・ナイジェリアで武装集団がカトリック学校の児童・生徒、教職員300人以上を拉致、米政府は制裁検討

Over 300 students kidnapped from Catholic school in NigeriaOver 300 students kidnapped from Catholic school in Nigeria 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年11月23日

・「AI時代におけるカトリックの教育者、そして大学の役割、連携の必要」-国際カトリック大学連盟など主催の国際会議

The international congress in Salamanca, Spain, on “Internal Communication in Catholic and Pontifical Institutions: limits and challenges”The international congress in Salamanca, Spain, on “Internal Communication in Catholic and Pontifical Institutions: limits and challenges” 

 ティグ司教はまた、特に専門知識が不足する分野において「アルゴリズムには常に意見や方向性が内在している。AIが生成する結果に盲目的に追従すべきではない。教会は、AIの利用に関する世界的な議論に参加しなければなりません」と強調。AIの可能性を称賛する一方で、「人間性を育む存在となり得る能力を見分けて行かねばなりません」と語った。

 そうした中で、カトリック大学は、「教育と育成という使命を通じて、世界に貢献するまたとない機会を手にしている… 科学的文化と人文的文化を融合させること。カトリック大学がネットワークを構築し、協力すれば、より大きな成果を上げることができる。AI に関して、学際的かつ分野横断的なアプローチが必要です… 神学と哲学が AI 分野において関連性を見出し、重要な役割を果たすことができます」と強調した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年11月15日

・「シリアの教会は、死にかけている」-現地の大司教が訴え(Crux)

(2025.10.30 Crux Staff)

 (写真右:ジャック・ムラード大司教=クレジット:ACN)

Archbishop says Church is ‘dying’ in Syria

 シリアのホムス・ハマ・アルナベク教区のジャック・ムラード大司教は、ローマで教皇庁財団「教会支援協会(ACN)」が主催した『世界の宗教的自由に関する報告書2025』発表会で講演し、「シリアの教会はもはや死にかけている」と訴えた。

 シリアでは内戦が数年続き、近年起きた政治的変動の余波で国民が苦しむ中、キリスト教徒は不安を抱えて生活している。昨年、スンニ派イスラム主義勢力がバッシャール・アル=アサド大統領を打倒し、政権を掌握した。

 新政権は宗教的少数派を優遇すると約束したが、非スンニ派に対する攻撃が頻発しており、その多くはアサド政権支持の嫌疑をかけられている。

 ACNの推計によれば、2011年時点でシリアには約210万人のキリスト教徒が居住していたが、2024年にはその数は54万人近くまで減少した。

 ローマでムーラド大司教は「今この瞬間に声を上げることで、祖国に有益となることを願う」と希望を表明。「シリアの教会は、死にかけている… バチカンや現地教会のいかなる努力も、信徒が国から脱出する潮流を食い止めることはできなかった。その原因は教会ではなく、国の悲惨な政治的・経済的状況にある… シリアに明確な政治体制モデルと強固な治安システムを確立しなければ、移民の波を止めることはできない」と訴えた。

 大司教は「シリア国民は今も暴力や報復、悲劇的で遺憾な出来事に苦しめられており、この流血を終わらせる、という国際社会の主張や民衆の要求をすべて損なっている… 我々はますますアフガニスタンに似てきている。まだあのレベルの暴力はないが、そう遠くないところまで来ている。人々はあらゆる圧迫にさらされている。宗教的自由を含め、我々がより大きな自由へ向かっていると思ってはならない」と続けた。

 シリアのアハメド・アル・シャラーア大統領は26日にダマスカス旧市街の聖母マリア教会を訪問し、国内のキリスト教徒の状況について協議、少数派宗教の保護を確約している。

 大司教は講演で、イスラエルとの和平条約の可能性にも言及した。この条約では、1967年の六日戦争でイスラエルが占領し、1981年に併合した係争地ゴラン高原が割譲されることになっており、「そうなれば、首都ダマスカスの住民は水源を奪われ、”奴隷状態”に陥る」とし、「このような条約を誰が受け入れるだろうか?双方の決定が公平であることを保証すべき人権の価値観はどこにあるのか?」と問いかけた。

