の働き」を求め、「カトリック教会は、社会の不可欠な構成要素であり、”同盟の再構築”に取り組む必要がある。損傷したものを回復し、壊れたものを再建するために、あらゆることをせねばならない」と強調した。

 

*「”おぞましい”実態を認め、来月の司教総会で対応を協議」

 委員長の発言を受けた、ムーランCEF会長は、報告書で明らかにされたフランスの教会における性的虐待の「おぞましい」実態を認めたうえで、「被害者たちと共に行動する」決意を表明するとともに、被害者たちが教会当局の姿勢を改めるのに貢献してくれたことに感謝を述べた。そして、司教団として、来月の総会で、この報告を子細に検討し、具体的な対応を協議することを約束した。

 また男女修道会を代表してシスター・マーロン CORREF会長は、「人道に対する罪」に直面して、「無限の悲しみ」と「絶対的な恥」を痛切に感じている、と述べ、「報告書の45項目の勧告は、他の機関と協力して実施せねばならない、教会の信頼回復への厳しいサインです」と語った。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年10月6日

・北アイルランドのカトリック教区が性的虐待被害者に謝罪、救済措置発表(VN)

Archbishop Eamon MartinArchbishop Eamon Martin 

 また、救済措置の手続きについては、性的虐待(体に触れる行為を含む)の申し立てを受けて、第三者機関が任命する独立委員会によって、身体的、精神的虐待を伴うものか、そうでないか、虐待されたのは18歳未満の時かどうか、なども含めて評価する。委員会は入手したすべての情報をもとに、過半数で具体的対応を決めるが、「委員会の判断は、民事訴訟法上の裁判外的措置、調停に匹敵し、当事者を拘束する」と定めている。

 マーチン大司教は、以上のような措置だけでなく、「被害者に対する司牧を継続し、私自身、今後も被害者たちが希望すれば面談し、彼らの痛みを受け入れ、癒す方法を彼らとともに考えて行きたい」と述べている。

Towards healing

“The Diocese understands that redress may take varying forms,” noted the statement. “As well as enabling the provision of financial redress, the Scheme includes the possibility of a personal apology on behalf of the Diocese and other ways of providing pastoral support. The Diocese will also support the provision of counselling via the Towards Healing service.”

The statement went on to say that “the Scheme will respond to applications where there are allegations of sexual abuse (including sexual grooming), which may or may not have been accompanied by physical and/or emotional abuse, and which occurred when the Applicant was under the age of 18.  All applications will be assessed by an independent Panel, appointed via an independent process managed by a third party organisation.”

“In assessing applications the Panel will have regard to all the available information and make its decision on the balance of probabilities and on a majority basis. The process will fall outside the civil litigation process and be comparable to a mediation. It is anticipated that the process will be informal in nature but is intended to be binding on the parties should a resolution be agreed.”

Commitment outreach 

Archbishop Eamon Martin said he is committed “to continuing his ongoing pastoral outreach to survivors, making himself available to meet with those victims who wish to share their story with him and to consider with him other ways in which their pain can be acknowledged and by which their healing can be assisted.”

About 70 people have come forward in the past 35 years to make allegations of abuse related to the diocese.

2021年10月1日

・教皇、性的虐待への対応で批判受けた独ケルン大司教を5か月の”霊的休止”に(Crux)

Cardinal Rainer Maria Woelki, Archbishop of Cologne, makes a statement in the garden of the Archbishop’s House in Cologne, Germany, Friday, Sept.24, 2021. (Credit: Rolf Vennenbernd/dpa via AP.)

(2021.9.24 Crux By Geir Moulson(AP)

 ベルリン発—教皇フランシスコは24日、聖職者による性的虐待問題への対応で強く批判されていた独ケルンの大司教、レイナー・マリア・ウォルキ枢機卿の処遇について決定を下した。それによると、ケルン大司教ポストの辞任を求めない、とする方で、「コミュニケーションにおいて重大な間違いを犯した」として、数か月の “spiritual timeout(霊的休止)” を言い渡した。

 バチカン広報局が同日発表した声明で、教皇はウォルキ大司教に信頼を置いている、とする一方で、「ウォルキ大司教とケルン大司教区が『休止』『刷新』、そして『和解』のために時間を必要としていることは、明確である」と言明。

