・「唐突な教区の『お知らせ』に違和感、信徒が知りたい情報が皆無」大阪教区との合併に、高松教区の有志信徒たちの声

(2023.8.28 カトリックあい)

 バチカンが15日に発表した大阪、高松両教区の合併は、日本の教会関係者の間に大きな波紋を広げているが、当事者である高松教区の信徒有志の方から、普段から教会の在り方などを真剣に考え、努力している若い信徒、中堅の信徒数人の意見をまとめて送っていただいたので、以下に紹介する。共感の声、あるいは異論、反論を歓迎。公平に掲載します。

 

合併の理由について、まず真摯な説明を聞きたい

 

*バチカンの発表を受けて、高松教区が出した「お知らせ」に違和感を覚える信徒が多いようだ。「新しい教区の設立であり、既存の大阪大司教区と高松司教区との合併ではありません」と言うだけで、あとはバチカンの発表そのまま。社会の一般常識からして、これは合併、あるいは吸収合併以外の何ものでもないが、なぜ、このような事態になったのか、なぜ合併される必要があるのか、信徒にとってに寝耳に水の発表になったのか、”新しい教区”になって、何が変わるのか、現在の高松教区はどのような形になるのか、などの疑問に全く答えていない。いや、答える意思さえないように思われる。

 「日本のカトリック現勢」2023年版によると、高松教区の登録信徒数は4208人で全国16教区の中で最も少なく、しかも主日のミサ参加者は平均で新潟、大分両教区と共に1000人を割り込んでいる。若者や中堅層の教会離れには理由があったのに、そのような訴えに、高位聖職者や教会運営に携わる人々は全く聞く耳を持たないどころか、「そんな信徒は要らん」と言い放つ人物までいたのだ。退任司教をはじめ、関わりを持った司祭、助祭たちに、まず、真摯な説明を聞きたい。

 

 

 

四国の教会を立ち直らせる機会にするために必要なことは

 

*今回の大阪、高松教区の合併は、四国の教会を立ち直らせる機会となる可能性がある。信徒数が減少の一途を辿っている四国の教会を、関西の援助も受けながら立て直す絶好のチャンスだと認識して、早急に動き始めることが大切だと思う。だが、その前に、高松教区の指導者たちは、これまで教区のために尽くしてきた信徒へ、真摯な説明をする必要がある。自分たちが率先して教会活性化に取り組むべきであったのに、何も努力しないどころが、前向きの取り組みをしようとする信徒たちを排除することさえしてきた。それが、今回の合併の根本的原因だと思う。しっかり反省し、合併の機会に、”トップダウン”から”ボトムアップ”の組織に転換することを期待する。

 

”大阪”が高松教区の現状を無視し、信徒を傷つけないか心配

*高松教区が無くなるのは決して良いことではない。 教区内で生じている問題を、合併で誕生する”大阪高松大司教区”が、しっかりと引き継ぎ、解決してくれるのだろうか。”新教区の誕生”という言葉はともかく、実際には弱小な高松教区が 大阪教区の中に組み込まれるわけだ。大阪教区の指導者たちが、高松教区の現状を蔑ろにし、信徒をいたずらに傷つけないか、懸念している。
「新教区の誕生」と言うと聞こえは良いが、率直に申し上げて、地理的にも心情的にも大阪と四国の間にはかなりの距離がある。合併の発表を聞いて私たちが動揺しているように、大阪教区の方々の中にも動揺されている方が少なくないのではなかろうか。 この動揺が、心理的、感情的な”すれ違い”となり、大きな軋轢を生むことがないように、新教区発足前に、まず、両教区の信徒の交流の場を作り、互いを知ることが必要だと考える。そのためにも、高松教区は、合併に備えた人事を行い、まともな信徒すらミサに参加できないような現在の教会運営の体制を改めることを求めたい。

 

“お金を回収する道具”のように扱ってきたのが原因か

 

*大阪教区への吸収合併を選択せざるを得なくなったのは、高松教区の政策の失敗だと思う。私の見方では、教区は、信徒をお金を回収する道具のように扱ってきた。キリストの教えとはあまりにもかけ離れ、善良な信徒を失うことに繋がったと考えられる。「法律に従う行為だ」と言いながら、個人の遺産をその人の意思に反して奪おうとするマフィアのボス的な行動も見られた。 お金を集めるためになりふり構わず権力を振るった結果、人もお金も離れてしまったのではないだろうか。合併されたら、こうした問題、責任が消えるわけではない。まず、真摯な反省の表明を伴った、信頼回復が必要だ。

*{お知らせ」では「新しい教区の設立で… 合併ではありません」としているが、誰が聞いても吸収合併である事は明らかだ。なぜこのような事態になったのか、一切説明がないが、実質的に財政破綻したのが、理由ではないか。率直かつ誠実な説明がないまま、合併されても、信徒の教会離れがさらに進むのではなかろうか。現状を見る限り、教区挙げて信頼に努めることは、残念ながら期待できない。

 

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2023年8月28日