 そして、世界の国々や国際機関に対して、「シリア情勢に対し明確な立場を取ること』を求め、シリア国内で活動する全ての地域・国際機関・組織に対し「文化団体、学校、大学、研究所と連携し、社会に蔓延する恐怖を克服するとともに、司法の独立と正義の確立における立法の役割に関する研修コースを組織すべきだ」と訴えた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2025年10月31日

・戦争で荒廃したスーダンで2500万人が飢餓状態に飢餓が”武器”化している

(2025.10.8 Crux |Africa Correspondent Ngala Killian Chimtom)

2025年10月9日

・聖公会の最高位聖職者、英カンタベリー大主教に史上初の女性任命―前任者の少年虐待問題による辞任受けて、女性助祭も認めないカトリック教会と大きな差

(2025.10.5  カトリック・あい)

 日本では4日、自民党総裁に高市早苗氏が選ばれ、日本の憲政史上初の女性首相誕生が確実となったが、世界に約8500万人の信者を抱える英国国教会(聖公会)では、3日に聖職者で最高位のカンタベリー大主教に聖公会史上初の女性が誕生することになった。内部に実現を強く望む声が出ながら未だに女性の助祭さえ認めないカトリック教会は、少なくとも教会における女性の地位に関する限り、一段と大きな後れをとることになったようだ。

 カンタベリー大主教に任命されたのは、サラ・ムラーリー・ロンドン主教(63)。聖公会幹部らによる委員会が指名、名義上のトップ、英国のチャールズ国王が3日承認した。来年3月に就任する。

 英国国営放送BBCによると、英国のスターマー首相は、「彼女の成功を心から願っている。共に働けることを楽しみにしている」と述べ、バッキンガム宮殿によると、チャールズ国王は、ムラ―リー師の大司教就任は「英国と世界の聖公会共同体にとって極めて重要なものだ」と述べ、祝意を表わされた、という。

 
 聖公会では、前任のウェルビー大主教が同教会関係者が多数の少年に虐待を繰り返した疑惑への対応を怠ったとして批判され、責任を取る形で昨年11月に辞任し、これまで約1年、ポストが空席となっていた。ムラ―リー新大主教には、国教会の信頼回復に向けた対応が求められる。  

 ムラ―リー師は、既婚者で2人の子供を持つ。英国の国民保健サービス(NHS)に35年以上勤務し、1999年に史上最年少でトップのCNO(看護主任)となり、2006年に牧師に叙階。2018年に英国国教会で3番目に高い職位であるロンドン主教に、女性として初めて就任した。

 シビルパートナーシップ(法律で認められた婚姻に相当する「事実上のパートナー関係」を指し、同性カップルが結婚に準ずる法的権利を得ること)や結婚における同性カップルの祝福を認めるなど、いくつかの点でリベラルな措置を支持してきたこともあり、聖公会の保守派グループは彼女の大主教就任について、「歓迎する者もいるだろうが、聖公会共同体の大多数は、聖書が男性のみの主教職を求めていると今なお信じている」などと批判した。

 これに対して新大主教は、声明で「希望と癒しを見い出すために人々を一つにしたい… 私は非常に単純に、教会が成長し続けるよう働いていきたい」と述べ、前任者の辞任の原因となり、教会に「深い傷と不信の遺産を残した児童保護の失敗」に向き合うことを約束し、「教会内での役割に関係なく、私たちは皆、自らの行動に光が当てられることを受け入れなければならない」と語った。

 新大主教は、また2日にマンチェスターのシナゴーグで発生した「恐ろしい暴力」について、「私たちは、地域社会の亀裂から立ち上る憎悪を目の当たりにしている」とし、「私たち教会は、あらゆる形の反ユダヤ主義に対して、ユダヤ人コミュニティーと共に立つ責任を負っている。どのような種類の憎悪や人種差別も、私たちを引き裂くことは許されない」と語っている。

2025年10月5日

・「虐殺を止め、平和を!」ーコンゴ東部から「国境なき宣教師家族」が叫び

Houses lie in ruins after militants attacked the village of Ntoyo, in the Democratic Republic of CongoHouses lie in ruins after militants attacked the village of Ntoyo, in the Democratic Republic of Congo 

*日常的な暴力と避難民

 

