菊地・新潟司教の日記⑬‶若者シノドス”に向けて・「小共同体育成」秋田地区信徒の集い

2017年6月28日  来年のシノドスに向けて

   来年、2018年の10月に、バチカンにおいてシノドス(世界代表者司教会議)が開催されます。第二バチカン公会議以降に始まった世界から司教の代表を集める会議ですが、今回はその通常総会の15回目となります。テーマは「若者、信仰そして召命の識別」とされており、日本の司教協議会の代表は、札幌教区の勝谷司教です。

 こういったシノドスの開催前には、バチカンのシノドス事務局によって準備書面が用意され、期限が定められて各国の司教団に回答が求められ、その回答をもとに、実際の会議の基本となる作業文書が定められるという手続きがあります。今回は、教皇様の意向もあり、「出来るだけ多くの方の意見を聴取したい」として既に各国語で準備書面が発表され、様々な質問事項が添付されています。準備書面の日本語訳は、こちらのリンクの中央協議会サイトで公開されています。A4で30ページです。

 質問事項については、それぞれの国の状況に応じて回答することが求められているので、司教協議会の事務局が作成しました。この質問への回答に基づいて、参加する勝谷司教が日本の報告をまとめることになります。すでに新潟教区で働いている神父さま方には、先日の胎内における司祭の集いでお願いしたところですが、できる限り多くの方に回答を寄せていただければと思います。すべての設問ではなく、ご自分に関係のある一部で構いません。質問事項はこちらのリンクです。

 回答は直接メールで送付できるようにも記してありますが、大量になると混乱することも予想されますので、ご自分の回答を主任司祭にお持ちになる方がよろしいかと思います。7月末が勝谷司教のもとに必着の締めきりです。「若者、信仰そして召命の識別」というテーマに関心のある新潟教区の信徒の方々、是非、シノドスの質問事項に挑戦してみてください。

 なお、バチカンの2018年シノドスの公式サイト(英語)も開設されました。興味のある方はどうぞ、こちらのリンクから、ご覧ください。このサイトからは、英語などのバチカン側で準備されている言語であれば、直接回答を送ることも出来るようです。

 2017年6月26日 秋田地区信徒の集い@土崎教会

  第27回目となる、新潟教区の秋田地区信徒の集いが、昨日、6月25日の日曜日、午前11時から午後3時まで、秋田市内の土崎教会を会場に開催されました。秋田地区には、北から、鹿角、大館、能代、秋田、土崎、本荘、横手の小教区がありますが、そこから170名の信徒の方が参加されました。

 秋田地区は全体が神言会に宣教司牧が委託された地区となっていおり、神言会の司祭団も参加。教区の中で常に一番若い司祭が働いているのも、秋田地区の特徴です。会場は、先日竣工式を迎えたばかりの、こども園の新しい園舎二階ホール。これまでの幼稚園は、聖堂や司祭館と同じ敷地内にありましたが、こども園の新園舎は隣接する用地に新築されました。

 今回の信徒の集いは、小共同体の育成をテーマに、これまで長年にわたって長崎教区で小共同体作りに取り組んでこられた信徒の長野宏樹さんを講師として招きました。長野さんは長年、長崎教区の事務局で信徒養成を担当して働かれ、現在は26聖人記念館の副館長を務めておられます。神言会が担当する長崎市内の西町教会の信徒の方で、わたし自身も司教になる前、名古屋教区で7年ばかり、信徒養成委員会のメンバーとして小共同体の育成についての出前研修などを行ってきたこともあり、その後も、長野さんからいろいろと資料をいただいたりしていたこともあって、興味深くお話を伺いました。

 長野さん自身も言われたように、小教区は「様々な役割を担った多くの小共同体が集まって一つの共同体を生み出している」のが理想的であり、その小共同体は単に機能を果たす集まりではなく、御言葉を中心にした分かち合いの共同体でもあることが理想です。しかし、どこでも簡単に実現できるものではなく、一朝一夕に実現できるものでもありません。長野さんは講話の中で「実現には40年はかかる」と言われましたが、私もそう思います。

 長野さんが紹介くださった手法は、FABC(アジア司教協議会連盟)の信徒局に所属するAsIPA(Asian Integral Pastoral Approach)デスクが長年にわたって導入を進めてきた教会共同体育成の手法。基本的には南アフリカにあるルムコ研究所がアフリカ全土で導入を進めてきた共同体育成の手法を、アジア的に手直ししたものです。ちなみにこのルムコ研究所の現在の所長はガーナ人の神言会員ですが、わたしもガーナで働いていた当時、ルムコの方法を取り入れて、小共同体育成を試みては挫折を繰り返しました。

Akitataikai1702 小共同体育成の基本は「御言葉の分かち合いによる定期的な小共同体の集い」にあります。まず、この「御言葉の分かち合い」がなかなか定着しません。今回も長野さんのお話で紹介されていましたが、いわゆる「セブンステップ(七つの段階)」という方法があります。挑戦されたらいかがでしょう。長野さんが紹介されたものは、もっと具体的な集まりの進め方でしたが、セブンステップについてはこちらに一度書いたことがあります。参照ください。

 信徒数が極端に少ない地域や、家族の中で信徒がお1人だけの場合は、小共同体の御言葉の分かち合いに限界があり、日本の現実に合わせて他の方法を考えなければ難しい、と私は考えています。ただ、御言葉の分かち合いそれ自体を行うことには、意味がありますから、専門家でもある神言会(神の御言葉の修道会)の会員に率先していただければ、と期待しています。

 昼食後、ミサの前に、土崎教会の聖歌隊の皆さんによる、歌劇(?)の披露が。この土崎教会聖歌隊は、なんというか、特別なタレントが集まったグループだと、いつも感心させられますが、今回も、「武士たちの生きる道が、神への道ではなかったか」というテーマの、素晴らしい歌でした。衣装も、なかなか・・・。最後にわたしが司式するミサで終わりとなりました。秋田地区の皆さん、土崎教会のみなさん、ご苦労様でした。

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