・大陸レベルの”シノドスの道”始まるーまず5日から欧州とオセアニアで、次いで中東、北米、アジアなども

The European continental assembly for the synodal process is taking place in Prague from 5-12 FebruaryThe European continental assembly for the synodal process is taking place in Prague from 5-12 February 

(2023.2.6 Vatican news   Antonella Palermo)

 ”シノドスの道”の大陸レベルの代表司教会議が、欧州とオセアニアで5日から始まった。これに続いて、中東では12日、北米では13日、アジアでは23日、さらにアフリカで3月1日、中南米で3月17日からそれぞれ開かれる予定だ。

 このうちチェコの首都プラハを会場にした欧州の代表司教会議は12日まで一週間の予定で、欧州各国・地域の39の司教協議会の代表を中心に約200人が集まり、まず、各国・地域でのこれまでの”シノドスの道”の成果を確認した。

 バチカンのシノドス事務局は、これまでの世界の司教協議会レベルまでの報告をもとに昨年10月に大陸レベルの歩みのための作業文書と設問を提示しており、欧州レベルのこの会議では、設問への回答も含め、10月の世界代表司教会議のための準備文書に向けて大陸レベルで出された意見、提言をまとめる予定だ。

 この会議の直前に、教皇フランシスコは、アフリカ2か国訪問中の現地の司教たちへの講話で「司教は、”神聖な官僚”でも、”管理者”でも”部族の指導者”でもありません。人々のための”羊飼い”、人々の手を握る”羊飼い”なのです」とされ、シノダル(共働的)な教会の不可欠な側面の 1 つを強調されており、そのためにいかなる努力が必要かも、今回の会議のテーマになりそうだ。

 なお、今回の会議には、司祭、助祭、男女修道士、一般信徒、特に女性と若者の声も反映できるように、オンラインでの参加の機会も作り、約400人の参加を予定している。

 

(2023.2.6 Vatican news   Sr Bernadette Mary Reis, fsp )

 一方、オーストラリア 、ニュージーランド、パプア ニューギニアおよびソロモン諸島、太平洋の4つの司教協議会で構成するオセアニア代表司教会議による”シノドスの道”の大陸レベルの会合は、5日から、フィジー共和国の首都スバで始まった。

 会合では6日、4つの司教協議会がこれまで取り組んだ”シノドスの道”の歩みについて、それぞれがまとめたビデオを紹介。続いて、バチカンのシノドス事務局がこれまでの世界各国・地域の司教協議会による”シノドスの道”の国・地域レベルの歩みについての報告をまとめた大陸レベルにつなぐ準備文書と、準備文書に示された設問に対するオセアニアとしての回答案が、事務局から説明され、各自の検討の時間を経て、意見の交換をした。

 この後、この地域での自然、海や川の環境の現状を実地に知るために、現地見学を実施。25年にわたって砂利の採取が続けられている川のある首都郊外の村では、首都の道路整備のために川砂が採掘され続けたため、水位が低下し、川の流れも変わり、水運で生活している人々、漁業で生活している人は深刻な影響を受けている、という説明を現地の人から受けた。

 フィジーの ロイ チョン大司教は、「私たちが自然に対して行っていることは、長い目で見て、自分自身に対しても行うことになる」という教皇フランシスコの言葉を思い起こし、また、フィジーには、自然とのつながりを表現する神聖で各家族に特有の「トーテム」が多くあるが 「数千ドルを封筒に入れて酋長に渡すと、酋長は『トーテム』のことを忘れてしまう」と比喩を交えて語り、 「私たちにとってより大きな危険は、河川の破壊、生物多様性の喪失、そして持続可能性の喪失です。 村人に相談せずに決定を下す首長もいます。そうして、環境を損なうだけでなく、村の人間関係も損なってしまうのです」と説明した。

 また、海面の上昇が人々の生活に深刻な影響を与えている実情について、アイルランドからフィジーに移り住んだ移民二代目のジェームス・ダン氏から説明を聞いた。氏によると、子供の頃に町まで歩いた土地が、先祖が埋葬されている墓地を含めて5キロにわたって水没しているが、「護岸工事のために資金を供給する努力がされてきましたが、いつも他の目的に回されてしまう」と嘆いた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年2月8日