・北イタリア、ヨハネス23世の故郷で6人の司祭が新型ウイルスで死亡(Crux)

(2020.3.16 Crux Rome Bureau Chief Inés San Martín)

*ベルガモでは、司祭の感染者20人が入院中

 新型コロナウイルスが猛威を振るうイタリア北部、ロンバルディア州ベルガモで先週、6人のカトリック司祭が同ウイルスに感染して亡くなった。15日現在、20人が陽性で入院している。

 ベルガモ教区長のフランチェスコ・ベスッチ司教はイタリアのテレビ・ニュースでこのことを確認、「私たちの司祭は多くが、それぞれの小教区共同体で活動し、(新型コロナウイルスの感染に)さらされています… 彼らの感染は、そのしるし、人々の側にいて、苦しみを分かち合う辛いしるしです」と語り、「このとても辛い試練を誰も免れることはありません」と述べた。ベルガモはイタリアの美しい観光地!おすすめスポットや空港からのアクセスも!のイメージ

 

*市民の死者が連日50人、埋葬が追い付かない

 ベルガモは、聖ヨハネ二十三世教皇の故郷として知られており、教皇は1958年に選出された後、ほどなく祝いにベルガモから訪れた巡礼団に「今日、ベルガモは教皇を手にしました」と語ったといわれている。

 その町が今、イタリアで新型コロナウイルスの感染者が最も多い所だ。イタリアの県。15日の時点の同国の感染者2万1157人のうち16パーセント、3416人を占めている。死者も急激に増えており、連日、50人前後が亡くなるという悲惨な事態になっている。

 墓地では埋葬式が続いているが、感染防止のために、会葬者は限られた人数とし、互いから安全な距離を保つという条件つきだ。埋葬が間に合わず、現地の教会に棺が積み上げられ始めている、という。

 新型コロナウイルスが国民の日常生活に影響を与え始めて以来、ソーシャルメディアは司祭と司教が司教区を回って、予防策を講じたり、祝福を与えたりする情報であふれるようになった。

*「危機の中で、司祭たちは信徒に寄り添う最善の方法を」と教皇

 教皇フランシスコは、感染拡大の防止する措置や信徒たち、とくに高齢者や慢性疾患の患者など最も脆弱な人々の命を救うのに役立つ措置を支持しているが、ここにきて、司祭と修道者の果たすべき役割として自らが信じるサインをいくつか出している。

 15日に始めたバチカン宮殿図書館からの主日正午の祈りの動画配信メッセージで、「信徒たちが見捨てられることのないように、彼らとの密接なつながりを維持する何千もの方法を考える『創造力』を持った司祭たちに、ウイルス感染拡大の中で、使徒的熱意をもってこのことをよく理解している司祭たちに、感謝したい、と語った。

 これより前の13日には、居宅のサンタ・マルタ館のミサ中の説教で、教皇は「イタリアの司祭たちが”板挟み”の状態になっていることは理解しています」としたうえで次のように語られていた。

 「危機が続く中で、神の民に寄り添う必要のある司牧者のためにも祈ります。主が、彼らが信徒たちを助ける最善の方法を選ぶ強さと能力を与えてくださいますように。思い切った対応策がいつも良いとは限りません」「ですから、私たちは、聖霊が司牧のための識別をする力を司牧者たちに与え、聖なる、信仰深い神の民を彼らが置き去りにしないように、神の民が司牧者に付き添われていると思えるように、祈ります」と語られていた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 ・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載しています。

 

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2020年3月17日

・「米国で性的虐待を訴えられた聖職者50人以上が海外で活動」-この問題も解消めど立たず(CRUX)

(2020.3.9 Crux

 ニューヨーク発ー米国で性的虐待の疑いを持たれた司祭の50人以上が、海外で未成年者と関わる仕事を含めた宣教活動を続けている…。新型コロナウイルスの感染拡大の先行きはいまだに不透明だが、世界中に拡大している聖職者による未成年者性的虐待問題も解決のめどが立たないようだ。

 米国の非営利・独立系の調査報道機関ProPublicaと有力日刊紙Houston Chronicleが先週、共同発表した調査結果で明らかにしたもので、米国で性的虐待をしたとして訴えられた司祭約6000人の全米52の司教区の資料を分析・追跡調査した結果、ナイジェリア、アイルランド、フィリピン、メキシコなど、米国以外で新たな司牧に就いている司祭が51人に上っていることが分かった、という。また、問題司祭のうち40人はテキサス州を含む米国南部、メキシコとの国境沿いで司牧に当たっていた者で、訴えを受けた後、少なくとも21人がメキシコでの司牧を再開している。

 ProPublicaは、2018年にペンシルバニア州大陪審が「過去70年間に300人以上の司祭が1,000人以上に性的虐待をしていた」との内容の調査結果を発表して以来、これをもとに分析・追跡調査を進めてきた。「全米で、これまでに5,800人を超える問題聖職者の実名が公表され、これまでの聖職者による虐待を否定、隠ぺいして教会の長い歴史から、透明性に向けた最も包括的な一歩が記されている」 と述べている。

 だが、ペンシルバニア州大陪審が報告書を発表したのを受けて、数多くの教区が急いで自らの調査報告を公けにしたものの、その多くが不正確さや不完全さを、問題司祭たちが国外で司牧を続けるのを許されたのかどうか明記していないことも含めて、批判されてきた。今回の調査結果は、米国の多数の教区が、問題聖職者の公的名簿を公表する一方で、9000万人のカトリック信徒がいる隣国メキシコの教区は公表をしていない、と指摘している。

 先週、メキシコの司教協議会は、自国の聖職者の性的虐待危機に対処するために予定されていたバチカンからの代表派遣が、延期された、と発表した。延期の理由は公式説明では、「新型コロナウイルスのイタリアにおける感染の急拡大」だが、複数の関係者の間には、一昨年のチリへの派遣でカトリック教会の長年にわたる虐待と隠ぺいを明るみに出した”実績”をもつチャールズ・シクルナ大司教らの受け入れに、メキシコ側が難色を示した、との見方が出ている。

 また今回の調査結果は、メキシコで司牧活動を続けた問題司祭のうち、「性的虐待で訴えられた後も、簡単に国境を行き来し、教会によって”治療”に出された後も、新しいポストを確保した者がいる。他の者たちは、何十年も前に国境の南の教会に落ち着き、米国での訴追制限の期限が切れた段階で、説教と幼児の祝福をしている」と指摘した。

 1月にProPublicaがこの調査結果について最初の報道をした際、性的虐待の被害者の一部と監視団体は、訴えを受けている聖職者の世界規模のデータベース、とくに、海外で宣教する司祭ち、世界各国を頻繁に訪れる修道会司祭たちの動きを明らかにするものを作成するように、教会関係者に求めている。。

 当時、「司教の説明責任を求める会」代表のテレンス・マッキーナン氏は、Cruxの取材に対して、「現存するリストの多くは不完全であり、聖職者たちのこれまでの足取りも含めて、改善する必要がある」と語り、「理想と現実にはいくつものギャップがあります。ProPublicaが行ったことは、そうしたギャップを埋めるために、教区に強い圧力をかけることになる」と期待している。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2020年3月10日