 この判断から、ウォルキ大司教の10月中旬から来年3月初めまでの”一時休止”願いを、教皇は受け入れた。

*ウォルキ大司教は、ドイツの教会に深刻な分裂をもたらした

 ケルン大司教区における聖職者の性的虐待と対応についての調査は、ウォルキ大司教本人が調査チームに委託して行われ、3月に調査結果の報告書が発表されたが、それによると、ウォルキ大司教の前任者を含む8人の高位聖職者が、聖職者および信徒による性的虐待の報告を受けていたにもかかわらず、調査、それに基づく制裁など、を実施する義務を怠った事案が75件の事件にものぼり、性的虐待被害者に対するケアもなされていなかった。

 ケルン大司教区で司教を務めていたステファン・ヘッセ・ハンブルク大司教も、11件の対応義務を怠ったとされ、教皇に辞任を申し出ていたが、教皇は先週、辞表を不受理としている。また調査報告書は、対応義務を怠った高位聖職者のリストから外していたが、報告書が発表された後の記者会見で、ウォルキ大司教は「性的虐待の報告への対応で間違いを犯した」ことを認めたものの、大司教を辞任するつもりはない、としていた。

 同大司教には、聖職者の性的虐待事案を隠蔽したとして、ケルン大司教区の信徒たちから強い抗議や批判の声が上がるなど、深刻な混乱を招き、事態を重視した教皇が6月に2名の教皇施設をケルンに派遣して実情調査などに当たったが、ウォルキ大司教には、「性的虐待問題を巡り、教会法に反する行動は見られず、調査報告の発表を控えることで、何かを隠蔽したことも確認できなかった」とする一方で、「この問題で、コミュニケーションに重大な過ちがあり、そのことが、信徒の多くを不安にさせ、ケルン大司教区に対する信頼の危機を招いた」と批判していた。

 なお、ウォルキ大司教が不在となる10月中旬から来年3月初めまでは、ロルフ・スタインハウザー補佐司教が「教区管理者」と務める。

 ドイツ司教協議会会長のゲオルグ・べツィング司教は、ケルン大司教区で和解のプロセスが始まることに期待を表明する一方、「教皇の今回の判断が、ケルン大司教区における根本的な変化につながるかどうかは、まだ分からない。ウォルキ大司教が”休止”の期間をどのように使うかによることになるだろう」と述べている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

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2021年9月25日

・中東欧会議でオマリー枢機卿「性的虐待の危機克服に、司教、司祭の司牧的回心を改めて求める」(VN)

Cardinal Seán Patrick O’Malley speaking during the Safeguarding conferenceCardinal Seán Patrick O’Malley speaking during the Safeguarding conference 

(2021.9.22 Vatican News By Benedict Mayaki, SJ)

 ワルシャワで開かれている中東欧カトリック教会の代表による「聖職者の性的虐待から未成年者や弱い立場にある大人たちを守る会議」が終盤を迎え、主催者のバチカン・未成年保護委員会代表のショーン・オマリー枢機卿が22日、性的虐待の危機への対応における教会の司牧的回心の必要性を強調した。

 枢機卿は、Vatican Newsに、自身の個人的体験として、宣教司牧中にこの危機の壊滅的な影響を目の当たりにしたことを語り、危機的状況に対応するための教会の継続的な努力について語った。

*司教と司祭に司牧的な回心が求められている

 その中で、枢機卿は、米国の4つの教区で司教を務めた自己の経験を振り返り、そのうち3つの教区で深刻な課題に直面し、被害者保護の重要性を痛感した、と述べた。

 そして、自身が担当した教区での、また、教皇ベネディクト16世にアイルランド・ダブリンへの派遣された際の、性的虐待被害者と家族と面会した経験を振り返り、「性的虐待の危機が人々の『教会に対する信頼と信仰』に与える壊滅的な影響の大きさ」を痛感したこと、それを踏まえて、被害者が癒される道を助ける努力の一環としての「被害者の話を聞くことの重要性」を改めて強調した。

 さらに、「被害者の何人かは、自分たちが不当な扱いを受けたことに怒りを感じ、正義と癒しを求めています。多くの人が教会に戻る道を探していますが、彼らは教会から拒絶されたと感じ、自分たちの訴えを信じてもらえないのではないか、トラブルメーカーと見なされるのではないか、と恐れています。このため、多くの人が教会への信頼を失っているのです」と指摘。

