(2022.12.8 言論NPOニュース)
12月7日から開催している「第18回東京-北京フォーラム」は8日も各種の分科会が開催されました。「対立する世界とアジアの平和で問われる報道の在り方」を大テーマにしたメディア分科会では、日中両国のメディア人が率直な議論を繰り広げました。
冒頭、日本側司会の川島真氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)は「世論調査の特別セッションは日中双方の議論がかみ合った。調査結果を見ると、中国の印象が良くないのは日本のメディアが『中国を悪く喧伝しているからだ』と。一方でメディアの貢献度に関する設問では、日本は低く、中国は高く見ている」などと述べ、両国のメディア・報道に対する認識の違いを指摘し、議論が始まりました。
議論前半のテーマは「ウクライナ侵攻や世界の対立を両国メディアはどう報じたか」に設定。日本側の問題提起者の一人、朝日新聞の坂尻信義編集委員は「国交正常化50年があまり盛り上がっていないとされたが、40年も盛り上がりを欠けた。しかし、45年は盛り上がっていた」と述べ、曖昧な印象論は気にする必要はないとの認識を表明。その上で2013年の本フォーラムで「不戦の誓い」を世界に向けて発した取り組みを評価し、コンセンサスを維持発展させることが重要だと述べました。
デジタルで情報発信する彭湃新聞の劉永鋼総裁・総編集長は、ウクライナ情勢などを例に挙げて「第三国の国民は、マスコミ報道によってステークホルダー、さまざまな声を知ることになる。干渉を避けて、事実に基づいて報道する原点に戻るべきだ」と原則論を主張。同時に中日関係について「相手国へのネガティブキャンペーンを避け、共通の問題も報道できるはずだ」と語りかけました。
*「日本のメディアは米国に反対の報道はしないのか」
二人目の問題提起者である日経新聞の藤井彰夫常務執行役員・論説委員長は、「政府発表ベース」の中国メディアに対して、日本の報道姿勢は「政府から独立し、さまざまなソースで多様な意見、議論を提供している」と違いを強調。中国の若者らによる最近の「ゼロコロナ」政策への批判的対応が報道されたのかどうかなど、メデイアの対応をただしました。
鳳凰衛視(フェニックステレビ)中国語局の黄海波副局長は、日本メディアによる中国の「軍事大国化」報道に不満を表明するとともに「米国はたくさんの戦争を引き起こしたのに、なぜ報道しないのか」と疑問を示しました。同時にロシアのウクライナ侵攻に関して「中国は中立であり、覇権的な対応はとらない。平和的な対応を選ぶ」と明言しました。
アジア太平洋広報センター総編集長の王衆一(中国人民政治協商会議第13期全国委員会外事委員会委員)は「『人民日報』などオールドメディアは包括的に報道している。歴史番組などでNHKは深い洞察力を示しており、現実面でも深みのある報道ができるのではないか」と、中国側の視点で要望しました。
共同通信国際局編集委員多言語サービス室長の辰巳知二氏は、黄海波氏が言及した「米国の戦争」について応答しました。「ブッシュ(息子)政権によるイラク戦争に対して、日本は批判的だった。米軍に従軍し、精力的に報じた」と振り返り、「現場の記者は命がけで取材した。戦争で犠牲になるのは子供や住民だ」と批判しました。
*日中両国のメディア間で認識の差が明らかに
中国側司会の金?氏は、イラク、アフガニスタン戦争に言及した上で「日本メディアは、組織ジャーナリストとフリージャーナリストでは立場の違いがある。米国の意に沿った報道をしている印象だ」と指摘。これに関連して、人民日報国際部編集者の劉軍国氏も「現象が生じた後の本質を考える必要がある。我々は現象から、米国の覇権主義を見ている。日本側も本質を見るべきではないか」と、金?氏の指摘に賛意を示しました。
一方、毎日新聞外信部長の古本陽荘氏は「日本メディアが、中国に関してネガティブに報じて悪化したとは思わない。我々は現に米国の選挙や銃規制、差別問題などを詳報し、かなり批判的に報じている。隣国の友人が間違ったことをきちんと言い合えることが健全な関係ではないか」と反論したところ、金?氏は「認知戦に巻き込まれている」と再反論しました。続けて「日本の主要メディア5紙は大体、政府と同調しているのではないか。中国の人々は幾つかの層に分かれており、反応も多元的だ」と主張しました。