・「米中を中心に世界の軍事費が過去10年で最大の増加」英戦略研が2020年版世界軍事情勢報告

(2020.2.15 カトリック・あい)

 英国際戦略研究所(IISS)が14日、世界の軍事情勢を分析した年次報告書「ミリタリーバランス2020」を発表した。それによると、2019年の世界の軍事費は1兆7300億ドル(約190兆円)、前年比4パーセント増え、過去10年で最大の増加率となった。

 「中国の軍予算増大に米国が応じる形で、両国の軍拡競争が加速している」のが主因で、米国と中国の軍事費の増加率はいずれも前年比6.6パーセント。中国を主体とするアジア地域の国々の軍事費の合計は、この10年間で1.5倍を上回っている。

 米国の軍事費は2019年に6846億ドル(約75兆3千億円)で、前年比の増加額534億ドル(約5兆8700億円)は英国の年間軍事予算に匹敵。中国は1811億ドル(約19兆9200億円)で、前年比増加額106億ドル(約1兆1600億円)は台湾の年間軍事費とに相当する。

 また、中国の軍事力は”質”の面でも急速に強化されており、現在の迎撃システムでは対応困難とされる極超音速滑空兵器を搭載した新型核ミサイルなどを開発しているほか、人工知能(AI)や14億人の人口を背景にしたビッグ・データ解析を利用した軍事システムの高度自動化を目指し、「軍事力の飛躍的な向上につながる可能性がある」と警告している。

 欧州も、中欧や北欧を中心に軍事費を増やす国が多く、欧州全体では前年比4.2%増。北大西洋条約機構(NATO)加盟国の多くが2024年までに防衛費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げる目標に達していないことについてトランプ米大統領が繰り返し不満を表明したことや、ロシアの脅威が再認識されている背景がある、という。

 報告書は、防衛をめぐる世界の議論は「不確実性」に集中しており、「ロシアだけでなく米国にも不安のまなざしが向けられている」と指摘している。

*英国際戦略研究所(IISS)が公表した「ミリタリーバランス2020」の要旨英文は次の通り。

 As the 2020 edition of The Military Balance is published, defence debates remain dominated by an unstable inter­national security environment.

 As the 2020 edition of The Military Balance is published, defence debates remain dominated by an unstable inter­national security environment. Some previously held assumptions about the direction of national defence policies and decision-making priorities are being questioned.

This is producing further uncertainty and may cause states to hedge their defence relations and procurement priorities. At the same time, advanced military capabilities, augmented by potentially disruptive new technologies, continue to spread.

Globally, key elements of the rules-based international order that characterised the post-Second World War period are being challenged. The demise of the Intermediate-Range Nuclear Forces (INF) Treaty exemplifies this most clearly, with its collapse precipitated by Russian breaches as well as the Trump administration’s determination – with an eye to China’s military modernisation – that the bilateral accord had outlived its usefulness.

Nonetheless, Russia showed United States’ inspectors its new Avangard hypersonic glide vehicle in late November 2019 as part of its obligations under the New START treaty. Indeed, it is noteworthy that in the current climate, observers are looking nervously not just towards Moscow, but also anxiously in the direction of Washington for signs of interest in maintaining this remaining element of the strategic arms-control architecture when it comes up for renewal in 2021.

The conflict in Ukraine’s east still simmers despite tentative progress in contacts between Russia and Ukraine during 2019. North Korea once again began testing missiles, but at year’s end had so far not resumed tests of long-range systems. Terrorists continue to challenge security forces globally, as does conflict and instability in Africa and the Middle East and North Africa. Notably, the wars in Libya and in Yemen grind on.

Meanwhile, while its territorial base might have been reduced, the Islamic State remains a threat. Scores of its fighters escaped from Kurdish-run jails in northern Syria in late 2019. This followed a US decision to withdraw military personnel from northern Syria, a Turkish incursion targeting Kurdish forces and also an advance in the north by Assad-regime forces. Nine years after the civil war began in Syria, and with Russia’s help, the Assad regime is in the ascendant.

Defence spending

US dissatisfaction with NATO allies has for years been rooted in their low levels of defence spending, relative to Cold War and pre-financial-crisis levels. However, US exhortations to spend more have combined with changing threat perceptions in European states to bring about larger defence budgets. While Europe returned to defence-spending growth as early as 2015total defence spending in Europe – when measured in real terms – in 2019 once again reached the levels observed when the financial crisis began in 2008. Overall, Europe’s defence spending in 2019 rose by 4.2% compared with 2018.

These increases in Europe are part of an international trend. Global defence spending rose by 4.0% in real terms compared to 2018 data, when measured in constant 2015 dollars. This was the largest increase observed in ten years. In 2019, defence spending by both China and the US rose by 6.6% over 2018. In nominal terms, the US increase alone – at US$53.4bn – almost equalled the UK’s entire 2019 defence budget of US$54.8bn.

NATO and Europe

Great-power competition continues to dominate Western defence policymaking and procurement. But there is less apparent unity, leadership or coordination than before in political responses, with national impulses increasingly prominent. One month before the December 2019 NATO summit in London, French President Macron claimed that the Alliance was ‘brain dead’ and seemed to cast doubt on the Article 5 commitment to collective-defence. Allies had, meanwhile, long looked nervously at US President Trump for his current view on this issue, and his comments at the summit seemed to offer little in the way of reassurance. Two out of the Alliance’s three nuclear powers have now vacillated on the key issue of the collective-defence clause. Furthermore, November also saw NATO state Turkey mount joint patrols in northern Syria with Russian forces. Earlier, Ankara took delivery of elements of Russia’s S-400 air-defence system.

Macron’s answer to NATO’s troubles was that Europe should be more militarily capable and that it should reopen a strategic dialogue with Russia. The French leader said that questions over US commitment should lead to a reassessment of ‘what NATO is’. The commitment issue is generating the most concern. Both within NATO and beyond, and unlike in the past, the arrival of additional US personnel and equipment is not necessarily allaying allies’ and partners’ concerns about long-term US strategy, commitment and engagement, or wholly deterring opponents. The US continues to deploy personnel to Eastern Europe and in 2019 increased its deployments to the Gulf-region in response to Iranian activity. However, these did not effectively constrain Tehran, as shown in the September attack on Saudi oil facilities. And while these capabilities highlighted the range of military options open to the US, there was less discussion of strategy. Moreover, these deployments highlighted the challenge in maintaining a focus on the Asia-Pacific.

Regardless of allies’ worries about Washington’s commitment, they still have some way to go before they would be able to act effectively without US military assistance in anything but a relatively undemanding contingency. It is, for instance, unclear whether the current range of EU-level defence initiatives will significantly improve military capabilities in the near term. 2019 saw more projects agreed under the Permanent Structured Cooperation (PESCO) defence initiative. The real challenge, however, will not be in accumulating new projects, but instead in closing those that are not performing. Meanwhile, the French experience since 2013 in its military commitment in the Sahel – where it has not only deployed its own armed forces but also relied on allies and partners in areas where it is lacking, such as airlift support from the UK and US – underscored the limitations and dependencies of European NATO and EU member states.