 枢機卿は、「イエスの最優先事項には、福音を伝える前に、まず、『癒し』があります。傷ついた人々が教会に戻ることができるように、彼らを癒し、彼らの訴えの耳を傾けることを含めた、司祭と司教の司牧的な回心が求められているのです」と訴えた。そして、「私たちが子供たちのことを気にしないと思われたら、小児性愛者の司祭を、ある場所から別の場所に移して、子供たちを危険にさらしている、と思われたら、人々は福音を信じないでしょう」と語った。

 

*必要な教会の継続的な対応

 このような状況に直面して、枢機卿は、さまざまな国からの教会指導者を集め、「学びたい、という大きな願望」を示す今回の会議を含めて、被害者の求めに応え、「神の民」の保護を確実にするための教会の継続的な取り組みの必要性を強調。教皇フランシスコと前任者のベネディクト16世に対して、性的虐待の被害者と面会するように求める”特権”を行使し、それに応じたお二人が「自分たちの教皇職に残る非常に深遠な経験」であると痛感され、「それ以来、特に教皇フランシスコは多くの被害者たちをお会いになり、今も連絡を取り合っておられます」と述べた。

 

*未成年者や脆弱な人々を保護する意識を高める司教の育成

 さらに、聖職者による性的虐待から未成年者たちを守るためのさらなる努力の一環として、枢機卿は、今、新しい司教たちが奉仕に備えるために、「モンテッソーリ・クラス」と呼ばれるものが作られている、とし、そうした司教育成課程の一環として、教皇庁委員会は、虐待被害者による直接の証言を伴う場を設け、未成年者や社会的に脆弱な人々の保護を確保することの重要性を、司教たちに強く認識させるようにしている、と説明。

 加えて、司教にとっての、このような育成の重要性を強調し、「このような育成方法がとられていたら、教会の歴史は今とは変わっていたでしょう。少なくとも、過去数年に見られた、制定虐待危機のの増大は起きなかった」と述べた。

 最後の枢機卿は、世界の司教たちが「予防」から始めて「保護」の努力を率先して進めることが求められている、とし、具体的には「学校、教会、コミュニティを、子供や若者にとって最も安全な場所にする方法を追求すること」、「過去の不正行為や犯罪の是正に向けた取り組みを責任をもって主導すること」を挙げた。

 そして、4日間にわたるこの会議の重要性を改めて確認し、参加した自分にとっても、喜ばしい、前向きな成果を得られるイベントだと評価した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2021年9月23日

・性的虐待に関するカトリック中東欧会議で、被害者たちが証言(Crux)

(2021.9.22 Crux  Rome Bureau Chief  Inés San Martín)

 

*「司教の妨害などで30年経ち、加害者死亡の5日前に有罪判決、だが未だ公開されず」

*「被害者優先よりも、いまだに”嘘”と加害者を守ろうとする傾向が続く」

 さらに、Krasucki神父は、自分自身が被害者として名乗りを上げ、この会議で話すことで、教会でさまざまな種類の危害を被った他の人々が参考にできることを願いつつ、このような経験は「言語を絶する恐ろしさに満ちたものです」とし、「私のさらに強い願いは、非常に酷く、道具のように扱われ、虐待された事実を語る被害者たちが、教会で、強い関心と敬意をもって受け入れられることです。残念ながら、私の個人的な経験では、このようになっていません」と強調した。

 また、「(注:聖職者による性的虐待を防止することなどで)教会では、多くの改革がされたと言われていますが、被害者を優先することに関しては、話はされても、実際の行動はほとんどなされていない、と言っていい状態。これが改められない限り、教会の本当の善について話すことはできません。なぜなら、未だに、被害者が大事にされずに、まだ『嘘』と加害者を守ろうとする傾向があるからです」と批判。「被害者になされた危害は、実際には、私たちが信じている神になされたもの、なのです」と訴えた。

 

*「被害者の訴えを拒絶する教会は、イエスが望まれる教会ではありえない」とオマリー枢機卿

 この会議の主催者であるバチカンの未成年者保護のための委員会(PCPM)の責任者、ショーン・オマリー枢機卿(米ボストン大司教)は、「性的虐待がなされた場所、加害者の地位や役職に関係なく、性的虐待と闘い続ける必要があります」と強調。