中国青年報国際面融合メディア編集長の陳小茹氏は「ウクライナ侵攻の本質はロシアと米国の衝突だ。どちらかを弁護するのではなく、”放火”したのはどちらかと考察することに意味がある。メディアは思考を単一化しているが、中国は多元的に報じている」と強調しました。
*メディアは紛争の不安と対立を煽っているのか
議論の後半は「報道は、アジアで高まる紛争の不安と対立を煽っていないか」をテーマに、再び熱っぽい議論が展開しました。
NHK解説室の神子田章博解説主幹は、中国側が主張したロシアのウクライナ侵攻に関する見解に対して「何もしていない人々がかわいそうな状況に陥っている。(本質という)大きな事柄から見れば、そうではないとするのは、問題のすり替えではないか」と厳しく指摘。同時に、欧米日が対ロシア経済制裁に踏み切ったことについて「中国が加わらないのは、ロシアから自由にエネルギーを得ているからではないか。それこそ”漁夫の利”であり、日本側の印象悪化につながっている」との見解を示しました。
日本側司会の川島氏は、ロシアのウクライナ侵攻が「NATOの東方拡大」だけが理由とは言えないのではないかと指摘。むしろ「認知戦」が「不安と対立」をあおってはいないかと重ねてただしました。
この点について、中国側司会の金?氏は香港民主化問題における日本の報道姿勢を例に挙げて「北東アジアに目を向けて、自己批判をした方が良い」と応じました。さらに「各々の理念に基づいて、互いに助け合えばいい。日本の原籍は欧米にある。アジアの国なのに、北朝鮮、ロシア、中国と敵対しているではないか」と畳みかけました。
この発言に対して、川島氏は日米安保に触れて「米国に追従しているように見えるかもしれないが、日本の対外政策は米国べったりではない」と反論しました。NHKの神子田氏も「中国のメディアは、政府の宣伝機関であるという印象だ。日本は事実に基づき、付加価値を付けて報じている」と指摘。米シンクタンクのランド研究所による台湾有事のシミュレーションに言及して「作用と反作用がある。日本のEEZにミサイルを撃ち込み、メディアが台湾有事を念頭に一様に報じたのは、中国側の身から出た錆だろう」との見方を示しました。
この発言を受けて、金?氏は「ロシアのウクライナ侵攻を、中台関係に当てはめるのはいかがなのものか。台湾は国ではないし、必ず有事が起きるとも限らない」と述べ、内政干渉に不満を表明しました。
*メディア版「不戦の誓い」には、日中両国の参加者が賛同
二人目の問題提起者である共同通信の辰巳氏は、コロナ禍で途絶えた人的交流などを踏まえて「日本の報道機関で、中国の脅威を過度に報じる社はない」と理解を求めました。その上で、先の「不戦の誓い」に言及して「メディアとして、より確実に戦争のためのペンは持たないことを確認してはどうか」と提案。出席者全員で「メディア版『不戦の誓い』」を確認することに賛意を表明しました。
読売新聞国際部の小川聡部長も「日中友好に資する報道に努めているが、それができない安保政治状況がある。中国は軍拡を続け、日本は自衛のための必要最小限度の防衛を議論している。対立分裂を加速するリアクションを正当化せず、友好機運を高めるためにも、国際協調に努めてほしい」と呼びかけました。
18年連続で参加している元国務院新聞弁公室主任の趙啓正氏が「メディアの立場も違うが、互いの胸襟を開くことが大切だ。互いの相違点、欠点を捉えるのはネガティブになる。もっとポジティブに捉えた方が良い」とサディスチョンを与えました。さらに「ぜひ関係者、相手国記者との交流を図り、北東アジアや世界のために使命を果たしてほしい」と訴えて、2時間にわたる議論を終えました。
まず、中国駐日本国大使で、中国人民政治協商会議第 13 期全国委員会外事委員会委員も務める、孔鉉佑氏が挨拶に立ちました。
続いて挨拶した駐中華人民共和国特命全権大使の垂秀夫氏は、日中国交正常化50周年の節目の年に日中首脳会談が開かれ、首脳間で少なからずの共通認識を達成し、日中間でいかに建設的な関係を構築していくかが明確になったことが一番の成果だった、と強調しました。