 ントヨ襲撃後、約2500人の住民が7km離れた鉱山集落マンギュレジパへ避難した。同地にはコンゴ軍部隊が駐留し、2021年以降はウガンダ軍も展開している。

 ブテンボ出身のジャスティン・ムヒンド・マシンダは「2014年以降、ほぼ毎日、毎週のように虐殺が起きている」と語る。彼が所属する団体「国境なき宣教師家族」は北キヴ州で教育・保健・人道支援プロジェクトを展開しており、故郷のントヨ村も対象地域だ。先週の襲撃で彼の自宅は焼失した。現在は親族を含む新たに避難してきた23人を保護している。

 「伝統的に遺族を支えるために人々が集まる喪に服す日々だった」と彼はVatican Newsに語った。「夕方になると『テロリスト』たちがライフルとハンマーで武装して現れ、殺戮を始めた」。ADFの暴力は「長年にわたり」北キヴ州と東部地域を荒廃させてきたと彼は述べた。動機については、M23との連携による鉱物(特に金とコルタン)の略奪などが様々な説として挙げられている、と付け加えた。

*襲撃の経緯

 

 「日曜日にブテンボで避難民全員と面会した」とジャスティンは続けた。「証言は恐ろしいものだった。彼らが生き延びたのは奇跡だ。家屋が炎上する中を脱出した者もいた。テロリスト集団は非常に大規模で、兵士のような服装の女性や子供を含む約70人だった、という。村人の名前まで知っていたことから、事前に村を監視して住民に気付かれずに配置を把握していたことがうかがえる。

 ジャスティンは、ここ数日近隣の村でも同様の襲撃が発生していることを指摘した。これは7月にイトゥリ州コマンダのカトリック教会で、聖体礼拝中の信者や若者たちが襲撃された事件を含む、広範な暴力のパターンの一部だ。教皇レオ14世はその地域社会に対し、深い悲しみと連帯の意を表明し、これらの「殉教者」たちの血が「コンゴ国民全体にとって平和、和解、友愛、愛の種となる」よう祈りを捧げた。

*「何よりも必要なのは『平和』だ」

 

 「人々に必要なのは平和だ」とジャスティンは語る。「平和があってこそ、私たちは学び、医療を受け、発展を考えられる。平和がなければ、畑に出て農作業もできない。多くの子供たちが学校に通えない。多くの病院や保健センターが破壊されている。指導者たちや国際社会に訴えたい。ただ『平和をもたらす。もう誰も殺されない』と言ってくれる人が必要だ」と訴えた。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2025年9月20日

・8年間で6000人以上が殺され、100万人が家を追われるモザンビーク北部州に、教皇、安全と平和を祈る

Women carry food distributed by the UN's World Food Programme, Cabo DelgadoWomen carry food distributed by the UN’s World Food Programme, Cabo Delgado  (AFP or licensors)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年8月26日

・「治安当局は市民を保護せず、武装勢力が私たちの州を危険にさらしている」—コンゴ・ブニア教区の司祭76人が和平求める共同声明

76 priests of the Diocese of Bunia issue a statement stressing that the “ongoing violence is endangering our province"76 priests of the Diocese of Bunia issue a statement stressing that the “ongoing violence is endangering our province”  (AFP or licensors)

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年8月24日

・イタリア、スペイン、ラテン・アメリカ、そして聖地、パキスタン、アフリカの教会が「平和のための祈りと断食の日」に参加

(2025.8.22 Vatican News   Valerio Palombaro) 

2025年8月23日

・イタリアの司教団、22日の「平和のための祈りと断食の日」に参加表明

(2025.8. 21  Vatican News   Deborah Castellano Lubov)

 教皇レオ14世が20日の水曜恒例一般謁見で、ウクライナ、ガザなど戦争に苦しむすべての地域で「武装解除と非武装の平和」が実現するために、8月22日(天の元后マリアの日)を祈りと断食で心を合わせる日とすることを発表、世界の信者たちに参加を呼びかけられたが、イタリア全土の教会がこれに参加することになった。

 ローマ大司教代理のバルド・レイナ枢機卿は21日の声明で、ローマ大司教区はこの教皇の呼びかけに賛同し、すべての信徒の参加を求めるよう求めた。またイタリア司教協議会会長のマッテオ・ズッピ枢機卿(ボローニア大司教)も、教皇の呼びかけに倣うことを表明した。