It may transpire that Washington cannot always supply capabilities needed by allies and partners. States in the Gulf, for instance, may no longer be able to rely on US ISR to fill their own capability gaps as US security concerns deepen else­where. IISS analysis in 2019 indicated that European NATO members would have to invest between US$288bn and US$357bn to fill the gaps highlighted by a scenario where they would have to defend their territory without US support against state-level attack. Enablers are vital. EU members’ tanker and tanker/transport aircraft numbered 49 in 2019, while the US figure was 555. Were a crisis to erupt that required rapid mobility of US equipment, for instance in the Asia-Pacific, it is highly likely that the US would look to move relevant enabling assets from where they are currently stationed.

Russia and China

These debates take place in an environment where potential adversaries continue to accelerate their military modernisation. The fortunes of Russia’s Su-57 Felon multi-role fighter improved in May 2019 when President Putin increased the order in the current State Armament Programme from 16 to 76. It is also moving ahead with the development of faster and wholly new weapons. Its Burevestnik nuclear-powered and nuclear-armed cruise missile, and the Status-6 nuclear-armed long-range autonomous underwater vehicle, may have seen only halting progress, but hypersonic plans are firmer. The Avangard system (SS-19 Stiletto mod. 4) was on the brink of service entry at the end of 2019. The Kinzhal air-launched ballistic missile has been observed on MiG-31s, while Moscow has spoken of further integrating precision weapons on naval vessels. The ‘Kalibr-isation’ of the fleet has been noted in recent years; Moscow is now discussing fitting to its naval vessels the 3M22 Zircon high-speed anti-ship cruise missile.

China’s October 2019 military parade, marking the 70th anniversary of the People’s Republic, highlighted the breadth of its military modernisation process and showcased systems designed to achieve military effect faster and at greater range than before. The DF-17 hypersonic glide vehicle was displayed at the anniversary parade. China’s system is intermediate range, while Moscow’s Avangard may be intercontinental. Concerns over China’s military modernisation loom large in Washington’s policy considerations, and they are driving many equipment and procurement decisions both in the US and elsewhere.

Systems like these pose additional challenges for air defences. They complicate early detection, target acquisition and successful intercept. Achieving all three is not impossible, though the number of targets that may arrive fast or slow, high or low, perhaps with signature-management features, means that investments will be needed in better radars, interceptors and command and control, all underpinned by ever-faster computing power and better coordination with partner countries. These weapons are being integrated in order to rapidly achieve destructive effect but perhaps also because this will help to outpace and undermine an enemy’s decision-making cycle; this might, in turn, have implications for strategic stability.

Both China and Russia continue to modernise their conventional military forces. Moscow is improving its air-assault forces’ mobility and striking power and also its artillery capabilities, among other areas. It is more closely integrating UAVs into its artillery find-fix-strike complex. China, meanwhile, stood up the first operational unit with its Chengdu J-20A combat aircraft, and has maintained recent progress in developing and fielding air-launched missiles. It also continues to build increasingly sophisticated naval vessels, which is an important factor motivating other Asian states to do the same. Both China and Russia aspire to improve their military capability by integrating emerging technologies such as artificial intelligence.

Today’s challenges

In this environment of continuous, evolving and even accelerating competition, the response options for Western states might include integrating increasingly novel technologies or spending more to stay ahead. Alternatively, they could accept a levelling playing field as a new norm and adapt their strategies instead. This relates not just to conventional military power but also to cyber capability and the consistently contested information environment.

A related challenge is that of competitor states now using strategies to achieve effect by operating below the threshold of war. Examples include Russia’s initial moves into Crimea and its denials over involvement in eastern Ukraine, its use of chemical weapons in the UK and its alleged election meddling. Iran’s activities are another example. Its ability to conduct warfare through third parties has ‘given Iran a strategic advantage over adversaries reliant on conventional capabilities’, according to the IISS Strategic Dossier on Iran’s networks of influence.

Capabilities routed through third parties, disinformation campaigns or kinetic actions that are denied outright are hard to tackle with conventional military responses. They place a premium not just on developing the right military and intelligence capabilities, but on boosting the adaptability and resilience of equipment and military forces and, more broadly, of societies and political decision-making. The same holds true when dealing with developments in new military or militarily-relevant technologies. In all cases, working effectively with partners, and making use of relevant international frameworks, have the potential to act as a force multiplier. However, while conflict still involves hard military power, it is now more diffused than before. It now involves a greater number of actors and more capabilities, some of which are not traditionally ‘military’, and clear outcomes in peace, war and the grey space between are, accordingly, less certain.

 

 

2020年2月15日

・人口減少、高齢化が日本経済に与える打撃にどう対処するかーIMF報告

(2020.2.12 カトリック・あい)

世界一の高齢化が日本経済の将来に影響(photo: iStock/Satoshi-K)

 国際通貨基金(IMF)が10日、日本の高齢化が今後40年の間に日本経済に与える深刻な影響についてレポートを公表した。日本の教会の今後を考える参考にもなるだろう。

 それによると、日本の人口は急速に高齢化し、減少している。平均年齢は48.4歳で、日本の人口は世界で最も高齢化が進んでいる。日本政府は、2060年までに生産年齢の1人に対して、高齢者がほぼ一人の割合になる、と予測し、人口は40年間で現在の人口1億2,700万人から4分の1以上減るとしている。マレーシアまたはペルーの全人口が無くなるのと同じ規模だ。高齢化の加速と人口の減少で、日本は世界的な人口動態の変化の最先端にあり、経済を含めた多くの課題を抱えています。

 IMFは、日本経済についての最新の評価で、2020年の経済成長が前年比0.7%上昇し、回復力を維持すると予測している。近年、日本では、女性の労働力は大幅に増加しているものの、人口の減少と高齢化が、経済成長と生産性の両方を低下させる。最近のIMFの調査では、日本の経済成長は、今後40年間、毎年平均0.8ポイント低下すると予測しています。

 高齢化と人口減少によって税収の基盤が縮小する一方、医療や年金などの人口高齢化に伴う財政支出が増加するため、日本の国家財政に負担が増す。

 人口動態の傾向は、低金利と密接に関係する。日本のような高齢化社会では、退職前の段階で、個人は退職のための貯蓄を増やすものの、日本経済の先行き見通しの弱さから投資は控えられる。それが、市場金利を低く抑え、金融機関の収益性を低下させる。

 日本の急速な人口減少は、過剰供給とそれに伴う住宅価格の下落、特に農村地域での住宅不足にもつながっている。このような住宅市場への影響は、家計や銀行の財務健全性に対するリスクを高め、日本の金融部門の脆弱性は、人口動態の傾向が続くにつれて大きくなる。

 こうした課題に対して、日本政府は、金融緩和、柔軟な財政政策、構造改革(特に労働市場改革)を含む「アベノミクス」政策を強化する必要がある。包括的な政策は、潜在的な経済成長を後押しし、日銀のインフレ目標を達成し、公的債務を安定させるために必要だ。金融政策は、日銀の短期および長期の金利目標を維持することを含む緩和的な金融政策スタンスの維持。財政政策については、l財政の持続可能性を確保しながら、支援的な短期刺激を維持する必要がある。