この宣言に先立ち挨拶に立った工藤は、今回のフォーラムに参加したパネリストを始め、開催を支えたスタッフやインターン、ボランティアなどに謝辞を述べました。
プログラムの最後を締めくくる閉会の挨拶には、中国側主催者を代表して、中国国際伝播集団副総裁兼総編集長の高岸明氏が立ちました。
日本側の政府挨拶に登壇した外務大臣の林芳正氏は、国交正常化以降の50年間の日中関係を「政治、経済、文化、人的交流等の幅広い分野で着実に進歩を遂げた」と振り返りましたが、同時に「多くの課題や懸案にも直面している」とも指摘。その上で、「地域と国際社会の平和と繁栄にとって共に重要な責任を有する大国」である日中両国は、課題や懸案があるからこそ率直な対話を重ね、国際的課題には共に責任ある大国として行動し、共通の諸課題について協力する「建設的かつ安定的な日中関係」の構築という共通の方向性を、双方の努力で加速していくことが重要であると語りました。
中国側の政府挨拶に登壇した国務委員兼外交部長の王毅氏はまず、11月の日中首脳会談では、両首脳が日中関係の重要性を再確認するとともに、新時代の日中関係を目指すことで一致したことを踏まえながら、今年の国交正常化50周年、来年の日中平和友好条約45周年というこの2つの節目の年に、「両国は日中関係の初心に帰るべき」と切り出しました。
日本側の主催者挨拶には、「東京―北京フォーラム」実行委員長の武藤敏郎氏(大和総研名誉理事、元東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長)が登壇。ロシアのウクライナ侵攻により世界情勢は不安定化し、世界経済にも分断化の傾向が強まっていること、アジア地域においても台湾海峡問題など不安や緊張の高まりがあること、そして対面ではおよそ三年ぶりとなる11月の日中首脳会談の直後のタイミングであることなどを挙げながら、武藤氏は今回のフォーラムが「特に重要な意味を持っている」と強調しました。
中国側の主催者挨拶に登壇した杜占元氏(中国国際伝播集団総裁、中国翻訳協会会長)は、世界第二、第三の経済大国である日中両国が協力関係を深めていくことは、激動し、不確実性が増している世界情勢の中では、単なる二国間関係の発展にとどまらず、世界全体の平和と発展を促進するために不可欠であるとし、両国の大国としての国際的責任を強調。
続いて、基調講演が行われました。まず日本側基調講演には、「東京―北京フォーラム」最高顧問の福田康夫氏(元内閣総理大臣)が登壇。その冒頭、「世界は、混迷の度合いをますます深め、対立と分断に向かっており憂慮に堪えない」と切り出した福田氏は、その理由を「現在われわれが享受している平和と繁栄、それをもたらした戦後国際秩序が動揺を来たし、崩壊しかねない状況になっているからだ」と指摘。その上で福田氏は、習近平主席の「人類運命共同体の構築」、自身の父・福田赳夫元首相の「世界は共同体である」といった発言に触れながら、「私が(首相在任時の)2008年の日中共同声明において戦略的互恵関係を打ち出したのも、このような考えに沿うものと考えたからだ」と振り返りつつ、日中両国に協働して現行国際秩序を改善し強化する具体的作業に着手することを要望。「そうすればその先に、アジアの伝統的価値観が色濃くにじむ、人類運命共同体の姿が浮かび上がってくることだろう」と期待を寄せました。
中国側からは孫業礼氏(中国共産党中央委員会宣伝部副部長)が登壇しました。そこではまず、世界が激動する新たな変革の時期に入る中、日中関係も重要な歴史的節目を迎えているとの認識を示しつつ、こうした難局の中で健全かつ安定した発展を推進する上での大きな助けになるのは、「この国交正常化50周年来の経験と知恵」であるとし、これを真剣に考え総括し吸収することが大事だと主張。その上で自身の分析として、「国交回復の初心を振り返り平和友好の正しい方向を把握すること」、「経済協力を深化させ互恵・Win-Winの利益の繋がりを緊密にすること」、「人的文化交流を推進し両国の民意基盤をうち固めること」、「協調と協力を強化し世界の繁栄と安定した発展を促進すること」といった四点のポイントを提示しました。