 レイナ枢機卿は声明で「紛争と暴力に満ちた今の時代に、私たちは、苦しむ人々の涙、罪のない人々の痛み、正義と和解を望むすべての人の希望を、聖母マリアに信頼して委ねます。私はすべての共同体、教区、家族、そして個々の信者に対し、この日に参加するよう呼びかけたい。断食を、簡素さと信仰をもって実践し、祈りで養われるものとし、私たちの団結のしるしとなり、平和の捧げ物となるように」と呼びかけ、「平和の君である主が、私たちを諸民族の調和と希望の建設者としてくださいますように。そして、教会がこの日に特に記念する平和の女王マリアが、私たちをとりなし、人類が和解と一致への旅路を歩むよう伴ってくださるように」と祈願した。

 また、ズッピ枢機卿も21日、「私たちは聖父の心からの呼びかけに賛同します。暴力、憎しみ、死の状況が継続していることは、私たちに武装しない平和、武装解除する平和のための祈りを強化するよう迫っている。平和の女王である聖母マリアに、すべての民から戦争の恐怖を取り除き、政治的・外交的責任を負う人々の心を照らすよう懇願します」と述べた。さらに、「平和は精神的なユートピアではない。それは謙虚な道であり、忍耐と勇気、聴き合いと行動で織り成される日々の小さな行為から成るものです。そして、今日ほど、私たちの警戒心と創造的なあり方が求められている時はありません」と強調した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2025年8月22日

・欧州カリタスの代表団がロシアの攻撃続くウクライナ現地を訪問、支援継続を確認

(2025.7.26 Vatican News  Linda Bordoni)

 欧州カリタスのランダウ会長らメンバーが、ロシアの攻撃による人道危機が深刻化するウクライナの現地を訪問、連帯と支援継続を確認した。File photo of Caritas Ukraine solidarity operations in war zones

 訪問団は、ウクライナのイヴァノ・フランキフスクとリヴィウを訪問し、現在進められている人道支援プロジェクトを視察した。

 カリタス・ウクライナの会長でカリタス・ヨーロッパの副会長でもあるスタヴニチ氏は、このミッションを「出会い、励まし、計画の瞬間」とし、「欧州各地の多くのパートナーと共に実施されたもの。ウクライナのカリタスと、海外のパートナーとの出会いは、私たちに大きなエネルギーと励ましをもたらしてくれました」と感謝を述べた。

 また、「現地でのカリタス関係者の会議の前日には、ロシア軍による大規模な攻撃があり、会議中にも空襲警報が鳴り、避難区域に移動して情報交換とシナリオ計画の作業を続けました」と危機の実用を説明した。

 欧州カリタスの訪問団は、現地のカリタス・ウクライナなど支援団体がするめている避難所の提供、精神的・社会的な支援、避難民の支援、子どもと高齢者避難民向けのサービス提供などを視察。「これらの出会いによって、現地の人々の苦しみの深刻さだけでなく、共同体社会の強靭さと人道支援の重要さを、改めて認識した」と声明で述べた。

*緊急対応と長期の支援プロジェクト

 スタヴニチ氏は、ウクライナ国内で最大の国内ベースの人道支援ネットワークを構成する2つのカリス組織—カリス・ウクライナとカリス・スペス・ウクライナ—が連携した活動を強調し、「彼らの活動は、緊急対応や避難から、統合と回復を目的とした長期プロジェクトまで、幅広い支援に及んでいますが、私たちが最も力を入れているのは、最も脆弱な人々、独居の高齢者、特別支援を必要とする家族、大家族、シングルマザーなど。基本的な生活物資、衛生用品、水へのアクセス、住宅の修繕、心理社会的支援を提供し、攻撃から離れた地域では、避難民に対する住宅の提供、子どもに優しい空間の確保、生計の回復などの支援を続けています」と説明。

 ロシアによる攻撃の長期化、激化によって、「人々は疲弊していますが、生き続けること、対応すること、互いに助け合うこと、そして生活を再建する強い意欲は失われていません」と強調した。

*資金調達呼びかけ

 ロシアによるウクライナ侵攻開始を受けて始まったカリスネットワークのグローバル資金調達キャンペーンは、現在も活動維持に不可欠な役割を果たしている。「支援を必要とする人々の数は依然として非常に高い水準にあります。国連は2025年までにウクライナで約1300万人が人道支援を必要とするとの推計を発表しています」とスタヴニチ氏は指摘。「ネットワークは可能な範囲で支援を続けてくれており、ウクライナの脆弱な経済状況下でも、カリス会員との二国間プロジェクト、機関からの資金提供、現地での資金調達にも取り組んでいます」と説明した。