 重要なのは、本質的に「構造的」な政策改革が日本の人口動態の逆風を乗り切るために不可欠であるということだ。労働市場改革は、成長とより高いインフレをサポートするという点で最大の利益をもたらすことができるため、最優先事項となる。女性と未雇用者の職業訓練と雇用機会の増大は、労働生産性と賃金の向上に役立ちます。女性、高齢労働者、外国人労働者を増やすことで、労働力を確保する改革が必要である。たとえば、育児の支援体制充実は女性の労働市場への参加を促し、企業の定年制廃止は高齢労働者を支える。

 製品およびサービス部門の規制緩和、中小企業の改革、およびコーポレートガバナンスの改革は、生産性と投資を高めるために重要。貿易をさらに自由化し、外国直接投資を促進する改革は、投資と成長につながる。

 以上のような改革の実施により、日本の人口動態に起因する予測成長率の60%を相殺できる可能性がある。さらに作業の「自動化」、特に医療、輸送、イ​​ンフラ整備事業、金融分野での「自動化」は、高齢化と人口減少によりもたらされる課題を軽減するのに役立つだろう。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

Product and service sector deregulation, reforms to small- and medium-sized enterprises, and corporate governance reforms are important to lift productivity and investment. Reforms to further liberalize trade and promote foreign direct investment will further support investment and growth. A credible implementation of the reforms outlined above could offset as much as 60 percent of the predicted demographic-driven growth slowdown. Moreover, automation can also help mitigate the challenges brought on by an aging and shrinking population, particularly automation in healthcare, transportation, infrastructure, and fintech.

Interested in learning more about the economic impact of changing demographics? Our March 2020 issue of IMF F&D magazine will focus on this topic. Click here to sign up to our newsletter and be alerted of the launch.

 

 

2020年2月12日

・人身売買被害者支援に新機軸「SUPER NUNS」が始動

Pope Francis inaugurates Super Nuns, an initiative of Talitha Kum 

Pope Francis activates SuperNuns, an initiative of Talitha Kum

(2020.2.8 VaticanNews  Linda Bordoni and Sr. Bernadette Reis)

 寄付や詳細については、Talitha Kumウェブサイトhttps://www.talithakum.info/へ。

(翻訳・編集「カトリック・あい」)

 

 

 

2020年2月10日

・アフリカ南部全域で4,500万人が気候変動危機により、飢餓に直面(WFP)

(2020.2.6 WFP=国連食糧計画=ニュース)

クバタナ発育阻害防止センターにおける国連WFPの活動。ジンバブエ・ムタレ地区 写真:WFP/Matteo Cosorich
クバタナ発育阻害防止センターにおける国連WFPの活動。ジンバブエ・ムタレ地区 写真:WFP/Matteo Cosorich

 ヨハネスブルク/ロンドン 16カ国からなる南部アフリカ開発共同体の4,500万人-その大半が女性と子ども-が、繰り返される干ばつと広範囲にわたる洪水、経済的混乱による深刻な食料不足に晒されています。
危機の重大性が増すなか、人々の命を救い一帯が気候変動に適応できるように今、国際社会は力を合わせなければならない、と国連WFPは警鐘を鳴らしています。

 「この度の飢餓は未曽有の危機レベルにありますが、今後更なる悪化を遂げるであろうと状況が示していま」。国連WFPの南部アフリカ地域局長ローラ・カストロは述べました。「例年通りサイクロンシーズンが始まりました。昨年のような前例をみない規模のサイクロンの被害が繰り返された場合、もう持ちこたえられないでしょう」。

 カストロは続けました。「困難にある数百万の人々への即時支援が最優先事項ではありますが、頻度を増し壊滅的な被害をもたらす干ばつとサイクロンによる危機的事態からの回復(レジリエンス)力の構築こそが絶対に不可欠です」

 穀物の収穫期を迎える4月/5月に先立つ「リーンシーズン」(=収穫期直前に最も食料が不足する時期)の問題が深刻度を増すなか、絶望的な飢餓状態にある南部アフリカの数百万の人々への緊急支援、ならびに悪化を続ける気候変動に対し、耐久性を得るための地域の脆弱性克服に向けた長期的支援、この両者を国際社会はより迅速に執り行う必要があります。

 気温上昇が世界平均の2倍もの伸びをみせ、減少し続ける降雨に全てを依存する自給自足農家にその食料生産の殆どを頼る南部アフリカですが、過去5年間で1度しか通常の穀物の生育期を迎えられていません。今年の降雨も多くの地域でやはり遅れており、専門家は今後も暑く乾燥した天候が続くと予報し、さらなる不作が見込まれます。

 国連WFPは「危機的状況」または「緊急事態」レベルの飢餓状態にあって特に被害の多いジンバブエ、ザンビア、モザンビーク、マダガスカル、ナミビア、レソト、エスワティニとマラウイ8カ国で飢えに喘ぐ830万の人々に対しリーンシーズンの間の支援を計画しています。

 これまで、国連WFPは支援に必要とされる4億8,900万米ドルのうち2億500万米ドルしか確保できておらず、支援実施のために内部の借入れに大きく頼らざるを得ません。

 ジンバブエは過去10年で最悪の飢餓の危機に直面しており、770万人-全人口の半数-が深刻な食料不安を抱えています。長い間一帯の穀倉であり続けていたザンビアも、今では穀類の輸出を制限し、外部からの支援受け入れに転じており、20%の人々が食料不足です。干ばつの直撃を受けたレソトの人口の20%、そしてナミビアの10%の人々も酷い空腹に苛まれています。

 栄養不良、人口増加、格差、そしてHIV/AIDSがすでに高い割合を示す状況下で、急激な食料価格の上昇、大規模な家畜の損失ならびに失業の増加が飢餓の緊急事態に追い打ちをかけています。一帯の家族は食事の量や回数を減らし、子どもの通学をやめさせ、貴重な所有財産を売り払い、借金苦に陥っています。

 「必要とする支援額を満たせなかった場合は、支援対象の人数や量を減らす以外に手立てはありません。」とカストロ国連WFP南部アフリカ地域局長は語ります。「そして、気候変動という実存する危機に対抗していくために不可欠である長期的な対策を適切に拡大することも難しくなるでしょう」。

(お問い合わせは「WFP国連世界食糧計画日本事務所 広報官 上野きより Tel. 03-5766-5211 Email. press@wfp.or.jp)

*支援のための寄付はhttps://www.jawfp.org/oneshot へ。

へ。

 


 

気候変動の影響を受け、深刻な飢餓に苦しむ南部アフリカを救うために、 皆様のご支援をお願いします。
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2020年2月6日

・トリノの聖骸布が今年12月に特別一般公開、多数の青年も巡礼を予定

教皇フランシスコ、2015年のトリノの聖骸布公開で教皇フランシスコ、2015年のトリノの聖骸布公開で  (Vatican Media)

(2020.1.30 バチカン放送 ロビン・ゴメス)

 イエス・キリストを埋葬した際、遺骸を包んだとされる「トリノの聖骸布(せいがいふ)」が、イタリア、トリノで開催されるテゼ共同体のヨーロッパ青年大会に合わせ、今年12月、一般公開されることとなった。今年の公開は、2000年以来、5回目となる。