はどうすればいいのか、という国際社会が直面する難題について、東京と北京、上海の3カ所から両国の有識者8人が1時間半にわたって活発な議論を交わしました。
中国側司会の趙啓正氏(元国務院新聞弁公室主任、中国人民政治協商会議第11 期全国委員会外事委員会主任)も宮本氏の主張に賛意を示した上で、12月7日に北京・人民大会堂で開催された江沢民元国家主席の追悼大会に言及。「江沢民氏は中日関係に大きな期待を寄せていた。国交正常化50年で数多くの関係者が両国の関係改善に努力した。『朝日新聞』論説主幹で北京で亡くなった若宮啓文氏が『日本海に荒波があって、どうやって同じ船に乗ることができるのか』と書かれたが、百年に一度の大変革の時代に真摯に向き合うべきだ」と語り、議論がスタートしました。
中国元財政部副部長の朱光耀氏は、1980年代から現代に至るシビアな国際金融市場環境に触れた上で、東アジアにおける経済危機に対応することを謳った2000年5月のチェンマイ・イニシアチブ(CMI)の重要性に言及。「中日両国が協力してチェンマイ・イニシアチブの実体化を推進すべきだ」と訴えました。
歴史ある「アジア調査会」会長など要職を務める五百旗頭真氏(兵庫県立大学理事長)は国交正常化50周年、来年の友好条約締結45周年の節目を迎える一方で、両国の政治環境が改善されないことに懸念を表明。「中国は世界の運命」の方向性を握っていることから、為政者は「天の下の道理を尊び 民を慈しむ」方向に進むかどうか、国際社会が注視しているとの見方を示しました。
前中国駐日本大使の程永華氏(中日友好協会常務副会長、中国人民政治協商会議第 12 期全国委員会外事委員会委員)は世界経済の「頓挫」や「新冷戦」「覇権主義」などが懸念される現状について、歴史上「百年に一度の変化が起きている」と分析。その上で「21世紀はアジアの時代」であり、戦略的互恵関係やRCEP(地域的な包括的経済連携)協定の重要性を改めて唱えました。
国際安全保障の専門家である河野克俊氏(前自衛隊統合幕僚長)は「第一次安倍政権─福田康夫政権時代の『戦略的互恵関係』が最近全く使われなくなった」と指摘した上で、ウクライナ戦争において、ロシアの「核使用」に対して中国側が明確に反対を表明したことなどを評価。国際的に懸念が高まる台湾海峡問題に関しても「尖閣諸島国有化を経て日中間の防衛交流が2013年以降途絶えている」として、早期再開の重要性を求めました。
司会の宮本氏が「日中の共通項は経済にある」との認識を示し、元日銀副総裁の山口廣秀氏(日興リサーチセンター理事長)の意見を求めました。
山口氏は「今ほど政治と経済を切り離して語れることはそうそうない。各国間の協調によって不安定化を避けている」との見解を示しました。ウクライナ戦争、北朝鮮ミサイル、台湾海峡問題などアンチ・グローバリゼーションを進める不安定要因が山積する中で、日中両国ともに共通の対応を求められると指摘。同時に「中国が改革開放路線を堅持してくれるのかどうか、日本の経済界は心配している」と述べ、両国共通の土俵づくりの構築が重要との認識を明らかにしました。
これに対して中国側司会の趙啓正氏は「中国からすると、日本のロジックは受け入れられない」「米国の空母、偵察機が台湾海峡付近をパトロールしているが、日本の基地からやって来ている。日米同盟も我々に不安を与える」と反論しました。
工藤は冒頭、第18回日中共同世論調査の結果を踏まえて、両国関係の現状について両国民の「半数近くが満足していない。いろいろな政治文書も機能していない」と指摘。その上で国交正常化50年を念頭に「過去を祝うだけでなく、岐路に立つ地域の平和と安定のアジェンダは今日的課題だ」と問題を提起しました。高洪氏も「中日両国の足下の課題だ」と応じ、議論がスタートしました。
前駐日本大使の程永華氏(中日友好協会常務副会長、中国人民政治協商会議第12期全国委員会外事委員会委員)は午前中のパネルディスカッションに続いて登壇。「孔子は『五十にして天命を知る』と言ったが、中日関係のレベルはまだまだだ」と現状を分析。その上で日本の対中姿勢に関して「『台湾有事』という言い方は一線を越えている。日中間の四つの政治文書を遵守すべきであり、日本には冷静に対処してほしい」と牽制しました。