 そして、性的虐待が引き起こしている危機の深刻さを知って、回心した個人的な経験を吐露したうえで、「自分の部屋などを使って性的虐待を繰り返し、それを隠蔽するなどの悪行を行なう聖職者のよって、筆舌に尽くしがたい苦しみを味わっている、兄弟姉妹のために、私たちは、個々に集まっています」と述べ、 「これまで多くの場合、被害者たちは声を上げても、教会はその訴えを拒絶してきました。これは、イエスがご自分の教会に望んでいることではありえません。これでは、『愛と和解の神の教会』になることはできないのです」と訴えた。

 また枢機卿は、他の人が同じような被害に遭うことを深く懸念している非常に多くの被害者とその家族、目撃者が声を上げる勇気は、「認められ、積極的に受け入れられねばならない」とも強調した。

*「私たちは、権威と良心を踏みにじり、被害者の苦痛を無視して来た」ポーランドの大司教と反省

 9月19日から22日に掛けての会議は、未成年者の性的虐待を防止する分野で、欧州大陸の中東欧地域の教会間で経験の交換、効果的な実践、共同行動の開始を可能にすることを目的としており、教会とその地域の社会において性的虐待問題に取り組む際の特定の困難を探求する試みでもある。

 この会議の共同主催者であるポーランドのカトリック司教協議会会長のStanisław Gądecki 大司教は、会議の冒頭に「私たちは、被害者たちに関心を持たず、彼らの苦しみも無視して来た私たちを”治療”するために、このに集まりました」と述べた。

 そして、「被害者から話を聴いた際、加害者は、被害者が自分を完全に信頼するように操作し、無防備な状態にしてから、性的虐待をした、ということが、しばしば語られました。聖職者である加害者が、『自分がしていることは間違ったことではなく、正しいことだ』と相手を説得することはめったにない。性的虐待はしばしば権威と良心を踏みにじることにつながり、被害者の心を荒廃させてしまいます」と強く反省した。

 

*「会議が、効果的対応の推進力となることを期待」とゾルナー師

 PCPMの主要メンバーであり、ローマの児童保護研究所の所長のドイツのハンス・ゾルナー神父は、新型コロナウイルスの感染防止という困難な状況で開かれ、また「政治的側面から生じたかもしれない他の問題」をはらんでいたにもかかわらず、中東欧の約20か国からの多くの参加者を得たことに感謝し、「PCPMは、この会議が確実に対応策を以前よりも動かすための推進力となることを願い、祈り、そして努めます」と述べた。

 そして、聖職者による性的虐待に関して、「ポーランドでは、2013年以来、多くのことが起こっています。クラクフには虐待防止のためのセンターがあり、虐待防止のためのガイドラインが作成され、実施されています。ポーランドでは対応策が進んでおり、また多くの課題が残ってはいるものの、欧州の他の国と比べて、重要な取り組みがされています」と評価した。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年9月22日

・「聖職者による性的虐待の被害者たちは『信頼できる教会』のための種を提供してくれる」中東欧会議で

Church representatives attend the Warsaw conference on MondayChurch representatives attend the Warsaw conference on Monday  (BP KEP)

(2021.9.20 Vaticaan News  By Devin Watkins)

 中東欧のカトリック教会の代表による「聖職者の性的虐待から未成年者や弱い立場にある大人たちを守る会議」が19日からワルシャワで始まった。4日にわたるこの会議で、参加者たちは、性的虐待の被害者が耐えて来た苦痛を、教会への信頼を取り戻す種に変えようとしている。

 

*聖職者の性的虐待で被害者は今も苦しんでいる

 2日目の20日は、教皇の枢機卿顧問団のメンバーで、米ボストン大司教のショーン・オマリー枢機卿が、ミサの説教で語った。

 枢機卿は、「聖職者たちによる自分の教会の施設を使った性的虐待、さらに隠蔽という邪悪な行為の犠牲となった、私たちの兄弟姉妹が今も苦しんでいる。そのために私たちは、個々に集まった」としたうえで、性的虐待の被害者たちが「声を挙げた時に、拒絶され、さらなる苦しみを味わった」と慨嘆する一方、被害者たちとその家族が、自分たちが受けた苦痛を、教会が他者を守ることに役立てていることを讃えた。

 そして、「私たちは神に祈ります。神ご自身の賢明ななさり方で、被害者たち、その家族の苦しみが、『立ち直る力を持ち、愛情深く、誠実な教会ー自らの過ちを謙虚に認識し、正義、そして虐待を受けた人々との和解に努めることを固く決意する教会』となるための種となりますように」と祈った。

*聖職者の”権威”の乱用は、教会の”システム”の病い

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2021年9月21日