 信心を集める埋葬布の特別公開は、昨年末、ポーランドで行われたテゼ青年大会の場で、次期大会のトリノ開催が伝えられたことに伴い、トリノのチェザレ・ノシリア大司教によって発表された。(テゼとは、フランスのテゼ村で共同生活をし、一致と平和を祈るキリスト教超教派の共同体)

 「聖骸布」はトリノのカテドラルに安置されている。聖骸布について教会の公式の見解や教えはないが、2015年4月から6月にかけての前回の公開では、教皇フランシスコがこのカテドラルの聖骸布の前で沈黙のうちに祈り、前の広場で行われたミサの終わりに、「聖骸布はキリストの愛のイコン、しるし」として、次のように語られた。

 「聖骸布には、イエスの御顔、鞭打たれ十字架につけられた、傷ついた体が表れ、人々をひきつけます。同時に、すべての苦しむ人、不当に迫害される人、一人ひとりへと心を向けるよう、私たちを促します。それはイエスの愛の贈りものと同じ道を歩むよう私たちを招くのです」。

 これまでも歴代の教皇が、聖骸布公開の折に北イタリアのこの都市を訪れており、1998年、教皇聖ヨハネ・パウロ二世は「この布を取り巻く謎は、本当にイエスを埋葬した布であったのか、信仰と科学のさまざまな問いを投げかける」と述べ、継続的に研究するよう促した。ベネディクト十六世は「聖骸布は、十字架につけられた人の血によって描かれたイコン」と語っている。

 ノシリア大司教は、トリノとテゼ共同体が数十年にわたり育んできた絆を指摘する。トリノを州都とするピエモンテ州の、多くの青年グループは、毎年開催地を変えて行われるテゼの大会、「地上における信頼の巡礼」に参加している。またテゼの祈りの集いもたびたびトリノで行われている。

 トリノの教会は、同市が初めて迎える「地上における信頼の巡礼」の何千人もの若者を家庭や修道院に迎えるため、準備を進めている。ワークショップや交流イベントのほか、聖骸布について祈り、深める時も持たれる。

2020年2月5日

・ロヒンギャ迫害ー国際司法裁判所がミャンマー政府に防止措置命令

(2020.1.24 NHKニュース)

 この裁判はミャンマーのイスラム教徒の少数派、ロヒンギャの人たちに対する迫害が大量虐殺などを禁じた条約に違反しているとして、イスラム協力機構を代表して西アフリカのガンビアがオランダのハーグにある国際司法裁判所に提訴しているものです。

ガンビアはこれ以上の迫害を止めるためだとして、裁判所に対し、暫定的な措置をミャンマー政府に指示することも求めていて、判断が注目されていました。

国際司法裁判所は23日、「ロヒンギャは今も危害を加えられる状況にある」などとして、ミャンマー政府に対し、殺害や迫害を防止するためのあらゆる措置を取ることや、4か月以内に対応策をまとめた報告書を提出することなどを求める命令を出しました。

今回の命令は暫定的なもので、ミャンマーが大量虐殺などを禁じた条約に違反しているかどうかについて、最終的な判決には数年かかるとみられています。

しかしロヒンギャの人たちが依然として危険な状況にあると、国際的な司法機関が認めたことで、ミャンマー政府に対する国際社会からの圧力が一段と強まることも予想されます。

ミャンマー外務省 条約違反ないと主張し続ける方針

 ミャンマーの外務省は国際司法裁判所が暫定的な命令を出したことを受けて声明を発表しました。この中で、「ミャンマーにとっては、国際司法裁判所が本件で事実に基づいた正しい判断に至ることが重要だ」として、「ミャンマーに条約違反はない」と裁判で主張し続ける方針を示しました。

一方、国際司法裁判所による暫定的な命令に対しては「留意する」と述べるにとどまり、ミャンマー政府として暫定的な命令に具体的にどう応じるのかは明確に示していません。

2020年1月24日

・憂慮すべき、急激な悪化を遂げる国々-早急に支援が必要な国は(WFP)

(2020.1.15 WFP(国連食糧農業計画)レポート)

 南スーダン、ウロール郡ピエリでの食料配給。Photo: WFP/Gabriela Vivacqua

 「国内事情の混乱により、生活も食べることも、そして日常の移動すらままなりません。」ハイチ、アーチボナイト県最大の都市ゴナイベス郊外の小規模な土地で野菜や果実を栽培するオセナ・プレビロンさんは語ります。

 ハイチは、2020年に迅速な支援強化を行わないと、危機的状況へ突入するリスクが高いと国連WFPが警鐘を鳴らす国々の中でも上位にランクされています。

 国連WFPによる報告書「WFP’s Global Hotspots 2020 report」は、数百万人が食料危機に瀕し、早急な対応が必要となる15の緊急事態について報告しています。

 報告書は、世界中の脆弱な地域が食料不足に陥るのを食い止めるために、国際社会による迅速な数十億ドル規模の投資の必要性を示しています。

 報告書では、各国の危機状況のレベルごとに、その背景、人々への影響、そして危機状況の進行を食い止めるためのWFPの手立てを述べています。

 「気温が50℃に達し、ビクトリアの滝も細い水流になっている。」数十年に一度の大干ばつに見舞われるジンバブエも、最も危険度が高い国とランクされています。

 「このままでは、2月の終わり、つまり飢餓のピークと同時期-最も必要な時期-に食料が底をつきます。」国連WFPジンバブエ・副代表ニールズ・バルザーは続けます。「支援が実効化され、人々の食卓に食料がもたらされるのに3カ月を要するため、緊急の支援確約が必要です。」

 報告書はジンバブエにおける食料不足が過去10年で最高レベルの危機に瀕し、およそ全人口の半数‐770万人‐がひどい飢えに晒されていると警告しています。国連WFPは支援をほぼ倍増させることでそのうち410万人に食料を行き渡らせたいと考えています。

10月の大雨のあと南スーダン北部の町アウェイは大きな打撃をうけた。 Photo: WFP/Gabriela Vivacqua

 ひどい内戦により380万人が難民化した南スーダンも同様に根深い問題を抱えています。経済の停滞、機能不全に陥ったマーケット、インフラの不足や気候変動の全てが復興のための努力を阻んでいます。

 報告書は「国土の一部は2019年の深刻な干ばつと洪水に打ちのめされ、およそ100万人と73,000トンの穀物がに被害を受けました。」と追記しています。

 「神は私たちをお見捨てになったの?そう考えてしまうこともあるわ」。国連WFPの現地訪問に際し、南スーダンの農婦はそう嘆き悲しみました。

 ブルキナファソ、ピッシラの難民キャンプの一家‐昨年で40万人の国内避難民が増加した。Photo: WFP/Marwa Awad

 見放された、とはサハラ以南の中央アフリカ地域の状況をまさに的確にあらわしています。報告書によれば、マリ、ブルキナファソそしてニジェール西部は気候変動、紛争そして人々の難民化という様々な苦難に直面しています。

