・トリノの聖骸布が今年12月に特別一般公開、多数の青年も巡礼を予定

教皇フランシスコ、2015年のトリノの聖骸布公開で教皇フランシスコ、2015年のトリノの聖骸布公開で  (Vatican Media)

(2020.1.30 バチカン放送 ロビン・ゴメス)

 イエス・キリストを埋葬した際、遺骸を包んだとされる「トリノの聖骸布(せいがいふ)」が、イタリア、トリノで開催されるテゼ共同体のヨーロッパ青年大会に合わせ、今年12月、一般公開されることとなった。今年の公開は、2000年以来、5回目となる。

 信心を集める埋葬布の特別公開は、昨年末、ポーランドで行われたテゼ青年大会の場で、次期大会のトリノ開催が伝えられたことに伴い、トリノのチェザレ・ノシリア大司教によって発表された。(テゼとは、フランスのテゼ村で共同生活をし、一致と平和を祈るキリスト教超教派の共同体)

 「聖骸布」はトリノのカテドラルに安置されている。聖骸布について教会の公式の見解や教えはないが、2015年4月から6月にかけての前回の公開では、教皇フランシスコがこのカテドラルの聖骸布の前で沈黙のうちに祈り、前の広場で行われたミサの終わりに、「聖骸布はキリストの愛のイコン、しるし」として、次のように語られた。

 「聖骸布には、イエスの御顔、鞭打たれ十字架につけられた、傷ついた体が表れ、人々をひきつけます。同時に、すべての苦しむ人、不当に迫害される人、一人ひとりへと心を向けるよう、私たちを促します。それはイエスの愛の贈りものと同じ道を歩むよう私たちを招くのです」。

 これまでも歴代の教皇が、聖骸布公開の折に北イタリアのこの都市を訪れており、1998年、教皇聖ヨハネ・パウロ二世は「この布を取り巻く謎は、本当にイエスを埋葬した布であったのか、信仰と科学のさまざまな問いを投げかける」と述べ、継続的に研究するよう促した。ベネディクト十六世は「聖骸布は、十字架につけられた人の血によって描かれたイコン」と語っている。

 ノシリア大司教は、トリノとテゼ共同体が数十年にわたり育んできた絆を指摘する。トリノを州都とするピエモンテ州の、多くの青年グループは、毎年開催地を変えて行われるテゼの大会、「地上における信頼の巡礼」に参加している。またテゼの祈りの集いもたびたびトリノで行われている。

 トリノの教会は、同市が初めて迎える「地上における信頼の巡礼」の何千人もの若者を家庭や修道院に迎えるため、準備を進めている。ワークショップや交流イベントのほか、聖骸布について祈り、深める時も持たれる。

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2020年2月5日