安倍政権で外務政務官、外務副大臣、安全保障担当首相補佐官を歴任した衆議院議員の薗浦健太郎氏は、日中の外交姿勢の違いについて「中国は台湾と歴史問題、日本は尖閣諸島と軍拡を最大の問題だと思っている。意思疎通、すり合わせをすることで対話がスタートする」と分析。同時にサプライチェーン問題についても「複雑でデカップリングができるわけがない。国民感情が良くない中で、50年間の知見が問われている」と述べました。
復旦大学日本研究センター主任の胡令遠氏は過去50年間における冷戦構造の終焉、グローバリゼーションの進展に続いて、現在を「百年未曾有の時代」と位置づけました。この「三つの重要な結節点」を踏まえて「常に政治的な知恵で大きな障害を乗り越えてきた」と述べ、11月17日に初めて対面で実現した中日首脳会談で確認した五つのコンセンサスの具体的な実施を求めました。
公明党参議院会長の西田実仁氏(党選挙対策委員長)は日中共同世論調査の結果を踏まえて「両国ともに、平和を希求し、不戦を求める結果が出ている。いかにして平和の機運を求めていくかが大事だ。パワーを軽視する平和主義は、リアリズムに徹する相手国に付け入る隙を与えてしまうため、軍事バランスを保つための一定の抑止力は必要になる」と指摘。その上で「アジア版OSCEとも言うべき常設の安保協力機構で、常駐の『東アジア平和担当大使』が定期的に接触することが有益ではないか」と提言しました。
ここまでの議論を受けて、中国側司会の高洪氏が「激動の世界情勢」において「いかにして国と国の基本的信義を守り、どうやって改善していくべきか」と問題を提起して、さらなる議論の深化を求めました。
元外務大臣などを歴任した川口順子氏は世論調査結果を踏まえて「グッドニュースは、平和を希求する共通基盤があることだ」と指摘。一方で「バッドニュースはないが、チャレンジはある」として「互いに脅威と思っていること」を挙げました。続けて外交政策において「既成概念を破る発想」の重要性に加えて、国民を「根」にたとえながら「根が深く張れば、木は倒れない」と述べ、国民の理解の進展が一層重要になると訴えました。
中国国際交流協会副会長の劉洪才氏(元中国共産党中央対外連絡部副部長、中国人民政治協商会議第13期全国委員会外事委員会副主任)は四つの政治文書に言及して「50年間の成果であり、今後の両国関係をリードするものである」との認識を示しました。同時に「イデオロギーが異なっても、阻害するものはない。この議論に政治家が参加しているけれども、我々は自民党、公明党、民主党とも協議した経験があり、ベスト・プラクティクスだ。民間友好も重要であり、相互信頼の醸成に努めるべきだ」と語りました。
国民民主党代表の玉木雄一郎氏は日中共同世論調査の結果を受けて、「緊張を高める日本の世論を改めることが外交の幅を広げることにつながる」と述べました。具体的には、尖閣諸島付近の中国艦船の領海・接続水域通過問題や、ウイグル自治区人権問題に関する説明が足りないことなどを挙げました。さらに「いかなる衝突を避けるため」にも、両国間のホットラインの構築や国境を越えた若者文化交流の重要性を唱えました。
中国グローバル化シンクタンク(CCG)理事長の王輝耀氏は「我々は一衣帯水の隣人である。私は留学生の研究をしており、コロナ禍前は民間交流は1000万人を超えていたし、香港、マカオを含めて10万人超の留学生がいた」と振り返りました。その上で「より良いコロナ対策を講じて人的・文化交流の強化に努めるべきだ」と主張しました。
国交正常化40年時の駐中国大使だった木寺昌人氏(元駐フランス大使)は、二階俊博自民党総務会長(当時)が主導した2015年の「3000人中国訪問団」の成功に触れて、さながら「中日友好大会だった。それまで『中日関係を悪くしたのは日本側だ』と主張していたのが、『中日双方が努力しないといけない』という言い方に変わった」と回想しました。その上で台湾問題に関して「日本が妨げているわけではないのに、なぜ結果が出ていないのか」と疑問を投げ掛けました。同時に「これ以上関係を悪くしない、ということが一つのアイデアではないか」とも述べました。