 WFPの緊急対策部門ディレクターのマーゴット・ヴァン・デール・ヴェルデンはこの地について「紛争が急速に拡大しています」と憂慮しています。「毎日、惨劇の中ようやく村々から脱出し、生きながらえた人々が到着します。何人かは自身の所持品を求めて村々へ戻りますが、戻ってこないことをみると殺されてしまったのでしょう」

 国連WFPでは世界80カ国での支援活動のためには100億ドル以上が必要となると算出しています。この達成なくしては支援計画に重大な危機が生じます。

 ブルキナファソ、サンマンテガ州、カヤ-2020年に危機的状況に陥るリスクを抱えるサハラ以南のアフリカ中部諸国のひとつ。Photo: WFP

 国連WFPの事務局長デイビッド・ビーズリーは「国連WFPでは毎年12カ月先の計画をたて、我々の人道開発支援の目標に賛同を示してくれる各国政府、民間そして一般市民の皆様からの支援を募っています。」と述べ、また国連WFPについて「完全に善意の寄付により成り立っている機関である。」と付け加えました。

 「世界は容易い場所ではありません」ヴァン・デル・ヘイデンは重ねます。「そして2020年をみてみると、国連WFPはまさに緊急性を要する新たな強大な課題に直面しています。」

*皆様のご支援をお願いします。ご寄付はこちら: https://www.jawfp.org/oneshot

2020年1月21日

・北朝鮮や中国、インド、アフリカなどで教会破壊、投獄など急増ー信徒迫害の監視団体年報

(2020.1.19 カトリック・あい)

 キリスト教系の世界の迫害を監視をする「オープン・ドアーズ」が15日、キリスト教徒に対する迫害が目立つ50か国に関する年報「ワールド・ウォッチ・リスト2020」を発表、教会やキリスト教関連施設に対する攻撃や、信仰を理由としたキリスト教徒の投獄が急増していることを明らかになった。北朝鮮や中国、イラン、ソマリア、エリトリアなどが引き続き問題国の上位を占め、イスラム過激派によってキリスト教の共同体が破壊され、大きな混乱が引き起こされている国々も新しく追加された。

 年報の発表会は、ワシントンで米政府の代表や米議会議員、国際宗教自由委員会、著名な人権活動家たちを集めて開かれ、冒頭、オープン・ドアーズ米国のデイビッド・カリー会長は「今年報は、キリスト教徒に対する迫害に関して最も信頼性のある草の根活動の中で集めたデータをもとにしており、世界に、迫害の激化に警笛を鳴らすものになるだろう」と述べた。

 年報では、2018年11月1日から2019年10月31日の間に、50か国で前年比6%増、約2億6千万人のキリスト教徒が「高レベルの迫害」を経験し、9488か所の「教会もしくはキリスト教関連施設」が被害を受けた。裁判の手続きなしに逮捕、投獄されたキリスト教徒は、前年の2625人から3711人に大きく増えている。信仰を理由に殺害されたキリスト教徒の数は、少なくとも2983人。

前年の調査4136人より少なくなっているが、カリー会長がクリスチャンポストのインタビューに答えたところによれば、ナイジェリアのイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」による殺害件数が減ったことが理由の一つだが、「ボコ・ハラムが『暗殺』から『路上での襲撃や誘拐』に戦術を変えており、その件数は急増している。ボコ・ハラムはカメルーンやチャド、ブルキナファソに勢力を拡大している」という。

 2019年の現状調査をもとにした年報で、国別の迫害10か国に入ったのは、前年と同様にトップが北朝鮮。地下教会が成長を続けてはいるものの、金正恩政権が数千人のキリスト教徒を強制労働所に収容し続けている。

 2位はアフガニスタン。3位から順に、ソマリア、リビア、パキスタン、エリトリア、スーダン、イエメン、イラン、インド。インドでは2014年に、ヒンズー至上主義を理念とするインド人民党が政権を取った後、キリスト教徒への迫害が急増している。

 様々な宗教団体に対する不適切な取り扱いや、大量のイスラム教徒を収容していることで強く批判されている中国は、前年の27位から順位を上げ23位となった。中国政府は、登録されていない家の教会で礼拝をしたという理由で、数え切れないほどの牧師や信者を投獄している。

 カリー会長によると、中国では5596の教会が閉鎖され、その理由のほとんどは、教会が監視カメラの設置を拒否したため、という。「監視を通して国民を支配する中国は、人権に対する最も大きな脅威を象徴している」と非難した。

 東南アジアでは、スリランカが前年の46位から30位に順位を上げた。同国では昨年のイースター(復活祭)に、イスラム過激派が3つの教会と3つのホテルをターゲットにした自爆テロを行い、250人以上が死亡、500人以上が負傷した。

 また、イスラム過激派の活動がサハラ砂漠以南のアフリカ諸国、特に政府の支配力が弱まった地域で急増し、教会が閉鎖され、多数の住民が自宅から避難を余儀なくされている。新たに迫害国のリストに追加された一つがブ西アフリカのルキナファソで前年の51位から、今年は28位となった。

 同国北東部で、イスラム過激派によるキリスト教徒に対する攻撃が激化しており、2019年には推定で250人以上のキリスト教徒が殺害された。12月には礼拝中の教会が襲われ、少なくとも14人が殺されている。国連も同国について、「最も住民が緊急避難を要する危機が拡大しているアフリカの国の一つ」とし、急速な治安の悪化で、多くの住民が避難を余儀なくされている、としている。

 他のアフリカ諸国でも、中央アフリカが25位、マリが29位。ニジェールはも今回、初めて50位となり、”迫害国”のリストに入った。

年報の全文はhttps://www.opendoorsusa.org/wp-content/uploads/2020/01/2020_World_Watch_List.pdfでご覧になれます。

 

 

2020年1月20日

*気候変動でザンビアが大飢饉の背戸際に-長期干ばつで200万人が飢える

Climate change adversely affecting countries in southern Africa

  ザンビアは、英国の植民地だった国で、英連邦加盟国のひとつ。内陸国で、コンゴ民主共和国タンザニアマラウイモザンビークジンバブエナミビアアンゴラボツワナの8つの国に接している。人口は世界銀行によると2018年現在、1735万人。ヴィクトリアの滝があり、アフリカを代表する動物たちも多く住み、自然が大変よく残される一方、北部には鉱山が多数存在し、独立以前から銅の生産を主産業とする大鉱産国だ。2018に発表された世界平和度指数ランキングでは163か国中48位となり、アフリカでもっとも平和な国の一つとして評価されてきた。

 だが、1964年の独立以来、中国と経済的、軍事的に関係を深め、国内の鉄道建設などインフラ整備にも中国に依存してきたが、1998年には銅鉱山を買い取った中国人による労働組合設立の弾圧事件が起き、や、2006年の中国人の賃金未払いによる労働者デモで中国人監督が労働者に発砲した事件など、社会不安も起き、政府は対中国を中心に多額の累積債務を抱えるなど、マイナスの影響が深刻化している。

 日本は従来からザンビアに対して、無償援助を中心にした援助に力を入れてきたが、中国の存在感に圧倒されているのが現状。

 干ばつ対策、飢饉対策の遅れも、このような問題が背景にある、との見方もある。

2020年1月6日

・欧州議会、中国の新疆ウイグル自治区の”再教育キャンプ”を糾弾(BW)