 声明で、ウクライナ・カリス・スペスの執行理事であるヴィャチェスラフ・グリネヴィッチ神父は、2025年の聖年における国際的な連帯の重要性を強調。「カリスネットワークによる連帯は、ウクライナにとって特に重要。欧州各地の多くの仲間たちとの心理的距離の近さを感じています。彼らの支援と存在は、私たちに力を与え、この困難な時代に一人ではないことを思い出させてくれます」と述べた。

*国際支援の減少への懸念

 一方で、欧州カリタスのランダウ会長は、ロシアによる攻撃の長期化や世界の他の地域での紛争多発などで、国際的な支援が減少を始めていることに懸念を表明。「ウクライナにおけるカリタスは大きな課題に直面しています。支援の必要性は巨大で増加し続けているが、欧州を含む多くの国際的な支援が減少し始めています。これは非常に懸念されること。ウクライナの人々は、今こそ私たちの連帯を必要としています」と訴えた。

 スタヴニチ氏も、「東部ウクライナから避難する人々は極めて脆弱です。多くは高齢者や移動困難な人々で、避難の支援、攻撃下にある人々への支援、すべてを失った人々への長期的な住宅解決策が継続的に必要です」とし、「帰る家がない人が今、何百万人といます。人々が住む場所を見つけ、仕事に戻り、最終的に人道支援から持続可能な生活へ移行できるよう支援する必要があります」と強調した。

*連帯と信頼の再構築

 そして、「連帯は、人道支援従事者と彼らが支援する人々を支える上で不可欠な役割を果たします。 戦争は人間の顔を破壊し、関係を引き裂きますが、連帯はそれの反対です。癒しをもたらすものです。援助を与える者と受け取る者との出会いに、深い意味があります。それは人間性への信頼を再構築するのです」とスタヴニチ氏は述べ、「私たちために祈り続けてください。2022年、私たちは世界の祈りの力を感じました。その祈りが止まらないようお願いします。そして、情報を収集し続けてください。第三に、関与してください。ウクライナを支援し、カリスや教会組織を通じて支援活動を支えてください」と訴えている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年7月27日

・「民間人の飢餓は戦争犯罪」ー国際カリタスなど世界の111の援助・人権団体がガザ「封鎖」を非難。即時停戦、人道支援への制限解除を要求

(2025.7.24 Vatican News Christopher Wells)

 100以上の援助・人権団体(主に援助・人権団体)は23日、共同声明を発表、ガザで飢餓が蔓延する中、各国政府に対し、即時かつ恒久的な停戦の実現と人道支援の流入に対するあらゆる制限の解除などを含む行動をとるよう求めた。

 国際カリタスを含む111の人道支援団体が署名した声明は、イスラエル政府によるガザ「封鎖」を非難し、各国政府に対し、すべての陸路の通過地点を開放し、「原則に基づいた国連主導のメカニズムを通じて」ガザへの食料、水、医薬品、住居用品、燃料の流入を再開し、封鎖を終結させ、即時停戦に合意するよう強く求めている。

 声明は、ガザの食糧配給所でほぼ毎日「虐殺」が発生していること、国連が食糧を求めて殺害されたパレスチナ人875人と負傷者数千人を認定したこと、を指摘。「イスラエルの最新の避難命令により200万人以上のパレスチナ人が避難を余儀なくされている」と述べ、現状では活動が「維持不可能」であるとする世界食糧計画(WFP)の警告を強調している。

 さらに、「民間人の飢餓は戦争犯罪である」と言明。援助団体によると、ガザ地区外の倉庫、そしてガザ地区内にさえ、民間支援に使用できる大量の物資があるにもかかわらず、人道支援機関はそれらへのアクセスや配送を阻止されている、とし、「イスラエル政府による制限、遅延、そして完全封鎖下での分断は、混乱、飢餓、そして死を生み出した」と声明は述べ、「国連主導の人道支援システムは機能不全に陥ったのではなく、機能停止に追い込まれたのだ」と非難。EUとイスラエルの約束にもかかわらず、「現地で真の変化が見られない限り、これらの約束は空虚なものとなる」と声明は述べている。

