・紛争続くカメルーン西部で武装集団が90歳の枢機卿を拉致、翌日解放

クリスチャン・トゥミ枢機卿クリスチャン・トゥミ枢機卿 

(2020.11.6 バチカン放送)

 アフリカ中部のカメルーンで、11月5日、クリスチャン・トゥミ枢機卿(90)が武装集団に拉致される事件が発生。同枢機卿は、翌6日、解放された。

 同国西部では、政府軍と独立強硬派が紛争を続け、治安が悪化を続けており、先月24日にも主要都市クンバで、銃や刃物で武装した集団が学校を襲撃し、生徒少なくとも8人が死亡、12人が負傷している。

この事件に対し、教皇フランシスコは、深い悲しみを表され、暴力の停止と、若者たちに教育と未来が保証されるようアピールされているが、その後も、武装集団によって何人かの教師が誘拐され、11月5日に解放されたばかりだった。

 トゥミ枢機卿が襲われたのは同国西部のバメンダとクンバを結ぶ道で、現地時間11月5日午後。児童らに学校に行くことを励ましたことが、武装集団の拉致の動機とみられるが、翌6日、解放されたことが現地ドゥアラ教区のサムエル・クレダ司教の声明によって確認された。

 拉致から解放されたトゥミ枢機卿は、1930年生まれ。チャドとの国境に近いカメルーン北部で、貧困問題や民族分裂などの地域問題の第一線に立ってきた。カメルーン北部と南西部の平和推進と、少数派のアングロフォンへの差別反対のために闘ってきた同枢機卿は、2019年、ネルソン・マンデラ賞を受賞している。

(編集「カトリック・あい」)

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2020年11月7日