 中国・新疆ウイグル自治区の反体制派イルハム・トーティが2019年のサハロフ賞を受賞した翌日の19日、欧州議会は、同自治区のウイグル族イスラム教徒の収容所を閉鎖すべきだと中国政府に伝えることを決議した。

 中国政府・共産党は、同自治区で悪名高いウイグル族イスラム教徒の”思想改造”のための収容所を、「職業訓練センター」あるいは「専門学校」だと説明して来た。だが、欧州議会などの重要な国際機関はこの嘘を信じない。中国共産党によって投獄され、思想改造する「再教育キャンプ」と呼んでいる。収容所の目的は、彼らの人生とアイデンティティを改めさせ、「中国化」すること、つまり、「良い共産主義者」にすることだ。

 同自治区の現状を知りたい人には、漏えい文書、当事者の証言、証拠の写真、ビデオなど、大量の資料を利用することができる。学者たちは現在、同自治区の収容所には最大で300万人が拘束されている、と見ている。収容されている人の大半は、イスラム教を信じ、漢民族以外の民族に属している人だ。多くはウイグル族であり、独自の言語、文化、伝統を持っています。ウイグル族以外にも、イスラム教徒が大半のトルコ人も数千人が収容されている。他にも、「全能の神の教会」など、他の宗教的少数派もいる。

 残念ながらこれまでのところ、世界の多くの人々は、中国政府・共産党が作った偽情報ー収容されているのはテロリストだ、という話ーを信じてきたが、19日にフランスのストラスブールで開かれた欧州議会の議員たちは「中国のウイグル族抑圧に対する深刻な懸念」を表明し、中国政府に対し、新疆ウイグル自治区の「再教育キャンプ」を直ちに閉鎖し、「すべての拘留者を無条件で釈放する」よう求める決議案を採択した。

 この決議さらに、中国の「予防的公安システム」、「刑事犯罪に対する告発、裁判または有罪判決なし拘禁」、ならびに「拷問、宗教的実践に対する強い制限および広範なデジタル化された監視システム」を糾弾し、中国当局に対し、「独立ジャーナリストと国際的なオブザーバーに新居ウイグル自治区への自由な立ち入り権を与え、現地の状況を調査させるよう求めている。

 深刻な懸念の別の理由を、欧州議会は「海外のウイグル人が中国当局から脅されていることによる」という-他のウイグル人についての情報を提供したり、新疆ウイグル自治区に帰還したり、あるいは、国内の家族を拘束することで、沈黙させたりするーことだ。

 欧州議会は、「EUがこれまで使用してきた方策が、中国の『人権擁護の記録』に目に見える進展をもたらさなかったことを認識しており、「新疆ウイグル自治区における基本的人権に対する弾圧に責任を負う中国」に対して、適切かつ効果的であると判断された場合、対象を絞ったEU域内の中国資産の凍結を含む制裁を実施するよう、執行機関である欧州理事会に求めている。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

*Bitter Winter(https://jp.bitterwinter.org )は、中国における信教の自由 と人権 について報道するオンライン・メディアとして2018年5月に創刊。イタリアのトリノを拠点とする新興宗教研究センター(CESNUR)が、毎日7言語でニュースを発信中。世界各国の研究者、ジャーナリスト、人権活動家が連携し、中国における、あらゆる宗教に対する迫害に関するニュース、公的文書、証言を公表し、弱者の声を伝えている。中国全土の数百人の記者ネットワークにより生の声を届け, 中国の現状や、宗教の状況を毎日報告しており、多くの場合、他では目にしないような写真や動画も送信している。中国で迫害を受けている宗教的マイノリティや宗教団体から直接報告を受けることもある。編集長のマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)は教皇庁立グレゴリアン大学で学んだ宗教研究で著名な学者。ー「カトリック・あい」はBitterWinterの承認を受けて記事を転載します。

2019年12月20日

・「リーダーシップを取りたいなら、性的虐待で汚れた家をきれいにして」-汎アフリカ会議でシスターが警告

(2019.12.7 Crux  national correspondent Christopher White)

Nun warns African Catholics, ‘If you want to lead, clean house on abuse’

Sister Mumbi Kigutha presents at the Pan-African Congress in Nigeria. (Credit: Crux / Christopher White.)

 ナイジェリア、エヌグ発-「神学、社会、司牧生活」をテーマにした汎アフリカ・カトリック関係者会議が6日から4日間の予定で、ナイジェリア南東部のエヌグで始まった。ケニアから会議に参加した the Sisters of the Precious Bloodのシスター・ムンビ・キグサは7日の会合で講演し、アフリカでカトリック信徒が増加を続け、世界をリードする立場に立とうとしているが、「そのまえに、まず、聖職者による性的虐待問題を一掃する必要があります」と参加した指導的立場にある聖職者たちに訴えた。

 「アフリカは世界で最もカトリック人口が増え続けている地域であり、信徒数は2050年までに3億5,000万人に達すると予想されています… それはすでに世界中の教会で実感されています。教会の信徒席に座っている信徒を見ても、司祭を見ても、どこでもです」と彼女は述べたうえで、「しかし、教会でリーダーになろうとするなら、まずその前に、家を掃除する必要があります」と強調。

 「私たちは傷つき、キリストの体は病んでおり、聖職者、一般の信徒、そして加害者も被害者も、皆、癒しを切望しています… 聖職者による性的虐待は未成年者に焦点が当てられ、修道女に対する性的虐待はほとんどが伏せられたままです」と指摘し、マリアの医療修道会の会員であり医師のシスター・マウラ・オドノヒューの被害報告がバチカンから無視された1994年の ことを例に挙げた。

 25年後、教皇フランシスコは聖職者による性的虐待への対応に関する全世界司教協議会会長会議を招集し、参考人として呼ばれたナイジェリアのシスター・ベロニカ・オプニボは「聖職者の性的虐待は、欧米だけの問題ではありません。世界的な問題です」と訴え、教皇は記者会見で、聖職者たちによる修道女への性的虐待を認め、防止のための努力が教会に必要であることを強調していた。

 キグサ女史は、講演で、教会で聖職者による性的虐待が絶えない根本的な原因として、権力と”境”、隠ぺいと支配の文化、文化的規範と女性の役割への認識の欠落などを指摘し、「司祭に与えられた権限はしばしば他の修道者との”境界”を曖昧にし、特にそれが女性だった場合、権限行使の対象の一部にされてしまう… そうした権力は個人的に財務、不動産、車両、その他教会関係の支配を通して振るわれます。教会の秘密主義は、しばしば被害者を犠牲にしても自分を守ろうとします」と批判。

 「こうした状況は、家庭内暴力と同じように虐待する側が我が物顔に振る舞うのを可能にし、被害者に家庭の中で問題を治めるようにさせる… 虐待をする者はこれらの現実をよく知っており、他者を傷つける時に、すべてがうまくいくことを知っているのです」と訴えた。性による差別に関しても、「教会は性による差別を強め、女性を男性が利用できるようにし、それは修道女が司祭の仕事を容易にするために果たしている役割でさらに強化されています」と述べた。