 また声明は、「今こそ断固たる行動を起こす時だ」と訴え、即時かつ恒久的な停戦、官僚的制限の撤廃、陸路の通過地点の開放、そしてガザ地区のすべての人々へのアクセスの確保を要求。「軍主導の物資配給モデル」の拒否と「原則に基づいた国連主導の人道支援」の復活、そして「原則に基づき公平な人道支援団体」への継続的な資金提供を求める一方、各国に対し、武器弾薬の移送停止を含む、封鎖解除に向けた具体的な措置を講じるよう訴えている。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

2025年7月25日

・「人命の尊厳を守る手段が失われる!」英国にある世界有数のカトリック系生命倫理研究機関が閉鎖に

(2025.7.3  Crux  Managing Editor   Charles Collins)

  世界有数のカトリック系の生命倫理研究機関の一つが、今月末に閉鎖される。イングランド・ウェールズ・カトリック・トラストは3日、オックスフォードにある「アンスコム生命倫理センター」を閉鎖すると発表した。(理由は明らかにされていない。)

 同センターは1977年に設立された英国最古の生命倫理研究機関。豪シドニーのアンソニー・フィッシャー大司教は「英国屈指のキリスト教系生命倫理研究所であるだけでなく、キリスト教系、世俗系を問わず、世界でも最も優れた研究所の一つ」と語っている。

 センター長のデイビッド・アルバート・ジョーンズ教授は声明を発表し、その中で閉鎖の発表を「深い悲しみ」とともに受け止めている、とし、「センター職員一同は、センターが創出してきた資源を引き続き利用できるように、そして『人間の尊厳を全面的に尊重する生命倫理研究と教育』という重要な活動を継続していくための何らかの手段が見つかることを切に願っている」と訴えた。

 また教授は、「過去1年間、センターの活動の大部分は、スコットランド、イングランド、ウェールズにおいて、『末期』とみなされる人々に対する『自殺の助長・幇助』を非犯罪化しようとする試みを抑えることに注力してきた。私たちの活動は議会で引用され、この問題に関心を持つ多くの人々への情報提供に貢献してきた」としたうえで、「多くの善意ある人々の努力にもかかわらず、スコットランド、イングランド、ウェールズにおいて、自殺幇助法案は、若干の多数票を取り、成立に向けて進んでいる。センターは今後新たなリソースを提供する立場にはないが、既に提供済みのリソースを活用し、スコットランド議会の貴族院が危険で思慮に欠ける法案の議論を続ける中で、関係機関と連携していくよう強く求めたい」と強調した。

 同センターと深い関係をもつ人物は、「今回の決定は、センターで進行中のプロジェクトや協力関係を危険にさらす」と述べ、「センターは非常に積極的に活動しており、特に自殺ほう助との闘いにおいて活発だった。センターがなくなることは、教会が学術に根ざしつつも、より広範な国民や政策立案者に対して訴えかけることができる重要な擁護の源泉を失うことを意味する」と批判している。

 新教皇、レオ14世は、在バチカンの外交団に「胎児から高齢者、病人から失業者、市民から移民まで、特に最も虚弱で弱い立場にある人々を含む、すべての人の尊厳を尊重に努める義務から、誰も免除されない」と述べ、テクノロジーの変化、特にAI(人工知能)の台頭は、カトリック教会の大きな懸念事項だ、と指摘している。

 英国のカトリック教会は今、これらの問題における最も有力な擁護者の一人を失うことになるだろう。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

2025年7月6日

・世界の諸宗教代表の「平和に関する円卓会議」東京で開催、世界的危機へ諸宗教の信頼関係構築と人道支援で政治指導者との連携など協議

The Third Tokyo Peace Roundtable organized by Religions for Peace InternationalThe Third Tokyo Peace Roundtable organized by Religions for Peace International 
2025年7月5日

・アジア、アフリカ、ラ米の司教協議会連盟などが共同で、COP30に向けて”気候正義”と”共通の家”への呼びかけ

(2025.7.1 Vatican News   Isabella H. de Carvalho )

