(2023.4.15 Vatican News Stefan J. Bos )
国際社会の強い非難を無視して、ロシアがウクライナ軍事侵略を続け、16日に正教会の復活祭を迎える両国の信徒たちの暗い影を落としている。
ウクライナ当局によると、軍事侵攻を続けるロシア軍が14日、ウクライナ東部の都市、スロビアンスクのアパート群を砲撃し、2 歳の男の子を含む 9 人を殺害した。
これに対しロシア当局は、ロシア軍が支配するドネツクの町をウクライナ軍が攻撃し、少なくとも 4 人が死亡、10 人が負傷し、負傷者の中に7歳の少女がいた、と主張しているが、第三者による確認はない。
スロビンスクでは、16日日曜日の復活祭を前にした準備が行われていたが、ロシア軍の砲撃で平和な静寂が奪われ、死傷者、行方不明者の救助、捜索で大変な事態となった。
スロビアンスクでは、2 歳の男の子を含む9人の死亡が確認された。この男の子は、瓦礫となったアパートの中から救出されたものの、病院に運ばれる途中で亡くなった。
アパート群に対する砲撃は、プーチン大統領が、ウクライナの軍事侵略にロシアの人々を動員するのを容易にし、兵役逃れのための国外脱出を処罰する法案に署名したのと時を同じくしてなされた。
ロシア当局は現在、米経済紙Wall Street Journalの記者をスパイ容疑で逮捕、拘束しているが、他にもこの悪名高い刑務所には多くの人が収容されており、その扱いが懸念されている。
ウクライナの人々は、正教会の復活祭を迎える中で、攻撃がすぐにも停止し、心身が傷ついた人々が癒されるように祈っている。しかし、スロビアンスクのような事態が繰り返されることを懸念する治安当局は、復活祭を祝おうとする人々に、大規模な祝祭行事への参加を控えるように、聖堂に「不必要に」長くとどまらないように、と警告している。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)