 さらに彼女は、最近ローマで開かれた2つのシノドス(全世界代表司教会議)に、修道会からも参加者があったが、男子修道者には決議案への投票が認められたのに、女子修道者には認められなかったことを指摘。「以前は、性による差別の理由が『ミサ典礼を主宰できない』ことでしたが、今回は何が理由にされるのでしょうか。男女の性で残された識別可能な唯一の違いは、純粋に生物学的、解剖学的な差でしょう」と改めて教会の後進性を批判した。

 そして、教会が今後取るべき対応として、虐待に関して、被害者と加害者が共に癒しと審判を受けられるような、正義が力を取り戻すモデルを受け入れるよう、教会に促し、「正義の回復モデルは、自分の行動に結果があるのを否定しませんが、正義は常に真実、慈悲、愛によって鍛えられます… 正義は、神と自分自身、そして他者との正しい関係のすべてを取り戻そうと努めます。慈善と社会正義は家庭で始まり、兄弟姉妹を助けるより良い方法を確立する必要があります。当然ながら、それは性的虐待の被害者から始めて、加害者にも手を差し伸べるものです」と続けた。そして、「個人的な精神的障害は、制度的な精神的障害を引き起こします。”虐待のサイクル”が続かないように、”自傷行為”を認識せねばなりません」と付け加えた。

 最後にシスター・キグサは、二つのアフリカ的な概念を示した。一つは「Sankofa」-過去から学ぶことを象徴する言葉ー、もう一つは「 ubuntu」-思いやりと人間性を意味する言葉だ。「これらの言葉は、世界中のカトリック信徒にとって最も苦痛で不和を引き起こす懸案の一つを潜り抜け、世界の教会が未来図を描くのに役立つでしょう」と説明した。

 「私たちが生まれ、形成され、繁栄するのは共同体においてであり、私たちが癒され、和解し、神、自分自身と互いの正しい関係を回復するのは共同体ー一人一人に席があり声を上げる、全てを包含する教会ーにおいてなのです」と締めくくった。

 講演の後で、彼女と一緒に写真を撮ろうと神学生の一団が集まった。彼女は彼らに感謝しつつ、こう警告した。「あなた方は私の話を聞きました。だから、私に説明する責任がありますーあなた方が誰かを虐待しているという話は聞きたくありません!」

 

 

2019年12月7日

・イエズス会の前チリ管区長が性的虐待で司祭職はく奪に(LaCroix)

(2019.12.4 LaCroix Xavier Le Normand) チリにおける聖職者による未成年性的虐待のスキャンダルはまだ終息を見せていないようだ。バチカンで聖職者による性的虐待問題を担当する教理省は4日、チリの元イエズス会管区長、ユージェニオ・バレンズエラ・ラングの司祭職を性的虐待の罪によりはく奪したことを明らかにした。

 イエズス会が出した会員除名に関する声明では、バレンズエラはチリで2008年から2013年にかけてイエズス会管区長を務めた。チリのイエズス管区への書簡で、イエズス会のアルトゥーロ・ソーサ総長は、「職権乱用と性的犯罪を犯した」を犯したとしてバレンズエラの告発を検討していると伝えた。

 バレンズエラに関する訴えは2013年に出され、翌年から調査が行われたものの、容疑を裏付ける事実は発見できずにいたが、昨年になって新たな訴えがバレンズエラついて出されていた。

 チリのカトリック教会では、有名司祭らの未成年に対する性的虐待とそれを高位聖職者が組織的に隠ぺいしていたことが昨年明るみに出た。同年5月、教皇フランシスコがチリの司教団をローマに召喚して虐待の問題について話し合った際、司教全員が教皇フランシスコに引責辞任を申し出た。うち数人の辞表が受理されたものの、後任候補の司教にまた問題が起き、就任を辞退するという事態を招くなど、教皇からチリの教会全体に問題がある、と厳重注意を受けていた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。

LA CROIX international is the premier online Catholic daily providing unique quality content about topics that matter in the world such as politics, society, religion, culture, education and ethics. for post-Vatican II Catholics and those who are passionate about how the living Christian tradition engages, shapes and makes sense of the burning issues of the day in our rapidly changing world. Inspired by the reforming vision of the Second Vatican Council, LCI offers news, commentary and analysis on the Church in the World and the world of the Church. LA CROIX is Europe’s pre-eminent Catholic daily providing quality journalism on world events, politics, science, culture, technology, economy and much more. La CROIX which first appeared as a daily newspaper in 1883 is a highly respected and world leading, independent Catholic daily.

2019年12月6日

・アルゼンチンで聖職者2人が未成年聴覚障碍者への性的虐待で懲役40年以上の実刑判決

(2019.11.28 カトリック・あい)

 教皇フランシスコの故郷、アルゼンチンで複数の聖職者が自身が責任者を務める聴覚障碍者の学校で卑劣な未成年性的虐待をはたらいたとして現地の裁判所から有罪判決を受けたことが明らかになった。

 AP通信がアルゼンチンのメンドーザ市発で伝えたもので、同市の裁判所は25日、同市郊外のルハン・デ・クージョにあるアントニオ・プロヴォロ聴覚障害児研究所で同所に収容されていた犯行当時未成年だった男女の聴覚障碍者10人に性的虐待したとして、責任者のニコラ・コラディ神父(83)に懲役42年、オラシオ・コルバチョ神父(59)に懲役45年の、それぞれ実刑判決を下した。同所の庭師をしていた庭師のアルマンド・ゴメスにも同様の罪で懲役18年の判決が言い渡された。

 3人を起訴した検察当局の調べでは、男女の児童たち(当時)は神父たちから施設の寮や学校のトイレで触れられ、強姦され、ポルノ画像を見ることを強いられた、と証言。コルバチョ神父のパソコンには裸の少女の写真が入っており、少女をおとなしくさせるために使ったとみられる鎖も見つかった、という。

  コラディ神父は、以前イタリアにいた約10年前にも、ヴェローナにある姉妹施設で同様の犯罪行為をはたらいたとして告発されていた。この時は、24人の司祭、修道士、信徒が67人の児童たちを性的に虐待したとして告発され、カトリック教会のヴェローナ教区は被害者に謝罪し、24人を処分していたにもかかわらず、コラディ神父は処分対象に入っていなかった、という。

 司教を含む聖職者による性的虐待を追及しているオンライン・データベースBishopAccountability.orgの共同設立者、アン・バレット・ドイル氏はAP通信の取材に対して、「アルゼンチンの裁判所は、プロヴォロに心身友の虐待された子供たちに、カトリック教会が与えなかった正義の尺度を与えました」と今回の判決を評価。

 「”プロヴォロに関する問題”は二つあります。彼が子どもたちを拷問したこと、そして、それを教会が防げなかったこと、です。この犯罪を知っていたはずの現地の大司教はじめ教会指導者たちに対しても捜査を始めるべきです」と主張し、さらに、「教皇ご自身も、これらの子供たちの想像を絶する苦しみに対する責任を受け入れなければならりません」と述べている。

2019年11月28日