英国の成人の過半数が無宗教に、英国国教会信徒は20年足らずで半減(CRUX)

(2017.9.6 Simon Caldwell CATHOLIC NEWS SERVICE/Crux) マンチェスター発―英国のNatCen Social Researchが5日発表した同国における国民と宗教の関係についての調査結果で、成人の半数以上がもはや宗教を信じていないことが明らかになった。

 発表によると、2016年時点で面接調査した成人男女約3000人のうち53パーセントが「無宗教」と答えた。2015年調査では48パーセントで、1983年に調査を始めて最も高い比率になった。無宗教の比率は調査開始字に31パーセントだったが、徐々に高くなっている。

 教会離れが最も顕著なのは、英国国教会で、2000年には「英国国教会信徒だ」と調査対象の30パーセントが回答していたが、今回は15パーセントに落ちた。カトリック信徒は調査開始以来、約30年間、10パーセントで横ばいを続け、キリスト教以外の信仰を持っている比率は1983年の2パーセントから6パーセントに増えている。

 年齢層別では、18歳から24歳の青年男女の71パーセントが無宗教と答え、2015年調査の62パーセントから大幅に増えている。

 調査責任者のロジャー・ハーディング氏は、無宗教者の増加は「宗教を信じる人の長期減少傾向を反映している。特に顕著になっている若者の宗教離れはすぐに変わるとは考えられない」としたうえで、「教会離れは英国国教会で最も顕著だが、この問題は、すべての宗教関係者が深刻に受け止めるべきだ」と訴えている。

(翻訳・「カトリック・あい」南條俊二)

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2017年9月7日