 アジア、アフリカ、ラテンアメリカの各司教協議会連盟と教皇庁ラテンアメリカ委員会が1日、今年11月にブラジルで開かれ国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)に向けて、気候正義と環境への回心を呼びかける共同文書を発表した。共同文書は、教会の「気候正義」への誓約を改めて表明し、今年で公布10周年を迎える教皇フランシスコの回勅『ラウダート・シ』に沿って、各国政府に行動を呼びかけている。

 

 

*タイトルは「気候正義と共通の家への呼びかけ:エコロジーへの転換、変革、そして誤った解決策への抵抗」

 

 「気候正義と共通の家への呼びかけ:エコロジーへの転換、変革、そして誤った解決策への抵抗」と題する共同文書は1日のバチカンでの記者会見での発表とともに、教皇レオ14世にも手渡された。記者会見の冒頭で、アジア司教協議会連盟(FABC)会長のフィリペ・ネリ・フェラン枢機卿は、「私たちのメッセージは外交的なものではなく、極めて司牧的なもの。地球を単なる商品のように扱い、被造物を食い尽くそうとする体制に直面し、良心への呼びかけです」と述べた。

 記者会見には、フェラン枢機卿と共に、ラテンアメリカ・カリブ海司教協議会連盟(CELAM)会長のハイメ・スペングラー枢機卿、アフリカ・マダガスカル司教会議シンポジウム(SECAM)会長のフリドリン・アンボンゴ・ベスング枢機卿、教皇庁ラテンアメリカ委員会事務局長のエムリス・クダ枢機卿が出席しました。

 クダ枢機卿は「私たちは、被造物に対する各地で起きている戦争の真っ只中にあって平和を築くために、COP30に参加します。戦争では多くの人が命を落としており、私たちが今、行動を起こさねば、さらに多くの人が命を落とすことになるでしょう… 私たちがCOP30に参加するのは、教皇レオ14世が述べておられるように、教会が『常に、特に苦しむ人々に寄り添おうと努める』ためです」と説明。

 

 

*アマゾンからアフリカまで、教会は声を上げる

 

 またスペングラー枢機卿は「私は声を上げていますが、それは私だけのものではありません。アマゾンの人々、土地の殉教者たち、つまり気候の殉教者たち、そして川辺の先住民、アフリカ系住民、農民、そして都市のコミュニティの声です」と述べ、「生活様式、生産、消費における変革の必要性を緊急に認識する必要があります」として『グリーン資本主義』や『移行経済』といった名目で経済的利益を”隠蔽”することや、アマゾンで新たな油井を掘削することを非難、「『自然の金融化』というような仕組みを、教会は拒否します」と強調した。

 アンボンゴ枢機卿も、「何世紀にもわたる搾取、奴隷制、搾取によって貧困に陥った」アフリカ大陸の教会の名において語り、「武装集団の増殖の根源に、鉱物資源の採掘競争がある」と指摘。「アフリカの人々を犠牲にして他者を豊かにすることのない経済」を求め、「アフリカは、全人類にとって正義と平和の未来に貢献したい… ”偽りの解決策”はもうたくさんです。気候崩壊の最前線にいる人々の声に耳を傾けずに下される決定は、もうたくさんです」と訴えた。

 フェラン枢機卿は、アジア大陸の観点から、「台風、強制移住、島の喪失、河川の汚染など、気候変動の壊滅的な影響に何百万人もの人々が苦しむ一方で、巨大インフラ、人間の尊厳を尊重しない『クリーン・エネルギー』のための移住、そして『グリーン・バッテリー』の名の下に行われる無情な採掘といった”偽りの解決策”が進んでいます」と批判。 「豊かな国々は、南半球諸国に負債を負わせ続けず、自国の環境負債を認識し、返済すべきです」と訴え、教会として、「教育プログラム」「新たな経済的道筋」「最も影響を受けやすい女性と女児の支援」といった代替案を推進する意思を表明した。

 

*教皇フランシスコの遺産

 

 バチカンの総合人間開発省長官のマイケル・チェルニー枢機卿は、この文書がフランシスコ教皇の遺産と深く結びついていることを強調。「10年前、この記者会見が教皇回勅『ラウダート・シ』の成就と実践であると想像できた人はいたでしょうか。これは、教皇フランシスコが訴えてこられたこと、そしてレオ14世教皇が強調され、呼びかけを続けておらえることを、強く表明したものであり、このような文書が取りまとめられたことに感謝した」と語った。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二

 

2025年7月2日